葬送のフリーレン名勝負「黄金郷ヴァイゼの戦い」のネタバレ解説・考察まとめ
「黄金郷ヴァイゼの戦い」とは、人間を知るための旅を続けるエルフの魔法使いフリーレンの姿を描いた『葬送のフリーレン』で繰り広げられた名勝負の1つ。黄金へと姿を変えた城塞都市ヴァイゼの解放を巡り、フリーレンと彼女の仲間たちが大魔族マハトに挑んだものである。
人類との共存を目指すマハトは、魔族に無い罪悪感という感情を学ぶため、友と呼べるほど親しくなった人間ごと城塞都市ヴァイゼを黄金へと変える。数十年後、ヴァイゼ出身の魔法使いデンケンがマハトの打倒のため動き出し、フリーレンもこれに協力していく。
『葬送のフリーレン』の概要
『葬送のフリーレン』とは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる、“勇者による魔王退治”の後日談を描いた漫画作品。
2020年から『少年サンデーコミックス』で連載され、その独創的な設定と秀逸なキャラクターは読者のみならず同業の漫画家からも高く評価されている。『マンガ大賞2021』大賞、『このマンガがすごい!2021』オトコ編2位、『全国書店員が選んだおすすめコミック2021』2位、『第25回手塚治虫文化賞』新生賞など、多くの賞を受賞している。
勇者ヒンメルと共に魔王を倒したエルフの魔法使いフリーレン。彼らの冒険は10年もの長きに渡るものとなったが、1000年以上の時を生きるエルフにとってはほんのわずかな時間に過ぎなかった。
50年後、ヒンメルがあっさりと寿命で息を引き取った時、フリーレンは自分と比べてあまりに短い時間しか生きられない人間の儚さを改めて思い知り、苦楽を共にした彼のことを自分がほとんど何も知らないという事実に愕然とする。人とは何か、自分にとってのヒンメルとは何者だったのかを今度こそ理解するため、フリーレンは新たな仲間たちと共に旅立っていく。
そのフリーレンが、旅の目的地とする大陸の北の果て「魂の眠る地」(オレオール)を目指す中で立ち寄ることとなったのが、城塞都市ヴァイゼである。
この地は数十年前に黄金郷のマハト(おうごんきょうのマハト)と呼ばれる大魔族によって人も街並みもそのままに黄金化させられており、ヴァイゼ出身の魔法使いデンケンが人生の最後にその解放のための戦いを始めようとしていた。かつてマハトに手も足も出ずに敗れたことのあるフリーレンは、デンケンの試みを「無謀だ」としつつ、諦めるのはいつでもできると彼に協力する。
「黄金郷ヴァイゼの戦い」とは
「黄金郷ヴァイゼの戦い」とは、『葬送のフリーレン』で繰り広げられた名勝負の1つ。黄金へと姿を変えた城塞都市ヴァイゼの解放を巡り、主人公フリーレンと彼女の仲間たちが大魔族マハトに挑んだものである。
人間と魔族という異種族同士の間に生まれた確かな絆と、異種族だからこそ避けられなかった決裂を鮮烈に描き、読者からの評価も非常に高い。この戦いにおけるフリーレンはキーマンにしてサポート役であり、元魔王軍幹部「七崩賢」の中でも最強と呼ばれたマハトの圧倒的な実力と、それに死力を尽くして食らいつく老魔法使いデンケンの悲壮にして勇猛な姿も見所の1つとなっている。
人類との共存を目指すマハトは、「魔族に無い“悪意”や“罪悪感”という感情を知ることこそはその手掛かりになる」と考え、これらの感情を学ぶために城塞都市ヴァイゼの領主グリュックの相棒にして共犯者となる。グリュックに命じられるまま暗殺や外敵の排除などを繰り返し、マハトは汚職にまみれていたヴァイゼを改革していく。しかしグリュックが老いて先が長くないことに気付くと、「悪友たるグリュックを裏切れば、自分を守護者として信頼する人々ごと街を滅ぼせば、自分にも罪悪感が分かるかもしれない」との想いから、マハトは自身の魔法でヴァイゼの人と街並みを黄金へと変えてしまう。
