シカゴ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『シカゴ』とは、監督ロブ・マーシャルメインキャストにレニー・ゼルウィガー、リチャード・ギア、キャサリン・ゼタ=ジョーンズの3人を起用したミュージカル映画。
1920年代、ショービジネスと犯罪の町シカゴを舞台に、スターを夢見る主人公が、殺人を起こし刑務所に収容されながらもスターへの道を上る様子を描いている。
キャッチコピーは「この街では、銃弾一発で有名になれる」
近年のアメリカ映画において、ミュージカル映画はヒットしないと言われていたが、そのジンクスを覆した作品ともいわれている。

ロキシーとヴェルマと同じ刑務所にいる囚人。
ソルトレイク出身のエゼキエルと出会い、結婚するも、独身と言っていた彼が、モルモン教徒であり、6人も妻がいることを知り殺害。
飲み物にヒ素を入れて殺害したが、殺意はなく、ヒ素を飲むと死んでしまう人もいるみたいだと主張し無罪を訴えている。

リズ(演:スーザン・マイズナー)

ロキシーとヴェルマと同じ刑務所にいる囚人。
彼氏のバーニーのクセである風船ガムをパチンとはじく音に対し不満を持っていた。
ある日、パチンと音を出して風船ガムをはじいたバーニーに、注意をしたが彼は聞き入れなかった。
その音を聞いたリズは警告の意味を込めてバーニーの頭に銃弾を2発撃ち込んだ。
しかし、彼女もまた無罪を主張している。

ニッキー(演:チタ・リヴェラ)

ロキシーとヴェルマと同じ刑務所にいる囚人。
ロキシーが刑務所に入れられたとき、タバコを吸いながら話かけてた初老の女性。

陪審長(演:ロッド・キャンベル)

ロキシーの裁判で陪審長を務めた男性。

『シカゴ』の用語

all that jazz

妹と夫を殺したヴェルマがキャバレーで一人歌う曲「All That Jazz」。
この曲名は、何でもありと言う意味があり、ヴェルマは高らかに「この世は何でもアリ」と歌い上げている。

1920年代のアメリカ

この映画の舞台である1920年代のアメリカは「狂騒の20年代」「黄金の20年代」と言われており、自動車、映画、ラジオといったものが大衆に広まり様々な文化が生まれる時代であった。
また、ジャズの文化も花開き、「ジャズ・エイジ」とも呼ばれている。
この時代女性のファッションも変化を迎え、ロキシーの様なショートヘアに膝丈のストレートなワンピースを着た女性たちはジャズを好み、お酒を嗜むフラッパーと呼ばれていた。

『シカゴ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ミュージカルシーン

この映画の名シーンと言えば、ミュージカルシーンであるが、これは監督であるロブ・マーシャルが吹き替えを使いたくないと考えていたことから演者自らがダンスや歌を演じている。
そのため、キャストたちは3カ月ダンスや歌の特訓を受けてからの撮影となった。
また、メインキャスト以外のエキストラダンサーにも手を抜かず、アメリカ合衆国の演劇およびミュージカルに関する賞であるトニー賞やニューヨークで上演された優れた舞台に与えられる賞であるオビー賞の受賞経験があるダンサーたちがバックダンサーを務めている。

ロキシーの瞳

映画の中で現実世界からミュージカルシーンへ移行するとき、必ずロキシーの瞳がアップとなり、印象的な場面となっている。
この瞳のアップがあるおかげで、ミュージカル映画にある、突然歌いだすことへの違和感を観客へ与えにくくなっている。
また、このことによりミュージカルシーンがロキシーの妄想であるということがわかりやすく表現されている。
さらに、ロキシーの妄想であるミュージカルシーンには必ず冒頭にMCが付いてくる。
このMCを務めるのが、バンドリーダーを務めている黒人ミュージシャンのテイ・ディグスであり、彼が楽曲について説明をしてくれるので、楽曲の意味も観客が理解しやすくなっているのである。
しかし、ロキシーの瞳のアップが妄想への引き金となっているとすると疑問に思うのが、ラストのロキシーとヴェルマが再会し、ショーを大成功させるというシーンである。
こちらも、ロキシーの瞳にカメラが寄ってからショーが開始となるため、現実なのかそれともロキシーの妄想なのか謎なのである。
監督のロブは「判断は観客のみなさんに委ねたい」と答えていることからもどちらが正解なのか断定できないラストとなっている。

『シカゴ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

劇中のヴェルマの髪型は彼女を演じたキャサリンが希望したもの

ヴェルマ役のキャサリン・ゼタ=ジョーンズは、当時ロングヘア―をしており、監督のロブもキャサリン自身の髪でこの役をやってほしいと考えていた。
その理由は、ダンスシーンで、女性の長髪がなびく画が映像として効果的だと考えたから。
しかしキャサリンはロングヘア―をかたくなに拒否し、ショートボブを主張した。
それはロングヘアーだと激しいダンスシーンで顔が隠れてしまい、観客から代役だと思われてしまうのを嫌がったため。
子どものころからミュージカルが大好きだったキャサリンは、インタビューで「今回、『シカゴ』の話を貰ったとき、脚本も読まず、何の質問もせずにサインしたの。だって、子供のときの夢が叶うわけですもの」と答えるくらい本作への出演に強い思いがあったため、自ら演じたダンスシーンではっきりと自分の顔が映るようにロングヘア―を拒否した。
また、最初ロキシー・ハート役でオファーが来ていたキャサリンであったが、ヴェルマとして「All That Jazz」を歌いたいと言ったため、キャサリンがヴェルマ役となった。

ロキシー役は別の女優がやる予定であった

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