バッツ・クラウザー(ファイナルファンタジーV)の徹底解説・考察まとめ

バッツ・クラウザーとは、1992年にスクウェアより発売された『ファイナルファンタジーV』の主人公であり、クリスタルの持つ心を引き継ぐ「光の戦士」の1人である。世界を自由気ままに旅をしている青年だったが、風の異変を感じた仲間達との出会いの中で「クリスタルを守る」という使命を見出していく。クリスタルを失い自然の力が弱まりゆく世界とそこに生きる命を守るため、無の力で世界を支配しようとする暗黒魔道士エクスデスに立ち向かう。

最終決戦の直前に激励に現れた暁の4戦士。画面中央の左にいるのがドルガン。

3年前に他界したバッツの父親であり、ガラフと同じ「暁の4戦士」の1人。暁の4戦士では最年少であり剣の腕は他の3人からも一目置かれていた。バッツが生まれ育った世界ではなく、ガラフの住む世界の出身であり、30年前のエクスデス封印の時は、自分達の世界にエクスデスを連れ帰らず別の世界に封印することに反対していた。当時はエクスデスを連れ帰る時間がなかったため、やむなくその場にエクスデスを封印したが、ドルガンは1人だけバッツ達の世界に残ってクリスタルを見守っていた。1人で残った世界でステラと出会い、後にバッツを授かった。ステラの死後はバッツを連れ、世界中を旅して回っていた。バッツには妻と同じ墓に埋めて欲しいと遺言を残しており、その遺骨は遺言の通り、バッツによって妻と同じ墓に納められた。

ステラ

出典: stat.ameba.jp

ドルガン(中央)の話を聞くステラ(右)

バッツの母であり、ドルガンの妻。もともと体が弱く、バッツが幼い頃に他界している。ドルガンがクリスタルを見守っていることはドルガン本人から知らされており、そのためにドルガンが旅に出て家を空けることは理解していたようである。生前はバッツ達とリックスの村に住んでいたため、村の中にはステラの墓がある。ステラの死後にバッツとドルガンが旅立った家では吟遊詩人が暮らしているが、家の中には当時のまま、思い出のオルゴールが残されている。

シド・プリヴィア

出典: i.ytimg.com

火力船や飛空艇まで、あらゆる機械の改造を引き受けてくれるシド(上)

クリスタルの力を増幅するための機械を作った発明家。シドの作った機械によって、クリスタルの恩恵を受けられるようになった国や人々は豊かで便利な生活を送れるようになった。しかし、シド自身がクリスタルの力を増幅するのは危険だと知り、機械を止めようと訪れたカルナックで捕まり、牢の中でバッツ達と出会う。カルナック城の爆発後には、自分の作った装置によってクリスタルが砕け散ったと激しい自責の念に駆られて自信を失っていたが、孫のミドに激励されて立ち直った後は、クリスタルを守る旅に出るバッツ達のために自分の知識や技術を活かし、船や飛空艇の整備でバッツ達をサポートする。第3世界では、寝泊まりしていたカタパルトの上にフォークタワーが現れたためにしばらく地下に閉じ込められていたが、バッツ達に無事救出された。世界が危機にさらされている原因が自分の技術のせいだと思っていたシドだが、自分の技術の全てを平和に活かすべく潜水艇や飛空艇を整備を行い、バッツ達に世界の平和を託した。エクスデスとの最終決戦の直前には一度無の力に飲み込まれているが、エクスデスが消えたことによってエンディングでは無事に生還して、これまでと変わらずミドとカタパルトで生活している。

ミド・プリヴィア

自信喪失していたシド(下)を力いっぱい叱咤激励するミド(中央)

発明家シドの孫で、読書が好きな男の子。頭が良く、読書に没頭していると背後の魔物に気づかない程の集中力の持ち主でもある。機械の整備で忙しく動き回る祖父を手伝ったり、本の中から役立つ情報を見つけ出すなど、シドと共にバッツ達をサポートする。両親はおらず作品内にも登場しないが、ミドの母親は研究に没頭するミドの父親に愛想を尽かして家を出ており、父親もまた研究中の事故によって死亡していると設定資料集に記載がある。年齢は不明であるが、クルルに対して「おねえちゃん」と呼びかけている場面があることから、14歳以下の可能性が高い。

ボコ

愛する妻ココ(中央)とココのお腹の子に別れを告げ、再び旅に出るボコ(右上)

群れとはぐれていた時にバッツと出会い、バッツと一緒にあてのない旅をしていた相棒であり彼の親友のチョコボ。人間の言葉は話せないが、長年一緒にいるバッツとは心を通わせている。ケガをして海賊のアジトでしばらく保護されていたが、バッツ達が異世界から戻って来た時には「ココ」というメスのチョコボとの間に子を授かっており、クルルの通訳で愛妻家ぶりを見ることができる。陸地以外に浅い川を渡ることもでき、第3世界では地続きになった世界をボコに乗ってまわることで「蜃気楼の町」にいる町人から「ミラージュベスト」を受け取ることができる。また、ボコに乗って浅瀬からイストリーの滝を裏側から入ると、MPを使わずに召喚獣を呼び出せる「まほうのランプ」を手に入れることができる。最終決戦前にはファリスの子分である海賊達と共に無に飲み込まれるが、エンディングでは海賊達と共に無事に生還しており、ボコの可愛らしい子どもが生まれるシーンを見ることができる。