数十年後、街を離れていたために難を逃れた魔法使いデンケンは、人生の最後に「マハトの打倒」と「ヴァイゼの解放」を志す。デンケンがその準備を進めていく中、旅を続けるフリーレンとその仲間たちが合流。かつてマハトに手も足も出ずに敗れたフリーレンは、「無謀だ」と言って反対するも、デンケンの固い決意と故郷への想いを知って「諦めるのはいつでもできる」と彼に協力するようになる。
「黄金郷ヴァイゼの戦い」までの経緯・因縁
マハトの目指した理想
魔族の知らない感情
魔王軍幹部「七崩賢」の一員である黄金郷のマハト(おうごんきょうのマハト)は、魔王に命じられるまま人間を殺戮していたある日、「お前たちは悪意も罪悪感も知らないのか」と人間の神父に哀れみを向けられる。マハトは「確かに悪意や罪悪感は魔族にはない感情だ。それはどんなものなのだろう」と興味を持ち、これを知りたいと考えるようになる。
もともと戦いを嫌っていたマハトは、「魔族の自分が人間しか知らない感情を知ることができれば、魔族と人間は共存することも可能かもしれない」と考え、魔王軍を離れて悪意と罪悪感に関する探求に没頭する。人間の研究をしている魔族ソリテールに会って話を聞くなど手を尽くした末に、「よく知らない人間が死んでも何も感じないのは当たり前だ。友と呼べるほど親しい人間を殺せば何か分かるかもしれない」との結論に達したマハトは、多くの人間が暮らす城塞都市ヴァイゼへと赴く。
ヴァイゼの守護者
この頃のヴァイゼは、悪徳貴族たちに政治が牛耳られ、民は飢えと貧困に喘いでいた。領主のグリュックはこの状況を改善しようとしてはいたが、優秀な護衛と暗殺者を抱える悪徳貴族を相手に有効な対抗策を見つけられずにいた。偶然からマハトと接触し、彼の望みを聞いたグリュックは、「自分ほど悪意に触れてきた人間もそうはいない、お前に悪意と罪悪感を教えてやる」と語り、代わりに悪徳貴族相手の政争に協力することを要求。これに興味を持ったマハトはグリュックの部下として働き始める。
マハトの獅子奮迅の活躍によって悪徳貴族たちはその勢力を弱め、グリュックはヴァイゼの改革を断行。長い時間をかけたマハトとグリュックの事業は実を結び、ヴァイゼは民が安んじて暮らせる街へと変わっていく。
この動きを良しとしない悪徳貴族たちは、伝説的な魔法の道具である「支配の石環」を探し出し、「ヴァイゼの民に悪意を抱けば死ぬ」という制約を仕込んだ上でマハトに身に着けるよう要求する。
グリュックは表向きこれを承諾しつつ「悪意を知ろうとしているマハトに、悪意を条件に作動する呪いをかけるなどバカげている」と嘲笑し、マハトもまた「支配の石環の力で死ねば"悪意"を理解することができたということだ、それはそれで目的を果たしたことになる」、「自分という切り札が死ねばグリュックも政争に敗れて破滅する。彼がそこまで自分に運命を委ねるなら、同じものを背負うのもおもしろい」との判断から支配の石環を装着する。
黄金郷の誕生
ヴァイゼに来て数十年後、マハトはグリュックが老いて先が長くないことを悟り、「悪友であるグリュックを裏切れば、自分を守護者として信頼する民ごと街を滅ぼせば、罪悪感を知ることができるかもしれない」との想いから、そこに暮らす人々ごとヴァイゼの街並みを黄金へと変える。
グリュックは「いつかこうなると思っていた」と笑ってマハトの反乱を受け入れ、「君もいつか悪党として、自分のような末路を迎えるだろう」との助言を送りつつ、物言わぬ黄金の像と成り果てる。
