Back 4 Blood(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『Back 4 Blood』とは2021年10月にWB Gamesより発売された協力型ゾンビFPSゲームである。『Left 4 Dead』『EVOLVE』の開発元でも有名なスタジオであるTutle Rock Studiosが開発した。ソロでのプレイはもちろん、他プレイヤーとの協力、対戦(PVP)などプレイスタイルの多さが魅力である。またカスタマイズ可能なアクションも豊富。
寄生虫に感染し各地で猛威を振るうゾンビ「リドゥン」と、耐性を持つ「クリーナー」たちの戦いを描く。

Back 4 Bloodの公式トレーラー

『Back 4 Blood』の概要

生存者に物資を届けるクリーナー達

『Back 4 Blood』とは2021年10月にWB Gamesより発売された協力型ゾンビFPSゲームである。『Left 4 Dead』『EVOLVE』の開発元でも有名なスタジオであるTutle Rock Studiosが開発した。ソロでのプレイはもちろん、他プレイヤーとの協力、対戦(PVP)などプレイスタイルの多さも魅力である。
すべての瞬間をスリリングでダイナミックなゲームプレイが楽しめる他、何度でもプレイしたくなるような変化に富んだカスタマイズ可能なアクションが特徴である。本作は『Left 4 Dead3』とも言われ、予約者限定先行プレイではβ版にも関わらず同接12万人を叩き出し、予約の時点で売り上げ世界一となった待望の期待作。
物語は人類の大半が殺されるか、未知の寄生虫「デビルワーム」に感染した壊滅的な世界で繰り広げられる。
そんな状況の中で幾多の困難や危機的状況、犠牲を経験し乗り越えたスペシャリスト達「クリーナー」が世界滅亡の縁に立たされた人類のため、寄生虫に感染し各地で猛威を振るうゾンビ「リドゥン」を一掃し平穏な世界を取り戻すため集結し奮闘する。
最大4人のプレイヤーがオンラインで協力しながら進めるキャンペーンや、プレイヤーひとりで進めるソロキャンペーンがある。それに加え、クリーナーサイドとリドゥンサイドに分かれ最大8人で対戦するスワームモードというPVP要素もある。なお、このゲームは難易度ビギナー以外は常時フレンドリーファイヤーがONの状態のため味方を攻撃してしまわないように注意が必要。
いくつものゲームステージが用意されており、チャプターごとに様々なイベントが発生するため基本的にはそれらのイベントを達成しながらステージ最深部にある安全な領域「セーフハウス」を目指すことが第一の目標である。
本作ではカードシステムを採用しており、キャラクターやチームの能力に付加能力を追加できるカードを最大15枚選び、デッキ(ビルド)を作成することが出来る。
ストーリーを進め購入する事で、武器のスキンやキャラクターの外見を変更可能。ステージ中に貼れるスプレーやプロフィール用のアイコンなども設定でき、ゲームの性能的には影響はないもののカスタマイズが好きなユーザーにも嬉しい機能である。

『Back 4 Blood』のあらすじ・ストーリー

終焉の始まり

リドゥンを撃つホリー

事件の発端はカナダ・エヴァンズバーグの研究員達が、新種の微生物を発見した事だった。
この線虫を研究所へ持ち帰ったところ、突然微生物は活性化し研究員に襲い掛かり、体内へと入り込んでしまう。そこから研究所内に感染は広がり、瞬く間に全土へと分布していった。
しかし政府はこれをただの流行病として世間に伝え、隠ぺいを図ったのである。
寄生体の感染が広がる中、国の衛生機関から注意喚起が出されたが内容は酷いもので、「濁った水には近づかない」「感染すると暴力的になり光に過敏になる」「皮膚が膨らみ変色したり、血管が明らかに拡大しているなど感染が疑われる人との接触は避ける」といった、よくある流行病とは似ても似つかないようなものばかりであった。その合間にも政府の愚策を嘲笑うように「デビルワーム」と名付けられたこの寄生虫は非常に感染力が強く3ヶ月で10万人という驚異のスピードで広がりを見せ、世界は終末へと近づいていく。
そんな中、寄生体の耐性を持つ者が現れたのだ。彼らは「クリーナー」と呼ばれ、恐れることなく武器を手にし、感染者こと「リドゥン」の根絶に立ち上がった。

