ウィンリィ・ロックベル(鋼の錬金術師)の徹底解説・考察まとめ

ウィンリィ・ロックベルとは『鋼の錬金術師』のヒロインで、根っからの機械オタクな機械鎧(オートメイル)技師。男勝りの度胸と女性らしい繊細さを併せ持つ少女。主人公エルリック兄弟の幼馴染で、過酷な運命に挑む彼らの支えとなるべく、優秀な技師を目指している。幼い頃に外科医だった両親を戦争で亡くしたことで、残された家族を何よりも大切に想うようになり、兄弟を時には優しく時には叱咤しながら見守っている。物語の裏で暗躍する人造人間達に“エルリック兄弟への人質”として目を付けられ、国家規模の陰謀に巻き込まれていく。

すべての戦いが終わり、無事に身体を取り戻して帰ってきたエルリック兄弟を、ウインリィは涙ぐんで迎える。ずっと心配していた兄弟が目的を達成して戻ってきたことで、ウィンリィにとっても大きな試練だった日々はひとまず終わったのだ。
それから2年が経ち、新しい錬金術の知識を手に入れるために、新たに旅立つことを決めたエドワードをウィンリィは再び見送ることになる。しかし今回の旅立ちに悲壮なところはなく、笑顔で別れの日を迎えることができた。
旅立つ間際にエドワードはついに長年のウィンリィへの想いを伝え、プロポーズし、彼女はそれを受け入れる。将来を約束したエドワードを見送り、ウィンリィは新たな人生を歩んでいくのだった。

ウィンリィ・ロックベルの関連人物・キャラクター

エドワード・エルリック

エドワード・エルリックは『鋼の錬金術師』の主人公で、ウィンリィと同い年の少年ながら優れた技術を持つ錬金術師。母親を蘇らせようと禁忌の儀式に挑んだ結果、左脚と弟のアルフォンスの肉体を失うこととなり、さらに自身の右腕と引き換えに彼の魂だけを鎧に定着させる。アルフォンスと自分が失った身体を元に戻すため、錬金術の秘宝である賢者の石を求め、様々な冒険を繰り広げていく。

エドワードとウィンリィは同い年で、もっとも近しい友達同士でもある。身体を取り戻そうとするエドワードの姿がウィンリィに与えた影響は大きい。彼女が機械鎧技師として歩み始めたのも、エドワードをサポートするため。大事な機械鎧をことあるごとに壊してしまうエドワードに毎回激怒するも、不満をこぼしながら義肢の整備改良は丁寧にこなしている。そんなウィンリィをエドワードは信頼しており、機械鎧のことはすべて彼女に任せている。
幼い頃にエドワードはウィンリィにプロポーズをしているが、あっさりと断られている。理由は自分より背の低い男は嫌だったから。このようにエドワードの背の低さをからかう姿から、ウィンリィは当初エドワードをあくまで“大切な家族の一員”として捉え、“ひとりの男性”としては魅力的に思ってはいなかったと思われる。しかし傷の男への復讐を止めてくれたことをきっかけにエドワードを見つめなおしたウィンリィは、自分が彼に昔から恋心を抱いていたことを自覚する。一方エドワードも他人からウィンリィへの好意を指摘されると過剰に慌てふためく姿を見せる。ふたりはお互いに好きあっていたのだ。物語の最後にはエドワードのプロポーズをウィンリィが受け入れ、ふたりは人生のパートナー同士になるのだった。

アルフォンス・エルリック

アルフォンス・エルリックは『鋼の錬金術師』のもうひとりの主人公で、エドワード・エルリックの1歳違いの弟。禁忌の人体錬成によって全身を失うが、エドワードの命がけの錬成によって魂だけを定着された鎧の姿で生きている。強力な体術と錬金術を駆使して、固い信頼関係を持つ兄と共に身体を取り戻す旅を続けている。

