田中冴子(ハイキュー!!)の徹底解説・考察まとめ

田中冴子(たなか さえこ)とは古舘春一の高校バレーを題材にした漫画作品『ハイキュー‼』の登場人物で、烏野高校の卒業生である。高校卒業後は地元の大学に進学。「烏野食堂」でアルバイトをしながら、和太鼓チームに在籍して練習に励む。弟の龍之介が烏野高校の男子バレーボール部に所属しているため、頻繁に応援に駆け付ける。龍之介のことを非常に可愛がっており、好プレーを見せると黄色い声援を送ったり、静かに涙ぐんでその活躍ぶりを喜ぶ。また、男勝りな性格をしているため、多くの人から「冴子姐さん」と慕われている。

音駒戦

稲荷崎戦を終えた夜、冴子、嶋田、滝ノ上が外を出歩いていると、長身の美女と髪を2つに結った女の子とすれ違う。初対面にも関わらず2人が他人ではない気がすると、冴子の勘が働く。そして翌日、烏野の春高3試合目の相手である音駒高校の応援席にて、昨日の長身美女と2つ結びの女の子の姿を見つける。2人は音駒の関係者で、長身の美女がミドルブロッカー・灰羽リエーフ(はいば リエーフ)の姉にあたる灰羽ありさ(はいば ありさ)。2つ結びの女の子は、ウイングスパイカー・山本猛虎(やまもと たけとら)の妹にあたる山本あかね(やまもと あかね)であった。烏野と音駒は因縁の相手であり、両校の名前に「カラス」と「ネコ」があることから、2校の試合は「ゴミ捨て場の決戦」と言われている。全国の舞台で、「ゴミ捨て場の決戦」することが互いの長年の夢であり、冴子もいつもより気合を引き締めて応援にバチを手にする。

音駒の強さは高いレシーブ力だ。たとえ渾身の力をこめたスパイクやスピードを活かした攻撃で攻めても、軌道が変わるサーブで牽制しようとも彼らは高確率でボールを繋げる。更に、セッターの弧爪研磨(こづめ けんま)は戦略を練ることに長けており、相手の状況をよく観察して勝利への導き出す賢さを持つ。弧爪の頭脳と音駒全体のレシーブ力が合わさり、烏野は窮屈なバレーボールを強いられる。しかし、今まで同様揺るがぬ攻撃意志を全員が強く持ち続け、音駒の僅かな穴を狙う。烏野は空中で粘り、音駒地上で粘る。一つ一つのプレーが長くなり、互いに苦しさを覚えながらも試合を存分に楽しむ。そして、3セットフルに使った全国での「ゴミ捨て場の決戦」の勝者は、セットカウント2-1で烏野に決まった。

音駒戦終了後、冴子、嶋田、滝ノ上、明光の4人は食事をとるために近くの飲食店に出向く。大会期間中ということもあり相席の協力が必要だったが、その相席相手があかねとありさだった。メニューを見るあかねは、音駒が敗退した悔しさから涙が滲む。あかねの涙に男性陣は戸惑うが、冴子だけが「何を言っても野暮だわ」とビールを掲げる。するとあかねは手元のオレンジジュースを手にして、冴子のビールジョッキに呼応する。食事を機に意気投合した冴子とあかねは、仲良く会話をしながら会場に戻る。あかねは、冴子が龍之介の姉だと知ると、龍之介の超インナーと超ストレートのスパイクを賞賛する。そして、裏エースとして、龍之介はこれからサーブでたくさん狙われることが予想できるので、レシーブを強化した方がいいと思うとアドバイスを送ると、冴子は、「わかる!あの子オラオラのくせに攻められると弱いとこあんのよね」と共感する。すると突然、明光を呼びとめる人物が現れ、冴子はその人物こそが日向が憧れている小さな巨人だと気づく。冴子は試合に向かう日向を慌てて呼び止めて、小さな巨人のところへ案内する。日向は興奮気味に自己紹介をして、小さな巨人に今はどこでバレーボールをしているのか質問する。だが、小さな巨人の回答は「今はバレーボールをしていない」だった。冴子はてっきり今でもバレーボールを続けていると思っていたようで、予想外の回答に日向のやる気を削いでしまったのではないかと心配する。

