サモンナイト3(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『サモンナイト3』とはバンプレストから発売されたPlayStation2用RPGゲームである。
「リィンバウム」という世界で帝国軍に所属していた主人公。訳あって軍を退いた後に帝国屈指の富豪マルティーニ家の嫡子を立派な軍人に育て上げる為、家庭教師となった。
生徒を連れて船で軍学校を目指す最中、突然の嵐に巻き込まれとある島へと漂着する。そこで主人公は謎の呼び声に応え、光り輝く不思議な剣を手に入れるのだった。

島にある行楽地へと案内され、休日を楽しむ主人公達

翌日、体力が回復した主人公は仲間達の提案で1日のんびり過ごす休日をもらう。しかし、学生時代から休日に遊んだり好きなことをすることをしてこなかった主人公は休日の過ごし方に迷ってしまう。そこで、主人公は仲間の1人に声をかけ、一緒に休日を過ごしてもらえないかと頼む。相手は快く引き受け、主人公とどこかに出かけようと周囲の仲間に報告して回る。すると、子供達をはじめ、多くの仲間が遊びに出掛けるなら同行したいと申し出て大所帯となってしまう。主人公は大勢の方が楽しめるのではないかと了承し、護人達が島のおすすめスポットへ主人公達を案内する。そこは大勢で行楽するにはうってつけの場所で、主人公は仲間達と久しぶりに楽しいひと時を過ごすのだった。

ジャキーニは反乱を起こして主人公達に再戦を申し込む

海賊船に戻り、明日からまた頑張ろうと生徒と話していると、ユクレス村の方から大きな爆発音が聞こえてきた。何事かと主人公と生徒が駆けつけると、そこには謀反を起こして騒いでいるジャキーニ達の姿があった。集落の食料を盗んだ罰でずっと畑仕事を手伝わされていたジャキーニは、海賊が畑仕事ばかりさせられていることに腹を立てており、主人公達に再戦を申し込んできた。そこへマルルゥが飛んできてジャキーニを宥めるが、怒りの治まらないジャキーニに「ちびっこ」呼ばわりされたことでマルルゥは立腹してジャキーニ達に立ち向かっていく。
全員が混乱する中、再戦が始まってしまい、召喚術まで会得して臨んだ再戦であったがジャキーニ達は負けてしまう。実はジャキーニはイスラに召喚術の扱い方を習い、こちら側に就かないかと誘われていた。しかし、ジャキーニは召喚術のやり方は教わったが、主人公達を裏切ることはできないと考えてイスラの申し出を断っていた。この再戦はジャキーニの独断であり、不満があったのは確かであったが、仲間を裏切る行為はしたくないという義理堅いジャキーニの考え方に主人公達は安心する。主人公はたまに休暇を与えて、海賊らしく海に出る日を作ることを条件に畑仕事を我慢してやってほしいと伝えると、仲間達もジャキーニも納得し、一連の騒ぎは丸く収まった。

第10話 もつれあう真実

この島には結界が張られており、島で死んだ者の魂は成仏できずこの島に囚われ続けると護人は説明する

休日をもらったことで、心身ともにリフレッシュできた主人公は翌日からいつも通りの生活を送る。森で子供達の勉強を見て、生徒の授業もこなしていた。主人公は生徒を含めて子供達に「将来の夢」というテーマで作文を書かせる宿題を出していたが、子供達には難しいテーマであり、みんなどう書き上げようか悩んでいた。生徒もまた宿題に行き詰っており、作文の参考にしたいからと主人公に軍学校の入学理由を尋ねる。主人公はどんなことにも負けない強い人間になる為に軍人になろうとしていたと答えた。
両親を事故で亡くしたことで辛い思いをした主人公は、自分の様な人を出したくないと考え、少しでも多くの人を守れる強さを手に入れたかった。しかし、軍人にはなれたが任務に失敗して退役してしまったのだから夢は叶っていないと苦笑いを浮かべる。生徒は主人公は軍人ではなくなったが、今ここで自分達が傷つかない様に守ってくれているから夢を叶えていると反論するのだった。
生徒と別れ、主人公は集いの泉で1人考え事をしていた。自分がシャルトスを持っている以上、帝国軍との戦闘は今後も避けられないので、なんとか決着をつける方法はないかと思案を巡らせていた。すると、そこへ何者かが近くで戦っている音が聞こえた。急いで音がする方へ向かうと、喚起の門の前で護人の1人が亡霊と戦っていた。主人公は応戦しようとシャルトスを抜こうとする。しかし、護人はシャルトスの力は亡霊をさらに凶暴化させる原因となるので近づかないでほしいと要求する。護人は1人で亡霊を抑え込むが力を使い果たした為にその場で気を失い倒れてしまった。
主人公は護人を集落まで運ぶと、何故あの様な無茶をしたのかと尋ねる。護人は自分が喚起の門の前で戦っていたのはこの島で命を落とした兵士のなれの果てで、一生転生することのない亡霊なのだと答えた。シャルトスを利用して遺跡の復活を考えていた護人から島の成り立ちやシャルトスにまつわる話は聞いていた為、この島に強力な結界が張ってあることを知っていた主人公はその結界のせいで亡霊は彷徨い続けているのかと考える。主人公がシャルトスを完全に継承すれば遺跡の機能を復活させ結界を消すことができるのではないかと質問するが、そんなことをしてしまえば、シャルトスと遺跡が持つ強大な力が暴走してこの島の召喚獣に何かしらの変異が起きるのだと護人は説明した。