エヴァンズバーグからの脱出

立て籠っている生存者へ物資を届けるため、とあるBarへと向かうクリーナー4人。
そこで待っていたのはレンリックという男。レンリックはクリーナー達を見て言った。「ウォーカー、クリス(マム)会えてよかった。」マムは「久しぶりね」と声をかけクスリと笑う。「もう来ないんじゃないかと思った。」と話すレンリックの前にウォーカーが物資を置き、レンリックは中身を確かめようと手を伸ばした。
しかし、マムがその手をつかむ。ウォーカーが言う。「タダでやれるものはもうないぞ、レン。物資が欲しいなら、フィリップスに異を唱えるのはやめろ。」
彼の言う“フィリップス“とは数多くの生存者が身を寄せ暮らす最後の楽園、ホープ要塞の司令官だ。レンリックのようにフィリップスのやり方に疑問をもつ者たちも少なくなく、別に拠点を築いている者もいてレンリックもその一人であった。
レンリックがウォーカーに目をやる。「俺はあいつの兵士であることをやめたんだ。お前もそうしろ。クリス、お前もだ。また奴のデタラメに従うつもりか?ジェイソン(マムの息子)がどうなったか忘れたのか。」
「今は息子の事は関係ない!私がフィリップスをどう思っているかは知っての通りだ。けど、奴の言うことも一理ある。これは戦争なんだ。」とマムは語気を強めた。
しかしレンリックは「フィリップスは過去の栄光が忘れられないだけ。俺には従う上官はもういないし、そうしたいとも思わない。」とマムを突っぱねた。
ウォーカーはわかっているとレンリックをなだめたが「わかっていない!」と話を聞き入れようとしなかった。自分達はここで生き延びて再建すると言うレンリックにウォーカーが声を荒げた。「生き延びるだけじゃダメだ、戦わないと!」
その時、置いてあった無線機から銃声と叫ぶ声が聞こえた。
「奴らが来た…クソッ…そこらじゅうにいる!」無線の声を聞き息をのむクリーナーの少女ホリー。すると突然、室内が停電になると同時に感染者リドゥン達が窓を割り侵入して来た。
4人は慌てて態勢を立て直すが、レンリックが襲われリドゥンに首を嚙みちぎられ死んでしまった。クリーナー達は銃を手に取り、リドゥンを倒しながら奥の倉庫へと逃げ込むが、そこも既にリドゥンの巣窟だった。
息をつく暇もないまま押し寄せるリドゥンの大群から、なんとか厨房の方へと逃げ込み扉を閉めた。「もう、月曜日ってこれだから嫌い。」とホリーが冗談交じりでため息をついた。
ひとまずリドゥンを片付けた4人は安全な場所に向かうため先を急いだ。

ホープ要塞への帰還

エヴァンズバーグからホープ要塞へ向かう一行の前に、依然リドゥンの群れが立ちはだかる。
いくら撃っても切りがなく、むしろ数は増えていくようにすら思えた。そんな絶望的な状況の中、向こうの橋の上にホープ要塞の兵士達が見えた。ひとまず彼らがいるバリケードまでたどり着けば一安心である。
沈没寸前の壊れた停泊船を通り、橋の上を目指した4人はリドゥンの猛追を振り切りなんとかバリケードまでたどり着いたのだが、そこにフィリップスの部下であるコーチから「船に爆弾を仕掛けて爆破する必要がある。やってくれるか?」と無線が入る。
これを聞いたウォーカーは「おいおい…着いたばっかなのに。」と肩を落とした。だが船を爆破し橋を絶たなければ、さらにリドゥン達が要塞へと雪崩れ込んでしまうため失敗は許されない。耐性を持つクリーナー達は常に前線で行動する必要があった。
コーチに「爆弾を船に設置してきてくれ。我々はここから援護射撃を行う。」と頼まれた4人は爆弾を抱え、再び船の中へ向かう。
爆弾を設置する場所は船の一番下の階にあるオイルタンク。タンクがある階へ降りるだけでも困難な程危険な状況だったが、数多の苦難を乗り越えてきたクリーナー達は無事、爆弾を設置する事に成功した。
フィリップスから無線が入る。「こちらホープ1。十分遊び尽くしたなら、今すぐこちらにもどってこい。」
クリーナー達は来た道を戻り、一人も欠けることなくバリケードまで帰還した。ドカン!と大きな音と共に炎に包まれながら沈んでいく船とリドゥン。
4人は地獄のような光景をしばし眺めた後、車に乗り込みその場を後にした。

