王賁(キングダム)の徹底解説・考察まとめ

王賁(おうほん)は、『キングダム』に登場する秦国の武将で、幼少期から軍事教育を受けたエリートのみで構成される、玉鳳隊の隊長である。また、王賁は長年槍使いとして鍛錬を重ねてきた、槍使いの達人でもある。秦国大将軍・蒙驁(もうごう)の右腕的な副将である王翦(おうせん)将軍を父に持つ。秦国六大将軍・王騎(おうき)も属する王一族の本家筋の出である。自身の出自に誇りが強く、下人の出である主人公の信(しん)の事を見下している事が多いが、信と楽華隊隊長・蒙恬の同世代の武人と互いに競い合って成長している。

王翦は秦国六大将軍であり、名門・王一族宗家の現当主であり、王騎(おうき)の親戚である。王騎も王一族ではあるが、王翦の家が主家であるのに対し、王騎の家は分家に相当する。玉鳳隊(ぎょくほうたい)の隊長の王賁(おうほん)を息子に持つ。桓騎(かんき)と共に、秦国の総大将・蒙驁(もうごう)の副官であり、多方面で活躍をしていた。王騎に比べ王翦の地位が低いのは、危険な野心を抱く者として問題人物とされているためである。王翦は強い野心家であり、「自らが王になる」と豪語している。秦国大王・嬴政(えいせい)の先々代にあたる昭王(しょうおう)の代から王翦は活躍しているものの、周囲から信頼されず、蒙驁将軍の元で働く日々を送っていた。しかし武将としての能力は高く、野戦築城や心理操作を織り交ぜた戦術を得意としている。恐ろしげな形相の顔をあしらった鎧と顔の半分を覆った兜といったインパクトのある風貌で、謎が多い存在である。王賁の事は息子と認めてない節がある。王賁の母(王翦の妻)は、何も語らず王賁を生むと同時に死んでしまったため、父王翦からすれば、王賁は「王家の血」を引いていないどころか、愛する妻の命をも奪ってしまった存在という事だったためか、王翦と王賁は父子としてあまり関わる事なく育てられた。王賁は数少ない会話の際に父から槍の型について助言された事があり、その日から王賁は日々槍の努力が始まった。父に教わり、努力を重ね、父に自信を認めされるために槍を極めるための鍛錬を重ねてきたのである。

番陽(ばんよう)

番陽は白髪に髭を生やし、高価そうな甲冑に身を包んでいる老兵。王賁の幼いころから教育係であり、玉鳳隊の副官も務める。番陽は幼い事から王賁の努力を見てきた事もあり、人一倍王賁への忠誠心が強い。下人出身の信(しん)が隊長を務める飛信隊と出会った時、番陽は初対面の飛信隊に対して「全員気をつけェ!!」と声を張り上げる。飛信隊の面々は反射的に気を付けとしてしまい、番陽に馬鹿にされる。信は番陽の態度に怒り、「ガマンの限界だ。オッサン今すぐ馬から降りてワビ入れろ」と言い、王賁と信の喧嘩の発端となった。戦場で王賁が負傷した際には、王賁の身体を心配し、王賁の天幕の外で寝ずに夜を明かす事もある。王賁が幼い頃から行動を共にしているからこそ、2人の間には揺るぎない信頼が存在しているように見え、楽華隊の蒙恬と胡漸(こぜん)との関係に近いものが伺える。

王賁の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「生まれの良さも才能の一つだ」

対魏戦の高狼城(こうろうじょう)攻めでは、敵城の壁が高く秦国軍の攻略は長期化の様子を呈していた際に、王賁は自ら持ってきた井闌車(せいらんしゃ)を利用して、敵城城壁に橋を架けてしまう。この事について、蒙恬に茶化された際に王賁は、「剣の才を持つ者が剣を振るうのが卑怯じゃないように、俺は井闌車を持っていたから使っただけだ。生まれの良さも才能の一つだ。」と返している。これは、下人の出の飛信隊の信(しん)に対する皮肉ともとれる発言であった。

「助けに行かねば、父を」

朱海平原の決戦において、父である総大将王翦の本軍が敵に襲撃された際、王賁自身は激戦でボロボロになっていたが、窮地に陥った父を救いたい気持ちがわかるセリフである。父子で会話を交わすシーンは無く、親子関係も良くない事が描かれてきた王賁だが、父の窮地で思わず出た言葉。しかし、王翦は助けに来た王賁に対して、「理解に苦しむ」「愚か者」「お前がその数で入ってきても死地は変わらぬ」と叱る。王賁の父を思う気持ちと、王翦にとって王賁はまだ未熟であると認識している事が伺えたシーンである。

「友よ、力をかしてくれ」

朱海平原(しゅかいへいげん)の戦いに於いて、秦国軍は窮地に立たされた。そこで王賁は飛信隊の信と申し合わせて、2体同時で別々に、隊員達に向けて演説をおこない鼓舞した。王賁は、現状は、”王翦将軍からの指示も援軍も来ない” ”兵糧が尽き、右翼には後がない” ”玉鳳の力で現状打破するしかない” と、赤裸々に自分達へ差し迫ったした状況を正直に隊に認識させた。王賁、隊員達に玉鳳隊の成り立ちや歴史を語る。自身は王翦の息子だが王翦軍に入った事はなく、最初から玉鳳隊として戦い続けて今に至った事。自分が大将軍を目指さなくてはならない事。一緒に戦ってきた仲間達を誇りに思っている事、を語り掛け、玉鳳隊員立ちに向けて「友よ力を貸してくれ」と素直に、協力を求めた。いつも寡黙な王賁とは異なる投げかけにより、玉鳳隊は感動して泣きだす者も出て、全軍が奮い立ち覚醒した。これにより、玉鳳隊は王賁を先頭に全軍突撃を仕掛ける事となった。

