ゆるめるモ!(You'll Melt More!)の徹底解説まとめ
ゆるめるも!(You'll Melt More!)とは、フリーライターの田家大知がももいろクローバーの「ピンキージョーンズ」に触発されて、「辛い時は逃げてもいいんだよ」をテーマとして自ら街頭でスカウトして集めてきたメンバーで結成された女性アイドル・グループ。名前の由来は「(窮屈な世の中を)ゆるめる」というメッセージと「You'll melt more!(あなたをもっとトロけさせたい)」という2つの意味が込められている。
――小林愛さん作詞、田家大知さん・ハシダカズマさん作曲、ハシダカズマさん編曲の先行シングル「震えて甦れ」は、<霧がとぎれ 消えていく>の箇所からファンキーになるのも『ディスコサイケデリカ』っぽいですね。半年ぐらい歌って、どんな楽曲になってきましたか?
ようなぴ:わりと挑戦曲であるという認識は変わらなくて。あれを出した時期はゆるめるモ!として一番つらい時期で、それを乗り越えたから今があると思います。4人になったことが、自分たちが思っている以上に世間の目には大きいんだなという実感があって、4人としての形をもがいて探してました。
あの:ああいう曲調で「Only You」みたいに長くなくて好きです。
――「Only You」は長くて好きじゃないんですか?
あの:わからない(笑)。「震えて甦れ」は、個人的にサウンドにも少しこだわったから、自分たちの歌がないバージョンも好きです。
けちょん:最初はファンの人たちもついてこれなくて、おどおどじゃないけど乗り方に困ってるように見えたけど、今は難しい曲なりに一緒に楽しんでくれて嬉しいです。あのが言ったみたいに曲自体がかっこいいから、バンドでやるとかっこよさがさらに際立つ気がします。
ようなぴ:むしろオケよりバンドさんとやってるときのほうが好きです。
しふぉん:いまだにつかみが薄い印象はありますけど、納得して出した曲だし、自分たちで歌っていてかっこいいと思ってるし、他のアイドルさんに渡して歌ってほしいぐらい自信があるんです。いまだにアイドルイベントでやるとポカーンとされて、あっけにとられつつ見てくれてるのが面白くて楽しいです。ゆるめるモ!を好きな人はどこかで乗ろうとしてくれるし、セットリストに入れるといいスパイスになるんですよ。
――「永遠のmy boy」はSundayカミデさん作詞作曲、告井孝通さん編曲です。甘いラブソングかと思いきや、<バカヤローさ>と出てきます。Sundayカミデさんとも打ち合わせしたのでしょうか?
ようなぴ:打ち合わせはしましたけど、そんなには話してないです。具体的に「こんな曲に」とか一切話してなくて、同じ空気を吸ったぐらい(笑)。
しふぉん:「アイドルさんってキャピキャピしてると思ったけど、そういうのがまったくないんですね」って言われて(笑)。でも、「わかった気がします」と言われて「バカヤロー」になってるんじゃないんですかね?
田家:カミデさんは、そこで何かをつかんだんだと思いますね。
しふぉん:歌割りは「ここを歌いたい」と自分たちで決めたので、いきなりひとりや3人になるから、ライブで見てほしいですね。
けちょん:ゆるめるモ!に新たなスパイスが加わりました。「恋愛だ!」って、受け取ったときの衝撃が大きくて(笑)。しかも深い。
ようなぴ:哀愁漂う恋愛ソングで。
けちょん:最初は歌いこなせるかという不安が強くて。歌詞がひねくれてないから、ストレートに自分の感情を乗せたいなと思いました。
あの:恋愛ソングとはいいつつ、そうではない部分もあると勝手に思っています。あと、サウンドがシューゲイザーっぽくて、アレンジも好みです。
出典: realsound.jp
――全体として『ディスコサイケデリカ』は、ゆるめるモ!の現在が色濃く投影されていると感じました。いわゆる「アイドル的なもの」へのカウンターに近づいている気もします。
しふぉん:アイドルのフィールドでやってここまできたけど、そっちにも行けたら命が延びるので、近づけたらいいなと思います。まだ伝えたいことがいっぱいあるので。
ようなぴ:「アイドルにはなりたくない」という気持ちは違うし、アイドルはアイドルだけど、アイドルというくくりだけではやってないかな。自分がステージに立って、目の前の人に何かを届けようと思ってるから、最近はジャンルにとどまってないです。伝えたいものに素直にいたいです。
しふぉん:初めて見る人が、自分たちをどう思うかだと思いますね。いい意味でフワフワしていて、ジャンルレスですね。
ようなぴ:ジャンルという概念をすべてとっぱらいたいです。ドルヲタのみんなにもいてほしいし、バンド好きな人にも聴いてもらえる存在になりたいです。
