Caligula Overdose(カリギュラ オーバードーズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Caligula Overdose』とは、フリューから発売されたPSvitaのRPGソフト「Caligula -カリギュラ-」のリメイク版であるPS4作品である。ストーリーはPSvita版と同じ、主人公とその仲間たちが現実に帰還するべく「帰宅部」を結成し、仮想世界からの脱出を図る物語となっているが、本作では帰宅部の宿敵的存在「オスティナートの楽士」のストーリーが追加されているのが大きな特徴となっている。

市立図書館での戦いの後、少年ドールから教えられた次の目的地であるシーパライソへ向かおうとした帰宅部だが、琴乃の提案で宮比温泉物語でデジヘッド狩り作戦を再決行することになった。そんな中、主人公の携帯に再びソーンから呼び出しの連絡が入る。仲間たちが宮比温泉物語へ向かったのを見計らい、駅前広場の扉を潜ってLucidとなり、楽士の間へ向かう。するとそこにはスイートPとStork、そして少年ドールがいた。当初のスイートPとStorkと同じように、少年ドールも初めて出会うLucidに戸惑うが、とりあえずよろしく、と手短に会釈した。その後、μと共に現れたソーンから、宮比温泉物語で帰宅部がデジヘッド狩りに動くと聞かされた。そこでソーンは、今度はLucidと少年ドールも加えて4人でラガード狩りをしつつ、帰宅部を叩きに向かえという指令を出す。かつての根城で覗き場にまた行けることにStorkは狂喜するが、そのStorkと帰宅部のせいで以前に酷い目にあったスイートP、さらに温泉での一件を耳にし、StorkやスイートPと同じ変態扱いされると感じた少年ドールは反対する。しかし、またしてもソーンに従わないなら現実へ帰す、というμを使っての意思表示に屈し、スイートPと少年ドールは仕方なしにLucidとStorkと共に温泉へと向かう。

思いを寄せ始めた鈴奈が覗かれることに逆上し、絶叫してしまう少年ドール。しかし同時に、この時点で鳴子のしかけた罠にはまってしまった。

自分の作戦通りに姿を現したStorkと、そのついでとなった少年ドールをからかう鳴子。

ラガード狩りと戦いに勝利したものの、鳴子にはめられたことで完全に落ち込み、塞ぎ込んでしまう少年ドール。この有様に、さすがのソーンも呆れずにはいられなくなった。

再び帰宅部に戻った主人公を、今度は鍵介と琴乃が問い詰める。しかし鍵介は、主人公がひとりで温泉に入り、その上で女湯を満喫していたのではないかというしょうもない疑問をぶつけてきた。

そしていつも通りに温泉を探索し、ラガード狩りを進められたのはいいが、帰宅部の鈴奈と鳴子が浴場にいることに気づいたStorkは、嬉々として浴場へと向かう。そこで覗きにかかろうとするが、その場に居合わせた少年ドールが制止の絶叫をかけたことで、鈴奈と鳴子に気づかれてしまう。しかも鈴奈と鳴子は制服のままであり、実はふたりはStorkがまた現れることを予測し、Storkが来そうな浴場で待ち伏せをしていたのだ。Storkは予測通りだったが、少年ドールまで現れたことに目を見張る鈴奈と、面白がって少年ドールを変態呼ばわりして囃し立てる鳴子。それに少年ドールは、事前に鳴子に自分の部屋の写真を撮られ、ネットで勝手に公開されたことの怒りを思い出し、鳴子に向かって突撃する。それから後から駆け付けたLucidとスイートPもStorkと少年ドールに加わり、さらにアリアも鳴子と鈴奈にオーバードーズを使い、こうして浴場で乱闘が勃発する。
乱闘の末、結果はLucidたちの勝利に終わったが、Storkがまたもトラブルを引き起こし、さらに少年ドールもそれに便乗する形になったことから、スイートPは「こんな連中とはもう組みたくない」と臍を曲げる。ソーンも報告を聞いて「……楽士選びを誤ったわね、μ」と、ぼやくほど呆れ果てた。そして帰宅部に戻った主人公は、再び琴乃と鍵介にどこに行っていたのかと問い詰められるが、例にならって適当にこれを受け流し、帰宅部もそれ以上の追及はせずに次の目的地であるシーパライソへと向かうことを決めたのだった。

