将国のアルタイル(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『将国のアルタイル』(しょうこくのアルタイル)とは、カトウコトノ原作の漫画および、それを原作としたテレビアニメ作品。2007年から『月刊少年シリウス』で連載が開始され、2017年には第41回講談社漫画賞少年部門を受賞した。中世トルコ風の世界を舞台とし、大国が仕掛けた戦争に巻き込まれる国々に生きる人々と、戦いを終わらせるために尽力する一人の若き軍人の冒険と奮闘、周辺諸国の仲間たちとの友情を描く。

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アウグスト/サロモン/ウルバーノ

CV:阪口周平(アウグスト)/土田玲央(サロモン)/高橋研二(ウルバーノ)
チェロに籠城している民兵たち。籠城戦に耐えかね、仲間たちと共謀して院長のカルバハルを監禁し、帝国軍に降伏しようとする。カルバハルを処刑して降伏を試みるが、帝国軍の退却により失敗し、トルキエ軍に拘禁されることになった。

アルギュロス(銀色の都)の関係者

ラフモノフ

CV:白熊寛嗣
アルギュロスを治める三大商人の筆頭を務めている。街を混乱から守るため、政治的な思惑をもって訪れたマフムートを強く拒絶した。商人の倫理で街を治めているが、時として政治的な判断を下すこともある、広い視野と深い思慮を持った優秀な人物。

ニキ・アル・バフラーム

CV:白石涼子
帝国暦436年8月10日生まれの14歳。アルギュロスの商人バフラームの一人娘。父の急死を受けて隊商を継ぐことになる。しかし、他の隊商に従業員たちを全て奪われ途方に暮れていたところで、マフムートに商談を持ちかけられたことをきっかけとして新しい商売を始める。その後、アルギュロスを飛び出してマフムートたちと共に行動する。男勝りな性格で、弱冠14歳ながらトンファーを得物とした武術の心得もある。

ワン・イーシン

CV:中博史
帝国暦372年7月27日生まれの78歳。妻(CV:堀越真己)と使用人たちと共に暮らしている老人。好々爺然としているが、変装したマフムートの正体を見破るなど非常に鋭い洞察力を持っている。それもそのはずで、かつては東方にある大国チニリの皇帝親衛隊である侍衛親軍都指揮使を務めていた。23年前に戦で右足を失ったため退役し、アルギュロスで皇帝への献上品を探しながら隠居生活を楽しんでいた。

『将国のアルタイル』の用語

ルメリアナ大戦

バルトライン帝国がルメリアナ大陸全土の征服を目指して引き起こした大規模な戦争。物語の後半における最大の舞台となり、主人公のマフムートが外交、軍事の両面で活躍する主要な出来事でもある。

ルメリアナ大戦に関係する諸国

トルキエ将国

ルメリアナ大陸の南東部に位置する、草原と砂漠に覆われた遊牧民の国。バルトライン帝国の内乱が終結し、その脅威が外に向けられることを恐れた20の部族のうち、16の主な部族が77年前に建国した部族連合国家。
大きく分けて、金色の町(アルトゥン)、砦の町(ヒサール)、イェニ・トゥグリル村、オアシスの町、水の精霊の町(ナバラト)の5つの地域で成り立っている。
「大陸の富の9割が通る」と言われる隊商の街道と海の街道が交差しているという位置関係から、特に商業が盛んである。大陸諸国の中でもかなり裕福な部類の国家であり、庶民にも道楽を楽しむ余裕がある。
軍人たちは庶民の中から試験で選ばれ、階級は下から下級仕官、十人隊長(オン・バシュ)、百人隊長(ユズ・バシュ)、千人隊長(ビン・バシュ)、将軍(パシャ)、13人の将軍(ヴェズィール)、大将軍(ビュラクパシャ)の7段階に分けられている。完全な能力主義社会を採用し、昇格する者もいれば降格者も定期的に選出されるという、シビアなシステムで成り立っている。
将軍会議(ディワーン)を行政の最高決定機関としており、将軍会議は42名の将軍による多数決で決定される民事、商業に関する第一の会議、大将軍の権限により地下水路監督官と戦時司令官を決定する第二の会議、13人の将軍の全会一致で決定される、軍事と外交、国家犯罪に関する第三の会議が存在している。この将軍会議は週3日で定期開催されているほか、緊急の場合には臨時召集もある。
宗教は五首信仰で、水資源に乏しいことから、水の精霊(ナバラト)が盛んに信仰され、国内の村々には必ず泉を囲むように水の社殿が建てられている。

四将国

トルキエの文化圏に属している衛星国。トルキエの建国時に帝国への後詰として、トルキエの20からなる部族のうち、当時の4大有力部族の族長を君主に据えて建国された4つの国。ムズラク将国、ブチャク将国、クルチュ将国、バルタ将国に分かれている。
四将国は各部族の族長である将王(スルタン)によってそれぞれ統治されていて、将王は世襲制となっている。大トルキエにおいては将王はトルキエ将国の13人の将軍と同格の地位を持っており、「大トルキエ」と呼ばれている地域は、これらの四つの将国とトルキエ将国をまとめて指した言葉。
それぞれの将国は国力は小さくなるが、トルキエ将国から軽視されがちという背景から、近年では各国でトルキエに対する不満が高まっている。

バルトライン帝国

トルキエの北西に位置する軍事大国。トルキエ将国の10倍以上の戦力を保持している。皇帝による統治が行われ、貴族文化を有している。皇帝と取り巻きの間で意見の相違があることから一枚岩ではない。長く内乱が続いていたが、77年前にバルト地方を束ねるゴル王国によって統一されて誕生した。
帝国における支配階級は、ゴル王国時代からの家臣である旧貴族(ユンカー)と、帝国成立後に併合されたバルト地方諸王の新貴族(ヘルマン)に二分されており、旧貴族は行政官として、新貴族は私兵を率いて戦争の尖兵として帝国を支えている。
しかし、新貴族は常備軍団の設立により役目を終えており、以後は武術大会で武芸を披露するだけの存在となっているが、皇帝との間で有事の際に私兵を率いて参上する旨の誓約を交わしている。国の意思決定機関として国務会議と貴族会議が存在しているが、皇帝や元老・国務大臣・陸軍大将が出席する国務会議が実権を握っているため、貴族会議はすっかり形骸化してしまっている。
帝国に征服されているライン地方の人々はバルト地方から常に搾取される立場におかれ、戦争の際には捨て駒として最前線に送られている。教育格差も大きく、辺境部では産業や教育が大幅に遅れている。こうした事情から、ライン地方では帝国に対する反感が根強く存在している。
主な宗教は、東方から流れて来た製鉄職人集団で、良質な鉄鉱石の産地であるバルト地方ロット・ベルク(赤蛇の山)に定住し、製鉄技術を守るために教団化した赤蛇の教団(レッドウルム)。単なる信仰の対象のみでなく、バルトライン領内の地下には彼らが数百年かけて掘り続けた鉱道が張り巡らされている。

ベルネット王国

かつてライン地方に存在した王国。ライン地方の諸王国の中では、バルトライン帝国の侵略に最後まで抵抗していた。しかし、家宰のプランタン一族の裏切りによって帝国に統合されたという過去がある。その後は子爵位を授かったプランタン一族が旧ベルネット王国領を支配し、皇族だったベルネット一族は一介の町の長として生き延びていた。キュロスの説得を受けたオットー・ベルネットの起こした反乱でプランタン一族を滅ぼし、帝国から独立することができた。

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