ワイルド・スピード MAX(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ワイルド・スピード MAX』とはアメリカ合衆国で制作されたカーアクション映画である。『ワイルド・スピード』シリーズの第4作目。仲間と石油強盗をしながら生計を立てるドミニク・トレットは警察に追われていた。警察から守る為に仲間の元を去ったが、恋人のレティ・オルティスが殺されたことを知る。友人であるブライアン・オコナーたちと協力し犯人であるアウトゥーロ・ブラガへの復讐を果たす。カーチェイスアクションも多く、スリル満点だが、その中でも友情や恋人への愛などを感じる映画となっている。
『ワイルド・スピード MAX』の概要
『ワイルド・スピード MAX』とはアメリカ合衆国で制作されたカーアクション映画である。『ワイルド・スピード』シリーズの第4作目であり、2009年に日本で公開された。監督はジャスティン・リンで、前作の『ワイルド・スピード X3TOKYODRIFT』も担当した監督である。日本での興行収入は9億5000万円で、『ワイルド・スピード』シリーズでは日本を舞台にした前作に次いで2位となった。世界での興行収入は396億円で前作を越して『ワイルド・スピード』シリーズの中では過去最高となった。ストリートレースを題材にしたカーアクション映画だが、それだけではなく仲間の友情や恋人への愛なども描かれており、カーマニアを中心に人気のシリーズ映画である。
車を使って大金を盗む犯罪者の主人公ドミニク・トレットは、ドミニカ共和国で石油強盗をしていた。多くの犯罪を犯してきた為、逮捕しようと警察が追っていた。仲間を巻き込みたくないドミニク・トレットは仲間の元を去ったが、その後仲間で恋人でもあるレティ・オルティスが何者かに殺されたことを聞く。ドミニク・トレットは恋人の仇を撃つために犯人を探す。そこで警察で友人でもあるブライアン・オコナーが追っている麻薬組織とドミニク・トレットが追っている人物が同じであることが分かり、2人で協力して犯人を突き止めることに成功する。その後、激しいカーチェイスの後にドミニク・トレットはレティ・オルティスの仇を撃つことに成功し、ブライアン・オコナーは麻薬組織のリーダーを捕まえる。ドミニク・トレットは、今回の事件で警察に協力した形となり、ブライアン・オコナーが警察トップに無罪を求めたが、その後の裁判で懲役25年の服役刑となり、早期の仮釈放は一切認められないことが決まる。犯罪者だが、仲間を思う気持ちと愛する人を想う気持ちが強く感じられる映画である。
『ワイルド・スピード MAX』のあらすじ・ストーリー
石油強盗
ドミニカ共和国に暮らしているドミニク・トレットは、仲間のレティ・オルティスとハン、テゴ・レオ、リコ・サントスと銀行強盗を計画していた。しかし、ガソリンは金塊と同じ価値があるということから銀行強盗から石油強盗に計画を変更し、ガソリンが入っているタンク5つを輸送中のタンクローリーを襲うことになる。レティ・オルティスがタンクローリーに飛び移り、後ろから2つ目のタンクに移動した後、ハンがタンクと自分が乗っている車を固定し準備は完了。レティ・オルティスがタンクとタンクの連結部分に液体窒素をかけて瞬間冷凍し、ハンマーで叩き連結を壊して一気にタンク2つを奪うことに成功する。次はテゴ・レオが運転する車で奪う予定だったが、車とタンクを固定した後にタンクローリーの運転手が強盗に気付いてしまう。運転手は下り坂で猛スピードを出してなんとか強盗を阻止しようと試みたが、あまりにもスピードが出過ぎたため、これでは自分も命が危ないと思いタンクローリーから草むらに脱出した。一方ドミニク・トレットは、運転手に気づかれたためテゴ・レオに固定を外せと命令したが、テゴ・レオは勿体無いという理由で命令を無視した。そのため、ドミニク・トレットはレティ・オルティスに連結部分に液体窒素をかけるように命令し、連結部分を壊してタンク1つを奪い、合計タンク3つを手に入れた。
ドムが姿を消す
