あの（ano）の徹底解説まとめ

あのの概要

「あの（ano）」とは、2013年から2020年までゆるめるモ！に在籍していた元メンバーで、2020年にソロデビューしたシンガーソングライター・アーティストである。彼女の活動は多岐に渡り、音楽以外にも女優、モデル、タレントなどとして活躍している。

あのが初めて芸能界に登場したのは、ゆるめるモ！の第3期生として参加した時である。このグループでは、彼女の個性的なパフォーマンスと独特なキャラクターが多くのファンを惹きつけた。しかし、彼女はアイドルという限界を超えて、更にクリエイティブな表現を追求するために、2019年にグループを脱退。2020年9月4日にはデジタルシングル『デリート』でソロ活動へと転身した。この作品は、彼女の心の内面を考える様な深い歌詞と、エレクトロニカやポップ、ロックといったジャンルを融合させた新しい音楽スタイルが特徴である。

ソロアーティストとしての彼女の魅力は、この多様な音楽性と個性的なビジュアルで、若者を中心に大きな支持を集めた事にある。あのの音楽は、自己表現や自由と内面的な葛藤をテーマにすることが多く、その歌詞には現代社会に対する彼女自身の感情が強く反映されている。2022年にはバンド「I’s」を結成し、ボーカルとギターを担当しながらソロアーティストとしても多才な音楽活動を続けている。

2022年11月23日にリリースした「ちゅ、多様性。」は、テレビアニメ『チェンソーマン』の第7話エンディングテーマとして使用され大ヒット。「日本レコード大賞2023特別賞」、「Best New Artist Video-Japan-（最優秀邦楽新人アーティストビデオ賞）」を受賞し、2023年の「第74回NHK紅白歌合戦」で披露した。多様性をテーマにしたこの楽曲は、現代社会に対するメッセージが込められており、SNSを中心に広がりを見せ、彼女の音楽が多くの人々に影響を与えている事を証明している。

音楽活動に加え、あのはテレビやラジオでも活躍している。2022年にテレビ朝日での冠番組『あのチャンネル』を持ち、彼女のユニークなキャラクターを存分に発揮した番組構成で人気を博した。2023年にはラジオ番組『あののオールナイトニッポン0』がスタートし、彼女のトーク力も広く認知されている。

彼女はファッションモデルや女優としても活動しており、映画やCMへの出演も行なっている。日頃からジャンル問わず、好きな物をとにかく着るという彼女のファッションは、独特なスタイルとセンスで注目を集める。2023年には、韓国のファッションブランドとのコラボレーションも行い話題になった。東京ガールズコレクションや関西コレクションにも出演するなど、積極的に活動している。CMでは、ライフカード、KDDI、バンダイ、ブックオフなど複数に出演し、お茶の間で彼女を見る機会も多い。映画では2017年の『咲-Saki-』、2023年の『鯨の骨』などの代表作がある。

あのの活動経歴

アイドル時代

あのは、2013年にアイドルグループ「ゆるめるモ！」の3期生として加入した。「ゆるめるモ！」とは、2012年に結成されたアイドルグループで「（窮屈な世の中を）ゆるめる」というメッセージと「You'll melt more（あなたをもっとトロけさせたい）」という2つの意味が込められている。彼女の個性的な見た目やパフォーマンスはすぐに注目を集め、グループ内でも重要な存在となっていった。

彼女には、他のメンバーとは異なるミステリアスな雰囲気と自由奔放なキャラクターという独自の魅力があり、ファンから支持を得ていた。アイドルの枠にはまらない表現力があり、ステージ上での大胆なパフォーマンスや感情豊かな歌唱力が際立っていた。アイドル時代に培った表現力が、後のソロアーティストとしての活動に多く影響を与えている。2019年3月に脱退するまで、アイドルとして音楽、ファッション、パフォーマンスなど沢山の表現方法を学んだのだった。

ソロアーティストとしての挑戦

ゆるめるモ！を脱退したあのは、2020年9月4日にデジタルシングル『デリート』をリリースし、「ano」名義でソロアーティストとしてデビューを果たす。彼女は作詞作曲も行うシンガーソングライターで、この曲では作詞を担当。その後も、彼女は精力的に楽曲をリリースしていく。3か月後の2020年12月16日には、デジタルシングル『peek a boo』を、その2ヶ月後の2021年2月12日には『SWEETSIDE SUICIDE』をと言ったように、速いスパンでシングルをリリースしていった。

