魔人探偵脳噛ネウロ(松井優征)のネタバレ解説・考察まとめ

『魔人探偵脳噛ネウロ(まじんたんていのうがみねうろ)』とは、2005年2月から2009年4月まで週刊少年ジャンプで連載された漫画作品であり、それを原作とするアニメ作品。“謎”と呼ばれるエネルギーを主食とする魔人・脳噛ネウロ(のうがみねうろ)と、平凡な女子高生・桂木弥子(かつらぎやこ)が探偵として様々な事件を解決していく。ストーリーを通して弥子の成長や、魔人の視点を通しての「人間の可能性」を描いていく。謎解きよりもその独特な画風や強烈なキャラクターが一部のファンにカルト的人気を博している。

CV:大塚明夫(アニメ)伊藤健太郎(ドラマCD)
高級フレンチレストラン「シュプリームS(えす)」のオーナーシェフ。そこで起きた撲殺事件の犯人である。「シュプリームSの料理を食べれば成功する」という評判があり、著名人やアスリートもその評判にあやかり多数来店する。しかしそれはドラッグや覚せい剤などの違法薬物をふんだんに盛り込んだ料理による、ドーピングに近い効果のためであった。そのことを世間に公表するよう副料理長の海野浩二(うんのこうじ)に迫られ、事実を隠すために海野を殺害した。ネウロと弥子により事件を暴かれた後豹変する。

鷲尾正勝(わしおまさかつ)

CV:山口勝平(アニメ)
早乙女金融の現社長であり、前社長の早乙女國春(さおとめくにはる)を殺害した張本人。グループの中で自分が中心にいないと気が済まない性格を持つ。そのため、幼少の頃もクラス委員の投票で自分が選ばれなかったことが我慢できず、委員に選ばれた生徒を半殺しにした経験がある。早乙女金融においても副社長の座に収まるっていることに我慢ができず、当時の社長であった早乙女を殺害した。鷲尾の名前に関連して、グループのことを「巣」と表現している。ネウロの精神干渉により事務所を逃げ出してから、それ以降の消息は不明。電人HALのエピソードの中に、篚口が通りすがる一般市民を洗脳し、その人たちを使い山奥でネウロを追い詰めるシーンがある。その操られた群衆の中に鷲尾が確認できる。

糸田(いとだ)

CV:飛田展男(アニメ)
アヤ・エイジアに執着するストーカー。糸や紐、拘束具を使った「締め付け行為」に興奮する性癖を持つ。そのため自分自身に対しても、着ているパーカーの紐で自分の首を強く締めることで、快感を覚えている。アヤのことも部屋に縛り付けて管理しようと考えており、駐車場でアヤを待ち伏せしていた。そこをネウロに読まれ、待ち伏せ作戦にかかり石垣に確保される。確保後もアヤに「僕が縛ってあげる」と叫び暴れるため、笹塚の強烈な蹴りをくらい気絶する。

アヤ・エイジア

CV: 高山みなみ/ 大原さやか(ドラマCD)/ 歌:加賀美セイラ
本名「逢沢綾(あいざわあや)」。アジア人でありながら、世界的人気を博す歌手。ネウロたちが探偵事務所を立ち上げた直後の最初の依頼人。そして事務所の知名度を飛躍的に上げた原因でもある。特殊な歌唱法やリズムによって「人の脳を揺らす」ことを可能とし、ライブ中も脳を揺らされた人がどんどん倒れている。アヤの曲に共鳴し脳を揺らされるのは、どんなに満たされた環境にあっても「自分は世界でひとりきり」としか感じられない人である。そのため弥子は彼女の曲に感動はしたものの、脳を揺らされることはなく、アヤも「幸せな環境で育ったのね」と声をかける。2人のマネージャーを殺した事件を弥子に解かれたことを良しとしており、事件後も弥子に助言をすることも多い。監獄での生活で「ひとりきりの世界」を深めたアヤは「全ての人の脳を揺らす」歌唱法を会得する。シックスの事件の時は、弥子と決別したネウロが独り訪ねてきたことに「2人の間に何か大きな溝ができた」と察し、看守の脳を揺らすことで脱獄した。それほどまでに弥子のことを好いており、「あまり好きにならせないで。殺しちゃうから」と冗談を言うも弥子には通じなかった。

篠原紀夫(しのはらのりお)

アヤの事件後、知名度を上げた弥子に粘着するパパラッチ。「有名人には有名税を支払う義務がある」という持論があり、これまで何人もの有名人のスキャンダルを暴いてきた。しかしそのスキャンダルの証拠写真や映像などは、篠原が偽造したものである。弥子に対しても同じように有名税の徴収をするため、弥子につきまといスキャンダルをでっちあげることを篠原は宣言する。それを許さないネウロにビデオカメラを壊され、さらにネウロの指示でマスコミを追い払う役を担っていた吾代によって撃退されてしまう。ネウロの精神干渉によって「自分が四六時中見られる」という幻覚を見せられ、事務所から逃げ出す。逃げ込んだ路地で偶然怪盗Xと出会ってしまい、「あんたの正体(なかみ)を見せてくれ」と言われ殺害されてしまう。作中では初めて赤い箱にされた人物である。