市立図書館編

帰宅部に負けたことでソーンに呼び出された先で、Lucidと初対面するミレイと梔子。そしてそこには、シャドウナイフの姿もあった。

μに見せられた以前の宮比温泉物語での変態騒動の書き込みに血相を変えるミレイ。ミレイも「プライベート温泉」と呼ぶほど宮比温泉物語に出入りしていた。

例にならって、μによって開けられる現実への扉。梔子は「絶対現実には戻らない」と静かだが強い決意を込めた表情で頷き、ミレイも仕方なしに少年ドールを叱咤しながら図書館へ向かうことを決意する。

シーパライソでミレイと梔子に逃げられた後、攻め手を失った帰宅部は三たび待ち伏せ作戦を決行することになる。その待ち伏せの場所は、少年ドールが根城としていた市立図書館となった。そこで他のメンバーたちとアリアが市立図書館へ向かった後、ソーンから呼び出しの連絡を受けた主人公は、Lucidに姿を変えて楽士の間へと向かう。その楽士の間にはミレイと梔子と、μの護衛役でメビウスのヒーローとして名を馳せる、黒いフード付きのジャケットに身を纏った男の楽士・シャドウナイフもいた。なぜ自分が呼び出されたのか、と唇を尖らせるミレイに、「呼び出されたのは帰宅部に負けたからでしょ? 次はあなたたちの番だと思うから、頑張ってねぇ〜」と、スイートPが囃し立てる。するとここで、「話が早くて助かるわ」と、ソーンがμを連れて現れる。それからμは携帯を取り出し、SNSのある書き込みを見せた。その書き込みはなんと、待ち伏せ作戦に託けた鳴子によって書かれた、図書館でのデジヘッド狩りの予告と、先の宮比温泉物語での帰宅部の待ち伏せ作戦の顛末だった。「女湯を覗きに来た犯罪者です。楽士変態ばっか。チョーウケル」「悔しかったら止めに来れば? また変態写真晒されるだけだろうけど」などと、Storkと少年ドールが起こした浴場での騒ぎが盛大に書かれていた。これにミレイは「あんたたち、人の温泉で何してんのよ!?」と、プライベート温泉と呼ぶ宮比温泉物語を変態騒ぎの舞台にされたことに憤り、シャドウナイフも「情けない……! オスティナートの楽士の面汚しめ!!」と、楽士の名に泥を塗ったStorkと少年ドールを一喝する。そして、これ以上のふざけた騒ぎは見過ごせないと断じたソーンは、Lucidにミレイ、梔子、少年ドールの3人と組んで市立図書館へラガード狩りと帰宅部の牽制に向かえと指令を出す。これに梔子は承諾するが、ミレイは冗談じゃないと一蹴しようとする。そこでμがまた現実の扉を呼び出したことでソーンの意思表示を知ったことで、ミレイも仕方がないと愚痴りつつ、落ち込む少年ドールを叱咤しながら市立図書館へ向かうことを決めたのだった。

始まってからまだそんなに経っていないのに匙を投げ出すミレイ。直後、少年ドールがいないことに気づいた途端、Lucidと梔子に探してこいと命令までする始末である。

自分も少年ドールと同じ現実から逃げた引き籠りであることを受け入れながら、少年ドールを説得する梔子。その真剣で気迫の篭った表情にミレイもたじろぎ、少年ドールも心を動かされた。