鴎台戦

準々決勝に進んだ烏野の次の相手は鴎台(かもめだい)高校。サーブとブロックが強いチームである。注目選手はウイングスパイカーの星海光来(ほしうみ こうらい)。身長は170㎝にも満たないが、体格の不利を優にカバーするジャンプ力と攻守で光るテクニックを持ち、次世代の小さな巨人として注目を浴びる。冴子が和太鼓用の衣装に着替えて応援体制に入ると、小さな巨人こと宇内天満(うだい てんま)は「田中かっけえ」と褒める。

星海の八面六臂の活躍に加え、高校最強ブロッカー昼神幸郎(ひるがみ さちろう)率いる組織化させたリードブロックに、烏野は得意の攻撃がいまひとつ決まらない。この状況を打破するために、日向はコートの幅を広く使うブロード攻撃で、洗練された鴎台のブロックを分断する。また、徹底的なブロックで追い込まれていた東峰も、落ち着きを取り戻してフェイントや力強いスパイクで調子を上げていく。しかし、第3セット終盤。日向の体調不良が発覚する。急いで熱を測ると、体温計は39.1と示した。高熱が発覚した以上、コートに居続けることはできない。日向の無念の退場に、「なんでだよ」冴子はと目を潤ませて悔しさを表す。日向が離脱し、月島も筋肉疲労から一旦コートを後にするなど、まさに満身創痍の烏野。それでも、スパイクで果敢に攻め、レシーブで粘り、何とかボールを繋げる。しかし、ラストは星海のスパイクを西谷が捕えきれず、試合終了の笛が鳴る。セットカウント1-2で烏野は準々決勝で敗れ、全国ベスト8という結果で幕を閉じた。

Vリーグ観戦

明光と試合観戦

春高応援から月日が経ち、日向や影山たちが22歳になった年に、バレーボールの日本国内最上リーグ、通称「Vリーグ」のDivision1の試合が仙台のカメイアリーナにて開催される。今試合の出場チームは、「MSBYブラックジャッカル(BJ)」と「シュヴァイデン アドラーズ(AD)」だ。BJは、日向や稲荷崎の宮侑が在籍している。一方、ADには、影山や白鳥沢の牛島、鴎台の星海が在籍している。当時、高校バレーを沸かせたメンバーが集結する夢のような試合に、冴子も足を運び参戦する。この時冴子は27歳で、バイクショップに勤務しながら和太鼓集団「烏合」の代表を務めている。

牛島が外国人選手に勝るとも劣らない威力のあるスパイクを決めると、「出たなウシワカ」と、白鳥沢戦のことを思い出したのか苦い顔をする。他に、これまでスパイクサーブとジャンプフローターサーブの2種類のサーブを武器にしていた侑が、新たにその2つをハイブリッドさせたサーブを打つと、「今の宮侑は三刀流」と驚きを隠せない。当時の強者たちは印象的だったのか、冴子は鮮明に彼らのことを覚えているようだ。

3セット目が終了してもなお続行する試合に、プロは5セットマッチだと気付く。烏野が白鳥沢と戦った時に、5セットは過酷だと思ったけれどトップレベルは当たり前なのかと尊敬する。両者ともハイレベルなプレーで引けを取らない。冴子が「どっちが点をとっても上がる試合観てるウチラ無敵じゃない」と真剣な表情で言うと、一緒に観戦している明光も笑って同意する。激闘の末、セットカウント3-1で勝者はBJ。試合終了後、出版社のインターンとして会場に来ていたあかねと再会し、2人は喜び合った。