生徒の必死の呼びかけに主人公は正気を取り戻す

護人の話を聞いて主人公は日に日にシャルトスの呼びかけが増していることに納得した。しかし、遺跡に封印された力が一体何なのか知りたくて主人公は確かめずにはいられなかった。そこで主人公は護人達には内緒でカイル達だけに事情を打ち明ける。ヤードは組織から持ち出したシャルトスとキルスレスをどこかに処分することを目的としており、その方法がわかるかもしれないと主人公の意見に乗り、遺跡へ乗り込む覚悟を決めた。他の仲間も同行し、主人公達は遺跡へと向かう。
主人公が遺跡までやってくると、シャルトスは「この時を待っていた」とまるでここに来ることが分かっていたかの様に主人公の頭の中に語りかける。遺跡の扉は固く閉ざされていたが、主人公がシャルトスを抜くと扉はシャルトスの力に反応して開いた。しかし、反応したのは扉だけでなく、遺跡の周囲に漂っていた亡霊兵士もシャルトスの力に引き付けられて集まってきた。主人公達は亡霊兵士をなんとか抑え込むと遺跡の中へと急ぐ。
遺跡の中は複雑な機械で埋め尽くされた不思議な空間だった。リィンバウムを取り巻く4つの世界の魔力や技術を複雑に組み合わせて作った機械の数々を見て、ヤードは想像を絶する魔力を引き出し、必要に応じて属性を変換させることが可能となっていると判断し驚いた。その力はまるで、このリィンバウムに昔から伝わる「伝説の英雄エルゴの王」というおとぎ話の話と酷似していた。エルゴの王はあらゆる属性の魔力を操り、リィンバウムを救ったとされており、この世界の創造主であると言われていた。遺跡の中の設備はまさにそれと同じ力を行使しようとして創り出されたものの様であった。それを確かめる為に遺跡の機械を起動しようと主人公はシャルトスを抜く。すると、シャルトスは主人公に剣を正式に継承し封印を解く様に強要する。激しい頭痛と精神を無理矢理侵食されそうになる嫌悪感に襲われる主人公。仲間達の必死の呼びかけにも主人公は応えることができなかった。カイルが無理矢理にでも剣を手放させようと試みるが、そこへシャルトスを利用して遺跡の封印を解こうと考えていた護人が邪魔に入る。主人公は今、遺跡の封印を解く為にシャルトスを継承している最中なのだと護人は言う。シャルトスを継承する為には適格者となっている主人公の人格を完璧に削除し、システムに最適化させる必要があった。主人公が完全にシャルトスを継承してしまえば、主人公の人格は消えてしまうと知ったカイル達は護人と戦うことになっても主人公を助けようと覚悟を決める。
するとそこへ別の護人が1人が現れ、カイル達を庇って応戦する。護人が争っている間にカイル達がなんとかシャルトスを継承止めようと試みるがいかなる攻撃も全く歯が立たない状態だった。主人公自身も精神が乗っ取られて自分の意思が消えてしまうと感じ始めた時、シャルトスとは別の声が頭の中に届く。その声は主人公を助ける様に、意識を強く持って心を澄ませることを伝える。すると主人公の耳に生徒の呼びかける声が届いた。自分の為に涙を流して必死に呼びかける生徒の姿をとらえた主人公は残っている意識を集中させ、自分の意思でシャルトスの侵食を遮断する。シャルトスは予想もしなかった事態に狼狽え、継承を中断し主人公を解放する。主人公の意思が元に戻ったことで、護人達も争いを止め、遺跡を復活させたいと願っていた護人は主人公を危険に陥れたことに責任を感じ自害しようとする。しかし、主人公はそれを止めようと説得を試みる。
その時、遺跡の入口からイスラが現れる。イスラは主人公達の行動を初めから監視しており、この遺跡を押さえればこの島を手に入れたも同然となることを認知したのだった。イスラは主人公達に自分が率いる帝国軍隊を差し向けるが、主人公達の必死の抵抗に敗北してしまい撤退していった。残された主人公達もこれからどうしたら良いのか案が見つからず、暗い空気のまま全員が遺跡を後にするしかなかった。