2022年11月23日にリリースしたシングル『ちゅ、多様性』は、テレビアニメ『チェンソーマン』の第7話エンディングテーマとして起用された。この曲には、彼女も作詞に参加しており、タイトルに「多様性」という言葉を用いたのは自身が多様性の代表であるからだと述べている。2023年3月3日22時にYouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』にてこの楽曲を披露すると、その奔放なパフォーマンスと表現力が話題となり、彼女の実力が多くの人に知れ渡る事となった。

彼女のソロアーティストとしての挑戦は、アイドル時代に培われたパフォーマンスや表現力を基盤としつつ、より個性的でアーティスティックな方向へ進化を遂げた。音楽のみならず、ファッションや演技でもその多才さを発揮し、多方面で活躍している。

映画、CM出演など女優としての活躍

あのは、ソロアーティストとしての音楽活動に加え、映画やCMに出演する女優としてもその才能を発揮している。特に、彼女の独特な存在感と表現力は、映像の分野でも重宝されているのだ。ゆるめるモ！時代から演技に挑戦する機会があり、2017年2月3日公開の『咲-Saki-』では、アイドル役以外に挑戦している。2023年10月13日公開の『鯨の骨』では主演を演じ、彼女の才能を強調する作品となっている。

CMにも出演し、広告業界でもその存在感を示している。彼女が出演した「ライフカード」のCMでは、都会的でクールなイメージを表現した。「アマノ」のCMにも出演し、ギターを弾く姿や、「あの、アマノ」というフレーズを何度も繰り返すユニークな姿を披露。シリーズ化して人気のある「au」のCMでは、あまのじゃ子として出演し素に近いキュートな役を演じた。

彼女の演技は、自然体ながらも強い個性があり、映像メディアでもその独特の魅力を放つ。その独自の表現力と多様な才能で、更に多くの映画やCMでの活躍が期待される存在となっている。

タレントとしての存在感

あのは、タレントとしても活躍している。2020年にはテレビ朝日で冠番組『あのチャンネル』が放送開始され、彼女のユニークなキャラクターとトーク力が広く知られるようになった。この番組は2021年9月に地上波放送を終了したが、YouTubeの『テレビ朝日公式YouTubeチャンネル！』の木曜日に継続して配信されている。

2023年4月5日からは、ラジオのニッポン放送で『あののオールナイトニッポン0』のパーソナリティを担当。ゲストを呼んでトークを繰り広げる回も多く、ミュージシャンのゲストが来た時には、弾き語りを披露することもある。これまでのゲストには、山里亮太、星野源、粗品、安藤なつなどが登場。この番組では、彼女の素顔や考え方に触れる事ができ、音楽活動とは違う一面を垣間見る事ができる。

バンド「I’s（アイズ）」としての活動

あのは、ソロアーティストとしての活動に加えて、2021年に「I’s（アイズ）」というバンドを結成した。彼女はボーカル兼ギターを担当しており、ギターの中山卓哉、ベースのキッチン前田、ドラムの畝狹怜汰と共に活動を行なっている。2022年に『あなろぐめもりー。』でデビューし、その後も作品をリリースしたが、2024年8月1日に、2024年末でバンドを解散する事を発表した。

あののプロフィール・人物像

誕生日は9月4日で、年齢は非公開、血液型はA型である。一人称は「ぼく」。身長は166cm、2024年8月16日に自身のYouTubeチャンネルで公開した体重は44.4㎏だった。子供の頃から自分が「普通」でないことに対して孤独感や違和感を抱くことが多かった。学生時代は、周囲と上手く馴染めず、中学校は保健室登校、高校は入学直後に中退している。スーパーマーケットでレジ打ちのアルバイトの経験がある。

引きこもり生活に焦りを感じていた頃、Twitterで見つけたゆるめるモ！のメンバー募集に応募し、自分が求められる経験が初めてであったこと、他にやることがなかった事などを理由に、第3期生として加入する事になった。ゆるめるモ！の活動は2013年から始まり、2019年に脱退した。グループで活動している時から異彩を放っていた彼女は、アイドルとしての枠を超えた自己表現を目指し、2020年9月4日に”ano”名義でソロアーティストとしての音楽活動を開始。作詞・作曲を自ら手がける楽曲も多く、特に歌詞には葛藤が反映されているのが特徴である。

ファッションセンスに定評があり、彼女のファッションを真似する若者を「あのちゃんギャル（あのギャル、あのギャ）」と呼んだ。普段はお菓子ばかりを食べているかなりの偏食家である。人の歯を見る事が趣味で、歯並びが悪い人が好き。ウエストランドの井口浩之の歯がお気に入りだ。芸人の安藤なつや女優の本田翼と仲が良い。

あののディスコグラフィー

シングル

『デリート』