強盗を終えた後、ドミニク・トレットへ「お前を警察が追っている。今回も派手にやったから足が付くかもしれない。逃げよう」とハンから提案を受けるが、ドミニク・トレットは「警察が追っているのは俺だ。俺と一緒にいると、みんなも重い刑を受ける」と伝え仲間に別れを告げる。仲間の一人であるレティ・オルティスは、ドミニク・トレットと恋仲であるため離れようとしなかったが、レティ・オルティスが寝ている間に今回の強盗の報酬といつも身に付けているネックレスを置いてドミニク・トレットは姿を消した。
レティ・オルティスの死
パナマに逃げてきたドミニク・トレットは、妹であるミア・トレットから恋仲であるレティ・オルティスが殺されたと電話がある。レティ・オルティスはロサンゼルスの警察に、アウトゥーロ・ブラガという人物がリーダーの麻薬組織に潜入する捜査官として雇われていた。アウトゥーロ・ブラガが密輸した麻薬は過去最大で、ロサンゼルスにとって脅威なのに対して、顔写真もなく、指紋もない、生年月日も不明という謎の人物であった。そんなアウトゥーロ・ブラガに潜入捜査中にレティ・オルティスは殺されることになる。彼女の死を聞いたドミニク・トレットは警察に追われているため葬儀には行かずに、レティ・オルティスを殺した犯人を探す。一方ロサンゼルスで警察官として働いているブライアン・オコナーは、ドミニク・トレットと同じくアウトゥーロ・ブラガがリーダーである麻薬組織を追っていた。ブライアン・オコナーは、麻薬の密売人であるデビッド・パークが運び屋を集めるためにストリートレースを開催することがあると聞いて、自分が潜入捜査官になることを上司に提案する。
レティ・オルティスの死によって動く2人の男
ドミニク・トレットは、レティ・オルティスが死亡した事故現場へ行きニトロを使用した車のタイヤ痕を見つける。ニトロを使用した車を売る人物は、ロサンゼルスにただ1人しかいないということを知っていたドミニク・トレットは、過去の仲間であった人物の元に妹のミア・トレットの反対を押し切って会いに行く。そこで、韓国人のデビット・パークから依頼を受けたと聞き出す。一方でブライアン・オコナーは、前科持ちリストの中からデビット・パークを探し、違法改造車に乗っている一人の人物に絞った。その人物の元へ訪れたブライアン・オコナーはデビット・パークと争っているドミニク・トレットと再会する。ドミニク・トレットを止めようと、「レティ・オルティスは自分にとっても友達だった。レティは運び屋をしていて殺された」と伝え手を引くように促したが、「俺はブラガを殺す。邪魔する奴もみんな殺す」と言われドミニク・トレットを止めることはできなかった。
運び屋採用のストリートレース
デビット・パークを捕まえたブライアン・オコナーは、警察署に戻りアウトゥーロ・ブラガ主催の運び屋採用のストリートレースが明日の夜開催されることと、デビット・パークの協力で捜査官の1人をストリートレースに参加させるという決定事項を聞き、参加することを決意する。ストリートレースの会場に到着したブライアン・オコナーはドミニク・トレットに会い、レースで対決することを知る。その対決に勝った者が採用されることを聞いた2人は、道路を封鎖しない初めてのストリートレースを体験することになる。一般車両を巻き込みながらのレースは、事故やレース参加者の死亡などとても危険なレースで、最初は4人で競っていたがゴールまで400mの地点でドミニク・トレットとブライアン・オコナー2人の一騎打ちとなる。しかし、ゴール直前で、ドミニク・トレットが仕掛けた攻撃によりブライアン・オコナーの車がクラッシュし、ドミニク・トレットが優勝となり運び屋として採用される。どうしても採用されたいブライアン・オコナーは、警察という肩書を使用してアウトゥーロ・ブラガの運び屋の一人を麻薬売買という嘘の罪で逮捕し、その代わりとして雇われるように仕向ける。
レティ・オルティスを殺した犯人