拡大する被害

その頃、医者の顔も併せ持つクリーナーであるドクは別の場所にいた。リドゥン達が迫りくる中、怪我をして動けない生存者を抱えながら建物内へ避難する事が出来たが、銃弾も残りわずかだった。
「ドク…」と苦しそうな声で生存者がドクに呼びかけた。ドクが振り向くと、そこにはリドゥンと化した生存者がいた。ドクは迷う事無く引き金を引く。ドクにとっては慣れた事だったのかもしれない。
一方、ホープ要塞でも生存者の男がリドゥンに囲まれ逃げ場を失っていた。絶体絶命かと思われたが、「おい!くそ野郎!」声と共に建物から降りてきたのはカーリー。彼女も耐性を持つクリーナーだ。
カーリーは「いいよ、わたしがやる!」とリドゥンを蹴散らした。その隙に腰を抜かし怯える生存者は屋内へ避難する事に成功し、これを見届けたカーリーはまた屋上へ上った。
しかし、新たなリドゥンが現れカーリーに掴みかかる。バランスを崩したカーリーは倒れてしまい、今度は自分が絶体絶命の状況に陥ってしまった。
もうダメかと思われたその時、必死に抵抗するカーリーに口を大きく開け噛みつこうとするリドゥンを一発の銃弾が打ち抜いた。カーリーが目をやると、高台からスナイパーライフルを構えたジムがニヤリと笑みを浮かべた。ジムは元軍人であるため、銃火器の扱いにも長けている頼りになるクリーナーの一人だ。
生存者の本丸ともいえる要塞内でも絶えず雪崩れ込むリドゥンとせめぎ合っていたフィリップス達だったが、間一髪の所でクリーナー達もホープ要塞へ帰還。フィリップス達を援護し要塞の防衛に成功した。

戦闘準備

いたる町で生存者の救出を行っていたクリーナー達は武器と弾薬を手に入れるため警察署にいた。そんな最中、コーチから無線が入る。「ボブ・ドレスキーという男を探せ。武器庫の生体認証セキュリティは彼の手で解除できる。だが今は通信が途絶えている。その意味はわかるな?」
もちろん署内にもリドゥンが溢れかえっているのは言わずもがなだった。ボブを探し回っているとフィリップスから無線が入る。「異常な数のリドゥンがそちらにむかっているとの情報が入っている。我々の防衛線は危険にさらされている。忘れるな、武器庫の確保が最優先だ。」
それからボブを見つけるため辺りを手当たり次第調べていたクリーナー達は大きな肉塊の中にボブの遺体を発見した。
やはり手遅れだった。だが、武器庫を開けるにはボブの腕が必要だ。背に腹は代えられないため、クリーナー達はボブの腕を持って武器庫を目指した。
道中リドゥンの大群に襲われながらも奥へと進み、やっと生体認証セキュリティを見つけた一行はボブの手を読み込ませ開錠することが出来たが、室内に入ったクリーナー達は唖然とした。
彼らが見たのは想像とは真逆の風景。室内は壊れ果て、何一つ残っていなかったのだ。これを見たジムは「司令官は怒るぞ。」と顔をしかめる。
そして武器庫の壁にはこう書かれていた。「It‘s all gone(品切れ)」

ワームの使者

スミシーという男に会うため、クロッグという町を目指す一行は墜落した輸送機で物資を手に入れた。このエリアにもリドゥンは多く潜んでいる。
「この町にこんなに人がいたなんて、食われそうになるまで気付かなかった。」とジムが皮肉まじりに言う。スミシーがいるという教会辺りにうろつくリドゥンの大群を殲滅し中に入ると情報通りスミシーと会う事ができた。
スミシーが言った。「協力感謝する。で?ただ通りがかったわけじゃねぇんだろ?」これに対しジムは「まぁ、そういう事だ。」と答えた。
スミシーが言うにはトラックや物資はドクター・ロジャーズという男に渡したとの事。ロジャーズは公園を抜けた先のフィンリー邸に潜伏しているが、スミシーの話ではそこには教会近辺の比ではない程のリドゥンがうろついているという。危険は承知だがロジャーズに会うため、クリーナー達はスミシーの元を後にした。
リドゥンをかわし、経路を選定しながら進む一行に「こちらホープ1、リドゥンの攻撃が激しくなっている。ロジャーズの化合物があれば戦いを有利に進められるはずだ。急いで向かえ。」とフィリップスから無線が入った。
ロジャーズは新しい兵器の研究結果のテスト準備をしているらしく、必要に応じて彼を保護するようにフィリップスはクリーナー達に指示を出した。
大破した車両や異様な木々の中を潜り抜けると小舟が並ぶ場所に出た。フィリップスから無線が入る。「湖が見えてくるはずだ。まだ動くようなら、フェリーで渡るのが一番安全だろう。」その言葉通り、湖が視界に入ってきた。例外なく辺りにはリドゥンの群れが溢れかえっていたが、クリーナー達は協力し合いゲートの電源を入れることに成功した。対岸へたどり着くとそこに大きな邸宅があらわれた。
この中に対リドゥン用兵器の研究を行っているドクター・ロジャーズがいるはずだ。

