とある魔術の電脳戦機（電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録）のネタバレ解説・考察まとめ

本作では富良科によって複製品として出現し、彼女の愛機となったバーチャロイド・ブルーストーカー。初登場となる原作小説版では搭乗者の正体も含めて多くが謎に包まれており、本作でもその謎が明かされることはなかった。そして今でも多くが謎に包まれているブルーストーカーの目的は、タングラムの開発者であるリリン・プラジナーの生まれ変わりで、タングラムにアクセスできる能力を持つ富良科を生み出し、タングラムの力を手に入れてバーチャロンの世界へ戻ることだった。
そのためにブルーストーカーは次世代競技としてバーチャロンを学園都市に流行させ、バーチャロンを介して『とある』世界においてタングラムの力となる科学とそれらの知識を一度に多く集めるために学園都市を富良科の中に折り畳むという大それた計画を実行しようとしていた。それに気づいて阻止しようと向かってきた上条はもちろん、学園都市最強の能力者である一方通行も大いに苦戦させている。
さらに『とある』シリーズのヒロインであるインデックスや美琴を死に追いやり、最後は上条によって倒されるもタングラムの力で学園都市も含めた世界を崩壊させたという衝撃の展開を引き起こしたことから、ブルーストーカーは『とある』と『バーチャロン』双方のシリーズファンの多くの心に残る存在として語られ続けている。

タングラムの生みの親の生まれ変わり・富良科凛鈴

本作及び原作小説版のオリジナルキャラクターである富良科凛鈴は、ストーリーと用語でも解説した通り、タングラムの開発者である天才少女科学者「リリン・プラジナー」の生まれ変わりである。そして本来は『とある』シリーズの世界には存在しないはずの虚構の少女だったが、原作小説版でタングラムと共に『とある』シリーズの世界に現れたブルーストーカーの計画によって生み出され、先述の恐るべき計画を実行するために鍵として悪用されかけたが、上条によって救い出された。
そしてブルーストーカーの計画によって学園都市を含む世界は一度崩壊したが、タングラムによって「バーチャロンが流行する前の世界」に再構築された。同時に富良科も学園都市の住人として存在を定着され、さらにリリン・プラジナーとしての記憶から自分が開発したタングラムが世界を崩壊させようとしたことに深い悔恨の念を抱き、その贖罪として今度こそ楽しむだけのバーチャロンを作るべく動き出す。

本作の主題歌は『とある』シリーズのヒロインたちが担当

本作の主題歌である『Get Ready！』は、『とある』シリーズのヒロインとしても有名なインデックス役の井口裕香、彼女と並ぶ『とある』シリーズのヒロインである御坂美琴役の佐藤利奈が歌を担当している。人気声優である井口裕香と佐藤利奈のダブルボーカルで歌うこの主題歌は多くのファンの心を掴み、そしてこの主題歌が流れる本作のオープニングにおいて上条の操るテムジンが一方通行の操るスペシネフと激しいバトルを繰り広げるシーンにマッチしており、さらにファンの心を掴む場面にもなったのが話題となっている。

打ち止めの腕試しに振り回される一方通行「シスターズ・ブートキャンプ」

本作では外伝となるストーリーが用意されており、これらのストーリーをプレイするためにはPlayStation Storeで購入してダウンロードする必要があるが、本作のストーリーとは別に『とある』シリーズの主人公である上条はもちろん、インデックス、美琴、一方通行らその他『とある』シリーズの人気キャラを主役にしたバトル付きのサブストーリーを楽しむことができ、これらのサブストーリーも本作のファンの多くから注目されている。
そのうちのひとつであるこの「シスターズ・ブートキャンプ」は、ある時一方通行が、打ち止めから自作のバーチャロンの特別訓練ミッションに挑戦してほしいとせがまれるところから始まる。一方通行はバカバカしいと切り捨てて相手にしようとしなかったが、それでも打ち止めはめげずにしつこくせがんできたことにウンザリさせられる形で結局挑戦することになった。