しかし、それでもマハトは悪意や罪悪感を感じることができず、支配の石環も作動しないままだった。この事実に途方に暮れるマハトは、呆然としたまま数日をヴァイゼで過ごし、彼の凶行の報せを受けて駆け付けた大陸魔法協会の魔法使いたちから攻撃される。「マハトを殺せば黄金にされた人々を助けることもできなくなる」と考えた大陸魔法協会の魔法使いたちは、街を丸ごと覆う形で強力な結界を展開。マハトはその中に閉じ込められる。
マハトの魔法で黄金の塊と化したヴァイゼは封鎖されるも、その存在は「黄金郷」として伝説化していった。
宮廷魔法使い最後の挑戦
大陸北部の大国で宮廷魔法使いを務めるデンケンはヴァイゼ近郊の出身で、グリュックの親族にして娘婿であり、かつてマハトに師事して魔法を学んだ人物でもあった。マハトがヴァイゼを黄金化した時は街を離れていたために難を逃れたデンケンは、信頼していた師の凶行に驚く一方で、「ヴァイゼを解放したいがマハトには勝てない」と冷静に判断。故郷を救えない自身への失望と諦観を抱えながら出世を重ね、封印されてなおじわりじわりとその領域を広げていく黄金郷を見守り、いつかマハトと戦うことを漠然と意識して鍛錬を続けていった。
やがて人生の最晩年に至ったデンケンは、友人でもある大陸魔法協会の魔法使いレルネンから「自分の生家が黄金郷に飲み込まれた」ことを教えられ、唐突に「若い頃に死に別れた妻の墓参りをしよう」と思い立つ。デンケンの妻の墓は黄金郷の中にあり、ここに向かうということは否応なくマハトと対決することでもあった。
大陸魔法協会に封鎖された黄金郷に向かうため、デンケンはその通行証を兼ねた一級魔法使いとしての資格を得るべくこの試験に参加。この中でかつて魔王討伐を果たした英雄の1人であるエルフの魔法使いフリーレンと出会い、そのすさまじい実力に驚かされる。一方、フリーレンはデンケンを「この時代の人間では特筆すべき魔法使い」と認め、その実力と人柄を信頼するようになった。
晴れて一級魔法使いとなったデンケンは、マハトとの戦いに向けて準備を整えていく。レルネンもこれに協力し、選りすぐりの魔法使いを引き連れて黄金郷に先行し、マハトの記憶を100年分写し取る。マハト攻略の鍵となりうるこの情報を受け取ったデンケンは、人間とは精神構造の異なる魔族の記憶を苦労しながら解析しつつ、いよいよ黄金郷の内部に向かう。
「黄金郷ヴァイゼの戦い」の展開・流れ
師弟の対話
黄金郷の結界ギリギリにある監視所までやってきたデンケンは、望郷の念を掻き立てられ、数十年ぶりにその中に立ち入る。これを察知したマハトは、デンケンを丁重に出迎え、彼を茶会に誘う。
かつてグリュックに忠臣のごとく仕えていた頃と変わらぬマハトの姿を見て、デンケンはなんとか話し合いで譲歩を引き出せないかと茶会に応じる。デンケンはマハトを「倒さなければならない相手」だと頭では分かっていたが、グリュックに忠臣のごとく仕えていた頃と同じ所作、ヴァイゼの守護者として民に慕われていた頃と変わらぬ言動、誠実で優秀な師として自身を鍛えてくれた頃のままの振る舞いを見せつけられ、「マハトとただ殺し合うのではなく、何かもっといい終わり方があるのではないか」との希望を捨てることができなくなっていた。
この時、デンケンたちは「マハトなら黄金化を解除できる」と考えており、マハトと直接戦わずに話し合いを重ねたのは「ヴァイゼの人々を助けたい」との思いがあったためだった。大陸魔法協会の魔法使いたちの大半にとって、黄金化させられたヴァイゼの民は事実上の人質となっていたが、実際にはマハトが黄金化を解除できるのは、自分の肉体や自身の魔力で作り出したものだけだった。マハトの譲歩を引き出そうとする試みはまったくの無駄となったが、この時点ではまだデンケンはそのことを知らずにいた。
