Dr.STONE(ドクターストーン)のネタバレ解説・考察まとめ

『Dr.STONE』とは、原作・稲垣理一郎、作画・BoichiによるSF・サバイバル漫画である。2017年から『週刊少年ジャンプ』で連載開始した。2019年に第1期が全24話でアニメ化し、2021年に第2期が放送。ある日、謎の光によって地球上の全人類が石化してしまう。長い長い時が流れ、最初に石化から目覚めたのは主人公「石神千空」で、人類が石化してから約3700年が経っていた。人類はこれまで築いてきた全文明を失うが、千空は幼馴染「大木大樹」などの仲間と共に科学によってその文明を取り戻していく。

バイク

南米横断のために製作。木炭ガスエンジンで稼動するオフロードバイク。モーターボートを分解し、6台のバイクを作った。6台の内1台がボイラーを搭載し、作った木炭ガスをボンベに詰めて、残り5台はそれを燃料にしている。

『Dr.STONE』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

千空「唆るぜ、これは!」

やる気が出てきた時の千空の口癖。

作中で多く使われる千空の口癖。
科学を使った何らかの挑戦をする時、真実を知った時など、「テンションが上がる」「滾る」という時に使う。

千空「100億%○○」「100億点○○」

100億%や100億点など大げさに言う千空の口癖。

作中で見られる千空の口癖。
誰かが良い功績を出した際に100点ではなく「100億点」と言ったり、100%と言う所を「100億%」という言い方をする。千空は日常的に大げさな言い方をする性格で、100%や100点という普通の言い方は基本的にしない。

千空「科学は地道な探求」

千空は何もない状態で目が覚め、地道な努力を重ねて電気を作るにまで至った。

千空のモットーとしている事。
科学は人類が少しずつ発展させてきたものであり、実験と失敗を繰り返して漸く成果を手に入れる事ができるものである。千空も沢山の失敗を経て結果を出すという努力の天才で、コハクたちからもメンタルの強さを高く評価されている。作中でも千空は何度も科学は地道な探求である事やトライ&エラーであると語っている。石神村の住人や司軍の人たちは千空のそういう生き方に感化されていくのである。

千空と大樹と杠の出会い

幼馴染の千空と大樹。杠に片想いする大樹。

千空と大樹は幼い頃に出会い、大樹が千空の実験を手伝うことで仲良くなっていく。千空が人の助けを借りて適材適所で事を進めるタイプであるため、頭脳派の千空と体力バカの大樹もうまく付き合っていく事ができている。大樹の方も困っている人をほおっておけない人柄の良さから千空の手助けを進んでしており、とても相性の良いコンビとなっている。千空はロケットを宇宙まで飛ばす事を目標にしており、2人は何度も何度もロケットを試作し続ける。
中学に上がった頃に、ロケットに乗せた人形だけなら宇宙に行けるようになり、人形作り役として大樹が手芸部の杠を連れて来た。この頃から大樹は杠に想いを抱いている。千空と大樹と杠で作ったロケットは無事人形を乗せて宇宙へ行った。千空は大樹と杠がお互いに想いあってる事に気づいており、第1話で大樹が杠に告白すると決めた時は背中を押した。他の科学部部員は大樹が振られる方に賭けていたが、千空だけは振られない方に賭けていた。
石化復活後は、千空は自分に足りない物を補ってくれる人として真っ先に大樹を復活させた。2人目は杠だと決めていたが、ライオンに追いかけられたため急遽司を復活させた。司の裏切りを予期していた千空にとって1番都合が良いのは杠は埋めて保存しておく事であったが、大樹を思い杠をすぐに復活させる。その杠を人質に取られたことで千空は司に殺される事になってしまう。しかし千空を死から救ったのは大樹と杠の2人で、「千空なら自殺行為などしない」と言う信頼関係があったからこそであった。その後千空は大樹と杠に司軍のスパイを頼み、千空本人は石神村で仲間を作る。通信機器を完成させた後に電話越しではあるが千空と大樹が1年ぶりに再会すると、大樹と杠は意思を変える事なく当たり前に千空の味方になった。3人はお互いを正確に理解し信頼しあっており、難しい挑戦にもこの強い信頼関係が突破口となっていく。