第11話 昔日の残照

護人達にサポートされ、シャルトスのみで遺跡の封印を試みる主人公

遺跡での一件があった後、主人公は何度も護人達を訪ねたが、どちらも全く会って話しをしてはくれない状況だった。シャルトスもずっと沈黙を貫いており、ヤードの話では継承の失敗で遺跡にもダメージがあったはずなので回復するまでは時間がかかるだろうと推測していた。しかし、根本的な問題解決とはなっておらず、事情を知っている護人達からしっかり説明を受けるまでは納得できないとカイルも不満をもらした。
主人公は思い切って1人の護人に強引に会いに行く。護人は観念して自分の知りうる限りの全てを話す。この島は無色の派閥のとある目的の為の実験地であった。その目的とは、人の手によって新しい「界の意思(エルゴ)」を創り出すことだった。この世界には生き物だけでなく、水や木といった自然に存在するもの全てに意思が宿っており、それらは見えない力でエルゴと繋がっており支配されていると言われていた。無色の派閥はそこに着眼し、エルゴの力を操ることができれば、万物を根源から支配できると考えた。エルゴと万物を繋げているものを「共界線(クリプス)」と名付け、クリプスを用いた支配を実験する為にこの島は用意されたのだった。しかし、この実験は重要な部分の見落としが発覚して廃棄された。それはいくらエルゴに等しい力を得られたとしても、その力を受け止め、核識となるだけの強靭な精神の持ち主がいなかったからであった。何人もの召喚師が実験を試みたが皆精神を破壊された。しかし、たった1人だけ核識となることができた人物がいた。それは「ハイネル・コープス」という名の召喚師で、無色の派閥の意思に反逆して島を守る為に抵抗した人物であった。護人達は皆ハイネルの護衛獣や親しい人物であった。
ハイネルは限られた時間であれば核識となることができ、島にいる召喚獣達を守りたい一心で島そのものを武器に組織に抵抗していた。しかし、いかに強靭な精神の持ち主だったハイネルでも、島で起きる全てを認識してその苦痛を受け続けたことでどんどん疲弊していった。そして無色の派閥が投入したシャルトスとキルスレスの力によってハイネルの魔力は吸収されて敗北してしまったのだった。護人達は封印を解くことでハイネルの精神の解放をしたいと考えたり、このままそっとしておきたいと考えたりとそれぞれ違う想いを持っていたことを主人公は知る。
2人の本心を聞いた主人公はどちらの想いも叶えてあげたいと思うが、真逆の考え方だった為、2人の願いを同時に叶えることは不可能であった。主人公は真剣に考えた結果、多くの人を危険な目に遭わせない為にも遺跡の封印を決意する。主人公と護人2人は遺跡の制御室へ向かい、シャルトスを使って遺跡の封印を試みる。本来封印の剣は2本ある為、シャルトスのみでも封印が行えるのか不安はあったが、他の方法を探す時間はないと考え、封印を実行する。しかし、やはりシャルトスだけの封印は無理があった様で、シャルトスの力は暴走してしまう。護人2人が主人公に魔力を注ぎ込み援護すると、シャルトスの暴走を抑え込むことができ、なんとかシャルトスを遺跡へと封印することに成功した。

