禪院真依（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ

渋谷事変終局後、世界は一変した。偽夏油／加茂憲倫／羂索が放った数多の呪霊のせいで東京都23区は壊滅。「死滅回遊（しめつかいゆう）」という人造の術師による集団での殺し合いが始まり、世はまさに混沌としていた。五条悟も封印されてしまい、呪術界の勢力図も大きな変化を迎える。禪院家もまたその影響をもろに食らった。

渋谷事変で負った傷が原因で当主である禪院直毘人が死亡。新たな当主が立つことになったのだが、その新しい当主になんと伏黒恵が選ばれたのだ。伏黒恵は禪院家の血を引いているが、禪院家の外で暮らしてきており、本人もあまり禪院家と関わりたくないと思っている。しかし前当主・禪院直毘人の遺言で伏黒恵を当主に据え、全財産を譲るとされてしまった以上、避けることはできなかった。伏黒恵は真希が禪院家の当主になりたいことを知っているので、真希に譲ろうとしたが、今の真希の実力ではまだ周りが認めないからと真希は拒否する。このとき真希がなぜ禪院家の当主になりたいのかが明らかになった。実力がないと虐げられてきた真希が禪院家の当主になれば、それが禪院家に対して「最高の嫌がらせ」だと真希は以前言っていた。しかしその実、禪院家の当主になりたかったのは、妹である真依のためだったことが語られたのだ。「私じゃ、真依の居場所を作ってやれない。」という真希の言葉から、真依の居場所を作るために禪院家の当主になりたかったことがうかがえる。

その後真希は「死滅回遊」の平定するための戦力増強として、禪院本家の忌庫（きこ）に向かう。忌庫とは危険度の高い呪物が保管されている蔵のことで、呪具使いの真希は禪院家の所有する呪具を持ち出すために京都にある禪院本家に向かったのだ。しかし忌庫の鍵を開けて中に入ると、保管されているはずの呪具は一つもなく、そこにいたのは重症の真依と実父・禪院扇だった。やってきた真希に真依は「なんで来たのよ、馬鹿。」と瀕死ながらも悪態を付く。

呪術界の上層部は渋谷事変後いくつかの通達を出した。その中の一つに五条悟の処遇について言及したものがある。

「二、五条悟を渋谷事変共同正犯とし、呪術界から永久追放、かつ封印を解く行為も罪と決定する。」

伏黒恵の当主就任に納得がいかない、禪院家の次期当主候補だった禪院直哉、禪院甚壱は、禪院扇が発案した伏黒恵の殺害計画を始動させる。上記の通達を違反したとして伏黒恵と、伏黒恵と親密な仲である真依と真希を殺す計画だ。禪院扇は自分が当主になれなかったのは子である真依や真希の出来が悪かったからだとして疎ましく思っていたため、真依と真希を殺す理由ができたのはちょうどよかった。真希は自分や真依を殺すことに躊躇しない父親に辟易しながら剣を交える。しかし術師として一枚上手だった禪院扇の剣の前に倒れることになった。

重症を負った真依と真希は、禪院扇によってとある部屋に投げ込まれる。そこは禪院家が訓練と懲罰に使用する部屋で、二級以下の呪霊が無数に飼われている部屋だった。重症の真依と意識を失っている真希に二級呪霊たちが忍び寄る。真依は真希の心音を確かめ生きていることを確認すると、「いつか……こうなるんじゃないかって思ってた。最悪。」と言って真希に口づけると術式を発動させた。真依は真希のために「構築術式」を用いて一振りの刀を精製する。禪院扇に負わされた傷で体は絶不調の真依が術式を使用すれば命取り。たとえ体調が万全だったとしても、一日一発の弾丸を精製することが精一杯だった真依にとって、剣の精製は完全にオーバーワークだ。

剣が精製される間、真依と真希はどこかの海辺に座っていた。呪術界でなぜ双子が凶兆と言われるか、真依にはそれがわかっており、真希にそのことについて話す。何かを得るには何かを差し出さなくてはならないという世の理がある。痛い目をみて強くなることだって理屈は同じだ。ではなぜ努力をしている真希が今以上の強さになれず、半端者になっているのか。呪術界では一卵性双生児は同一人物とみなされる。しかしもとは一つだった命と言えど、二人で産まれてきてしまえば当然各々に人格がある。真依はその人格による意識の違いが足を引っ張り合うのだという。

真依は真希で、真希は真依。真希がどんなに強くなりたいと願っても、真依が強くなんてなりたくないと願っていては意味がない。真希が術式を持っていなくても、真依が持っていては意味がない。真依が生きているだけで真希は強くなることができず、一生半端者なのだ。真依はそのことに気づいていた。「いつか……こうなるんじゃないかって思ってた。最悪。」とセリフからは、真依は死の淵に立たされるよりも以前から真希のために死ぬことを決意していたかのようにも思える。真依は真希の持っている呪力もなにもかもを持っていなくなることで、真希を強くすることを選んだ。