けちょん:同じく。ジャンル関係なくいたいですね。
あの:ジャンルなんてあんまり考えたことないですね。アイドルだという認識はそんなないけど「アイドルじゃない」とも思わないし。でも何かをぶち壊したいんです。それといくら自分たちロックです!とかアイドルです!と言おうが、評価するのは他人だし。やらされてるとかやらされてないとかすぐわかるじゃないですか。
――7月7日から『ゆるめるモ!ディスコサイケデリカツアー』が始まります。もう理想や覚悟はいいので、目の前のお客さんとどんなものにしたいかを教えてください。
ようなぴ:「君と僕」とか「目の前の笑顔」とか、近い関係性を歌っている曲が多くて、今まで以上に距離を詰められるし、ディスコだから日頃の苦しみも含めて笑える空間にできると思います。新曲ももう最近のライブで歌っていて、力を実感してて。「これは良いツアーになるぞ」とワクワクしてます。
あの:皆んなの嫌いなクラスメイトとかウザい上司とか苦しめるもの全部何もかもその日だけは無くなっちゃえばいいのになって思う。だから殺します。気持ちよくなってもらえたらいいな。
けちょん:苦しいとか楽しいとか全ての感情をひっくるめて全部開放してほしい。そして一緒に踊りましょう。
しふぉん:みんなが来ないと続けられなくなるんですよ。ライブに足を運んでもらうには、最初の一歩を踏みだしてもらうのが大事で。この立場で言うのは悔しいけど、とにかく本当にライブに来てほしいです。ネットでいろいろ言ってる、偏見を持ってる子にも。アルバムは明るくて楽しくてエモさもあって、みんなを楽しませることができると思うし、何かを感じてもらえると思うから、ライブでもちゃんと伝わるといいなと思います。告知とかじゃ全然伝わらない部分もあるから、ライブに来てほしいです。
出典: realsound.jp
2017年7月14日、Utatenに掲載されたSundayカミデ氏とゆるめるモ!のスペシャル対談より。
――お互い初めて会ったときの印象はどうでしたか?
Sunday:ラビリンスな世界に迷い込んじゃったかなといった感じでした。説明だけして帰ろうかなっと思ったくらい、緊張しました。
ようなぴ:緊張されていたんですか?
Sunday:まず4人ともしゃべらないでしょ。でも、しゃべっていくとすごくわかってもらってありがたいなと思いました。田家さん(ゆるめるモ!プロデューサー)の服装がすごくバカバカしかったんで、それで緊張が取れましたね。
しふぉん:私はSundayカミデさんの名前だけは聞いていたんですけど、顔は明確に存じ上げてなくて。すごくパンチのある服装で来るのかと思っていました。でも、下北沢にいるような服装で来て、しゃべるまではおとなしい人なのかなと。しゃべったら気さくな感じがすごかったですね。
ようなぴ:私は真面目な感じの雰囲気の方なのかなって勝手に思っていました。実際はスケートボードを持ってきていたり、最初からいろいろと話してくれて、なかなかキャラが濃い人だなと。でも、そのおかげで気が楽になりました。
Sunday:ちょっと気取りながら「君たちはさ」みたいなプロデューサーっぽい人たちが来ても嫌だしね。昔はよくいたけどね、そういう人。
――Sundayさんはゆるめるモ!のライブを見た印象はいかがでしたか?
Sunday:映像では少し見ていて、初めて生で見たときは100回聞くより1回見たほうがすごくわかりやすいなと。You Tubeとかで何かしら知ったような自分が反省ですね。他の人のライブってあまり見ないんですよ。みんなは見てる?
ようなぴ:予定が合えば見に行きますね。
Sunday:俺最近見たライブってゆるめるモ!かも。実際にライブ見てぶっ壊れているなと思って、びっくりしました。冷静から発狂、冷静、冷静、発狂。右肩上がりで盛り上がっていくんじゃなくて、波のようにだんだんとなっているんだなと僕は感じましたね。
出典: utaten.com
――ゆるめるモ!が「永遠のmy boy」のデモを初めて聴いた時の印象はどうでしたか?
ようなぴ:デモを初めて聞いたときは正直ビビリました。ゆるめるモ!って今までバラード自体が存在していなくて、メロディーも激しいのが多かったんです。「永遠のmy boy」はシンプルに伝える曲っていう感じがしたので、歌えるかなっていう心配もありましたね。
Sunday:勢いで乗り切れないっていうのもあるしね。
しふぉん:それはそうかも。
ようなぴ:ゆるめるモ!が歌う姿を最初想像つかなくて。新しい挑戦だなと思います。
Sunday:みんなメールで感想送ってくれたよね。夜中に1人でお酒飲みながらそれ読んでいました。すごく幸せだなって。あんな風に言ってもらえることがないんで。
ようなぴ:感想を聞く機会がないってことですか?