運び屋に採用されたドミニク・トレットとブライアン・オコナーは、アウトゥーロ・ブラガ主催のパーティーに呼ばれる。そこで、ブライアン・オコナーはアウトゥーロ・ブラガと思われる人物を突き止める。一方ドミニク・トレットはレティ・オルティスを殺した犯人がアウトゥーロ・ブラガの仲間であり案内役のフェニックス・カルデロンであることを突き止める。その次の日、アウトゥーロ・ブラガから2人は呼び出され、運び屋初の仕事になるメキシコへ車のまま輸送される。国境での仕事であるため、上空ではヘリコプターが監視し、熱を感知するカメラも設置されている場所での仕事であったが、アウトゥーロ・ブラガの仲間であるジゼル・ヤシャールの指示に従い実行することになる。案内役であるフェニックス・カルデロンの車に続いて国境を超え、熱感知されたが間一髪の所で国境を抜け出すことに成功する。任務終了後、フェニックス・カルデロンに対してレティ・オルティスのことを問い、「俺が殺した」という言葉を聞いて犯人だということを確信する。恨みを晴らすために車を爆発させ、フェニックス・カルデロンを攻撃しようとするが逃げられ失敗に終わる。
レティ・オルティスの死の真相
爆発場所から組織の車で逃げたドミニク・トレットとブライアン・オコナーは、トランクにあった6000万ドル分の薬物を見つけ、それを隠すために安全だと思われる警察の押収車両保管所に向かい飲酒運転で押収したと嘘をつき隠す。その後、隠れ家に行き身を潜めることにした2人は、ドミニク・トレットが組織の仲間に撃たれた為、応急処置をするため妹のミア・トレットも呼び、3人で過ごしていた。ドミニク・トレットが、レティ・オルティスと書かれた段ボールを見つけてその中に入っていた携帯の着信履歴にかけ直すと、一緒にいたブライアン・オコナーの携帯に繋がる。潜入捜査官としてレティ・オルティスを雇っていたことを隠していたブライアン・オコナーに対して怒ったが、レティ・オルティスが潜入捜査官をしていたのは「潜入捜査する代わりにドミニク・トレットを無罪にしてくれ」と提案があったからだということ聞き、全て自分の為だったと知った。
アウトゥーロ・ブラガの正体
警察に戻ったブライアン・オコナーは、保管している麻薬を利用しアウトゥーロ・ブラガを誘き寄せ組織を撃破することを提案する。また条件として、逮捕できたらドミニク・トレットを無罪放免にしてくれということを伝えた。
ドミニク・トレットは、麻薬組織のジゼル・ヤシャールに電話し、ビジネスの話があると伝えてレイモン・カンポスと電話を変わるように伝える。電話を代わったレイモン・カンポスに、6000万ドルの薬物と引き換えに、現金600万ドルをアウトゥーロ・ブラガ本人から直接受け取りたいと取り引きを持ちかける。その取り引きを承諾したレイモン・カンポスは、アウトゥーロ・ブラガと思われる人物を連れて取り引き場所に向かった。その人物とドミニク・トレットとブライアン・オコナーが取り引きをしているのを見た警察トップはアウトゥーロ・ブラガ本人だと思い込み、ブライアン・オコナーの合図で突入する予定だったが、合図を待たずに待機していた警察を突入させた。しかし、2人と話していた人物は偽物のアウトゥーロ・ブラガで本物はレイモン・カンポスであるということが分かったときには既に突入した後だった。警察が来たため、本物のアウトゥーロ・ブラガはフェニックス・カルデロンと共に逃げた。また、ブライアン・オコナーもドミニク・トレットを逃すことに成功する。
アウトゥーロ・ブラガの元へ向かう2人
警察本部に戻ったブライアン・オコナーは、今回のアウトゥーロ・ブラガとドミニク・トレットを逃がした責任と、過去にドミニク・トレット逃したことがある為、正式な調査を終えるまで停職となる。その後、ドミニク・トレットに会いに行ったブライアン・オコナーは、自分も麻薬組織の元へ行くということを言い、一緒に向かう。メキシコの国境へ到着した2人は、アウトゥーロ・ブラガの仲間であったジゼル・ヤシャールと会い、麻薬組織の居場所を聞く。ドミニク・トレットは、ジゼル・ヤシャールに「そこへ行くのは自殺と同じよ」と忠告されるが、「行くしかない」と伝え麻薬組織の元へ向かう。
アウトゥーロ・ブラガの拉致