真依は去り際に真希の手に葦の穂先を握らせて、真希に言った。

「全部壊して。全部だからね、お姉ちゃん。」

真希が目を覚ますと眼の前には光のない目をした真依が倒れていた。真希は「真依、起きて。真依、起きて。」と呼びかけるが、真依が返事をすることはない。

真希はその後覚醒し、禪院扇を始めとする禪院家の人間を次々に殺していき、禪院直哉をも地に這わせた。その戦いの間真希は自分が何をしたいかわからなくなってしまっていた。真希が禪院家の当主になりたかったのは、妹である真依を守るためだったが、その真依はもうこの世にいない。何をしたいのか、と真希が考えるとふと浮かぶのは真依の最期の言葉。「全部壊して。全部だからね、お姉ちゃん。」という真依の約束とも呪いとも言える言葉を胸に、真希は真依の作った剣を握り離すことなく戦う。

『呪術廻戦』における真依の物語はこうして終わりを告げた。

劇場版『呪術廻戦 0』

原作漫画『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』には登場しないが、映画で活躍が描かれた。

東京校に通う姉の真希は呪術高専に待機だったが、真依は”百鬼夜行”の当日、府立呪術高専のメンバーと共に京都サイドで参戦。呪霊を得意の銃で迎撃する姿が描かれた。

禪院真依の関連人物・キャラクター

禪院真希（ぜんいんまき）

真依の双子の姉。京都にある禪院家を出て呪術高専東京校に通う二年生。
呪術界には「天与呪縛」と呼ばれる、自分の意志とは関係なく先天的に課される制約がある。真希はその「天与呪縛」により、術式を持たない代わりに人間離れした身体能力を持っていた。呪力が低すぎて呪霊を視認することはできないが、呪霊が見えるようになる特殊なメガネをかけて対応している。

幼いころは真依と仲が良く、呪霊を怖がる真依の手を引いて前を歩くことが常だった。真依はそんな真希を頼りにしており、蔑まれても禪院家でずっと一緒に暮らしていけると信じていた。しかし真希はあるとき呪術師を志し、禪院家を出ることになる。自分を見下した禪院本家の人間たちを見返し、自分が禪院家の当主になるという野望を掲げ禪院家を出ていった。しかしその実は妹である真依のために当主になろうとしていることが判明。虐げられている真依が安心して暮らせる居場所を禪院家の中に作るためだった。

偽夏油／加茂憲倫／羂索が放った呪霊たちで東京が壊滅し、「死滅回遊」を収めるために戦力を整えようと禪院家の忌庫へと向かう。しかし忌庫は空っぽで実父である禪院扇が待ち構えていた。傍らには重症を負った真依が倒れており、自分を殺そうとしてくる禪院扇と戦闘。敗北し、死の淵に追いやられたが、真依が目覚めさせた「天与呪縛」本来の力のおかげで復活。だがその代償として真依を失うことになる。大切だった、守ってやりたかったはずの真依に守られ、真依を失ったことでもう何がしたいかもわからなくなってしまう。最後に真依が残した「全部壊して。全部だからね、お姉ちゃん。」という約束という呪いを胸に、禪院本家の人間を皆殺しにし、その日禪院本家を不在にしていた人間も残らず殺して回った。

禪院真希（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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禪院真希（ぜんいん まき）とは、『呪術廻戦』の登場人物で、東京都立呪術高等専門学校で呪術師を目指す主人公虎杖悠仁の先輩。
気風の良い姉御肌の少女。口は悪いが判断力と行動力に優れ、仲間たちから頼りにされている。呪具を用いた近接戦闘を得意とし、その実力は二級相当の呪霊を軽く祓うほど。
呪術師の名門禪院家の血筋ながら、生まれつき呪力を持たない“天与呪縛”という特殊な体質の持ち主。このため実家から疎まれており、彼女が呪術師を目指すのもこれを見返すことが目的である。双子の妹の真依とは愛憎半ばする間柄。

禪院扇（ぜんいんおうぎ）

真依と真希の実父。禪院家第二十六代当主・禪院直毘人の弟で、禪院家の中枢を担う人物。剣技の使い手で、壮年の武士のような外見をしている。

自分が禪院家の当主になれなかったのは、子供の真依と真希の出来が悪かったためとし、真依と真希を疎ましく思っている。次期当主として伏黒恵が当主の座につくことを良しとせず、渋谷事変で封印された五条悟の封印の解除を試みたとして、伏黒恵とともに実の子供、真依と真希の誅殺する計画を立案した。重症を負わせた真依を連れて真希を禪院家の忌庫で待ち構え、やってきた真希に「何故、前当主が私でなく直毘人（あに）だったか、知っているか？」と問いかける。「テメェが子供を殺せるクソ野郎だからだろ。」という発言とともに挑んできた真希に対して、「何故私が当主になれなかった…それは子供のオマエ達が出来損ないだからだ…！！」と答え、返り討ちにした。その後真依と真希を呪霊を飼っている部屋に放り込み、最後は「さらば、我が人生の汚点。」と言い捨ててその場を去ろうとしたが、真依の死によって力を開花させた真希の気配に立ち止まる。真希の姿に、かつて恐怖した伏黒甚爾／禪院甚爾の面影を重ね、術式「焦眉之赳（しょうびのきゅう）」で迎え撃とうとしたが、真希の剣に顔面を半分に切り捨てられ、術式んお全容を披露する間もなく死亡した。

