J・ゲバル/純・ゲバル(刃牙)の徹底解説・考察まとめ

J・ゲバル/純・ゲバル(じゅん・ゲバル)とは、『刃牙シリーズ』の第3部作目、『範馬刃牙』に登場する個性溢れる強者の1人で、アメリカ合衆国のアリゾナ刑務所に収容された囚人。ミスター2(セカン)と呼ばれる。2というのは実力ナンバー2という意味ではなく、2代目という意味である。初代はビスケット・オリバで、世代交代のための対決が行われる。オリバとの対決の前にも、総合格闘家やマウスとの対決でその強さが描かれており、強さだけでなく端正なルックスとユーモアのある口調からファンも多い。

大統領邸に侵入したゲバル

さらにアメリカ合衆国の大統領G(ジョージ)・ブッシュに目をつけられ、独立を阻止されようとするも、ゲバルは大統領の家族にいつでも危害を加えることができることをアピールし、ゲバル軍団とアメリカ合衆国は対等であることを主張する。

オリバとのケンカ

そのまま独立への道を歩むかと思いきや、ゲバルの興味は他にもあった。兵器も持たずに大統領と対等な男、ビスケット・オリバとのケンカである。そこでアリゾナ刑務所に入り、オリバとの対決となる。2人の共通点は、一流の頭脳・一流の肉体・一流のリーダーシップがありながら、ケンカに負けたくないという未熟な精神であり、相違点は闘う動機である。ゲバルは闘うために何かが必要と考えるのはむしろ弱みと考えているのに対し、オリバはガールフレンドのために闘うことを信条としている。

ゲバルVS元大相撲の総合格闘家

第1戦目 食事中

刑務所内で最初に対決した相手は、元大相撲の総合格闘家である。食事中にこの総合格闘家がケンカを仕掛けたところから始まる。戦いは2度行われ、1度目の対決はゲバルが相手に拳銃を与え、自分を撃つように煽るが、拳銃を持った人間の心理を知るゲバルはあっさりと金的への攻撃を仕掛け勝利する。

第2戦目 体育館(大相撲アリゾナ場所)

2度目の対決は体育館での相撲対決となり、相手はゲバルの腰に手をまわし持ち上げようとするが、持ち上げることができず、ゲバルに鼓膜を破られ髪の毛を使っての三半規管への攻撃から立つことができなくなったため、相撲対決もゲバルの勝利で終わる。その後、その総合格闘家は看守に射殺される。

ゲバルVSマウス

第2戦目はマウスと呼ばれる3人組との対決である。ゲバルと同じ部屋に収容されていた元ボクシングヘビー級王者のアイアン・マイケルが、出所後に統一ヘビー級タイトルマッチをする予定だったが、この刑務所にIBA国際ボクシング協会会長ボブ・マーフィーが訪れ、その責任者にアイアン・マイケルが再びボクシングをできなくなるよう依頼したため、マウスが呼ばれたところから話は始まる。彼らは息の合った連携プレイを得意とし、食事をする際に唇(リップ)・歯(トゥース)・舌(タング)の3つを連携させることに似ていることから、口(マウス)と呼ばれている。一人ひとりはプロのライセンスや黒帯を持っているわけではないが、3人がかりの攻撃でアイアン・マイケルを圧倒する。失神したマイケルの腕の腱を切ろうとして再起不能にしようとしたその時、ゲバルが風車と共にでんぐり返しをしながら登場する。小便をまき散らしたり、自ら仰向けになって相手を挑発し、敢えて3人からの踵攻撃を受けるが、ゲバルにダメージは無く、起き上がって風を呼び、泥のメイクをして戦闘モードに突入する。マウスはただの演出と侮るが、アッパーカット1発で1人を戦闘不能にする。それを見た2人の内1人の唇(リップ)は小便を漏らしながら全力で逃げ、もう1人は戦意喪失してこの闘いは終了する。