千空と出会い妖術師から科学使いになっていくクロム

気球に乗ったクロムはもっと世界を知りたいと思い涙する。

初登場シーンでは「妖術使い」を名乗っていたクロムであるが、千空との出会いで自分が妖術だと思っていたのは科学であると知る。探究心が強く素直な性格でもあるクロムは、千空の話を聞き知識として吸収し、千空でも思いつかないような発想力を持って窮地を突破していく。序盤は千空の弟子とも言える存在であるが、途中からは千空の指示がなくても自分で考えて発明したり、探索に出かけて功を奏したり、千空に続く科学マンとしての才能を開花させていく。
人類史や科学について千空から聞かされた際には、そんな凄い物が失われてしまった事に悔しくて涙を流す。また気球を完成させた際には是非とも自分が乗りたいと名のりを上げ、空気を読んだゲンがクロムに抽選のアタリをマジックで引かせてあげた。気球に乗ると人間が空を飛んでいる事に感極まって号泣してしまうが、気球が気流に巻き込まれてピンチになると発想力で千空を支援し、これによって千空、龍水、クロムは難を逃れる事になった。
アメリカ編では重症を負った千空の変わりにクロムがゼノを捕まえるチームのブレーンを任され、自力でドリルを開発しゼノを捕らえる事に成功した。このようにクロムがいなければ成立しなかった場面が多々ある。そもそもクロムが長い年月をかけて沢山の鉱石や植物を集めていたからこそ、序盤での千空の発明がスムーズに進んでいたため、本作の物語で必要不可欠な存在である。クロムは単純で衝動的な性格でもあるが、一端立ち止まって化学的な裏づけを取る冷静さも持っており、初期の頃と比べると現代人でも驚く程の科学マンとなっている。現代人では無いのに純粋に科学を愛するため、ゼノからも高い評価を受けており、アメリカ側に付かないかと誘われた事もある。しかしクロムは科学を分からない者を愚者と言って見下したり支配する気は無く、その誘いを断った。

裏切りそうで裏切らないあさぎりゲンという男

軽薄な口調のゲン。

ゲンは元々は司帝国側の人材で、千空が生きているのか死んでいるのか見極めるために派遣された偵察者であった。しかし千空の科学を見て興味を引かれ、科学王国側に寝返る。ゲンは自分は司側でも千空側でもどちらでも良いがオイシイ方に付くと言う。しかしこれは方便で、石化から復活してすぐ千空が木に刻んだ西暦を目にしており、復活してすぐ暦が分かる千空は只者ではないと気づいていて、初めから千空の味方をするつもりだったのだ。ゲンにとって千空は人類全員が石化という絶望的な状況の中に見えた光でもあったのだ。しかしマジシャンやメンタリストという仕事柄か、それともゲンという人間の性格か、敵か味方か分からなく掴みどころの無いフラフラした立ち居地を好んでいて、千空にはこれがゲンのプライドだと気づかれていた。ゲンを怪しんでいたコハクも後にゲンがそのように振舞ってないと恥ずかしくなってしまう人だと理解し、信頼を寄せた。
メンタリストであるため交渉役に付く事が多く裏切ろうと思えばいくらでも機会はあるが、これまでにゲンは一度も千空を裏切っておらず、千空の味方を貫いている。それどころか千空の誕生日を祝ったり、仲間達のメンタルケアを行ったりと、かなり仲間に貢献をしている。ゲンがいなければ人間関係がうまく行かなくなっていたことも多かったと思われる。

ライバルであり友でもある千空と司の関係

友達になれたかもと会話する司と千空。

千空と司は序盤ではライバルとして描かれる。司は千空の思慮深さと知識深さを尊敬し、もしかしたら始めての友達になれていたかもしれないと思う。千空ともし石化前に出会えていたら、千空、大樹、杠がロケットを作っている所に自分も一緒に参加できていたのではないかと想いを馳せることもあった。千空もまた同じ気持ちで頼りになる司に友情を感じているが、2人は思想が違うため対立せざるを得なかった。司は自分の思想のために犠牲になった人たちの事を決して忘れておらず、殺した千空も壊した石像も全て覚えていて馬鹿にすることはなかった。
司の知らないところで千空は生き返り司帝国を倒すために科学王国を作る。千空は司帝国に勝つために通信機器や戦車を作り出す。司は「千空ならそうする」と千空の行動を読んでいた。千空もまた自分の行動が司に読まれてる事を見越していた。お互いに理解し合ってるからこそお互いの手を読みあえるのである。戦いは千空に軍配が上がるが、千空は司の妹である未来を助け司の心を開く。
その後司は氷月からの攻撃で重症を負いコールドスリープすることになるが、もしかしたらコールドスリープがとどめを刺す形になって二度と目覚める事が出来ない可能性もあるため、千空はいつになく神妙な面持ちであった。しかしそれでも千空は司を思って関係ない雑談をしながら司を安らかに眠らせてあげるのであった。その後、コールドスリープから目覚めた司は千空に協力する科学王国の正式な一員となり、一緒にアメリカに向かう。最強の頭脳を持つ千空と最強の戦闘力を持つ司は、お互いに違う思想を持ち、理解し合いながらも対立し、友情を感じながらも殺し合いを経て、漸く同じ道を歩むのであった。

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