奇跡のグラオザーム（葬送のフリーレン）の徹底解説・考察まとめ

奇跡のグラオザーム（葬送のフリーレン）の概要

奇跡のグラオザーム（きせきのグラオザーム）とは、原作：山田鐘人、作画：アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。魔王軍幹部「七崩賢」の一員で、“目の前にいることすら認識できなくなる”ほどの強力な精神操作魔法を操る大魔族である。
魔王軍屈指の戦力として活躍し、魔王の腹心である全知のシュラハトや他の七崩賢と共に人類最強と呼ばれた南の勇者と戦い、シュラハトを含む多くの仲間を失いつつこれを討ち取る。

この戦いに参加した七崩賢の一員である黄金郷のマハト（おうごんきょうのマハト）は、後にフリーレンというエルフの魔法使いによって過去の記憶を盗み見られることとなる。この未来を予知したシュラハトは、「南の勇者との戦いの顛末を教えるわけにはいかない」と考え、グラオザームにマハトから南の勇者との戦いの記憶を消すよう依頼。グラオザームは南の勇者との戦いの後にこれを実行し、マハトも自身の記憶の一部を消されることを受け入れ、シュラハトの目論見は果たされる。
シュラハトは「魔王軍に残った有力魔族を集めて勇者ヒンメル一行を討伐しろ」との命令も遺言のごとく残しており、グラオザームは血塗られし軍神リヴァーレ、無名の大魔族ソリテールといった面々と共に勇者ヒンメル一行を襲撃。得意の精神操作魔法で苦しめるも、最終的には彼らに返り討ちにされて死亡した。

奇跡のグラオザーム（葬送のフリーレン）のプロフィール・人物像

非常に慎重な性格で、仲間の魔族にすら魔法で認識を狂わせることで素顔を見せない。「自分より力ある同族に従う」という魔族の気質に忠実で、魔王やシュラハトの命令には素直に従っている。
七崩賢最強の魔族であるマハトからは、「得意とする魔法の相性が、自分にとって最悪だ」と苦手に思われている。マハトは南の勇者との戦いを生き残るが、もともと魔王や魔王軍への忠誠心が薄く、グラオザームは勇者ヒンメル一行との戦いの際には彼に誘いをかけていない。このことから、グラオザームが「自分は魔王に従うが、他の者がどう判断するかはそれぞれのスタンスを認め、これを尊重する」という、個人主義の魔族らしい割り切りを持っていることが見て取れる。

奇跡のグラオザーム（葬送のフリーレン）の魔法・能力

楽園へと導く魔法（アンシレーシエラ）

強力な精神操作魔法。抵抗することもほとんど不可能で、「目の前にグラオザームがいることを認識させなくする」、「対象の記憶を書き換える」といった効果を持つ。
その名の通り、「望んでいて諦めてしまった夢」を見せることで、対象を延々と昏睡状態にすることも可能。ヒンメルはの場合は「魔王の討伐に成功し、仲間の1人で子供の頃から想いを寄せていたフリーレンとの結婚式を挙げる」という夢に囚われることとなった。

奇跡のグラオザーム（葬送のフリーレン）の来歴・活躍

南の勇者との戦い

いつの頃からかは不明だが、魔王軍幹部「七崩賢」の一員として人類との終わりの見えない戦いに参加。上からの指示に従順で、魔王やその腹心の全知のシュラハト（ぜんちのシュラハト）からは重宝にされていた。
ある時、「南の勇者」と呼ばれる英雄が人類側に登場する。1000年先までを見通す正確無比な予知能力で魔族を導いてきたシュラハトは、南の勇者もまた自分と同等の予知能力を持つことを知り、放置するには危険すぎると判断。「相手を倒すための未来に行き着くための予知を行うも、相手側も"このままでは自分が倒される未来に行き着く"と気付いてそれを妨害する」といった予知合戦を繰り返した後、両者は「自分どころか自分の属する陣営にとって厄介すぎる予知能力者を排除できるのであれば仕方がない」と相打ちの形で双方が死ぬ未来に向けて進み始める。

シュラハトはこの戦いに「七崩賢」の全メンバーも参加させており、その内の3人が南の勇者に討ち取られることも予知していた。「南の勇者を倒すために必要な犠牲」と割り切っていたシュラハトだったが、この戦いを生き残るマハトが80年ほど後にエルフの魔法使いフリーレンに記憶を盗み見られることも予知し、理由は不明ながらこれを避けるべきだと判断。グラオザームに命じて、南の勇者との戦いの後にマハトからその顛末に関する記憶を消すよう命じる。
かくしてグラオザームは仲間たちと共に南の勇者と対峙し、シュラハトと「七崩賢」の3人を代償にこれを撃破。人類最強の猛者を倒したことで、魔王軍の命脈を保つことに成功する。

