Dr.STONE(ドクターストーン)のネタバレ解説・考察まとめ

『Dr.STONE』とは、原作・稲垣理一郎、作画・BoichiによるSF・サバイバル漫画である。2017年から『週刊少年ジャンプ』で連載開始した。2019年に第1期が全24話でアニメ化し、2021年に第2期が放送。ある日、謎の光によって地球上の全人類が石化してしまう。長い長い時が流れ、最初に石化から目覚めたのは主人公「石神千空」で、人類が石化してから約3700年が経っていた。人類はこれまで築いてきた全文明を失うが、千空は幼馴染「大木大樹」などの仲間と共に科学によってその文明を取り戻していく。

ねこじゃらしラーメン

アワの原種にあたるねこじゃらしを脱穀し小麦粉の代用品にして作ったラーメン。舌の肥えた現代人からすると食感や味が微妙であるが、石神村の住民からは好評。ラーメン屋台を作って石神村の住人を引き寄せ、御代の換わりに製鉄の手伝いをさせた。その後も食事として出てくるシーンが多々ある。千空やゲンにとっては3700年ぶりに食べた現代的な料理であった。

クロムが持っていた天然の磁石を使って砂鉄を集め、1500度で熱して作った。通常の炎では700度程度にしかならず、温度を1500度まで上げるため製鉄路に大量の酸素を送り続ける必要がある。しかし千空、クロム、コハク、スイカのでは手が足りず石神村の住人の協力が必要になり、ねこじゃらしラーメンを用いて人を集めて手伝いをさせた。出来上がった鉄は落雷を利用して強力磁石を作ったり、ツルハシなどの道具や、日本刀などの武器に利用。司帝国では武器や道具を石で作っていたため、鉄が作れる科学王国は一歩優れる事になった。初めは砂鉄を集めて作っていたが、後にクロムが鉱山を発見したためそこから採掘するようになった。

ガラス

人類が始めて科学で作った人口資材。科学品の中には硫酸など器を溶かすものがあるため、殆どの薬品に耐えられる硝子は必需品となる。化学実験をするためのビーカーなどの容器の他、スイカと金狼の眼鏡のレンズ、ラボのテーブルなどに色々用途で使われる。千空たちだけではガラスをうまく加工できなかったが、クロムが連れて来たカセキによってガラス用品の技術が大幅に向上する。ガラス加工はカセキを仲間にするきっかけになり、ガラス以外の製作も殆どをカセキが作る事になるため、カセキ無しでは科学王国は成立しない。石神村の人たちは千空によってガラスを知ることになるが、科学が無い宝島の人たちにとってはガラスという概念は無いため、初めて見たガラスを溶けない氷と表現していた。

硫酸

様々な実験に使い、化学産業の根幹を成している重要な薬品。しかし触れた生き物を溶かしてしまう程の劇薬でもあり、硫酸から出る硫化水素は一息吸っただけで生き物は死んでしまう。千空達は温泉地の近くにある硫酸池から採取しているが、硫化水素がたまりやすい地形であるため採取にはガスマスクが必要となる。硫酸を元に塩酸、クロロ硫酸、水酸化ナトリウムなどの薬品が作られる。バッテリーの材料にもなった。銀狼は硫酸池の美しさに女神の幻影を見たため、硫酸のイメージキャラクター「リューさん」がいる。リューさんは美しい外見をした女神であるが、硫酸としての怖ろしい本性を出すとグロテスクな姿に変貌する。

コーラ

ゲンの好物である現代の炭酸飲料。ゲンが千空側に協力する代わりに条件としてコーラを一本作るように提言。サルファ剤を作る肯定で炭酸水を作っていたため、コーラも同時に作ってもらえた。コーラは蜂蜜を焦がして作ったカラメルと潰したパクチーとライムを皮ごと絞った物を炭酸水に混ぜて作った。千空曰くパクチーとライムを搾っただけでコーラの香りになるとのこと。現代で売ってるコカ・コーラやペプシコーラとは少し違い、クラフトコーラのようなイメージに近い。

