FAIRY TAIL ZERO(フェアリーテイル ゼロ)のネタバレ解説・考察まとめ

『FAIRY TAIL ZERO(ZERØ)(フェアリーテイルゼロ)』とは、世界的な人気漫画『FAIRY TAIL』のスピンオフ漫画およびアニメである。原作者の真島ヒロが原作と並行して執筆し、『月刊 FAIRY TAIL マガジン』にて掲載された。魔導士ギルド・妖精の尻尾(フェアリーテイル)の初代ギルドマスターのメイビスを主人公としており、彼女の幼少期からの成長と、ギルドを結成に至るまでを描いたストーリー。『月刊 FAIRY TAIL マガジン』にて13話にわたって連載された。

メイビスが6歳の頃、故郷が青い髑髏の襲撃を受ける。焼かれる町の中で、瓦礫に埋もれるゼーラを助け出し、命からがら森へと逃げ込んだ時の台詞。メイビスは「ここにいたら殺されちゃう!!逃げよう!!!!」」と言い、ゼーラの手を引いて走る。しかしゼーラはギルドや父親、綺麗な洋服などの宝物などの思い出の詰まった街を思い、「私…ここを離れたくないよォ…………逃げたくない……」と言う。これに対してメイビスは「そんなの全部 私は心の中にあるよ」「パパとママの思い出も ステキなお洋服も 妖精だって心の中にいるんだよ」「だから生きよう!!ゼーラ!!」と力強く説得した。
ゼーラはそれまでメイビスを数々の暴言で傷つけてきた事を反省し、「あのさ…私たち…友達になれる……かな」と言った事で、メイビスに唯一の友達ができた。

メイビス「私は仲間という宝物を手に入れようとしているんです」

天狼玉の邪気に呑まれて暴走するユーリを止めようとするメイビスだったが、あまりに危険過ぎるとプレヒトに止められる。ユーリはすでに街を破壊する怪物になってしまっており、自分達で葬ることでしか止められないとプレヒトは考えていたのだ。しかしメイビスは「ユーリもマグノリアも 私が必ず助けます」「ユーリ…ゼーラも…ウォーロッドも…あなたも… 私が…ずっと欲しかった仲間という存在なのです」「私は仲間という宝物を手に入れようとしているんです」と絶対に諦めないことを断言。暴走するユーリに1人で立ち向かい、未完成だった黒魔法・ロウを使うことでユーリに取り憑いた邪気を消し去った。
幼い頃からずっと1人で過ごしてきたメイビスが、旅を通してようやく手に入れた仲間の為に、どんな代償でも払うという覚悟を決めた名場面。

メイビス「ゼーラはずっと私の心の中に…心の中にいます だから私前に進みます」

幼少期から7年間ずっと支え合ってきた親友のゼーラの正体が、メイビスが無意識に作った幻であることが判明。さらに無意識下のみで機能していた幻である為、今後二度と同じゼーラの幻は作れないことを知り、メイビスは泣いて別れを拒む。しかしゼーラは「ユーリはあなたに前に進んでほしいの」「私も進んでほしい」と自分の思いを伝える。続けてゼーラは「これはお別れじゃない 私はメイビスの中に帰るの」と説得する。この言葉を聞いたメイビスはこれからもずっと友達でいることを約束して、ゼーラを消した。メイビスは涙を流しながらも笑顔で「ゼーラはずっと私の心の中に…心の中にいます だから私前に進みます」と、現実の仲間であるユーリ、プレヒト、ウォーロッドと共に歩んでいく事を決意した。

『FAIRY TAIL ZERO(ZERØ)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ジョフリーの脱獄の原因はゼーラ

マグノリア解放作戦で、メイビスの綿密な策略によりジョフリーを牢に閉じ込めることに成功。しかし少し経ってからウォーロッドが駆けつけた際には牢の扉は開き、ジョフリーは既に逃亡していた。ウォーロッドは「鍵をかけ忘れたのか?メイビス」と不思議そうに言っている。単行本のあとがきにて真島ヒロは、ジョフリーの脱獄の原因が鍵がかかっていなかった為だと明かした。ジョフリーを牢に追い詰めたのはメイビスとゼーラの2人であり、詳細な描写こそなかったものの、鍵をかけたのが幻のゼーラだった為、実際に施錠はされていなかったのだ。

