ウィザードリィ #1(Wizardry #1)のネタバレ解説・考察まとめ
『ウィザードリィ #1』(Wizardry #1)とは、1981年アメリカのサーテック社より発売された3Dダンジョン・ロールプレイングゲーム。副題は「狂王の試練場(Proving Grounds of the Mad Overlord)」。6人パーティを組み、地下迷宮を探索し、モンスターを倒して宝箱からアイテムを得て、キャラクターを強化・育成する、いわゆる「ハック&スラッシュ」の元祖とも言える古典RPGシリーズの第一作である。
条件:全能力値17以上。性格は悪のみ
戦士と盗賊を兼ね備えた上級職。#1では初期作成する事はできず、転職が必要になる。HPに関わらず敵の首を一撃で刎ねるクリティカル能力と、アイテムを何も装備しない状態でのAC(アーマークラス。防御力のこと)向上能力がある。罠外しの信頼性は盗賊より低い上、全職業中最も成長が遅い。
隊列
最大6人までパーティを組む事ができ、前の3人が「前衛」、後ろの3人が「後衛」となる。
前衛のキャラクターのみ「戦う」コマンドで武器による直接攻撃が可能だが、敵モンスターの直接攻撃にも晒される。
逆に後衛のキャラクターは直接攻撃こそ行えないものの、敵モンスターの物理攻撃を受けない。
宝箱
確実にモンスターと遭遇する部屋(玄室と呼ばれる)で戦闘に勝利すると、宝箱が出現する。多くの場合危険な罠が仕掛けられており、盗賊または忍者のキャラクターが罠を外す事で、安全に中身の財宝を得られる。
深層に進み、強力なモンスターに勝利するほど、宝箱から希少なアイテムを入手する可能性が高くなる。この「ハック&スラッシュ」の中毒性に魅了されるファンも多い。
全滅とロスト
『ウィザードリィ』は一般的なRPGと異なり、戦闘に敗北したり、不慮の事故でパーティが全滅した場合、キャラクターの死体は迷宮内に置き去りとなる(セーブデータからやり直し、とかではない)。彼らを救う為には、別パーティを救助隊として編成し、死体の回収を行わなければならない。
なお全滅した時点でキャラクターの安全は保障されておらず、ランダムでアイテムが奪われていたり、最悪の場合ロストしている事もある。ロストしたキャラクターは蘇生呪文やカント寺院を以てしても、復活させる事はできない。
『ウィザードリィ #1』の登場人物・キャラクター
トレボー(Trebor)
城塞都市の支配者で「狂王」と仇名される。邪悪なる魔術師ワードナに盗まれた「魔除け」奪還を冒険者たちに依頼する。
数多くの派生作品において「拡張政策を取り続ける野心的な暴君」という性格づけをされる事が多い。
トレボーの綴り「Trebor」を反転させると「Robert」。制作者のロバート・ウッドヘッドにちなんで名付けられている事は有名。
ワードナ(W e r d n a)
邪悪なる魔術師。トレボーから「魔除け」を盗み出し、地下10階最奥部にて冒険者たちを待ち構えるラスボス(『ウィザードリィ』シリーズにおいて、ラスボスの名称は一文字おきにスペースが入ったり、「*」が使用される伝統がある)。
高レベルの魔法使いであり、最強呪文「ティルトウェイト」を使いこなす。だがその身体能力もひ弱な魔術師とは思えぬほどで、高い攻撃力・各種状態異常・高い呪文無効化能力などを誇る。
ワードナの綴り「Werdna」を反転させると「Andrew」。制作者のアンドリュー・グリーンバーグが元ネタである事は有名。
マーフィーズゴースト(Murphy's Ghost)
地下1階にある一室において、何度でも出現する謎の亡霊。HPと防御力は高いものの攻撃力は低く、冒険者の経験値稼ぎに利用される。序盤安全にレベルアップするのに欠かせない存在であるため、彼の事を「先生」と呼び親しむプレイヤーも多い。
製作者の知人、あるいはテストプレイヤーであるPaul Murphyがモデルとも言われているが詳細は不明。
バンパイアロード(Vampire Lord)
吸血鬼の王。ワードナの玄室にのみ出現し、配下のバンパイアと共にワードナを護衛する第一の側近。
強力な呪文と4レベルものエナジードレイン能力(攻撃が命中したキャラクターのレベルを下げてしまう)を持つが、その反面呪文無効化能力が無く、6レベルの魔術師呪文「ジルワン」(アンデッド1体を破壊する)で確実に仕留める事ができるという弱点がある。
なおFC版のみ、称号あるいは魔除けを所持するキャラクターがいる場合ワードナは出現せず、代わりにバンパイアロードとの戦闘となる。
フラック(Flack)
地下10階に出現する強力なモンスター。高いHPと多彩な特殊攻撃を持ち、パーティ全体にダメージを与えるブレス能力も脅威。
FC版にて末弥純により緑色のピエロのようなグラフィックを与えられ、「地獄の道化師」の異名を持つ『ウィザードリィ』を代表する特徴的なモンスターとなった。
マイルフィック(Maelific)
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目次 - Contents
- 『ウィザードリィ #1』の概要
- 『ウィザードリィ #1』のあらすじ・ストーリー
- 魔除けが盗まれる
- ワードナの地下迷宮
- トレボー王の御触れ
- 狂王の試練場
- ワードナの打倒
- 『ウィザードリィ #1』のゲームシステム
- 城塞都市の施設
- ギルガメッシュの酒場(Gilgamesh's Tavern)
- 冒険者の宿(Adventurer's Inn)
- ボルタック商店(Boltac's Trading Post)
- カント寺院(Temple of Cant)
- 街外れ(Edge of Town)
- ゲームの流れ
- キャラクターについて
- 能力値
- 種族
- 性格
- 年齢
- AC(アーマークラス)
- キャラクターの職業
- 戦士(FIG)
- 魔法使い(MAG)
- 僧侶(PRI)
- 盗賊(THI)
- ビショップ(BIS)
- 侍(SAM)
- ロード(LOR)
- 忍者(NIN)
- 隊列
- 宝箱
- 全滅とロスト
- 『ウィザードリィ #1』の登場人物・キャラクター
- トレボー(Trebor)
- ワードナ(W e r d n a)
- マーフィーズゴースト(Murphy's Ghost)
- バンパイアロード(Vampire Lord)
- フラック(Flack)
- マイルフィック(Maelific)
- グレーターデーモン(Greater Demon)
- 『ウィザードリィ #1』のアイテム
- 金の鍵
- ブルーリボン
- ワードナの魔除け
- カシナートの剣
- 盗賊の短刀
- 村正
- 聖なる鎧
- 手裏剣
- 『ウィザードリィ #1』の用語
- 石の中にいる
- エナジードレイン
- *おおっと*
- クリティカルヒット
- スペシャルパワー
- 灰になる、ロスト
- ヒーリング
- 『ウィザードリィ #1』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 死や全滅といった最悪の事態を回避できる裏技「リセット技」
- エナジードレインを利用した能力値上昇・経験値調整の裏技
- グレーターデーモン養殖で経験値稼ぎ
- AC(アーマークラス)、防御力のバグ(FC版)
- 幻の珍品、支えの盾(シールド+2)
- マイルフィックとの戦闘でゲームが強制終了するバグ(国産PC版)
- 『ウィザードリィ』の元ネタは『D&D』
- モンスター「ボーパルバニー」の元ネタは『モンティパイソン&ホーリーグレイル』