Sunday:ないですね。例えばCM曲を作ったりしても、その感想ってなかなか聞けなくて。「めっちゃいいじゃん」みたいな感想は聞くんだけど、「私は○○と思いました」っていうのを1人ずつもらうのは初めてだったんで嬉しかったですね。
――ゆるめるモ!から感想を聞かせていただけましたが、Sundayさんから「永遠のmy boy」の制作意図や裏話を教えていただけますか?
けちょん:聞きたい。
Sunday:聞きたいですか?
しふぉん:すごく聞きたいです。
Sunday:“好きになっていたのさ 何よりも正しく”までの部分はそもそも自分の曲で作ろうと思っていて、そこまではできあがっていたんです。いろいろとあれが正しいこれがよくないみたいなのがありますけど、好きになるってどんな状況でもめちゃめちゃ正しいと思うんですよ。許されない恋愛もありますけど、好きになる気持ちは何より正しいってある日思って作っていたんです。そこから何も録音せずに1行目だけ歌って、止めてたんです。そんなときに曲提供の話をいただいて、この1行を歌える人たちに巡り合えたかなって。この1行をゆるめるモ!なら絶対に歌えると、絶対に似合うはずだと思って、この1行から2行目以降を作り出しましたね。
出典: utaten.com
――今の話を聞いてどう思いましたか?
しふぉん:ありがとうございます。
ようなぴ:そんな風に歌詞や曲を作ってくれていたとは思っていなかったので嬉しいです。
――Sundayさん「永遠のmy boy」のMV撮影の写真を見ていただいての感想を教えてください。
Sunday:きれいでしたね。曲の雰囲気に合っていますね。
ようなぴ:シンプルだからこそ深みがある感じで、映像でも曲でもそれが出せそうな感じ。
しふぉん:ずっと仰向けでカメラが上にいる状況でリップシンクだけするっていうね。
Sunday:ずっと寝てるの?いずれは立ち上がるんじゃないの?
けちょん:ずっと寝てます。
Sunday:すごい。おもしろい。
――「永遠のmy boy」のMV撮影の感想を教えてください。
あの:寝ているだけなので楽でした。
Sunday:ずっとこの体勢しんどくない?
あの:いや、歩くとか立つのが好きじゃないんで、寝っ転がっての撮影は初めてでしたけど、楽でよかったです。
けちょん:真っ白な世界で横になっていて、脚をずっと閉じなきゃいけなくて。途中から脚がピクピクしてきて、それが辛かったですね。
しふぉん:私ヘルニアでして。MV撮影時もすごく痛いときで、薬を飲んでも全然効かなかったんですよ。横になるのが床だったんで、私だけタオル3枚を敷かれてるにも関わらず、痛すぎて途中で苦痛な表情を浮かべて。そしたら監督が「いいね、しふぉん」って言ってきたので、これ使われるんじゃないかなと。新鮮でいい表情ができていたんじゃないかと思います。みんなが撮影しているときにカメラを通して見ていたんですけど、いろいろとにじみ出ていましたね。
ようなぴ:ゆるめるモ!のMVって今まで賑やかな曲ばっかりだったんですけど、こんなにも動かないで顔だけで表現し、シンプルに映像で出すっていうのは初めてだったんですね。ゆるめるモ!としての新境地がここで開拓されているんじゃないかと思います。「ゆるめるモ!ってこうでしょ」って思っている方も多いと思うんで、そういう方に見てほしいなって。
出典: utaten.com
――Sundayさんは「永遠のmy boy」の完成版音源を聴いた時の感想はいかがでしたか?
Sunday:違う世界観が入っているなって。ゆるめるモ!にすごく合っているなと思いましたね。自分ではあのアレンジになっていないかなって。ライブでも見たんですけど、盛り上がった後にこの曲のイントロが始まって、静けさの中からシューゲイザーみたいな音で、何が始まるんだろうと思ってバラードに入っていくのが印象的でよかったですね。
――対談をし「永遠のmy boy」についての制作秘話とか聞けましたが、改めてゆるめるモ!から「永遠のmy boy」についての想いを教えてください。
けちょん:今までにこういうしっとりした恋愛ソングっていうのを歌ってきてなかったので、ファンの方もゆるめるモ!に対して楽しいってイメージが強いと思うんですよ。「永遠のmy boy」はメンバーの新しい表現の仕方や歌い方を引き出してくれる曲でもあるし、ゆるめるモ!にとって今までになかった新しいジャンルになった曲じゃないかと思います。音楽を通して伝えられることが増えたなって。
しふぉん:今回のミニアルバムのラストにこの曲があるってすごいなって。明るい曲や変拍子な曲もある中で、最後にこの曲っていうのは結構大きいことだなと思っています。歌詞も恋愛だけじゃなくて、ファンの方が自分のことじゃないかなって思えたりとか、いろいろな捉え方があるなって。そういう想像もいろいろできると思うし、いろいろな世代に響くんじゃないかと思っています。そういう意味でも今けちょんが言ったように、ゆるめるモ!としての幅が広がる曲なんじゃないかなと。
――ちなみに、ゆるめるモ!のメンバーからSundayさんに質問はありますか?