田中冴子の関連人物・キャラクター

田中龍之介(たなか りゅうのすけ)

CV:林勇

烏野高校バレーボール部2年生。ポジションはウイングスパイカー。烏野の切り込み隊長として、コートのライン際を狙ったストレートや、アタックラインよりも前に打ち込むクロスのスパイクでチームに貢献し、次期エースと期待されている。また、後輩の面倒見が良い優しい先輩。冴子の弟で、冴子は龍之介を非常に可愛がっている。龍之介が好プレーを見せると、「りゅうー」と大声で声援を送るなど仲の良い兄弟である。

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西谷夕(にしのや ゆう)

CV:岡本信彦

烏野高校バレーボール部2年生。ポジションはリベロ。烏野の守護神と呼ばれており、その名に恥じないレシーブ力で、ボールを繋ぐ頼もしい存在だ。冴子のことを「姐さん」と慕っている。

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縁下力(えんのした ちから)

CV:増田俊樹

烏野高校バレーボール部2年生。ポジションはウイングスパイカー。基本的に落ち着いており、まとめ役に適している。冴子曰く、2年生の首領は縁下。

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日向翔陽(ひなた しょうよう)

CV:村瀬歩

烏野高校バレーボール部1年生。ポジションはミドルブロッカー。小柄ながら、常人離れしたジャンプ力とスピードを武器に、ポイントゲッターと囮の2つの役割を果たす。東京遠征の際に、車で届けてもらった時から冴子のことを慕っている。冴子も、日向の活躍を楽しそうに見守っている。

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木兎光太郎(ぼくとこうたろう)とは『ハイキュー!!』シリーズの登場人物で東京都の梟谷学園高校3年生で主将でありエースである。 真っ直ぐで攻撃的なプレイは敵味方関係なく圧倒し、士気を高める。得意なスパイクコースは超インナークロス。 常にテンションは高いが、意外なところでメンタルがやられ気分の浮き沈みが激しい。 高校卒業後はVリーグDivision1の「MSBYブラックジャッカル」に所属。

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田中龍之介(たなかりゅうのすけ)とは、『ハイキュー!!』に登場する烏野高校の2年生。パワフルなスパイクで、チームの得点を叩き出す。烏野の元気印として試合のファーストポイントを任されることが多い。ポジションは、ウィングスパイカー。スパイクの技術も安定感もある優秀なスパイカーと周囲から称されている。烏野バレー部の時期エースとして期待される。一見パンチの強いタイプだが、後輩の面倒見が良く、後輩から慕われている。マネージャーの清水潔子(しみずきよこ)に絶賛片思い中。

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山口忠(やまぐち ただし)とは『ハイキュー!!』に登場するキャラクターで、「落ちた強豪、飛べない烏」と呼ばれている「烏野高校」のミドルブロッカー。身長が高くクレバーな月島、天才の影山、最強の囮日向と同期であり、レギュラーに入ることもできず、当初は目立たない存在であった。しかし、自分だけの武器を見つけるべくサーブを特訓し、チームで欠かせない選手に成長。変人だらけの烏野1年の中で一番まともな性格をしており、よくツッコミ役に回る。しかし幼馴染の月島のことになると熱くなってしまう一面も持つ。

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灰羽リエーフ(はいば りえーふ)とは、『ハイキュー!!』の登場人物で、東京の強豪、都立音駒高等学校男子バレー部に所属する1年生。日本人とロシア人のハーフだが日本生まれ日本育ちのため、ロシア語は話せない。名前のリエーフはロシア語で”獅子”を意味する。 バレーは高校に入学してから始めたため、周りから下手だと言われているが、生まれ持った高身長、身体能力、バレーのセンスを兼ね備えている。 主人公の日向翔陽がいる宮城県立烏野高等学校と”ゴミ捨て場の決戦”を実現させるため全国大会への出場を目指していく。

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