バトルの内容は一方通行のスペシネフが、打ち止めによって再現された上条のテムジンや美琴のライデン、はては富良科のブルーストーカーという、本作に登場したキャラクターたちのバーチャロイドがいずれもボス仕様として強化された状態で登場し、彼らと連続で戦うというものとなっている。そしてスペシネフは攻撃力とスピードこそ高いが防御力が低いのが弱点となっており、この弱点も含めたスペシネフの特徴を理解した上でどう立ち回るかが攻略の鍵となっている。
ちなみにこのバトルの最中、「せいぜい良い声をあげてミサカを楽しませてよねっ！」「貧弱極まりない貴様を戦士に鍛え上げる！それがミサカの使命なのだ！」などといった打ち止めの悪ノリ満載の野次が何度も飛んでくる。この打ち止めの悪野次に多くのファンが「あーもう最高」「打ち止め面白い」「打ち止め声変わりすぎ」などと好評価の声が寄せられている。

少女たちの熱い思いが垣間見れる「ホワイトフリートカップ」

有料ダウンロードコンテンツのサブストーリーのひとつである「ホワイトフリートカップ」では、佐天と初春が主人公となって、ゲームシステムの項目で解説したミニゲーム「エクスプロージョンコード」を採用したバーチャロンのスポーツ大会に挑戦するストーリーが描かれている。このストーリーでは『とある』シリーズでも屈指の人気キャラとして知られる美琴と黒子、そして彼女たちに負けず劣らずの人気キャラである佐天と初春の活躍がこれでもかと描かれている。
ホワイトフリートカップに参加することになった佐天と初春、そして美琴と黒子だが、大会の数日前、美琴は佐天の様子がどこかよそよそしいことに、何が理由なのかは思い当たらないが自分は佐天に避けられているのではないかと感じて気落ちしていた。一方の佐天も美琴に対してよそよそしい態度を取ってしまうことに負い目を感じているが、実は自分が無能力者であり、美琴が超能力者であることにコンプレックスを感じていた。

そして同じ学園都市で暮らす仲間として明るく付き合っていても、どうしてもこのコンプレックスを気にせずにはいられずもどかしい思いをしていたが、佐天は初春と組んで、この大会で美琴に勝負を挑んでコンプレックスを振り切る決意を固めたのである。そんな佐天の本音をストーリーのラストのホワイトフリートカップ決勝戦の直前で受け取った美琴は、彼女のために全力で相手をすることを決意した。
そうした佐天と美琴たちの熱いやり取りにファンの多くが感動するはもちろん、美琴の待つ決勝戦までの各試合で上条、インデックス、食蜂、レッサー、アックアといったキャラとのやり取りも個性あって見どころあるものばかりとなっている。そしてバトルはストーリーの内容通りエクスプロージョン・コード形式で、エクスプロージョン・コードのシステムを理解した上で立ち回ればそんなに難しいものではない。

『とある』シリーズの人気キャラたちの共演にして大乱闘「ギガンテス・オブ・ザ・リング」

有料ダウンロードコンテンツのサブストーリーのひとつである「ホワイトフリートカップ」では、上条とインデックスが主人公となって、タッグマッチ形式のバーチャロンの対戦大会「ギガンテス・オブ・ザ・リング」に挑戦するストーリーが描かれている。このストーリーではインデックスが勝手にエントリーしたことで彼女と共にタッグを組む形で出場させられることになった上条が、レッサー、黒子、初春、食蜂、美琴、一方通行、神裂、アックアといった、『とある』シリーズのファンの心に残る人気キャラたちと試合で熱いバトルを繰り広げる姿を描いている。
ちなみにこのストーリーの見どころは、大会の参加システムとなったマッチングアプリによって見出された共通点から誕生した、レッサーと黒子、初春と食蜂、美琴と一方通行、神裂とアックアという4組のコンビの様子、上条とインデックスとの個性溢れるやり取りにある。レッサーと黒子は小悪魔キャラ被り、初春と食蜂は運動音痴、美琴と一方通行は超能力者、神裂とアックアは聖人という共通点からコンビを組んでいる。

そしてこの4組との戦いの後、ラストでは「チャロンマスク」と名乗った富良科が飛び入り参戦してくるというスペシャルバトルが発生する（ちなみにバトルの後、富良科はマッチングアプリを使ってもコンビを組む相手がどうしても見つからなかったという悲しい理由が明らかとなっている）。こうした本作で富良科も入れた人気キャラたちとの個性溢れるやり取りは多くのファンの注目を集めているが、バトルではいずれのキャラも強敵となっているため、プレイヤーが操作する上条のテムジンの特徴を理解し、インデックスのバル・ルルーンとどう連携を取るかが攻略の鍵となる。