しふぉん:どんな恋愛してきたんですか?
Sunday:20代のときは同じミュージシャン同士で付き合ったりしていましたね。でも、目指すところが一緒だから、恋愛というのを超えてシビアになってきたりして。どっちかが売れていたり売れてなかったりすることがあるんで。でも、ステージに立つ人は美しいから、なんとなく惹かれてしまうんですよね。絶対うまくいかないのになって思いながらも好きになったりしていました。今はそういう恋愛はしないです。
ようなぴ:同業者との恋愛はしないってことですか?
Sunday:同業者だときついし、本当に辛いと思う。
ようなぴ:今はどういう人に惹かれるんですか?
Sunday:今1番好きな人はたかの友梨ビューティクリニックのたかの友梨さん。
けちょん・しふぉん:えっ、熟女?
出典: utaten.com
Sunday:熟女とかは1回忘れてもらって。熟女とか年齡とかを超えている人がかっこいいなと思って好きですね。あとはマライア・キャリーさんも好きです。
ようなぴ:何かを超越した人ってことですよね。
Sunday:そうそう。僕自身そんなに若くないんで、自分がこうありたいって思う人がたかの友梨さんとマライア・キャリーさんです。あんな感じで生きていたいです。
しふぉん:Sundayさんの曲で“なりくさっても”っていう歌詞があるじゃないですか。あれを言える人がなかなかいないから、気になって今の質問をしてみたんですよね。
ようなぴ:「永遠のmy boy」の歌詞の中での“好きになっていたのさ 何よりも正しく”以降はあとから作ったってさっき言ってたじゃないですか。どんな気持ちで作っていったんですか?
Sunday:“輝いている君の事 まぶしくて逃げ出したんだ”っていうのは、逃げ出してはいないけど逃げ出したくなるときってあるじゃないですか。例えばすごい才能を見たりしたときとか。作る方も歌う方も支えているスタッフの方々も、1つのステージに日々何かを懸けるっていうのはすごく労力やパワーを使うことだし、そんな中で立ち止まったり休憩したりしながらみんな輝いていると思うんですけど、そういうところを表現したかったっていうところですね。
ようなぴ:そこの部分が入ってゆるめるモ!ぽさが出たなと思います。
――Sundayさんからゆるめるモ!に送るアドバイスはありますか?
Sunday:僕の方こそ欲しいくらいです。強いて言うなら、完成しては壊し完成しては壊しの連続こそが、このステージの世界かなと思います。壊して壊して、また新しく進化していってほしいなと。壊したからこそいるものはずっと大事にできるので、ずっとステージに立つというのをやり続けていくっていうのは、周りの人が気づかない内に脱皮を繰り返していると思うんです。日々そうあってほしいです。
出典: utaten.com
――最後にゆるめるモ!からこのミニアルバムへの想いを聞かせてください。
ようなぴ:ゆるめるモ!が前作で出してきたものを壊しつつ、今までのゆるめるモ!を彷彿させてくれる作品になっているなと思っていて。今までのものを混ぜ込んでいい味出していると思います。
しふぉん:1家に1枚置いておいてほしいなと。家族っていろいろな年代がいるので、どの世代にも楽しんでいただける曲というのが絶対に1曲はあります。若い方とか中高年の世代へとかの絞りではなくて、広い人に届けることによって家庭での会話が増えたりとか、そういうことができる1枚だと思います。いい意味でごちゃ混ぜになっていますね。1家に1枚は前にあのが言っていました。身近な人やお隣さんとか、近い距離の手の届く人に視点を置いていると思います。1人っていうのを感じて生きている人とかは、隣の人を感じさせてくれる曲になっているかと。
けちょん:2人がほとんどで言ってくれたので、とりあえず聞いてみてください。
あの:最後の「永遠のmy boy」に辿り着くまで聞いて、そしてライブへお越しください。
出典: utaten.com
2017年12月5日、FUKUOKA-NAVに掲載された大森靖子氏のインタビューより。
自身の原点とも言える弾き語りアレンジ中心のアルバムをリリースした大森靖子。博多百年蔵でのライヴを控え、まずは福岡での懐かしい思い出を話してくれた。
――『MUTEKI』には比較的最近の曲も弾き語りアレンジで収録されていますが、大森さんの活動を見ていると消費の速度がとてもスピーディですよね。そのことをポジティブに捉えているのでしょうか。
大森:自分の感覚で言えば特別早いことでもなく、曲が生まれるままに出していけるからいいんですけど、むしろ不安になります。こんなに消費できるのだろうかとか(笑)。「新曲良かった」って言われても、どの新曲だろうかみたいな(笑)。全部噛み砕く暇あるのかな、と。スピード感が偶然時代に合ってるのかもしれないです。
――言葉選びもそうなのかなと思って。歌詞には5年後、10年後には使われてなさそうな言葉がバンバン出てきますよね。
