ウィザードリィ #1(Wizardry #1)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ #1』(Wizardry #1)とは、1981年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「狂王の試練場(Proving Grounds of the Mad Overlord)」。6人パーティを組み、地下迷宮を探索し、モンスターを倒して宝箱からアイテムを得て、キャラクターを強化・育成する、いわゆる「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第一作である。
訓練場で作成したキャラクターの合流や解散ができる。性格が善と悪のキャラクターは同時に選択する事はできないため、混成パーティを組みたい場合は工夫が必要(性格の項目を参照)。
冒険者の宿(Adventurer's Inn)
冒険者のHPやMPの回復、レベルアップを行うための施設。MP回復とレベルアップはここでしかできない。宿でHPを回復させようとすると時間経過が早く老化しやすいため、大抵のプレイヤーは「馬小屋」(無料。MP回復のみ。1日経過)に足しげく通う事になる。
ボルタック商店(Boltac's Trading Post)
アイテムの売買を行う。不確定アイテムの鑑定や、呪われたアイテムを外す事もできる。売却したアイテムが即座に倍額になって棚に並ぶため、プレイヤーからは「ボッタクリ商店」などと陰口を叩かれている。
カント寺院(Temple of Cant)
状態異常の治療や、死亡・灰になったキャラクターを蘇生させる施設。寄付金が高額な上に死者蘇生は失敗する恐れもあり、失敗しても返金されない。灰からの蘇生に失敗したキャラクターはロスト(埋葬され、ゲームから消失)してしまう。金額が足りない時に吐き捨てられる「ケチな背教者め、出ていけ!」や、蘇生時の「囁き-祈り-詠唱-念じろ!」といったセリフが有名。
街外れ(Edge of Town)
キャラクター作成を行う訓練場や、冒険の舞台となる地下迷宮がある。ゲームの中断などもここで行う。
ゲームの流れ
プレイヤーは訓練場にてキャラクターを作成し、6人一組のパーティを組んで地下迷宮に挑む。迷宮探索及びモンスターとの戦闘、危うくなったら城へ帰還と、基本的には拠点となる「城」と「迷宮」の往復を繰り返し、最終的には地下10階にいる魔術師ワードナを倒し、彼の所有する「ワードナの魔除け」を持ち帰る事でゲームクリアとなる。
キャラクターについて
一般的なRPGと同様、キャラクターにはレベル、HP(ヒットポイント)、MP(マジックポイント)が設定されており、モンスターを倒す事でEP(経験値)を稼ぎ、レベルアップして強くなっていく。
なおMPは魔術師と僧侶、2つの系統があり、それぞれ7つのレベルに分割されている。各レベルのMP上限は、どれだけ鍛えても最大で9回である。
『ウィザードリィ』のキャラクターには、上記の他にも以下のようなデータが存在する。
能力値
6つの能力値(力、知恵、信仰心、生命力、素早さ、運の強さ)があり、キャラクター作成時に選択した種族によって基本値が決まる。最大値は18。またランダムで設定されるボーナスポイントを振り分ける事で、任意の職業を選択する事ができる。
種族
5つの種族(人間、エルフ、ドワーフ、ノーム、ホビット)がある。
信仰心以外は平均的な人間。知恵・信仰心が高く魔法職向きのエルフ。力・生命力に富み前衛職向きのドワーフ。信仰心が高くバランスの良い僧侶向きのノーム。素早さ・運の強さが高く盗賊向きのホビットといった特徴。
外見的には細身で美しい容姿のエルフ、背の低いドワーフ・ノーム・ホビット(うちドワーフは筋肉質)といった所だが、一般的なRPGでは長命に設定される事の多いエルフやドワーフも、『ウィザードリィ』においては人間とほぼ変わらない寿命設定である。
性格
善・中立・悪の3つの性格がある。戒律とも呼ばれる。
善と悪のキャラクターは「ギルガメッシュの酒場」で同じパーティを組む事ができず、中立のみいかなる性格の者ともパーティが組める。