黄金を狙う盗賊や自身の討伐を目論む魔法使いなど、黄金郷に入り込んだ人間に対してマハトは容赦の無い攻撃を行い、そのほとんどを殺している。その彼がデンケンに対してはこの時点で敵対的な行動を取らず、臣下のごとく礼節をもって対応した理由は不明である。いずれにしろマハトのこの態度は、デンケンたちに「黄金化した人々を人質にしている」ように受け取られ、本格的な戦闘が始まるのを遅らせる結果を生んだ。
フリーレン一行の到着
レルネンは「相手がマハトでは、いくらデンケンでも荷が重すぎる」と判断し、自身が動かせる中では最強の魔法使いであるフリーレンにデンケンの応援を依頼。仕事の詳細な内容を知らされないまま、弟子のフェルンや旅の仲間の戦士シュタルクと共にフリーレンは黄金郷近くの監視所まで足を運び、そこでデンケンがマハトと一戦交えるつもりであることを知る。
フリーレンは600年前にマハトと戦って敗れ、右腕を黄金化させられて命からがら逃げ出したことがあり、「マハト相手に戦うのは無謀だ」とデンケンに助言する。しかしそのデンケンが命を賭してでもマハトと戦うつもりであること、その攻略の鍵となりうるマハトの100年分の記憶を受け取っていることを知ると、「諦めるのはいつでもできる」と記憶の解析を手伝う旨を提案する。デンケンは記憶の解析には数年ほどの時間がかかると踏んでいたが、フリーレンは「2か月もあれば十分」と豪語し、早速この作業に取り掛かる。
一方、フリーレンがマハトの討伐に乗り出したことをなんらかの方法で知ったソリテールは、「フリーレンはマハトを倒しうる魔法使いの1人だ」と彼女を警戒。マハトの助っ人として黄金郷に駆け付ける。この時、フリーレンはマハトの記憶の解析に全力を注いでおり、彼女の弟子のフェルンのみが「正体不明の強力な魔族が黄金郷にやってきた」ことを察知する。デンケンは「自分には感知できなかった」としつつ、長年の経験で自分が間違っている可能性も十分にあると判断し、マハト側に与する新手の魔族の存在を警戒する。
ソリテールはマハトの目指す「魔族と人間の共存」は絶対に実現できない絵空事だと考えており、かつて同じ思想の下に人類との壮絶な戦争を繰り広げた魔王を止められなかったことを悔やんでいた。その魔王が討伐された今、同じ思想を持つマハトに徹底的に検証させた上で「魔族と人類との共存は不可能だ」と結論させることで、2度と魔王のような過ちを犯す魔族を出さないようにするのがソリテールの目的だった。そのためにはマハトに死なれるわけにはいかなかったのである。
マハトの解放
ソリテールは黄金郷を覆う結界の解析に取り掛かり、フリーレンがマハトの記憶を完全に解析するよりも少しだけ早くこれを解除する。これを知ったデンケンは「フェルンが感知した魔族の仕業だ」だと素早く判断し、フリーレンから「マハトは自分自身以外の黄金化を解除できない」との情報を受け取ったこともあり、いよいよ師と対決する時が来たと悟る。
自由を得たマハトは、「ヴァイゼでできることはもうない」と考え、ソリテールと共にこの地を去ろうとしていた。記憶の解析が終わらず夢うつつなままのフリーレンを残し、デンケンはフェルンやシュタルクと共にマハトたちの前に立ちはだかる。フェルンとシュタルクがソリテールを相手取る中、デンケンとマハトの師弟対決の幕が上がる。
マハトは任意の対象もしくは自分中心の広範囲を破壊できない黄金へと変える「万物を黄金に変える魔法」(ディーアゴルゼ)の使い手で、通常の手段では回避も防御もできないこの魔法こそが彼の最大の武器だった。しばらくの間通常の魔法でデンケンの相手をしたマハトは、彼の成長ぶりに心から感心しつつ、「残念だがあまり時間をかけていられない」と「万物を黄金に変える魔法」を発動。しかしデンケンは、マハトとの対決に備えてこの手の魔法を強制的に反射する「呪い返しの魔法」(ミスティルジーラ)を修得しており、逆にマハトの方が黄金化する。