新兵器

邸宅前まで行くとロジャーズの声が聞こえた。「あぁ、来たか。司令官から話は聞いている。ちょうどいい時に来た、きっと気に入るぞ。」そう言うとロジャーズは邸宅から数発何かを森に向かって撃ち込んだ。
着弾地点で大きな音と共に青白い煙が上がる。「いいぞ…いいぞ!前回より反応が断然速い!成功だ!」とロジャーズは喜んでいる。
「すごい…」クリーナー達とロジャーズは兵器の威力に圧倒され微かな希望すら抱いていた。「残りも撃ってみようか?」ロジャーズはそう言うと再び森に向かい砲撃を放つ。
だがその時、辺りにリドゥンの咆哮が響き渡った。「クソッ」とカーリーは何かを察したように銃を構える。
ロジャーズは「いや、薬品は完璧だった!フィリップスが間違っていた。リドゥンは…危機を察知出来るんだ!」と驚いている。カーリーが「何ぼけっとしてんの?あいつらを倒すんだよ!」とロジャーズに叫んだが、残念ながら彼が言うには今ある分は全て撃ち尽くしてしまったらしい。
すぐさまドクは「なら早く行きましょう!」とロジャーズに呼びかけるが「研究を諦めろと言うのか?あれがないと薬品はできんぞ。」とロジャーズは逃げる事を拒んだ。
時間がないと判断したジムが「認めたくはないが、あの研究は必要だ。トラックに乗れ!必要なものを取って来る!研究成果を回収するんだ。」と邸宅内へと消えていった。デビルワームに感染し人間が狂暴化したコモンリドゥンや、コモンリドゥンからさらに変異した巨大なオーガが邸宅に迫る中、他のクリーナーの援護もあり無事、研究成果を回収した。
そして、トラックに全員乗り込んだことを確認したドクはトラックの荷台を叩き発進の合図をだす。トラックは急発進し、クリーナー達はロジャーズを連れ邸宅から脱出した。

窮地の友

ロジャーズは言った。「チャンス到来だ、手を貸してほしい。T5によるバイオマスへの作用は予想通りだった。君たちの助けがあれば、これを局地的に投与できる。」
そのためにはセネカ屋外催事場の古い感染症対策センターに向かい、T5の材料を手に入れる必要がある。兵器を作るために必要不可欠な薬品を見つけるためクリーナー達は急いで向かう事になった。
フィリップスから無線が入る。「ここからは一筋縄ではいかないだろう。」クリーナー達はより一層気を引き締め、対策センターを目指した。学校や崩壊した建物を通り抜け、傷つきながらもリドゥンを一掃していくクリーナー達は疲れも見え始めてはいるが、休む暇などなかった。
この前代未聞かつ異常なパンデミックに終止符を打つため、地獄に続く道をひたすら前へと進んでいく。

死体の山

感染症対策センターにたどり着いた一行は施設内の研究区画へと向かう。
そこへロジャーズから無線が入る。「そろそろ現場の近くだろう。近くで化学薬品が見つかるはずだ。十分集まったころ、空路で迎えに行く。それから少し実施テストをしたい。」これを聞いた陰謀論者のクリーナー、ホフマンは「俺としては形勢逆転するのが楽しみだ。」と薬品を集めるため先を急いだ。
施設内を探索していたドクが“CDR“と書かれたセキュリティールームを見つけた。「ここを調べてみよう。」薬品やサンプルが散らばる部屋内を隈なく探し回るクリーナー達。すると「あったぞ!」とホフマンが目当ての化学薬品を見つけた。薬品を手に入れた一行は脱出経路を探し再び襲い来るリドゥンの中を進み始めた。
ロジャーズから無線が入る。「よし、よく聞いてくれ。細かい作業だが、さほど難しくはない。フィリップスが君らに任せたのは正解だったな。正直不安だったが、彼は私をまた現場で危険に晒すことを望まなかったんだ。さぁ、あと一歩のところまで来たぞ!まぁ、肝心なのは君らが大成功を収めたということだ。では、そろそろ楽しいテストといこうか?」
手に入れた薬品“T5“を使ったT5グレネードのテストを行うようロジャーズはクリーナー達に指示を出した。雨のような銃撃を受け怯んだオーガにドクがT5グレネードを放った。「やった!そして私はまだちゃんと生きている!」グレネードは見事命中しリドゥンは死に際にもがき苦しんでいる。T5グレネードの威力は申し分なかったようだ。
敵を一掃しテストを完了したクリーナー達は待機していたヘリに乗り込んだ。だが、無線機から聞こえたロジャーズの声は喜んではいなかった。「残念だが勝利の余韻に浸るのはまだ早いようだ…。」

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