帝国軍との戦闘中、遺跡から真っ赤な光の柱が立ち上る

主人公達は海賊船へと引き返し、シャルトスの封印が完了したことをカイル達に伝える。シャルトスの問題が片付いたことで、全員が安堵の表情を浮かべていたその時、海賊船の周りをアズリア率いる帝国軍が包囲していた。アズリアは主人公に再度シャルトスを渡す様に要求するが、主人公はシャルトスを封印してしまったので渡すことはできないと説明する。主人公はシャルトスがなくなったので争う理由はないと考えていたが、アズリアにとっては逆に取り返すべきシャルトスを封印されたことで帝国に戻れなくなったと怒りを露わにする。アズリアの号令で動き出した帝国軍と一戦交えることになった主人公達は帝国軍との戦いに勝利する一歩手前まで追い詰める。シャルトスの力がなくても帝国軍と決着がつけられると確信した主人公だったが、その時主人公の右手に封印したはずのシャルトスが姿を現した。
封印を施しはずのシャルトスが何故こうして主人公の下へ戻ってきたのか誰も分からずただ驚くことしかできなかった。そして突如地鳴りが起こると、遺跡から真っ赤な光の柱が天に伸びているのをその場にいた全員が目撃する。アズリアはこれ以上に戦闘続行は無理と判断して軍隊を撤退させると、次こそシャルトスを奪還してみせると言い放ち去っていった。

第12話 黄昏、来たりて

お互いに譲れないものがあるのだから戦いは避けられないとアズリアは語る

帝国軍との戦いから一夜が明け、主人公達は封印したと思われていたシャルトスが戻ってきたことについて調べていた。護人達が遺跡に行き設備を調べたところ、遺跡の意思は沈黙したままであった為、遺跡自体の封印はできているのではないかと推測していた。しかし、喚んでもいないのにシャルトスが主人公の下へ戻ってきた理由は全く分からなかった。そこへマルルゥが飛んできて、帝国軍が主人公に会いに来たと報告する。
主人公と護人達が駆けつけると、そこにはギャレオとイスラの姿があった。ギャレオはアズリアの命令で主人公達に総力戦を挑む旨を伝えに来ており、主人公に布告状を突きつけた。主人公達はアズリア率いる帝国軍との最終決戦に挑む為に布告状に記された場所へ向かう。主人公達の到着を確認したアズリアはこの一戦でどちらの想いが強いのか決着をつけようと総力戦を挑んできた。主人公達もそれに応戦し、苦しい戦いとなったが、なんとか帝国軍との総力戦に勝利する。