ZEROとZERAの文字の仕掛け

タイトルが「ZERA」になっている12話の表紙。

『FAIRY TAIL ZERO(ZERØ)』のタイトルロゴは第1話以降、話数を重ねるごとに「O」が薄くなっていき、第11話では完全に消えて「ZER 」となる。
第12話のタイトルロゴは「ZERA」となっており、この回でゼーラの正体が幻で在ることが明かされた。Aはトランプなどでも1として使われており、メイビスが新たな一歩を踏み出して、新しい人生が始まることを意味している。

メイビスの身体とアンクセラムの呪い

天狼玉の邪気に支配されたユーリを救う為、メイビスは未完成の黒魔法・ロウを使用した。その代償としてメイビスはこれ以上成長できない身体となってしまう。しかし実はアンクセラムの呪いにかかっており、これが原因で成長が止まっていたのだ。本作の最終話後のエピソードとして、『FAIRY TAIL』の第449話〜第451話にて明かされた。
妖精の尻尾結成から10年後、メイビスは偶然魔法の師の青年と再会し、その正体が伝説の黒魔導士ゼレフである事を知る。10年前にロウを使った影響で身体の成長が止まっていることを話すと、ゼレフにアンクセラムの呪いにかかっているのだと言われてしまう。ロウの使用時に自らの裁量で命の選別をしたことが原因であった。ちょうどメイビスはその少し前に第二次通商戦争にギルドで介入しており、その影響で倫理観が鈍っていた為、周囲の命を奪わずに済んでいたのだ。呪いという現実を受け入れられないままギルドに戻ると、丁度ユーリの息子・マカロフが誕生した所だった。この時メイビスは改めて命の尊さを感じた事で、マカロフの母・リタの命を奪ってしまう。自分の呪いに絶望したメイビスはギルドを離れ、自死を試みるも失敗。約1年後にゼレフと再会を果たす。メイビスとゼレフは互いに、自分の気持ちを理解できる唯一の存在だと思い、愛しさを感じた。しかしそのゼレフの愛が引き金となり、メイビスは命を落としてしまう。しかしメイビスは不老不死の体であった為、心臓が止まり意識不明になっても生きながらえており、仮死状態になってしまった。

原作でのゼーラの活躍

『FAIRY TAIL』の最終章であるアルバレス帝国と妖精の尻尾の戦争のエピソード中、ゼーラが再登場を果たしている。
戦争の中でアルバレス軍の幹部の魔法により、大陸の形状と戦場の人々の配置が変えられて、戦場は大混乱する。一方でメイビスは敵軍に捕らわれ、絶体絶命の危機に陥っていた。そんな時、妖精の尻尾のギルドメンバーにテレパシーで語りかけたのがゼーラである。長い年月を霊体として過ごしていたメイビスが肉体を取り戻したことと、目の前の戦争に意識が集中したことで、ゼーラとの記憶が薄れて、無意識下の幻であるゼーラが再び顕現したのだ。
この時のゼーラは本作とは違い、妖精の尻尾メンバーのガジルからも視認されていたり、妖精の尻尾メンバーにも声が聴こえている。ゼーラ自身が「魔力上がったんだねメイビス」と言っていることから、メイビスの魔導士としての能力が上がった事で、幻魔法の精度も上がったようだ。ゼーラは妖精の尻尾メンバー達に、メイビスが危機である事を伝えて、ギルドメンバーをひとまとめにした。しかしすぐにメイビスがゼーラの存在に気がついた事で、再びゼーラは消えていった。

『FAIRY TAIL ZERO(ZERØ)』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):シシド・カフカ『明日を鳴らせ』(第266話 - 第277話)

作詞・歌:シシド・カフカ、作曲・編曲:平出悟

ED(エンディング):SOLIDEMO『Landscape』(第266話 - 第276話)

0223-2011
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