堀口明(ほりぐちあきら)

CV:堀江一眞(アニメ)
引きこもりの青年。明の父親から、「毎晩夜中に出かけるが何をしているか知りたい」と依頼を受けたネウロと弥子により尾行される。毎晩出かける目的は、廃墟でペットの犬や猫を殺害し、赤い箱にするというものだった。それは怪盗Xへの強い憧れを示す行動であった。一度は刑事の筒井に事情聴取されるが、コンビニの常連客になりすますことでアリバイを証明した。その後祖母を殺害するが、突然生き返った祖母が怪盗Xであることを知り興奮する。「仲間にしてほしい」とXに懇願するも、あっさり殺害される。

怪盗X(サイ)/XI(イレブン)

CV:朴璐美(アニメ)斎賀みつき(ドラマCD)
世界的に有名な怪盗であり、同時に殺人鬼として恐れられている。美術品を盗んだ後、同じく人間1人がその場から消え去り、後日「赤い箱」になって届くという手口が人々に恐怖を与えている。名前の由来は、海外メディアが報じた「monster robber X・I」(モンスターロバーエックスアイ)を日本語訳し略したもの。エックスは「未知」を表し、アイは「不可視」を意味する英単語「invisible」の頭文字から取っている。体中の細胞を思うがまま変異させることができ、顔から体つき、大きさ、性別までも自在に変えて変装するため、見破ることはほぼ不可能。さらには犬にまで変身することを可能にしている。変身だけでなく異常なまでの怪力もあり人間を素手で潰すことが可能。銃で頭を撃ち抜かれても不死身であるが、電流によって細胞を攻撃されることと関節を砕かれるのが弱点。ネウロとは長くライバル関係になるが勝つことはなかった。
美術品や骨董品を盗むのも「自分の正体(なかみ)」を知るためであり、「赤い箱」をガラスで作り中が見えるようにしているのも人間観察のためである。観察眼には優れており、電人HALがネウロに敗れたあと残ったデータを発見。余すことなく観察することで特性を模倣し、さらに観察眼を進化させた。
無邪気な性格をしており、それゆえに人を殺すことにも躊躇がなく、弥子も恐怖していた。反面「自分の正体がわからない」ことに不安を持っており、脳細胞も変異し記憶がなくなりやすいことも不安の一つであった。そうした変異する細胞をもつ自分は人間以上の存在とし、魔人であるネウロを観察すれば自分の正体も掴めると期待していた。しかしその正体はシックスのクローン実験のうちの1体であり、「験体11」(けんたいじゅういち)であることが明かされる。シックスに連れて行かれた後は再度調整され、シックスのボディガード「イレブン」として生まれ変わる。見た目は女性。サイの観察眼を極限まで強化しており、相手の目を見ただけで記憶の電気信号まで読み取り、変身も本人を目の前にしても「自分が喋っているかと思った」と錯覚させるほど能力を向上。その最高レベルの変身により、石垣に変身し笹塚を油断させたり弥子の言葉を喋ることでネウロへの奇襲を成功させた。
弥子の記憶を覗き見ることで、自分の正体は「怪盗X」であるとし、シックスを裏切る。しかし、反撃にあい瀕死に陥る。弥子に見守られながら最期を迎え、死の直前には笹塚に変身し笹塚の言葉で弥子にお礼を言い、弥子を泣かせることに成功する。

女性の見た目に変化したイレブン。

アイ/イミナ

CV:上原さやか(ドラマCD)
怪盗Xの右腕的存在。元々は某国のテロリストで、ターゲットの乗る旅客機を必ず墜落させ暗殺していたことから「飛行機落としのイミナ」と恐れらていた。Xとの出会いは飛行機内のテロ準備中。毛布に常人では気づかないレベルの匂いの毒ガスを仕掛けたことを見抜かれるが、それ以上に気づかないうちに何度も顔が変わっていることに驚く。自分のことを可能性も何もないただのつまらない人間だと言ったことをXに咎められ、常人離れしたXの能力を見せつけられ価値観を一変する。Xに「中身を見せてほしい」と言われるが、アイ自身もXの正体に興味を持ち、いつかXの正体がわかった後、中身を見せることを約束する。そして自らを「Xの隣にいるI(アイ)でいい」として、姿の見えない従者として仕えることを宣言する。
常に行動がめちゃくちゃなXの後片付けをさせられ、苦労が絶えない。

大菅依(おおすがより)/蛭(ひる)

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