蒼天航路(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『蒼天航路』とは、1994年から2005年まで李學仁(原作・原案)・王欣太(作画)により『モーニング』に連載された漫画およびそれを原作としたアニメ。
本来は「三国志」の悪役とされる曹操を主人公とし、中国の後漢朝末期から三国鼎立時代にいたるまでの興亡を描く歴史作品。それまでにない新しい視点で三国志を描くことで、従来の三国志ファンのみならず新たなファン層を開拓。平成期の三国志ブームを牽引し、三国志が様々なメディアでジャンルとして定着し、大胆な脚色がされた作品が多く誕生するきっかけとなった作品。

胡人の少女・水晶と恋に落ちた曹操は、一番大切にしている言葉は何だと問いかける。
その答えとして水晶は曹操の耳元で「アモーレ」とささやく。曹操に「それはどんな時に使う?」と聞かれた水晶は、何も言わず曹操に口づけをする。気に入った曹操は「アモーレ」と何度も口にするのだった。
その後、張譲に囲われた水晶を取り戻すため、曹操は張譲の屋敷に乗り込む。
曹操を守るためにあえて冷たい態度をとる水晶に、曹操は「アモーレ!」と投げかける。

曹操「天だ」

張譲の屋敷での争いにより捕縛され、“洛陽の鬼神”橋玄の裁きを受ける曹操。
「この世でこれを否定するのは君の叫びのみだ。君だけが君を弁護している。君のほかにそれを見ていた者がいるのか?」と問われ、「天だ!」と答える。
その言葉にうたれた橋玄は、曹操を無罪放免とする。

曹操「ならばよし!」

洛陽の北部尉となった曹操は、城門を夜間外出禁止とするが、宦官の親族である蹇朔が夜間に城門を通ろうする。
部下たちは蹇朔の身分の高さに恐れおののくが、曹操はかまわずに捕縛し、22打の打擲刑を命ずる。
曹操は蹇朔が刑により死亡したことを報告され、おびえる部下たちに向かって「ならばよし!」と高らかに言い放つ。

張飛「俺ァ一介の侠者だ。てめえの居場所を見失うこたァねえ」

数十万の大軍で荊州へと侵攻する曹操軍。民を連れて逃げることになった劉備軍は、曹操軍に追いつかれてしまう。
殿として1人で敵と対峙する張飛の元に駆けつけた趙雲は、迷いを口にする。張飛は「俺ァ一介の侠者だ。てめえの居場所を見失うこたァねえ」と趙雲に自らの覚悟を告げる。これにより趙雲の迷いも吹き飛んだ。

孫権「要はって言うな」

攻めよせる曹操軍を前に、孫権軍の軍議は紛糾する。
「要は抗戦するか、降伏するか、二つに一つ」だと決断を急ぐ配下達に、孫権は「“要は”って言うな」「二つに一つとかなんでも無理やり分かりやすいものにするでない」と言い放つ。

『蒼天航路』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

原作者・李學仁の死と影響

連載開始当初は、原作・李學仁(い・はぎん)、漫画・王欣太(きんぐ・ごんた)の体制で制作されていたが、1998年9月に李學仁が死去。以降は王欣太が1人で作画を担当した。
本作は物語前半部と中盤以降で作風の変化が語られることが多く、この李學仁の死去の影響が大きいと一般には理解されているが、王欣太自身は否定している。

作者は『三国志』に疎かった

王欣太は、連載前まで『三国志』の知識はまったくなかった。
曹操や劉備の名前を知らず、(諸葛亮)孔明に聞き覚えがある程度だったという。

『蒼天航路』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):TRIBAL CHAIR「909」

ED(エンディング):OGRE YOU ASSHOLE「ピンホール」

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