大森:それは、すぐリリースできることがありがたくて。アイドルのゆるめるモ!の『うんめー』という歌を書いた時に、「ポテチコンビニから消えた」って歌詞から始めたんですよ。その状況も一カ月も続かないじゃないですか。結構アイドルの方は近々のスケジュールで制作することが多くて、すぐリリースできて本当にありがたいなと(笑)。
――ポテトチップスが販売再開する前に出さないといけないですもんね(笑)。
大森:その世の中のスピード感と自分の捉えたいもののスピード感、そこに強い共感性があるわけじゃないですか。思い入れとか、そういうのは見逃したくないし。後になって「こういうのあったな?」とかあるし、そういう資料的なものになっていけばいいなと。言われてないこととか、作られてないものとかが空気中に潜んでいたり人の中にあることが結構イヤなんですよ。もっといっぱい、すべて表現されているものを増やしたい。単純に「これが言語化された」とスッキリするだろうし。そういうことが楽しいのが一番大きいです。
*
楽曲概説
01. melted
作曲:ハシダカズマ
編曲:ハシダカズマ
Guitar&Bass&Programming:ハシダカズマ
*
冒頭の会話は映画「スパイダー・ベイビー」からサンプリングされている。映画の字幕から内容を転記すると以下のような会話になっている。
「新しいオモチャがある所を知ってる。素晴らしいんだ」
「オモチャ?」
「遅くまで起きて見てもいい」
「いいの?」
ハシダカズマ氏:何人かに聞かれたんだけど、meltedの冒頭はスパイダーベイビーって映画からサンプリングしてます。包丁二刀流のイかれた美少女が魅力の最高の映画なんだけど、モイモイのMVでもイかれた美少女×包丁シーンがあってゆるめるモ!チームのバイブスの高さを感じた(2017年7月1日:ハシダカズマ氏のTwitterより)。
ちなみに「スパイダーベイビー」とは、原題が「SPIDER BABY OR THE MADDEST STORY EVER TOLD」という1964年制作の白黒アメリカ映画。知的障害を持った一家の話で、殺人やカニバリズムが繰り返されるカルト的映画。
本アルバムのジャケットはスコットランドのロック・バンド「Primal Scream」のアルバム「Screamadelica」のオマージュだが、この「melted」も「Screamadelica」に収録されている「Loaded」のオマージュとなっている。
*
ファンキーな1分31秒程の小曲。歌詞のクレジットはされておらず、歌詞カードにも記載はないが、「ディスコォ~! サイケデリカァ~!」「モ! モ! ゆるめるモ!」と繰り返し歌われている。歌詞(掛け声か)の内容からして、「ゆるトロ(slo-モ!)」や「モモモモモモ!世世世世世世!」のように新たな「Overture」を意識したのではなく、あくまでもアルバムのオープニング用の楽曲として制作されたものと思われる。「Primal Scream」の「Loaded」のオマージュとなっていが、冒頭のセリフまで取り込むという芸の細かい作業を行っている。
02. モイモイ
作詞:小林愛
作曲:ハシダカズマ
編曲:ハシダカズマ
Guitar&Bass&Programming:ハシダカズマ
*
「モイモイ」とは「もういい もういい」の意。ミドル・テンポのダンス・ナンバー。
「あさだ」と同じようにカウベルが効果的に使われている。
田家氏:より多くの世代の人が入ってきやすいBPMで、踊れる曲というテーマでハシダカズマさんに作ってもらったんです。サウンドが面白くて、歌詞や踊りが親しみやすい。いろんな人が入ってきてほしいので布石として作った感じですね。ディスコとグラムロックを混ぜてみたんですけど、これをなかなかやってる人はいないかなと思います(Real Sound:2017年12月2日)。
2017年6月27日、Real Soundに掲載されたインタビューより。
――「モイモイ」は歌詞を読むと<もういい もういい>という意味なんですね。<もういい もういい 魂売りたくない>という歌詞を受け取ってどう感じましたか? アイドルが<魂売りたくない>って、すごい歌詞だなと。
ようなぴ:『孤独と逆襲EP』のとき、メンバーは神経も精神も突きつめてやってて、そのツアー(2017年の『孤独と逆襲~てえへんだ!底辺だ~ツアー』)でも、そのときの自分たちをシンプルに打ち出したんです。それがあったからこその歌詞ですね。
しふぉん:4人になってから歌いたいことが明確になってきたんです。自分たちの気持ちが乗らないと、絶対に人に伝わらないとわかったんです。前は受動的だったけど、今は「こうしてください」と愛さんに話してます。私たちに歌詞を書くセンスはないけど、愛さんは私たちを見てくれてて、愛さんの言葉で歌詞にしてくれます。
けちょん:<魂売りたくない>とか言葉が新鮮で「残るな」と思って。ゆるめるモ!だからポップに歌えると思ったし、本当はみんなもこういう気持ちを持ってたりするんだろうなと思いました。
――あのさんも愛さんと話しましたか?