サルファ剤

ルリの病気を治すために作られた抗生物質。厳密には生物由来では無いため抗生物質とは違う。前半第一部はサルファ剤を作るために必要な物資を集めてルリを救うところに焦点が当たる。サルファ剤を飲んだルリは様態が急変し一時急激に悪化するが、それが肺炎の証拠となり、サルファ剤を飲み続けることでルリは無事感知する。ルリを救ったことでコクヨウは千空を村の長として認める。氷月の攻撃を受けて負傷した銀狼の傷を治すためにも使用し、この時は飲ませずに傷口にそのまま振りかけていた。サルファ剤を作る過程で鎮痛剤に使われるアセトアニリドも作られた。

わたあめ機

金の電線を作る目的で作成。しかし貴重な金では失敗出来ないため、キチンと均一な電線ができるかの試験として砂糖で実験し綿飴が出来た。綿飴の原料はほむらの放火によって酒とみりんが蒸発して出来た砂糖の結晶を使用した。出来上がった綿飴が石神村の住人と、遠くから監視していたほむらに振舞った。村人たちは初めて食べた甘味料に甚く感動し、ほむらは毒が入ってないかと怪しみながらも一口だけ食べて屋台を思い出していた。肝心な電線は金狼と銀狼が左右から紐で引っ張って回しいたため均一な電線にはなっていなかった。そのため回転を均一にするためギアを作り、極細電線を作る事に成功する。電線は村人達が束ね金線となり、携帯電話のコイルや配電に使われた。

水力発電所

わたあめ機で使ったギアを見てクロムが水車のシステムを発明し、カセキと共に水車を作った。水車という概念は2人とも知らず千空に「水車だ」と言われると残念がっていたが、千空はクロムが水車を知らずにゼロから自分で考えついた事に感心していた。水車と人力発電機を合体させ、水力発電所が誕生。これによりバッテリーに電気を充電して持ち運べるようになったり、辛かった製鉄作業が機械化され村人達の力仕事の量が減る。

タングステン

真空管作りの際に、千空は高温に耐えられるフィラメントの素材が無く行き詰ってしまう。クロムが洞窟探検をして発見した鉱石の中に偶然タングステンが含まれており、スイカが直感で1つだけ他と異なる石がある事を見つけ出す。スイカはそれを持ったまま新年の初日の出を見に行き、石が紫外線に反応して光った事で、千空はタングステンの存在に初めて気づく。その後千空とクロムとマグマの3人で洞窟へ向かい、タングステンやマンガンなど様々な鉱石を入手する。この過程で千空とマグマに信頼関係ができることになった。タングステンの融点が約3400度であるため、千空にフィラメント作りを任されたクロムは今まで作ってきた道具を用いて炎を3400度まで上げ、タングステンのフィラメントの製造を成功させた。

携帯電話

司帝国との戦いにおいて情報戦で勝利するために作った通信機。当初はスマホと言っているが実際には、大きなトランシーバーと背負って運ぶサイズの本体が必要な旧来の携帯電話。しかし普通のトランシーバーとは比較にならない程の距離での会話が可能。司帝国にスパイとしている大樹、杠と連絡を取るために作り、ゲン、クロム、マグマが運んで2人が気づく所に配置した。その後は数台作って科学王国内で連絡を取り合い、大きな電波塔も作成。

レコード

百夜達宇宙飛行士6人が千空たちに残したガラスのレコード。ガラス瓶の底を切り取ってレコード本体にし、ダイヤモンドで削って録音している。レコードには百夜から千空にあてたメッセージと、リリアンの歌声が録音されていた。これによって石神村の人たちはエンタメに興味を持ち、人類全てを復活させるモチベーションを上げた。ゲンと千空はリリアンを偽ってアメリカは復興済みだと嘯き、司帝国の人間達を科学王国に引き込んだ。そしてリリアンのファンであり大樹、杠の監視役であったニッキーを司帝国から寝返らせる事にも成功した。CDなどは全て朽ちてしまったためリリアンの歌はこのレコードに収録された物しか存在しない。

自動車 / 蒸気機関

司帝国の近くに物資を運ぶために作られた車。「スチームゴリラ号」と命名。物資だけではなく移動が困難な老人達を連れて行くためでもあったが、老人達は足を引っ張るからという理由で危険を承知で村に居残った。首振りエンジンを使っているが坂道ではパワーが出ず人力で押さなければならない。その後千空のひらめきによって装甲車に改造され、軌跡の洞窟奪還戦で使用。その際に大破してしまうが、その後帰帆船建造の際にカセキに改造されて「スチームゴリラⅡ」になって復活。車で鉄鉱石の運搬をするために道路も作られた。

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