マイクロフィルム映写室で琴乃と再び対峙するミレイ。今度は数の優勢もあるからか再び得意げに挑発をかけるが、逆に琴乃に一蹴をかけられてしまう。

一方、永至と再び対峙する梔子は、一度は気迫されそうになったが敵愾心と闘志を支えにして持ち直す。

市立図書館へ着き、ラガード狩りを始めたはいいが、まだ半分も回っていないのにもう飽きたと匙を投げるミレイに、梔子は呆れ顔を見せる。するとμが、少年ドールの姿がないことに気がついた。そこで図書館の最奥にある少年ドールの部屋へ向かうと、少年ドールは扉を固く閉ざし、部屋の中へと閉じ籠ってしまっていた。「もう放っておいてくれ!! 一時でも外に出たのが間違いだったんだ……僕には、この部屋で朽ちていくのがお似合いなんだっ!!」と、少年ドールはミレイはおろかμの説得すら受け付けない。すると梔子がここで「私たちはお前と同じ、現実から目を背けたヒキコモリだ」と、諭すように切り出す。そして、楽士の誰もが理由があってメビウスに来た以上、メビウスは守らなければならないし、現実に帰してはいけない人間もいる。だから自分はたとえ死んでも帰宅部を現実には帰さないし、そのためなら何でもする、と打ち明けた。そんな梔子の覚悟に少年ドールは折れて、「……メビウスでもお弁当は食べられるし、あの子(鈴奈)が現実のことを忘れればメビウスでも友達になれるかもしれない」と、頷いて、部屋から姿を現した。こうして少年ドールも戻ったことで、4人でのラガード狩りが再開されたのだった。
そしてラガード狩りも佳境に差し掛かった頃、Lucidたちはマイクロフィルム閲覧室で琴乃、永至、アリアと対峙する。今度は前のようにはいかないと高笑うミレイだが、琴乃は「人数取ったり仲間連れてきたり、セコイ女ね。世界一優れた女が聞いて呆れるわ」と一蹴する。それに図星だったのか、ミレイがLucidたちは手下で、自分が相手にするまでもない、と威勢を張ろうとするが、琴乃はさらにそこへ付け込んで「世界一なのに算数もできないの? あ、なるほど。世界一愚かな女か、納得」と、挑発をかける。それにムキになるミレイ。一方で、梔子がまた自分の前に現れたことに、永至が不穏かつ不敵な笑いを浮かべる。そこで再び梔子は胸を押さえて苦しみだしたのを見て、「うだうだ絡んでこないで、おとなしくママゴトしてればいいじゃないか。だから君も僕の邪魔をするな」と、永至は挑発をかける。それに色めき立った梔子は「黙れ!!」と、スタンガンを召喚して戦闘体勢に入る。これはもう戦うしかないと判断した琴乃が、アリアにオーバードーズを使ってくれと頼みむ。アリアはオーバードーズ頼りになることに不安を感じながらも発動に踏み切った。そして、力が漲る高揚感に高鳴るあまり、永至は「忠告はしたぞ……? うっかり死んでも、自分を恨むんだなあ!!」と、凶暴さと狂気に満ちた叫びと共に鞭を召喚した。こうして、太陽神殿以来となる永至と梔子の因縁深い激闘の火蓋が、再び切って落とされた。

3度目の遅い戻りとなると、さすがに不信感を隠さずにはいられないのか、笙悟も険しい表情で主人公を出迎える。

しかし、主人公の証言から、永至が然りげ無く穏やかな助け舟を出す。

再びの激闘の結果、勝利は梔子がもぎ取り、一方のLucid・ミレイ・少年ドールも琴乃を下した。「うるさい女だけならこんなことには……! 貴様、覚えてろ……!!」と、捨て台詞を残して永至は逃亡し、琴乃とアリアも形勢不利と踏んで撤退する。初めて琴乃に勝利したことにミレイは高笑うが、梔子は永至を仕留めきれなかったことに激しく悔しがった。その後、ラガード狩りを終えたことでLucidは去っていき、ミレイに「何者なのよアイツ?」と、Lucidについて問いかけられたソーンは、意味ありげな笑いを浮かべてこう答えた。「さあ、何者かしらね。敵か味方か……私はそれが楽しみなのよ」
そして、Lucidから帰宅部の部長の姿に戻り、帰宅部へ帰った主人公を待っていたのは、遅かったな、と、険しい表情で腕を組む笙悟の一言だった。さらに鼓太郎も「お前本当に図書館にいたのか? 誰もお前の姿見てないんだぜ……おかしいだろうよ!!」と、不信感を露わにして食ってかかるが、主人公はここでマイクロフィルム閲覧室の一幕を持ち出し、部屋が荒れていたがそこで何があったのか、と問いをかけた。その主人公の問いに琴乃が、主人公も図書館にいて、あの戦いがあったことに気づいていたと踏み、永至も「みんな部長君を糾弾するのはもうやめよう……仲間割れなんて、楽士の思う壺だぞ?」と、そう一言を投げかけたことで、他のメンバーもそれ以上の追及はせず、主人公は正体が明らかになる危機を免れたのだった。

帰宅部ルート・下

イケP編

ゲリラライブのステージでμの歌の演奏を務めるイケP。クラスメイトがオスティナートの楽士だったことに維弦は驚く。

そして、ライブの途中、μの頭上に凶々しく輝く光の球が現れる。アリアによると、これはメビウスの住人の負の感情の結晶らしい。

一方、まるで恨みでもあるかのように、イケPは維弦に対して敵意を露わにし、執拗なまでの挑発を繰り返す。

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