アルフォンスとウィンリィは家族同然の幼馴染で、優しく温厚な彼との関係は常に良好なようだ。ウィンリィは身体を失ったアルフォンスの苦悩を間近で見てきており、彼が無事に身体を取り戻す日がくることを願っている。
同年代であり身近で育ってきたウィンリィは、時にエルリック兄弟の仲を取り持つこともある。旅の途中で出会った自分と同じく鎧に魂を定着された男から、「今の自分たちの自我がかつてのものと同一だと言い切る証拠はない」と自身の存在の不確かさを指摘されたアルフォンスは、自分の記憶も魂も捏造された偽物なのではないかとエドワードに詰め寄る。その時激怒してアルフォンスを正したのもウィンリィだ。エドワードがどんなに弟を大事に想っているかをアルフォンスに伝え、兄弟が絆を確かめ合うきっかけを作った。
自分たち兄弟のことを誰よりも大切に想ってくれて、時に叱咤激励してくれるウィンリィをアルフォンスはありがたく想っている。
他人が犠牲になるくらいなら元の身体に戻ることを諦めると言った時も、ウィンリィはアルフォンスを優しく受け止め励ました。賢者の石をめぐる旅では辛い現実に何度も直面するアルフォンスだったが、ウィンリィのおかげで最後まで道を間違えずに、正しい道を歩けたと言ってもいいはずだ。

傷の男(スカー)

傷の男(スカー)とは『鋼の錬金術師』の登場人物。アメストリスの一部であるイシュヴァールという地で、古くから独自の文化を保ってきた民族の青年。物語初登場時は自身の信奉する神の教えから錬金術を否定し、国家錬金術師殺しを続けていた。しかし真の動機は「アメストリスとの間に勃発した内乱で、自分の家族や民族をアメストリス軍に所属する錬金術師たちによって虐殺されたことへの復讐」である。憎しみに囚われていることを自覚しつつもそれを内に秘めて耐えることができずに負の連鎖を重ね続け、イシュヴァールの内乱には参加していないエルリック兄弟をも「アメストリスの錬金術師であることには変わらない」として幾度となく牙を剥いた。

傷の男は家族が虐殺されたとき瀕死の重傷を負うも、医者であったウィンリィの両親に命を救われる。しかし混乱していた傷の男はその場でウィンリィの両親を殺害してしまう。初めてその事実を知った時、ウィンリィは憎悪をたぎらせた目で傷の男をにらみつけた。
傷の男自身が故郷と家族を理不尽に踏みにじられ、憎しみに囚われている男だったため、そんなウィンリィの姿に自身を重ね合わせ「お前には俺を殺す権利がある」とまで言っている。しかし自分より遥かに幼いウィンリィが歯を食い縛って憎しみの連鎖を断ち切ろうとする様を見て、傷の男は「あの少女が自分への憎悪を飲み込んで未来に進むのであれば、その選択によって救われた自分も復讐心を飲み込まなければならない」と知る。
傷の男も様々な出会いや旅を通じて、家族と故郷を奪ったイシュバール内乱の本当の黒幕である人造人間たちの存在を知り、自分が戦うべき相手を改めて見定める。
復讐のためではなく残された同胞を助け、かつての憎しみの対象であったアメストリス人のイシュバール人への気持ちを変えるために戦うことを決意する。ウィンリィに生き方を変えてもらったことを大きなきっかけとして、イシュバール人である傷の男が、人造人間たちの計画に対抗するために新たに得た同胞の協力と錬金術の力で物語の最終決戦で果たす役割は大きい。

ピナコ・ロックベル

ピナコ・ロックベルは『鋼の錬金術師』の登場人物である。ウィンリィの祖母で、職業は機械鎧技師。戦争で息子夫婦を失い、ひとり残されたウィンリィと同じく親を失ったエルリック兄弟たちを育ててきた。ベテランの機械鎧技師であるピナコの実力はかなりのもので、弟子でもあるウィンリィと一緒に家業を営んできた。

ピナコはウィンリィにとって祖母でもあり、機械鎧技師の師匠でもある。生まれ持った機械鎧への愛に加え、ピナコから技術を教わったからこそ、ウィンリィは15歳という若さで高い実力を身に着けていたのだろう。
ピナコは家族を失うことになった戦争が絶えないアメストリス国の政情に不満を持っているが、その戦争によって四肢を失った人たちが大勢いるからこそ、家業を続けられる現実をまっすぐに受け止めている。そんなピナコの仕事への姿勢から、ウィンリィも多くを学んできたのだろう。2人に共通する仕事にかける情熱は、物語中何度も見受けられる。やりがいを持って良い仕事をこなし、対価をきっちりと得る。大人の女性として自立したピナコの生き方は、たしかにウィンリィに受け継がれたのだ。
仕事の面だけではなく、両親を戦争で亡くしたウィンリィを育て、守ってきたピナコは、今でも彼女にとって頼もしい大切な家族なのである。