自身の黄金化を解除したマハトは、デンケンの創意工夫に感心しつつ、「万物を黄金に変える魔法」を発動しっ放しにするという力技で対抗。苦戦しながらもソリテール相手に巧みな連携を見せていたフェルンとシュタルクは、これに巻き込まれて黄金化する。消耗の激しい「呪い返しの魔法」を常に使い続ければ魔力が切れて戦えなくなると判断したデンケンは、せめてフリーレンだけは逃がさなければと撤退に転じる。しかしソリテールの奇襲を受け、咄嗟に「呪い返しの魔法」を解いて自ら黄金化されることで致命傷を避けるも、そのまま戦闘不能となる。「やれるだけのことをやったが、結局マハトには勝てなかった」と絶望するデンケンだったが、夢の中で亡き妻と出会い、「私の知っているデンケンは、いつも最後まで醜く足掻き続けた」との言葉をかけられ、再び闘志を燃やしていく。
黄金郷の終焉
デンケンたちが敗れたこのタイミングで、フリーレンはマハトの記憶の解析を完了し、回避も防御も不可能とされた「万物を黄金に変える魔法」の解除法を編み出す。まずは自身を、次いで一番近くで黄金化していたデンケンを元に戻したところで、異変を察知して戻ってきたマハトとソリテールと対峙する。マハトは己の切り札である「万物を黄金に変える魔法」が解除されたことに驚き、魔力と魔法をこそ至高のものとする魔族の誇りに懸けてか、はたまた自身の優位性を保つためか、フリーレンの抹殺を宣言。「どうせ逃がすつもりはなかっただろう」とフリーレンが身構える中、デンケンが「マハトを討つ役は自分にやらせてほしい」と言い出す。デンケンの本気を察したフリーレンは、マハトの相手を彼に譲り、代わりにソリテールと交戦する。
この時デンケンはフリーレンがかけた解除魔法の効果で「万物を黄金に変える魔法」が効かない状態となっており、さらには“魔族が開発し、人類が数十年をかけて進化させた”「人を殺す魔法」(ゾルトラーク)をメインとする形に戦法を変更。マハトは「今のデンケンは自分を殺しうる力を持っている」と認め、周囲の土砂に「万物を黄金に変える魔法」をかけて無数の金片を奔流として操る戦法を取り始める。そのすさまじいまでの物理的な破壊力にデンケンは翻弄されるも、「マハトを討つ役を譲ってくれたフリーレンのために、故郷を解放するために、妻の墓前に勝利を報告するために絶対に負けられない」と必死に食い下がる。
一方、フリーレンもソリテール相手に苦戦していた。魔法使いとしての実力はほぼ互角の両者だったが、ソリテールは“魔力の制御”という点でフリーレンを上回っていた。さらにフリーレンとフェルンたちとの関係を概ね察したソリテールは、「あなたの弟子は殺した」との嘘で彼女に揺さぶりをかける。このままでは分が悪いと判断したフリーレンは、「フェルンたちが死んだわけではなく、黄金化されただけであれば、自由になれば即座に自分を援護してくれる」との可能性に賭け、ヴァイゼ全体の黄金化を一気に解除する。ソリテールがフリーレンの意図に気付いた時には、即座に状況を察したフェルンの放った魔法が彼女の胸を撃ち抜いていた。
この時、マハトは黄金の奔流でデンケンを追い詰めており、突如として「万物を黄金に変える魔法」が解除されたことに戸惑う。その隙を突く形でデンケンの渾身摩「人を殺す魔法」がマハトを貫き、師弟の戦いは相打ちに近い形で決着する。
悪友との別れ
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ヒンメル理論/ヒンメル構文とは!?元ネタ・使い方・トリビア・反応など徹底解説!