あの:歌詞を書いてもらう前に伝えました。「モイモイ」は、最初に歌詞がないときに聴いたときの情景、光景が歌詞に乗ったらいいなと思ったのを、愛さんならではの言葉にしてくれて。「こうしたい」と思った理想がそのまま「モイモイ」になったから、伝えて良かったな。
――<もういい もういい あなたも 覚悟とか理想とか 無理に言わないでいいのよ>という歌詞も尖っていると感じました。このインタビューもそうですが、アイドルって、覚悟や理想を言うことを求められるじゃないですか。覚悟や理想を求められることへのアンチテーゼもありますか?
ようなぴ:あります(笑)。ツアー(前述の『孤独と逆襲~てえへんだ!底辺だ~ツアー』)のあたりで「理想とか覚悟とかを提示しないといけない」という気持ちになってたなと。それはいいことだとも思うけど、違和感を覚えて今に至る感じです。
――あのさんはこの歌詞に共感しましたか?
あの:はい。覚悟とか決断力とか、ぼくは大事だと思ってるし瞬間瞬間大事だけど、理想とか正直ないし、それを聞いてくるインタビュアーさんとか嫌です(笑)。それに答えられる人もいると思うけど、無理に決めることでもないと思うから。「諦めちゃダメ」とか世の中では言うけど、諦めてもいいと思うし、「諦めてもいいんだよ」と言ってもらいたい自分もきっとどこかにたまにいて。でも、そうは絶対言われないし。だから同じように感じてる人がいたら、肯定してあげられる人がいたらいいなと思いました。諦めなよじゃなくて諦めてもいいんだよって。「ダメ人間」とか自分を否定的に考える人もいるけど、「今はもういいじゃん、どうせ明日はやってきてしまうし、それか死ぬ。だから諦めようぜ」って。あと、「モイモイ」の音だけ聴いてるときに電車でサラリーマンが疲れ果てて、降りるところが一緒だからしばらくずっとついてったんです。MVを見てる気分になっちゃって。そしたら電話でへこへこ誰かに謝ってて、しょうもなって思ったけどそれが全てだったりするんだろうなって。絶対にサラリーマンに元気あげたくなっちゃいました。
――けちょんさんはいかがでしょうか?
けちょん:すごくホッとしました。理想と覚悟を言わなきゃいけないときが世の中は多いけど(笑)、無難な言葉を並べてしまう気がするから。「なんかあったほうがいいんだろうな」と思ったけど、文章になって伝えたときにありきたりな言葉を並べてしまうというか(笑)。
――しふぉんさんはいかがですか?
しふぉん:ゆるめるモ!というグループとして歌うのにすごくいい曲だと思います。サラリーマンも電車でほとんど疲れてて、きっと理想とか押しつけられてて潰されてるけど、「この曲が流れてる間は踊っていいじゃん!」って思うんです。理想や覚悟があるならいいけど、無理に言わなくていいと思ってて、ゆるめるモ!としてベストな言葉を愛さんが書いてくれました。
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目次 - Contents
- ゆるめるモ!の概要
- ゆるめるモ!のメンバーの変遷
- ゆるめるモ!の現メンバー
- けちょん
- しふぉん
- ようなぴ
- あの
- ゆるめるモ!の元メンバー
- いっちー
- のんちゃん
- ゆみこーん
- もね
- ゆいざらす
- ちーぼう
- ゆるめるモ!の活動経歴
- 2012年
- 2013年
- 2014年
- 2015年
- 2016年
- 2017年
- 2018年
- 2019年
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- 2013年
- 4月20日:HELLO WORLD EP
- 6月1日:ゆるめるモ!初ワンマン&のんちゃん生誕祭 ゆるすぎちゃったらごめんなさい!
- 6月15日:BELLMELTMO! ~少女たちのナイトクルージング~
- 9月18日:NEW ESCAPE UNDERGROUND
- 2014年
- 1月22日:箱めるモ!