イスラは無色の派閥の大幹部であるオルドレイクを島に招き入れた

アズリアはこの決戦で負けた時は潔く死ぬ覚悟で挑んでいたが、主人公は命のやり取りをする様な決着の付け方は望んでいないと声を荒げて反論する。シャルトスを渡すことはできないが、一緒に帝国へ帰る手段を模索しようと主人公はアズリアに提案する。そんな都合の良い話があるのかと疑うアズリアだが、何事も信じなければ叶えられないと主人公は説得する。前向きな主人公の言葉にアズリアは折れて、主人公の提案を吞むことを決めた。
そのやり取りを後ろで見ていたイスラはアズリアの不甲斐ない態度を目の当たりにして大笑いする。死を覚悟していると啖呵を切っておきながら、最終的には敵の情けを甘んじて受けようとするアズリアの姿を見てイスラはビジュとこれ以上アズリアの指揮には従わないと宣言する。イスラは別の作戦で主人公達と決着をつけると言い、自分には帝国軍とは別に新たな部隊が到着したと言い放った。島の周りに張られていた結界はいつの間にか消えており、今ならこの島から出ることさえ自由にできるのだとイスラは明かす。その事実を知っていながら何故黙っていたのかと主人公がイスラに問いかけるが、イスラはただ不敵な笑みを浮かべるだけだった。
イスラの後ろから多くの兵隊が登場し、下がり切っていた帝国軍の士気が盛り返し始める。ギャレオも援軍が到着したのなら、まだシャルトス奪還を諦めなくても済むとアズリアに進言するが、到着したばかりの兵隊の雰囲気が帝国軍のものとは違うことを感じ取ったアズリアはその兵隊は帝国軍ではないと気付く。アズリアが「帝国の兵士じゃない」と叫ぶと同時に、新たに登場した兵士達は帝国軍の兵士達に斬りかかる。イスラはこの部隊は自分の味方であって帝国軍の味方ではないと言い放つ。次々と帝国軍の兵士達が残虐に殺されていく光景に耐えられずアズリアはイスラに攻撃を止めさせるよう懇願する。しかし、イスラはこの際だから邪魔者はすべて排除すると言い、自身の姉であるアズリアにさえも武器を向けた。主人公は止めに入るが、イスラの下に駆けつけた新たな兵士達は戦闘で勝てないと判断すると自爆までして主人公達を殺しにかかってきた。その行動に主人公達が驚いていると、スカーレルは標的を殺す為ならば命すら武器にする行為は「紅き手袋」の暗殺者にとっては当たり前の行為だと説明した。紅き手袋は世界全土に跨る犯罪組織の名前で、あらゆる汚れ仕事を代行する暗殺集団であった。何故スカーレルが紅き手袋について詳しく知っているのかとカイルが問うが、スカーレルは複雑な表情をしたまま答えられずにいた。
アズリアとギャレオ以外の帝国軍の兵士が全滅した頃、夕陽を背に何者かが歩み寄って来た。その人物は無職の派閥の大幹部である「オルドレイク・セルボルト」であった。ただ見守ることしかできない主人公達だったが、スカーレルとヤードだけは険しい表情を浮かべてオルドレイクを睨みつけていた。オルドレイクは組織の始祖達が残した喚起の門と2本の封印の剣をもらい受けにやって来たのだった。ギャレオは部下達を殺された恨みから、オルドレイクに殴りかかろうとするが、オルドレイクの傍に控えていたウィゼルという剣士に切り捨てられて意識を失ってしまう。オルドレイクは手始めにシャルトスを受け取ろうと主人公に近付く。主人公はシャルトスを抜きオルドレイクに攻撃を仕掛けるが、命を奪い合う戦いを望まない主人公はオルドレイクに直接攻撃を当てることができなかった。
オルドレイクに追い込まれてしまった主人公だったが、そこへアズリアが主人公を助けようとオルドレイクに攻撃を仕掛ける。アズリアはオルドレイクの放った召喚術の攻撃を受けて倒れ込むが、主人公達を逃がす為に再び抵抗する。イスラはそんなアズリアの姿を見て、姉が足掻いては自分の積み上げた功績が台無しになってしまうとアズリアに斬りかかる。本気でアズリアを殺そうとするイスラを主人公はシャルトスを抜いて制止する。主人公がシャルトスの力で強力な結界を張って仲間全員を守ろうとすると、オルドレイクはシャルトスの力を目の当たりにして感心する。ウィゼルにこれ以上の挑発は剣を破壊しかねないと諭され、オルドレイクは後日シャルトスをもらい受けに行くと言い残し、その場を後にする。イスラを含めた残りの者達もオルドレイクに続いて撤退していった。