「ヒンメル理論/ヒンメル構文」とは、人間を知るための旅を続けるエルフの魔法使いの活躍を描いた『葬送のフリーレン』を元ネタとするネットスラング。 作中で魔王討伐を果たした勇者ヒンメルは、その高潔な人柄で仲間たちに感銘を与え、彼らの人生にも大きな影響を及ぼした。ヒンメルの死後、その仲間たちは誰かに手を差し伸べては「ヒンメルならそうした」と語り、共に旅をした偉大な勇者に恥ずかしくない人間であろうと努めていく。ヒンメル理論はこれを現実に持ち出して、何かを実行する時に唱えて勇気を奮い起こすものである。
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ファンタジーの定番「ドワーフ」とは!?元ネタ・特徴・能力・有名キャラクターを徹底解説!
ドワーフとは、ファンタジー風の異世界を舞台とする作品にたびたび登場する、人間に近い姿をした「亜人」と呼ばれる種族の1つである。もともとは北欧神話に登場する妖精の一種で、『指輪物語』や『ロードス島物語』といった作品で取り上げられながら設定が整理されていった。 ドワーフは小柄で屈強な体を持ち、手先が器用で鉱物の加工を得意とする。酒を好み、髭が長く、偏屈なところはあるが人間に対して友好的である。ここでは、ファンタジー物の作品では定番のキャラクターであるドワーフについて解説していく。
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葬送のフリーレンの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『葬送のフリーレン』とは、山田鐘人(原作)とアベツカサ(作画)による漫画作品。 10年の歳月を費やして魔王を打倒し世界を救った勇者一行。その50年後、勇者ヒンメルは昔の仲間たちと再び集い、人生の幕を閉じた。 その一行の中にいたエルフのフリーレンは、その長寿な種族の性質上、人間と深く交わることがほとんどなかった。しかし、10年という歳月を共に生きた友の訃報を受け、彼女は人間と交流し理解しようという決意を固める。 勇者一行や勇者に助けられた者たちなどの多くの名言・名セリフが登場する。
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ミリアルデ(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
ミリアルデとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。殺されない限りは不老不死に近い存在であるエルフの女性。 過去に「“なんの価値もないゴミ”を、そうとは知らずに人生を懸けて探し求めた」ことがあるらしく、その反動でか無気力で無味乾燥な性格。自分と同じような人生を歩む者が現れることを期待したのか、不味いことで話題になっていた皇帝酒を「最上の名酒」と称える碑文を残した。ミリアルデは主人公フリーレンの知り合いだが、本人が今どこで何をしているかは不明。
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ユーベル(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
ユーベルとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。魔法都市オイサーストで開催される一級魔法使い試験に参加した、殺戮に忌避感を抱かない危険な女魔法使いである。 本人が“切れる”と認識したものを問答無用で両断する「大体なんでも切る魔法」の使い手で、2年前の二級魔法使いでは試験官の魔法使いを殺害して失格している。その後一級魔法使い試験に挑戦し、主人公のフリーレンやその弟子フェルンと協力してこれを突破する一方、参加者の1人であるラントに興味を抱いて近づいていく。
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終極の聖女トート(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
終極の聖女トート(しゅうきょくのせいじょトート)とは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。人類側にも広くその名を知られた大魔族ながら、戦いを好まず魔法の探求に勤しむ変わり者である。 魔王の打倒を目指す勇者ヒンメル一行を討伐するため集められた4名の大魔族の1人。しかし招集には応じておきながら、「戦うのは苦手」といって1人引き返してしまう。この時点でなんらかの呪いを無差別に振り撒いており、「100年後には私の呪いが星全体を覆い尽くす」と豪語した。
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クラフト(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
クラフトとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。1000年以上の時を生きるフリーレンよりさらに高齢のエルフで、女神を信仰する武道僧(モンク)である。 記憶にも記録にも残らない古の昔、仲間たちと共になんらかの偉業を果たす。それがどのようなものかは作中で語られていないが、自分たちの過去がこの世から忘れられていくことを憂いたクラフトは、人間たちの信仰対象である女神を崇め始める。長い旅の中で偶然フリーレンと出会い、数百年後の再会を予感しつつ別れた。
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フリーレン(葬送のフリーレン主人公)の徹底解説・考察まとめ
フリーレンとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。物語の主人公であり、かつて勇者ヒンメルや仲間たちと共に魔王を倒して世界に平和をもたらした魔法使い。見た目は幼いが、エルフと呼ばれる長命種の存在で、年齢は1000歳を超えている。 冷静沈着で感情の起伏に乏しい。魔法使いとしては最上位クラスの実力者で、多くの魔族を葬ったことから「葬送のフリーレン」の異名を持つ。勇者ヒンメルの葬儀の際、自分が彼のことを何も知らないことに愕然とし、人間を知るための旅に出る。
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ヒンメル(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
ヒンメルとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。僧侶ハイター、戦士アイゼン、そしてエルフの魔法使いフリーレンと共に魔王を討伐した勇者。この冒険は物語の本筋からすると過去の出来事で、ヒンメル自身は第1話で老衰により死亡する。 ポーズにこだわった銅像を各地に残すなどナルシスト的なところもあるが、困っている人を見掛ければ旅の途中だろうと助けて回る善良にして高潔な人物。フリーレンには好意と憧れの混じった感情を抱いていたが、それを明かさぬまま息を引き取った。
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エーレ(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
エーレとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。一級魔法使いの祖父を持つ、魔法学校を首席で卒業した才媛である。 幼い頃にヴィアベル率いる北部魔法隊に自身の街を救われ、この時の経験と祖父の影響で自身も魔法使いを志す。後に一級魔法使い試験の会場で偶然ヴィアベルと再会したエーレは、彼と共にこれに参加。奮戦するも、結局は三次試験で失格する。しかしヴィアベルの人柄を改めて知って気に入ったのか、以降エーレは彼と行動を共にして相棒のごとく振る舞うようになる。
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ゼーリエ(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
ゼーリエとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。1000年以上前から生きているフリーレンをも子供扱いする、神話にも等しい時代に生まれたエルフの大魔法使い。 全知全能の女神にもっとも近いとされる力の持ち主で、大陸魔法協会の創始者。苛烈にして尊大な性格だが高慢ではなく、格下のものであっても聞くべきと判断した意見は素直に聞き入れる。フリーレンとは大師匠と孫弟子の関係にあるが、魔法使いとして目指す方向性が違うため仲はあまり良くない。
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ゼンゼ(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
ゼンゼとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。大陸全土でも45人しかいない一級魔法使いの1人で、髪の毛を自在に操る特殊な魔法を操る。 主人公のフリーレンが参加した一級魔法使い試験で試験官を務め、「零落の王墓」と呼ばれる未踏の迷宮の攻略を参加者に課す。この結果を見届けるためゼンゼ自身も迷宮に踏み入り、彼らの奮戦を見届けた。平和主義者を自称しているが、一級魔法使いを目指す中で命を落とす者の犠牲については許容するなど、責務に忠実かつ厳しい性格である。
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水鏡の悪魔/シュピーゲル(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