ドミニク・レコルト

ドミニク・レコルトは『鋼の錬金術師』の登場人物である。ラッシュバレーの山奥に工房を構える凄腕の機械鎧技師で、頑固で寡黙な職人である。厳しい態度を取る彼だが、両脚を失って絶望していた少女パニーニャを無償で助けるなど、優しい心も併せ持つ。ウィンリィがラッシュバレーで修行を開始するきっかけであり、彼女にとって機械鎧技師としての尊敬すべき大先輩である。

彼が作った義肢を初めて見たウィンリィはその出来栄えに一瞬で心を奪われた。向上心に火が点いたウィンリィは弟子入りを申し込むが、弟子はとらないというドミニクの信念から断られてしまう。しかし残念がるウィンリィに、彼が信頼する腕前の技師であるガーフィールを紹介した。ドミニクというピナコに次ぐ新しい目標を見つけたウィンリィは、ここから技師として大きな飛躍を遂げることになる。
ラッシュバレーで暮らすようになったウィンリィにとってドミニクは、時々彼の孫の顔を見に行きつつ、楽しい時間を共に過ごせる年上の友人にもなったのだ。
ドミニクは機械鎧に武器を内蔵することにロマンを感じているらしく、パニーニャの脚に刃物やカルバリン砲を仕込むなど、困った趣味も持つ。ウィンリィも同じことにときめくようで、久しぶりにエルリック兄弟と再会した時は、機械鎧にマシンガンを仕込めるようになったとイキイキと話した。もしかしたら2人は武器を仕込んだ戦闘用機械鎧について、時おり熱く語り合っているのかもしれない。

マース・ヒューズ

マース・ヒューズは『鋼の錬金術師』の登場人物である。中央司令部、軍法会議所に所属する士官で地位は中佐。妻と娘を溺愛するマイホームパパでもある。イーストシティでエルリック兄弟と出会ったことをきっかけにして、彼らと賢者の石を握る人造人間たちとの対立に巻き込まれていくことになる。

ウィンリィがヒューズ中佐に出会ったのは、中央でエドワードの出張整備に来ていた時。ヒューズは宿を探していた彼女をひきずるようにして家に招待したのだった。暖かく歓迎してくれたヒューズ家族はウィンリィに、小さいときに失った両親とのかけがいのない時間を思い出させた。さらにエルリック兄弟が自分には何も告げず、行ってしまうのは彼らに本当は信頼されてないんじゃないかと不安を漏らしたウィンリィに、ヒューズは男として彼らの想いを想像し、代わりに教えてくれたのだった。
ヒューズに感謝の気持ちを抱きながら中央を去ったウィンリィだったが、再会は果たせなかった。誰よりも早く軍部の闇に気づいた彼は、暗殺されてしまっていた。ヒューズのような身近な人が殺されてしまう危険な領域にエルリック兄弟もいることを知り、ウィンリィは動揺する。大切な人たちが自分の前からいなくなってしまう恐怖を、ウィンリィは抱えることになってしまうのだった。

ユーリ・ロックベル&サラ・ロックベル

ユーリ・ロックベルとサラ・ロックベルは『鋼の錬金術師』の登場人物で、ウィンリィの両親である。職業は2人とも外科医。内乱中は医者の手が全く足りていなかったイシュバール人を助けるために戦地に赴いた。アメストリス人側からは敵を助けているとして批判する者もいたが、2人は人を助けるという医者の本分をまっとうした。いつかアメストリス人とイシュバール人はお互いに理解し合えると希望を持っていた2人だが、皮肉にも自分たちが命を助けたイシュバール人(傷の男)に殺害されてしまう。

いつも優しくて大好きだった両親が幼い頃に死んでしまったことは、深い悲しみとなってウィンリィの胸に根付いた。人を助けるために危険な戦地に行ってしまった2人を誇りに思っているも、本当は生きて帰ってきてほしかったのだ。
しかし2人がウィンリィに残したのは決して悲しみだけではない。両親の愛情はウィンリィを優しい子に成長させ、医者として人を助け続けた姿は、ウィンリィの技師としての生き方にも影響を与えたのだ。物語を通して、エルリック兄弟を含めたたくさんの人たちを助けてきたウィンリィには、たしかに両親の意志が宿っているのだ。

ウィンリィ・ロックベルの名言・名セリフ/名シーン・名場面

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