ゲバルVSオリバ

ルーザールーズ

ルーザールーズ対決をするゲバル(左)とオリバ(右)

3戦目はオリバとの対決である。恋人のマリアを連れて登場し、タキシードを破って囚人達の度肝を抜く演出で注目を集める。一方ゲバルは島の中で最も弱虫で、最も勇敢な少年から受け取った容器だけを片手に登場する。この容器には豪雨と突風と高波と雷が入っており、勇気をもらえるとゲバルは以前に説明している。オリバとの対決はまずルーザールーズから始まる。16世紀にヨーロッパの貴族の間に生まれた決闘のルールで、戦う双方が互いにハンケチの両端を握り合い、殴りあう。ハンケチを離したら負けという単純なルールで、ゲバルはハンケチではなく自身のバンダナをハンケチ代わりにした。先手を打ったのはゲバル。右アッパーや右ストレート、膝蹴りなど連打を浴びせるもオリバはバンダナを離すことなく、むしろゲバルが片手で掴み切れなくなって両手で鷲掴みすることになる。それを見たオリバはゲバルを挑発し、持ち方を親指と小指だけに変える。すかさず髪の毛を使った攻撃から投げ技を仕掛けたゲバルにオリバは動揺し、バンダナを掴み切れなくなって鷲掴みに変える。それを見たゲバルはさっきのお返しと言わんばかりにオリバを挑発する。攻撃をし続けるゲバルにオリバは心の中でマリアに謝りながら持ち方をさらに変える。ジルベルトスタイルと呼ばれる持ち方で挑発されたゲバルも負けじと持ち方をジルベルトスタイルに変える。その応戦を見た刃牙(この漫画の主人公であり、『刃牙シリーズ』の第1部作目『グラップラー刃牙』で開催された地下闘技場最大トーナメントのチャンピオン)は単なるハンカチゲームの茶番だと言い、マリアに抱きつくことでルーザールーズ対決は終わる。

男同士のシンプルな倒し合い

オリバの打ち下ろしの右に敗北するゲバル

男と男の戦いにハンケチなど使わずに、男同士のシンプルな倒し合いをしろと罵るマリアにオリバも目が覚め、ゲバルの胸に強烈な張り手を食らわせる。ゲバルは自らを鼓舞しながら立ち上がり、泥のメイクをして本気モードに突入する。強烈な前蹴りを打ち込みダウンさせたが、オリバは立ち上がり、次のゲバルの攻撃にカウンターで本気の張り手を食らわせる。何とか立ち上がったゲバルは「死ぬにはいい日だ」と言いながら、近代格闘技の死角について説明をする。格闘技が大地を斜めの面としてしか捉えない点に死角を見出し、垂直に捉えることで地球の核の硬さを利用できると強調する。しかし、最後はオリバの打ち下ろしの右に屈する。オリバ曰く、敗因は筋肉への愛を捨てたことだと言う。敗れたゲバルは明朝、清掃箱の下から脱走し、自身のいた島に帰り元の仲間達と仲良く暮らすことでこの話の幕は下りることになる。

J・ゲバル/純・ゲバルの関連人物・キャラクター

範馬刃牙

この漫画の主人公。ゲバルとの出会いは囚人部屋の清掃箱。はじめ刃牙は同室のアイアン・マイケルがミスター2だと思っていたが、マイケルに自分はベスト10にすら入っていないと一蹴される。同室に巨大な男が寝ていたために、その男がミスター2と思いきや、明朝になってその男が清掃箱に向かってミスター2を起こすことで2人は出会うことになる。「グッドモーニンミスターバキ」と言いながら爽やかな笑顔で出迎えた。オリバが刃牙とゲバルのいる部屋に乱入してきた際は、ゲバルとオリバのやりとりに口を挟む刃牙が2人から同時に平手打ちを受け、失神させられている。ゲバルVSオリバでは、ルーザールーズでの戦いに退屈し、オリバの恋人マリアに抱きつくことでこの戦いを終わらせた。

アイアン・マイケル

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