カイン・ハイウインド（ファイナルファンタジーIV）の徹底解説・考察まとめ

モンク僧ヤンの固有アビリティ。デカントアビリティの「ためる」は、ヤンの離脱後シルフの洞窟で意識が戻らないヤンを「愛のフライパン」で殴って起こすことでヤンから受け取ることができる。3回まで重ねてかけることが可能。1回で2倍、2回で3.3倍、3回では4.5倍と敵に与えるダメージの量が増加するため、カウンター攻撃をしかけてくる強力な敵の戦闘で役に立つ。カインに「ためる」を付けてジャンプと組み合わせることにより、ためる回数のダメージ量にジャンプによる攻撃力2倍が加わるので「ためる」を3回おこなった上でジャンプをすれば、非常に強力な攻撃ができる。待ち時間が1ターン分あり、ためている間の防御力が1になってしまう点のみ注意が必要だが「ジャンプ」の威力は隊列の影響を受けないため、後列にカインを配置しておくことである程度解決できる。カインと相性の良いアビリティの1つである。

あんこく

もともとは暗黒騎士だったセシルの固有アビリティ。自身のHPを攻撃力に変えて敵にダメージを与えるという技だったが、デカントアビリティでは、HPを消費し数ターンの間の攻撃力が2倍となる仕様に変わっている。セシルの「あんこく」同様に闇属性が備わっている。バロン城でオーディンとの戦闘から盗む以外には入手方法がないため、オーディンを倒す前にエッジの「ぬすむ」で入手しておきたい。1回の攻撃ごとにHPが減るため、デカントアビリティ「ためる」を先に使ってダメージ量を上げておき、カインの「ジャンプ」と併用することで効率良く大ダメージを与えられる。終盤になると闇属性に耐性を持っている敵が多くなるため、敵の属性に注意して使う必要があるアビリティである。

カイン・ハイウインドの関連人物・キャラクター

セシル・ハーヴィ

本作における主人公であり、カインの幼なじみであり親友。ナイーブで気弱な面を持つが誠実な心の持ち主。バロン王国の飛空艇団である「赤き翼」の部隊長を任されていたが、罪のない人間から武力を行使して略奪を行うという行為に疑問を持ち、その命令に逆らえない自分の弱さに苦悩していた。バロンから追放された後、「暗黒騎士」である自分と決別するために「試練の山」に登り、聖騎士パラディンとなった。白魔道士ローザとは恋人同士であり、一途にお互いを想い合っている。ゼムスとの最終決戦後はローザと結婚し、バロン国の王となった。DS版のCVは程嶋しづマ。

ローザ・ファレル

カインが恋心を抱いている美しい白魔道士。父親が竜騎士であったため、カインとは家族ぐるみで幼い頃から親交がある。恋人であるセシルを助けるために白魔道士を志したほど、一途にセシルを想い続けている。その想いの強さゆえに、バロンを追放されたセシルを追いかけて国を飛び出して高熱病にかかってしまったこともある。ホブスの山で「ファイア」を唱えることを恐れるリディアを諭したり、ゴルベーザの洗脳から完全に醒めた後にエッジに叱咤されていたカインを許し再び仲間として迎えるなど、カインの恋心が実を結ぶことは最後まで叶わなかったが、相手の心を慮ることができる優しさを持っている。セシルと共に最後まで戦い、最終決戦後はセシルと結婚しバロン王妃となった。DS版のCVは甲斐田裕子。

ゴルベーザ

バロンを追放されたセシルに代わって飛空艇団「赤き翼」を指揮していた魔道士であり、セシル達の宿敵。深い憎しみにとらわれており、クリスタルを集めて月への道を開き「バブイルの巨人」を復活させるためにカインを洗脳し利用した。バブイルの巨人を復活させ、地球を焼き払うという目的のために動いていたが、その想いは諸悪の根源「ゼムス」によってもたらされたもので、ゴルベーザ自身もゼムスに操られていた。ゴルベーザの正体は、セシルの実兄セオドール。教えに反対する者達によって父を殺害された後、体の弱い母が弟であるセシルを出産したために亡くなったことで「弟がいなければ父も母も死なずに済んだ」とゼムスにつけ込まれたのだった。月の民フースーヤによりゼムスの洗脳から解放され、ゼムスと戦った後、人として許されないことをした自分は地球には戻れない、とセシルに別れを告げ、月の民の血が流れる者としてフースーヤと共に月へ向かい、永い眠りについた。DS版のCVは俳優の鹿賀丈史。

カイン・ハイウインドの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「だがセシル…戦うのは、おまえとだ！」

「風のクリスタル」を狙ってファブール侵攻にやってきたバロン軍と戦うセシル達は、相手の勢力に押されてやむを得ずクリスタルルームまで下がる。そこに現れたのは、ミストの村で行方不明になっていたカインだった。セシルはカインの無事を喜び「ともに戦ってくれるな？」という問う。「戦う」という部分には同意するカインだが、そのすぐ後に「だがセシル…戦うのは、おまえとだ！」と告げ、セシルに槍を向ける。突然のことで理解が追いつかないセシルが何を言おうとも、カインは一切話を聞かず、一方的に攻撃を仕掛けセシルにとどめを刺そうとする。止めに入ったローザの声により一瞬思いとどまるが、背後から現れたゴルベーザに言われるがまま、風のクリスタルを手に入れその場を去る。行方不明になっていた間にカインがゴルベーザに操られ、敵側に回ったことが発覚する場面である。

「俺はきみに そばに…いてほしかったんだ！」

ゴルベーザが賢者テラの放った「メテオ」により負傷したことで、ゴルベーザの洗脳から醒めたカインは、セシルと共に捕らわれていたローザを救い出す。これまでゴルベーザとカインに拘束されていたローザは、救出に来たセシルと共にカインがいることに驚く。セシルから正気に戻ったと説明された後「許してくれローザ…。操られていたばかりじゃない！俺は君にそばに…いてほしかったんだ！」とローザにへの謝罪と、自分の想いを明かす。操られていたとはいえ、カインがローザの見張り役をするだけで、ローザを助け出そうとしなかったのは「そばにいて欲しい」という利己的な想いもあったことが窺える。罪悪感に駆られながらも、自分の恋心を優先してしまったカインの切なさが伝わる言葉である。それでも一途にセシルだけを想い続けるローザは、カインに「一緒に戦いましょう」と「仲間」として受け入れるのだった。

「フッ、空中戦はおまえだけのものじゃない！」