水鏡の悪魔(シュピーゲル)とは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場する魔物の一種。一級魔法使い試験の二次試験では、この魔物を攻略するために本来競争相手である参加者たちが手を組むこととなった。 自分に近づいた人間の複製体を作り出し、これを操る力を持つ。この複製体は元となった人物とまったく同じ力を持つ上に、水鏡の悪魔の魔力が続く限りいくらでも作ることが可能。作中では零落の王墓と呼ばれる迷宮の最深部に巣食い、魔王討伐の英雄フリーレンの複製体を作って猛威を振るった。
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血塗られし軍神リヴァーレ(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
血塗られし軍神リヴァーレ(ちぬられしぐんしんリヴァーレ)とは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。人類側にもその名を広く知られた大魔族で、「魔族最強の戦士」を自負する猛者。 数百年を生きる大物魔族たちを前に自身を「老いぼれ」と称するなど、魔族としても非常に長命の人物。戦闘狂的な気質を持ち、強い戦士との戦いには嬉々として臨む。主要人物の1人であるシュタルクの故郷の村を襲撃し、彼以外の一族を皆殺しにした。
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ヴィアベル(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
ヴィアベルとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。魔王軍残党と長年戦い続けてきた北部魔法隊の隊長であり、その経歴に見合う高い戦闘能力を持つ。 強面で言動も荒々しく、必要だと判断した殺しは躊躇なく実行する。しかし不要な戦いは避けるなど軍人としては良識的で、戦いを離れれば面倒見の良さや気配りの上手さを発揮する二面性のある人物。一級魔法使い試験に参加した中でも屈指の猛者として注目される一方、主人公フリーレン一行の戦士シュタルクを熱心に自軍にスカウトする。
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フェルン(葬送のフリーレン)の徹底解説・考察まとめ
フェルンとは、原作:山田鐘人、作画:アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。勇者と共に魔王討伐を果たした僧侶ハイターに引き取られた戦災孤児で、彼の死後は同じく勇者一行の一員であるエルフの魔法使いフリーレンの弟子となった。 フリーレンも認める素質の持ち主で、十代前半にして「1人前の魔法使い」へと成長。普段はだらしないフリーレンの私生活を支え、約束を破ると叱るなど一行の母親役を務める。旅仲間のシュタルクに対しては信頼と好意を寄せているが、後者については自覚していない。
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目次 - Contents
- 『葬送のフリーレン』の概要
- 「黄金郷ヴァイゼの戦い」とは
- 「黄金郷ヴァイゼの戦い」までの経緯・因縁
- マハトの目指した理想
- 魔族の知らない感情
- ヴァイゼの守護者
- 黄金郷の誕生
- 宮廷魔法使い最後の挑戦
- 「黄金郷ヴァイゼの戦い」の展開・流れ
- 師弟の対話
- フリーレン一行の到着
- マハトの解放
- 黄金郷の終焉
- 悪友との別れ
- 「黄金郷ヴァイゼの戦い」のその後の影響
- 「黄金郷ヴァイゼの戦い」の重要な魔法・戦術
- 万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)
- 呪い返しの魔法(ミスティルジーラ)
- 人を殺す魔法(ゾルトラーク)/一般攻撃魔法(いっぱんこうげきまほう)
- 「黄金郷ヴァイゼの戦い」の重要人物・キャラクター
- 人類側戦力
- フリーレン
- デンケン
- フェルン
- シュタルク
- 魔族側戦力
- 黄金郷のマハト(おうごんきょうのマハト)
- ソリテール
- その他
- グリュック
- ゼーリエ
- レルネン
- 「黄金郷ヴァイゼの戦い」の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- グリュック「楽しかったよ。マハト」
- フリーレン「万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)は、今この瞬間、“呪い”ではなくなった」
- マハトとグリュックの別れ
- 『葬送のフリーレン』の名勝負のまとめ記事