ギルガメッシュ

敵ながら少し間抜けな部分がセリフからも感じられるギルガメッシュ(左)

エクスデスの親衛隊長だが、どこか憎めないキャラクターである。「間抜けな悪役」でありながら、最後の登場シーンが印象的なこともあり、敵キャラクターながらプレイヤーからの人気が非常に高い。レアな「源氏シリーズ」の装備品を持っており、3回目の戦闘時から「ぬすむ」ことが可能。ギルガメッシュと遭遇する機会は合計で6回あり、初登場はエクスデス城でのガラフとの一騎打ち。2度目の戦闘ではビッグブリッジでバッツ達を待ち伏せするが、不利になると「急用を思い出したぜ!」と言い残し逃走する。3度目のゼザの船団での戦闘では、親友エンキドウに回復役を頼むが、エンキドウがやられてもしばらく気づかない上に、戦闘後に海に落ちて溺れる始末。4度目はエクスデス城にある宝箱の1つを開けると戦闘となるが、エクスカリバーの偽物「エクスカリパー」を本物と勘違いしていた。ここでとうとうエクスデスによって「次元の狭間」に送られてしまう。なお、この戦闘ではガラフがいないことに気づき、その理由を知ると淋しげな反応を示すなど、少しずつバッツ達に対して戦友のような感情を抱いている様子が見えるようになる。「次元の狭間」での再会の際には、バッツ達に脱出を持ちかけ、次に会えた時には自分も仲間になりたいという主旨の言葉を残して立ち去る。そして最後となる6度目の登場では、ネクロフォビアとの戦闘中にバッツ達の味方として現れる。「このまま帰ったらかっこわるいまま歴史に残る」とバッツ達1人1人にメッセージを残した後、自分の命と引き換えに自爆しネクロフォビアを道連れにした。ギルガメッシュの登場時に流れるBGM「ビッグブリッヂの死闘」は絶大な人気を誇っており、YouTubeなどの動画サイトではピアノやギター等でカバーするファンも多く、今作を代表する曲の1つとなっている。

エクスデス

長老の木内部でガラフ(右)と1対1で戦うエクスデス(左)

全身鎧に身を包んだ人間の姿をしているが、真の正体はムーアの大森林の中の木に邪悪な意志が宿ったことで生まれた暗黒魔道士。生まれたばかりの頃に一度賢者ギードに封印されたが、30年前に再び復活し、この時にはガラフ達「暁の4戦士」によって封印されている。クリスタルが破壊されることで封印から解放され、完全に姿が戻るまではカルナック女王や兵士に取り付いて復活の機会を伺い、最後に土のクリスタルが砕け散った際に完全な復活を遂げ、バッツ達の前に現れた。エクスデス城でバッツ達に敗れて姿を消した後には、自身の姿を木の棘に変えクルルに刺さった状態で潜伏しており、賢者ギードの元を訪れた際に再び姿を現した。エクスデスは「1000年前に2つに分かれた世界を1つにする」ことを目的としていた。その真実は、バッツ達の生まれ育った世界とガラフやドルガンがいる世界、この2つの世界の間に存在する「次元の狭間」に封印された「無」を手に入れることだった。世界が1つに戻ったことによって次元の狭間が出現し、エクスデスは手にした無の力によって世界中の町や村を次々と飲み込んだ後、無の力を完全なものにするために次元の狭間の最深部に潜んだ。最終決戦では、これまでの人間の姿ではなく本来の「樹木」と一体化したような姿になっている。最後には自分自身も「無」に飲み込まれ、全ての消滅を目論む「ネオエクスデス」となり果て、エクスデス自身の自我は消えた。

バッツ・クラウザーの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「おやじの、ゆいごんなんだ。世界を旅して見てまわれ…それに…風がよんでる。」

タイクーンの隕石でレナとガラフに出会った後、一度2人と別れて一人旅を続けようとしていたバッツが、レナ達の旅に合流する際に発した言葉。風の神殿に向かう途中の道は隕石落下が原因で地割れや崖崩れの被害が起きており、道中が危険な状態になっていることを気にかけていたバッツは2人を追いかける。バッツが予想した通り、レナとガラフは地割れに巻き込まれて気を失っていた。2人を助け、レナが目を覚ました時に「やっぱり俺も行くぜ」と旅に同行する意志表示をし、その理由として「おやじの、ゆいごんなんだ。世界を旅して見てまわれ…それに…風がよんでる」と付け加えた。この時にはバッツ自身はまだ気づいていないが「世界を見て回る」「風がよんでる」という言葉が、後にバッツがクリスタルの持つ風の心「探求」を引き継ぐことを予感させている。旅のはじまりを感じさせる主人公らしい格好の良い台詞なのだが、この直後にガラフからは「とかなんとか言って本当は、この子(レナ)にホの字じゃないのかい?」と冷やかされており、格好良さよりも親しみが湧く明るい旅の幕開けとなっている。

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