ただし迷宮内に入り「仲間を探す」コマンドを使用して合流する事で、善悪混成のパーティを組む事は可能。
モンスターに遭遇した際「友好的な~」と表示される時がある。この際、善の場合は「立ち去る」(無条件で戦闘を回避)を選び、悪の場合は「戦う」を選択しなければならない。
もし性格に反する行動選択(善なのに「戦う」を選んだりするなど)をした場合、善なら悪、悪なら善へと性格が変化する場合がある。
年齢
キャラクターの年齢。作成直後の年齢は13~16前後。宿屋に泊まる、蘇生呪文で生き返る、訓練場で転職する等で増加する。
年齢が上昇するにつれ、レベルアップ時に能力値の低下が発生しやすくなり、生命力が3未満に下がった場合は「老衰死」(ロストと同義。生き返る事はできない)となる。
AC(アーマークラス)
キャラクターの物理防御力を数値化したもの。何も装備しないキャラクターのACは10で、防具を装備したり防御呪文を唱える事で強化できる。
特筆すべきはACは低ければ低いほど高性能である点と、『ドラゴンクエスト』等に代表されるダメージを軽減するような守備力ではなく、どちらかと言えば回避力に近い概念である点。
ACが下がれば敵モンスターの物理攻撃の命中率を下げ、当たりにくくする事ができる。余談だが説明書には「AC-10で、シャーマン戦車と同等の防御力」という記述がある。
ただしFC版のみシステム計算式にバグがあり、命中判定で敵モンスターのACを参照してしまうため、防具によるAC低下は余り意味のないものとなってしまっている。
キャラクターの職業
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目次 - Contents
- 『ウィザードリィ #1』の概要
- 『ウィザードリィ #1』のあらすじ・ストーリー
- 魔除けが盗まれる
- ワードナの地下迷宮
- トレボー王の御触れ
- 狂王の試練場
- ワードナの打倒
- 『ウィザードリィ #1』のゲームシステム
- 城塞都市の施設
- ギルガメッシュの酒場(Gilgamesh's Tavern)
- 冒険者の宿(Adventurer's Inn)
- ボルタック商店(Boltac's Trading Post)
- カント寺院(Temple of Cant)
- 街外れ(Edge of Town)
- ゲームの流れ
- キャラクターについて
- 能力値
- 種族
- 性格
- 年齢
- AC(アーマークラス)
- キャラクターの職業
- 戦士(FIG)
- 魔法使い(MAG)
- 僧侶(PRI)
- 盗賊(THI)
- ビショップ(BIS)
- 侍(SAM)
- ロード(LOR)
- 忍者(NIN)
- 隊列
- 宝箱
- 全滅とロスト
- 『ウィザードリィ #1』の登場人物・キャラクター
- トレボー(Trebor)
- ワードナ(W e r d n a)
- マーフィーズゴースト(Murphy's Ghost)
- バンパイアロード(Vampire Lord)
- フラック(Flack)
- マイルフィック(Maelific)
- グレーターデーモン(Greater Demon)
- 『ウィザードリィ #1』のアイテム
- 金の鍵
- ブルーリボン
- ワードナの魔除け
- カシナートの剣
- 盗賊の短刀
- 村正
- 聖なる鎧
- 手裏剣
- 『ウィザードリィ #1』の用語
- 石の中にいる
- エナジードレイン
- *おおっと*
- クリティカルヒット
- スペシャルパワー
- 灰になる、ロスト
- ヒーリング
- 『ウィザードリィ #1』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 死や全滅といった最悪の事態を回避できる裏技「リセット技」
- エナジードレインを利用した能力値上昇・経験値調整の裏技
- グレーターデーモン養殖で経験値稼ぎ
- AC(アーマークラス)、防御力のバグ(FC版)
- 幻の珍品、支えの盾(シールド+2)
- マイルフィックとの戦闘でゲームが強制終了するバグ(国産PC版)
- 『ウィザードリィ』の元ネタは『D&D』
- モンスター「ボーパルバニー」の元ネタは『モンティパイソン&ホーリーグレイル』