「中華に名を刻む大将軍には決して届かぬ」

朱海平原(しゅかいへいげん)で窮地に立たされた王賁に対し、玉鳳隊千人将の関常(かんじょう)が”魏国最強の槍の使い手”として知られる紫伯(しはく)と戦う事を辞めて引く事を進言したが、王賁はそれを無視し何度も戦う事となった。ここで引いていたら「中華に名を残す大将軍には決して届かぬ」「夢だ何だとと浮ついた事ではなく」「王家の正当な後継ぎとして」と発言している。父・王翦(おうせん)に認められる為、王家の正当な後継ぎとして、大将軍になる必要があるという覚悟が見て取れ、だからこそ、今こそ槍の紫伯を倒す事に意味があると述べている。

王賁の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

王翦の息子ではないという噂

王賁は王翦(おうせん)の本当の子供ではないという疑惑がある。玉鳳隊の副官である番陽(ばんよう)の話によると、王賁の母は朱景(しゅけい)という大貴族であった。朱景の関家と王翦の王家の結婚式は、数千人もの参列者があって、婚礼は三日三晩続いたという盛大なものだった。朱景は結婚後すぐに子供を授かったが、朱景にはもともと恋人がいて、お腹の中の子供は王翦の子ではなく、元彼の子なのではないかという噂が立ち上がってしまった。朱景が噂を否定すれば良かったが、堅く口を閉ざし、何も言わないまま王賁の出産に臨み、産後すぐ死んでしまった。つまり、王翦にとって王賁は他人の子かもしれない上、愛する朱景の命を奪った子供の可能性があるという事である。この話だけでは、王翦が王賁と関わらず厳しく接する理由にもなると思われるが、王翦は王賁を本当の息子と信じ、将軍となるためのスパルタ教育しているともとる事ができる。

武将としての活躍ぶりは史実と同じ

王賁の記録によると以下の様になっている。始皇21年:王翦と燕を攻め、燕都の薊を陥落させる。楚を攻め、楚の軍を破った。始皇22年:魏を攻め、魏都の大梁に黄河の水を引いてこれを包囲し魏王を降伏させた。始皇25年:李信と共に燕を攻めた。燕王を捕え、燕を滅ぼした。始皇26年:李信・蒙恬と共に斉を攻めた、滅ぼした。かくして、秦は天下を統一した。天下統一までほとんどの国の滅亡に関わっており、特に”李信と共に燕を攻めた” ”李信、王賁と共に斉を攻めた”等の記述より、物語と同じように3人で切磋琢磨して成長してきた事は同様であると解釈できる。

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楚水(そすい)とは『キングダム』に登場する、主人公の信が隊長を務める飛信隊の副長。飛信隊入隊前は、郭備隊で副長を務めていた為、複数居る飛信隊の副長達の中でも隊としての豊富な経験を持つ。農民出身者が中心の飛信隊において、元郭備隊の騎馬隊をまとめ上げる等、隊でも重要な役割を果たしている。郭備千人将の戦死がきっかけで飛信隊に加入したが、道半ばで倒れた郭備の事を心の片隅に置いて戦う等、義に厚い人柄。飛信隊に於いても作戦立案から、補給の手配、先陣を切っての突撃等、マルチにこなす事の出来る頼れる存在である。

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カイネ(キングダム)の徹底解説・考察まとめ

カイネ(キングダム)の徹底解説・考察まとめ

カイネは『キングダム』に登場する、趙国軍総司令・李牧(りぼく)の側近の女剣士である。騎馬術や剣術を得意とし、李牧の護衛も務めている。李牧には全幅の信頼を寄せ尊敬している。秦国との戦の時に、飛信隊軍師・河了貂(かりょうてん)が戦場を見学している際に、カイネと偶然出会い親しくなった。その後、河了貂とは敵同士として闘う事もあったが、以後も気にかけており、たびたび仲間に引き入れようと誘う。カイネと同じく李牧の配下である傳抵(ふてい)に将来の嫁と呼ばれている。

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キングダム 運命の炎(キングダム3)のネタバレ解説・考察まとめ

キングダム 運命の炎(キングダム3)のネタバレ解説・考察まとめ

『キングダム 運命の炎』とは、原泰久の漫画『キングダム』を原作とする2023年公開の実写映画作品。同シリーズでは3作目にあたるため『キングダム3』とも呼ばれる。キャッチコピーは「大いなる夢を、新しい時代を、その手で掴め―」。監督は佐藤信介が務め、主役の山﨑賢人や吉沢亮など主要人物の役者は全員が前々作から続投している。 趙の大軍に攻められた秦は、六大将軍の王騎を総大将にしてこれを迎撃する。将軍を志す剣士にして秦の若き王嬴政の友でもある信も従軍し、師である王騎から重要な作戦を託される。

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蒙毅(キングダム)の徹底解説・考察まとめ

蒙毅(キングダム)の徹底解説・考察まとめ

蒙毅(もうき)は『キングダム』に登場する秦国の若き軍師である。祖父は秦国大将軍である蒙豪、父は中華最強を自負する秦国将軍の蒙武、兄は物語の主人公・信と共に切磋琢磨して己の実力で将軍となった蒙恬というエリート軍人一家の出身。突出した武の力を誇るもそれに任せた戦法を取ることが多い蒙武を、知略の面で支えたいと考えて軍師を目指し、秦国軍総司令・昌平君の軍師学校の門を叩く。信と生活を共にする少女・河了貂とは軍師学校の同期で、特別軍師認可を受けている彼女と軍略囲碁でまともに戦えるのは蒙毅だけである。

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