禪院扇（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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禪院扇（ぜんいんおうぎ）とは、『週刊少年ジャンプ』の人気漫画『呪術廻戦』の登場人物。人間の負の感情を元に生まれ出づる呪霊と呼ばれる化け物を祓う（倒す）力を持つ呪術師と呼ばれる人間の一人である。
呪術界のエリート家系・御三家の一つ、禪院家の生まれ。特別一級術師。禪院家の第26代当主・禪院直毘人の遺言で伏黒恵が次期当主に選ばれたことに納得いかず、以前から疎ましく思っていた娘の禪院真希・真依ともどもこれを誅殺する企てを謀るも、覚醒した真希に逆に殺されてしまった。

真依と真希の母親

真依と真希の実母。名前や家系などの詳細は不明。

漫画本編で真依との絡みはなかったが、禪院家の忌庫に向かう真希の前に立ちはだかり、「戻りなさい。」と警告をする。それを無視して歩を進める真希に対して、「一度くらい産んで良かったと、思わせてよ……真希。」と呟いた。このことから禪院扇と同様、真依と真希をよく思っていないことがわかる。「禪院家に非ずんば呪術師に非ず。呪術師に非ずんば人に非ず。」という格言が残るぐらい禪院家では呪術師の素養が重要視されている。しかし宗家の血筋であるにも関わらず、呪力の低い子供を産んでしまったことで、この母親もそのことについて責められていた可能性もあり、真依と真希とは別の形で苦しんでいたことが予想される。

真依が死亡して覚醒した真希によって禪院家が壊滅状態に陥る中、姉妹が交わした「（自分たちを苦しめた禪院家の）全てを壊す」という約束がために、彼女もまたその暴威の対象となって致命傷を負う。しかし他の者が確実に息の根を止められている一方、肉親である彼女に対してはさすがに情があったのか、深手を負わされてはいたが助けを呼ぶことも不可能ではない程度のものに留められていた。
しかし禪院家の中で真希や真依とは違う形で苦しみ続けた彼女は、真希に敗れて息も絶え絶えで戻ってきた禪院直哉を発見するなり、これを背後から刺して息の根を止める。背後から刺したのは、以前禪院直哉が「真希のような女（男を立てられない女）は背中刺されて死んだらええ。」と言っていたことに対しての母親なりの最期の嫌味とも考えられる。最後の最後に禪院家に復讐することができた彼女は、「（真希と真依を）産んで良かった」と歪んだ喜びに身を委ねつつ、そのまま息を引き取った。

伏黒恵（ふしぐろめぐみ）

呪術高専東京校の一年生。禪院家第二十六代当主・禪院直毘人の兄の子・伏黒甚爾／禪院甚爾を父親に持つ。禪院家の血を引いているが、禪院家の外で育ってきた。真依からすると従兄弟甥にあたる。真希とは互いに親戚であることを認識して下の名で呼び合っているが、真依のことは「禪院先輩」と呼んでいる。
作者の芥見下々曰く、多分真依の初恋の相手とのこと。公式ファンブックに寄せられた「初恋の相手を教えて下さい！」という真依への質問に対し、「多分伏黒、次点で知らない人、大穴で真希」という答えが記載されている。

伏黒恵（呪術廻戦）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）は、『呪術廻戦』の登場人物で、呪術の名門禪院家の血筋を引く麒麟児。東京都立呪術高等専門学校の一年生にして二級呪術師の資格を有し、主人公虎杖悠仁とはクラスメイト。
一見するとクールで真面目な優等生ながら、内には激しい情動を秘める。善人だった姉が呪いによって倒れたことが呪術師を目指す動機となっており、最強の呪術師五条悟に師事する。自身を救うために特級呪霊両面宿儺の宿主となった虎杖を庇い、彼の善性と呪術師としての潜在的な才能を信じて、宿儺の力を求めるあまたの敵と戦っていく。

釘崎野薔薇（くぎさきのばら）

呪術高専東京校の一年生。呪術高専という大きなくくりで見れば真依の後輩にあたるが、真依は京都校で釘崎野薔薇は東京校なので、姉妹校交流会以外での絡みはない。
真依が呪術高専京都校の楽巌寺嘉伸学長について東京校を訪れたときに出会った。真依が虎杖悠仁を嘲るような煽り発言をしたのをきっかけに犬猿の仲になる。姉妹校交流会では、呪詛師の一人・重面春太を止めるために二人そろって庵歌姫のもとに駆け付けたり、姉妹校交流会二日目で行われた野球試合で煽り合いをする光景が描かれている。