- 2月8日:ゆるめるモ!結成一周年記念 恐るべき子供たちがやってきた!~∞の軌跡~
- 4月23日:LOOPER LOOPER
- 5月21日:Electric Sukiyaki Girls
- 5月31日:大雪VS箱めるモ!激闘の記録
- 7月9日:Unforgettable Final Odyssey
- 10月29日:Entrance EP
- 12月3日:きらめきらりりかる (データ不具合盤)
- 12月16日:きらめきらりりかる (データ修正盤)
- 12月17日:解体的交歓 ~真夜中のヘヴィ・ロック・パーティ~
- 12月17日:Bible 1979-2014
- 12月17日:Bible 1979-2014 アルケミー・レコード通販限定特典DVDR
- 12月31日:SUImin CIty DEstroyer
- 2015年
- 3月18日:私をノイズに連れてって
- 3月18日:私をノイズに連れてって アルケミー・レコード通販限定特典CDR
- 3月25日:Hamidasumo! 通常盤
- 3月25日:Hamidasumo! 初回限定けちょん盤
- 3月25日:Hamidasumo! 初回限定もね盤
- 3月25日:Hamidasumo! 初回限定しふぉん盤
- 3月25日:Hamidasumo! 初回限定ようなぴ盤
- 3月25日:Hamidasumo! 初回限定あの盤
- 3月25日:Hamidasumo! 初回限定ちーぼう盤
- 3月25日:2014:A Space Odyssey On Liquid RooMo! ~リキッドルーモ!号で行く、2014年宇宙の旅~
- 5月29日:赤坂BLITZだよ! 全員ハミ出すモ!
- 6月17日:私をノイズに連れてって LIVE!
- 6月17日:私をノイズに連れてって LIVE! アルケミー・レコード通販限定特典DVDR
- 7月5日:船上のベルめるモ!〜リターンズ 〜 特典DVD
- 7月27日:Cruel
- 8月12日:文学と破壊EP
- 10月21日:女の子よ死体と踊れ
- 10月21日:赤坂BLITZだよ! 全員ハミ出すモ!
- 11月3日:Kiss me, Kiss me, Kiss me
- 11月3日:Kiss me, Kiss me, Kiss me 特別版 (DVD + CD)
- 11月9日:Return To My Innocence
- 11月11日:YOU ARE THE WORLD
- 12月23日:世界の終わりのいずこねこ+いずこねこ LAST LIVE (2014.12.20)
- 2016年
- 3月23日:BELLRING少女ハートの6次元ギャラクシー
- 4月16日:New Escape Underground!
- 4月16日:Electric Sukiyaki Girls
- 4月16日:SUImin CIty DEstroyer
- 4月22日:家族ごっこ
- 4月30日:食べるなぴ
- 5月2日:YOU ARE THE WORLD TOUR FINAL at Zepp DiverCity
- 5月11日:女の子よ死体と踊れ (DVD)
- 5月11日:女の子よ死体と踊れ (Blu-ray)
- 5月21日:Shimokitazawa SOUND CRUISING 2016
- 6月22日:アントニオ
- 6月22日:YOU ARE THE WORLD TOUR FINAL at Zepp DiverCity
- 7月13日:WE ARE A ROCK FESTIVAL
- 7月27日:ロクビデオ!