第13話 断罪の剣

師事していたオルドレイクが故郷を滅ぼし両親を殺した張本人だったことを知り、ヤードは単身オルドレイクに攻撃を仕掛ける

オルドレイク率いる無色の派閥が島に上陸した翌日、ミスミとゲンジは子供達の学校の休校を決定する。生徒からも無色の派閥がこの島からいなくなるまでの間は家庭教師の仕事も休んで良いと言われ、主人公は無色の派閥との戦いに集中することになる。主人公は仲間達から無色の派閥についていろいろ情報を聞いたり、昨日の戦闘に傷ついたアズリアとギャレオのお見舞いに行く。
その後再び生徒と雑談を楽しむ。その中で、生徒は主人公が自分の父を救った時の話を聞かせてほしいとせがむ。それは主人公が生徒の父親から家庭教師を依頼されるに至った経緯であった。学究都市ベルゲンで警備の任に就いていた主人公は、そこで行われているとある研究を狙って侵入してきた旧王国の工作員を捕まえようとする。しかし、工作員達は逃走を図る為に都市内を走る列車を乗っ取ってしまった。運悪く、この日はベルゲン見学の為に各都市から招かれた高名な技術者や投資家が列車に乗り合わせていた為、多くの人質を取られてしまった。主人公は突入役として人質を救出し、工作員を逮捕するという任務が与えられ、それを実行した。この時、主人公に救われた人質の中の1人が生徒の父親で、主人公の活躍を見て立派な軍人だと判断し子供の家庭教師としてスカウトしたのだった。生徒は主人公の活躍のおかげで父が救われたことに感激するが、主人公はこの時に任務の失敗もしており、それが原因で軍を退役したと説明する。
その後、パナシェが集落に無色の派閥が現れたと呼びに来たので慌てて駆けつけると、オルドレイクは召喚術の研究材料としてはぐれ召喚獣の採取を行っていた。この島は元々無色の派閥の始祖達が作り上げた島なので、その研究結果をどう扱おうが我々の自由だと、同行していたオルドレイクの妻ツェリーヌが言い放つ。はぐれ召喚獣として無価値の存在を有効利用してやろうとしているのだとオルドレイクも続けて説明するが、召喚獣を物同然の様に扱おうとするオルドレイク達の言葉に護人達は怒りを露わにする。そこへヤードが冷静な口調で無色の派閥にとってはこの考え方が当たり前だと仲間に説明する。無色の派閥には、召喚獣も人間も派閥に利をもたらす道具であり使えないと判断した際はすぐに打ち捨てるという考え方が根付いていた。ヤードは無色の派閥の中でも、オルドレイク直属の弟子であったことを明かす。召喚術の才能を認めていたオルドレイクはヤードに組織を抜けた理由を尋ねると、ヤードは昔オルドレイクが行った召喚術による実験の失敗で故郷の村が崩壊させられ両親を殺されたことを突き止めたと答え、オルドレイクに召喚術で攻撃を仕掛ける。オルドレイクはその攻撃を召喚術で受け止めるが、オルドレイクの背後からスカーレルが不意打ちを仕掛けてきた。しかし、スカーレルの攻撃はオルドレイクの傍らに控えていた剣士ウィゼルによって防がれ、オルドレイクを倒すことは叶わなかった。スカーレルとヤードの突然の行動に混乱する仲間達だったが、主人公は考えるより先に2人を助けようと声をかけ、無色の派閥と戦闘になる。
なんとか2人を救出した主人公達は無茶な行動をしないでほしいと言及する。しかし、スカーレルとヤードは自分達がオルドレイクの殺害を狙ったのは島の為ではく、故郷を滅ぼされ両親や仲間を殺されたことに対しての私怨だと説明する。2人の故郷の村は、オルドレイクがかつて行った儀式のせいで崩壊させられ、自分達を含め生き残った子供達は組織の構成員にされるべく連れ去られ育てられたのだった。ヤードが無色の派閥に所属していたことは皆知っていたが、スカーレルも無色の派閥の属する暗殺者であったことはカイルとソノラでも知らなかった。スカーレルは暗殺者を辞める際にカイルの先代に救われ、海賊船に乗っていたのだった。

イスラがもう1本の封印の剣キルスレスの持ち主だと判明する

オルドレイクはスカーレルとヤードの言動に怒り、自ら直接手を下そうとする。しかし、そこへイスラが自分を歩み出て、自分の力を試してみないかと提案する。オルドレイクはイスラの力を試す意味も込めて、主人公達を倒す様命令を下す。主人公達はイスラとの戦闘を余儀なくされるが、なんとかイスラを抑えることに成功する。
その時、イスラが主人公の様に赤く輝く光の剣を出現させ、負っていた全ての傷を治してしまう。イスラの持っている剣こそ、主人公達が探し求めていたシャルトスと対になる封印の剣「紅の暴君キルスレス」であった。イスラもまた、封印の剣の適格者として選ばれた人間だと判明する。イスラがキルスレスの力で遺跡の機能と同調し、島に張ってあった結界を消し去りオルドレイク達を招き入れたのだった。
主人公に対してイスラはどちらが剣の持ち主として相応しいか試そうと一対一の勝負を挑む。剣から発せられる激しい魔力のぶつかり合いで、島は地鳴りを起こし周囲の人物達は手出しできない状態だった。このままでは島の崩壊を招きかねないと判断した主人公はイスラに剣を収めるよう頼み、イスラも渋々それに応じて剣を収めた。オルドレイクは2本の魔剣の力を目の当たりにして感動するが、これ以上の戦闘続行は難しいと判断し、部下達に一時撤退を命じて引き上げていった。

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