一方で、先にメキシコに移っていたアウトゥーロ・ブラガは教会にいた。アウトゥーロ・ブラガは麻薬を売買したお金を教会の修復費として寄付し、天国へ導いてくれるようにお祈りをしていた。そこへ銃を持ったドミニク・トレットとブライアン・オコナーが現れ、「赦しは得られない」と告げアウトゥーロ・ブラガに銃を向ける。殺そうと思ったドミニク・トレットは引き金に指を掛けるが、アウトゥーロ・ブラガから「お前と俺は似たもの同士だ。英雄じゃない」と言われ、少し考えた後「確かにな。だからお前のことはアメリカで裁く」と伝え、側にいたブライアン・オコナーが手錠をかけて拘束する。外で見張りをしていた麻薬組織の仲間は、アウトゥーロ・ブラガがいつまで経っても出てこないことに不審に思い、銃を構えて教会の中に入ると姿がなかった。そして見張りをしていたドアとは別のドアが開いていることが分かり、そこから何者かにアウトゥーロ・ブラガが拉致されたことを知る。
決着
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目次 - Contents
- 『ワイルド・スピード MAX』の概要
- 『ワイルド・スピード MAX』のあらすじ・ストーリー
- 石油強盗
- ドムが姿を消す
- レティ・オルティスの死
- レティ・オルティスの死によって動く2人の男
- 運び屋採用のストリートレース
- レティ・オルティスを殺した犯人
- レティ・オルティスの死の真相
- アウトゥーロ・ブラガの正体
- アウトゥーロ・ブラガの元へ向かう2人
- アウトゥーロ・ブラガの拉致
- 決着
- ドミニク・トレットの判決と仲間の実行
- 『ワイルド・スピード MAX』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- ドミニク・トレット(演:ヴィン・ディーゼル)
- ドミニク・トレットの仲間たち
- ブライアン・オコナー(演:ポール・ウォーカー)
- ミア・トレット(演:ジョーダナ・ブリュースター)
- レティ・オルティス(演:ミシェル・ロドリゲス)
- ハン(演:サン・カン)
- テゴ・レオ(演:テゴ・カルデロン)
- リコ・サントス(演:ドン・オマール)
- 麻薬組織
- アルトゥーロ・ブラガ=レイモン・カンポス(演:ジョン・オーティス)
- フェニックス・カルデロン(演:ラズ・アロンソ)
- ジゼル・ヤシャール(演:ガル・ガドット)
- 『ワイルド・スピード MAX』の用語
- ニトロエンジン
- 運び屋
- 『ワイルド・スピード MAX』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 名言・名セリフ
- レティ・オルティス「走るか死ぬかのモットーでしょ」
- ミア・トレット「何をしてもレティは生き返らないわ」
- ドミニク・トレット「本物は自分の積み荷を知って走る」
- ブライアン・オコナー「俺も行くよ」
- ジゼル・ヤシャール「本当に彼女を愛していたのね」
- ドミニク・トレット「俺はもう逃げない」
- 名シーン・名場面
- レティ・オルティスの元を去るドミニク・トレット
- ドミニク・トレットがレティ・オルティスの事故現場に訪れる
- ドミニク・トレットのニトロで大爆発
- レティ・オルティスの想いを知ったドミニク・トレット
- 運転しながらも攻撃をするドミニク・トレット
- 『ワイルド・スピード MAX』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『ワイルド・スピード』1作目を越えるためにタンクローリーを選んだ
- レティ・オルティスを演じるミシェル・ロドリゲスは勇敢な女優
- トンネルは本物ではなく独自制作
- 『ワイルド・スピード MAX』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):ピットブルfeat.ファレル『BLANCO』
- ED(エンディング):ピットブル・アンド・テゴ・カルデロン『YOU SLIP,SHE GRIP』