- 8月13日:6’n’ Roll History ~ゆるめるモ! 第1章総集編~(第1部) at 新木場STUDIO COAST
- 8月13日:6’n’ Roll History ~ゆるめるモ! 第1章総集編~(第2部) at 新木場STUDIO COAST
- 8月13日:6’n’ Roll History ~ゆるめるモ! 第1章総集編~(第1部&第2部) at 新木場STUDIO COAS
- 8月24日:ピンクメトセラ/勹″ッと<るSUMMER (通常盤)
- 8月24日:ピンクメトセラ/勹″ッと<るSUMMER (DVD付)
- 10月19日:6’n’ Roll History 〜ゆるめるモ! 第1章総集編〜 at 新木場STUDIO COAST
- 12月21日:BRIGHT YOUNG MOONLIT KNIGHTS -We Can't Live Without a Rose- MOONRIDERS TRIBUTE ALBUM
- 2017年
- 1月9日:WE ARE A ROCK FESTIVAL TOUR FINAL-RETURN TO ZERO-
- 1月10日:E TICKET RAP SHOW(通常盤)
- 1月10日:E TICKET RAP SHOW(フォトブックセット盤)
- 2月15日:シェアハウス
- 3月15日:孤独と逆襲EP 通常盤
- 3月15日:孤独と逆襲EP 初回限定盤
- 3月15日:kitixxxgaia (通常盤)
- 3月15日:kitixxxgaia (2枚組 + DVD)
- 3月15日:kitixxxgaia (Blu-ray 付)
- 3月22日:EMO
- 4月22日:WE ARE A ROCK FESTIVAL TOUR FINAL RETURN TO ZERO at LIQUIDROOM
- 5月24日:孤独と逆襲~てえへんだ! 底辺だ~ツアー at TSUTAYA O-EAST
- 6月28日:ディスコサイケデリカ
- 6月28日:孤独と逆襲 ~てえへんだ!底辺だ~ ツアー at TSUTAYA O-EAST
- 7月5日:咲-Saki-(DVD)
- 7月5日:咲-Saki-(Blu-ray 通常盤)
- 7月5日:咲-Saki-(Blu-ray 限定盤)
- 7月26日:ディスコサイケデリカ
- 9月8日:AFTER E TICKET RAP SHOW
- 9月19日:ディスコサイケデリカツアーファイナル at 赤坂BLITZ
- 10月4日:TALKING HITS EP
- 10月25日:怪獣倶楽部~空想特撮青春記~ (DVD)
- 10月25日:怪獣倶楽部~空想特撮青春記~ (Blu-ray)
- 11月29日:YOUTOPIA 通常盤
- 11月29日:YOUTOPIA 初回限定盤
- 11月29日:ディスコサイケデリカツアーファイナル at 赤坂BLITZ
- 2018年
- 1月29日:YMQ 1st DEMO CDR
- 3月8日:YOUTOPIA TOUR FINAL at Zepp Tokyo
- 3月10.日:第3期 禁断の多数決 MIXTAPE
- 4月11日:YOUTOPIA TOUR FINAL at Zepp Tokyo
- 5月9日:HIPPY MONDAYS EP
- 5月9日:音楽よ回れ!! MUSIC GO ROUND〜ゆるベスト!〜 通常盤
- 5月9日:音楽よ回れ!! MUSIC GO ROUND〜ゆるベスト!〜 初回限定盤
- 5月14日:YMQ 2nd DEMO CDR
- 5月27日:リセットボタン/不言色
- 5月27日:少年はジャンプするのだ/drEamer
- 6月24日:アポカリリリリ/DOING SO MOVING
- 6月24日:クリーンブレイク/ガムシロップ・ラブ
- 6月24日:つながりたい つながれない つながらない/はっぴーばっどえんど
- 6月27日:太鼓の達人 オリジナルサウンドトラック たこやき
- 7月10日:世界中をしあわせにする方法/LIFE IS SODADAY
- 7月10日:HOBO HOBO PERFECT WOMAN/俺の推してるアイドルグループに君が入った
- 7月18日:咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A(DVD 通常盤)
- 7月18日:咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A(Blu-ray 通常盤)
- 7月18日:咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A(Blu-ray 限定盤)
- 10月10日:NEVER GIVE UP DRUNK MONKEYS EP
- 11月21日:Welcome To YO(u)NAP! World
- 11月27日:絶対的に君と
- 12月26日:マジで航海してます。~Second Season~ DVD-BOX
- 12月26日:マジで航海してます。~Second Season~ Blu-ray BOX
- ライヴ映像で見るゆるめるモ!の代表曲
- 2014年8月9日:2014:A Space Odyssey On Liquid RooMo! ~リキッドルーモ!号で行く、2014年宇宙の旅~
- たびのしたく
- 2014年9月14日:りんご音楽祭
- なつ おん ぶる ー
- 2015年5月2日:東名阪だよ! 全員ハミ出すモ! ツアー
- Hamidasumo!
- 2015年8月16日:神聖ゆるかまってめるモ! ちゃん
- 虎よ
- Only You
- スキヤキ
- Hamidasumo!
- 2015年12月20日:YOU ARE THE WORLD TOUR
- Only You
- 2016年8月14日:WE ARE A ROCK FESTIVAL TOUR
- ナイトハイキング
- 2016年10月24日:WE ARE A ROCK FESTIVAL TOUR FINAL RETURN TO ZERO
- SWEET ESCAPE
- 2017年3月26日:孤独と逆襲~てえへんだ! 底辺だ~ツアー
- 私の話、これでおしまい
- 震えて甦れ
- スキヤキ
- 2017年7月23日:ディスコサイケデリカツアーファイナル
- 震えて甦れ~idアイドル
- ミュージック 3、4分で終わっちまうよね
- 逃げろ!!
- 2018年1月6日:YOUTOPIA TOUR FINAL at Zepp Tokyo
- 天竺
- Only You
- must 正
- ゆるめるモ!の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ようなぴが卒業した大学
- 三足のわらじを履いていたしふぉん
- けちょんは画伯
- 殴り合いのケンカをしたあの