勇者ヒンメル一行との戦い

シュラハトは南の勇者との戦いの前にいくつかの遺言を残しており、その中には「勇者ヒンメル一行を討伐しろ」というものもあった。勇者ヒンメルは南の勇者が倒された後に頭角を現し始めた人物で、各地で小さな人助けを繰り返しながら着実に実力を伸ばしていた。
ある時、女神の石碑という神話時代の遺跡を監視させていた残影のツァルト（ざんえいのツァルト）が勇者ヒンメルに討たれたことを知ったグラオザームは、いよいよシュラハトの遺命を果たす時が来たと判断。血塗られし軍神リヴァーレ、終極の聖女トート、無名の大魔族ソリテールといった魔王軍の大物魔族を招集するが、「強い人間と戦うなんて馬鹿馬鹿しいから帰る」とトートにはあっさり帰られてしまう。

この時のヒンメル一行の中には、女神の石碑の力で"80年先の未来"から意識だけがタイムスリップした状態のフリーレンの姿もあった。グラオザームは「自分の魔法ならその状態のフリーレンの精神だけを破壊して始末することも可能だ」と考え、リヴァーレやソリテールと共にヒンメル一行を襲撃。得意の「楽園へと導く魔法」（アンシレーシエラ）で、彼らの心を"自らの望む幸せな夢"の中に封じて昏睡させる。
勝利を確信するグラオザームだったが、ヒンメルは「幻覚と自分の肉体が感じる情報の差異」を頼りに反撃。逆に追い詰められたグラオザームは、ソリテールの判断により撤退する。しかし「収穫はあったのか」というソリテールの問いを否定せず、自分たちの襲撃がただの失敗だったわけではないことを匂わせた。

奇跡のグラオザーム（葬送のフリーレン）の関連人物・キャラクター

全知のシュラハト（ぜんちのシュラハト）

魔王の腹心を務める大魔族。1000年先をも見通すとされる、正確無比な予知の魔法の使い手である。
より強い力を持つ魔族に対して従順なグラオザームのことは重宝していたらしく、マハトの記憶削除や勇者ヒンメル一行の討伐など、遺言の形で自分の死後の様々な任務を言い渡していた。

全知のシュラハト（葬送のフリーレン）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

全知のシュラハトとは、原作：山田鐘人、作画：アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。かつて人類を脅かした魔王軍に所属する大物魔族で、魔王の腹心とも呼ばれた存在。
個人主義の魔族にしては珍しく、自分の種全体を考えて行動している。シュラハトは1000年先をも見通す魔法の使い手で、人類との戦いを優位に導いていくが、自身と同じく予知能力を持つ南の勇者の登場で状況が一変。魔族の未来のために彼を討つべく魔王軍幹部「七崩賢」と共に立ち向かい、南の勇者と相打ちの形で死亡した。

黄金郷のマハト（おうごんきょうのマハト）

魔王軍幹部「七崩賢」最強とされる大魔族。魔王に従ってはいるが戦いを好まず、忠誠心は低い。
指定の対象もしくは自分を中心に広範囲を黄金へと変える「万物を黄金に変える魔法」（ディーアゴルゼ）を操るが、グラオザームの強力な精神魔法とは相性が悪く、彼のことを苦手にしている。

残影のツァルト（ざんえいのツァルト）

グラオザームの部下。空間を転移する特殊な魔法を操る。女神の石碑の監視を任されていた。
主であるグラオザームへの忠誠心が高い。フリーレンが未来から意識だけタイムスリップした状態であることに気付き、これをグラオザームに伝えようとするが、その前にフリーレンに討たれて死亡した。

残影のツァルト（葬送のフリーレン）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

残影のツァルト（ざんえいのツァルト）とは、原作：山田鐘人、作画：アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。魔王軍幹部「七崩賢」の一員である奇跡のグラオザームに仕える魔族である。
人類の魔法体系には存在しない特殊な魔法を使いこなす強力な魔族で、女神の石碑と呼ばれる遺跡を監視する役目を任されている。この遺跡を調べていた勇者ヒンメル一行を襲撃したツァルトは、ヒンメルの仲間のフリーレンが未来から意識だけタイムスリップしていることを見抜けず、彼女に討ち取られて死亡した。