Kダブシャイン(K DUB SHINE)の徹底解説まとめ

Kダブシャイン(K DUB SHINE)は、東京都渋谷区出身のヒップホップMC、タレント、YouTuber。1995年にヒップホップグループ・キングギドラの一員として、1stアルバム『空からの力』をリリースしてデビューし、一世を風靡する。1997年にアルバム『現在時刻』でソロデビューを果たす。現代の矛盾を映し出すかのようなスタイルのラップが多く、日本屈指の社会派ラッパーとして知られている。幅広いメディアにも積極的に出演し、声優や作家としても活動している。

Kダブシャイン(K DUB SHINE)の概要

Kダブシャイン(K DUB SHINE)は、東京都渋谷区出身のヒップホップMC、タレント、YouTuber。
1993年に友人のラッパーであるZEEBRAや、彼の幼馴染のDJ OASISと共にヒップホップグループ、キングギドラを結成。1995年に1stアルバム『空からの力』をリリースしてデビューを果たす。
同グループの活動休止後はソロ活動に転向し、1997年にソロとしての1stアルバム『現在時刻』をリリースした。
日本語ラップを通じて社会批評や思想表現を行うアーティストであり、日本のヒップホップ黎明期からの歴史と思想を語るうえで欠かせない存在としての地位を築いている。
1998年にMISIAの楽曲「陽のあたる場所」のリミックス曲に客演として参加しているほか、2008年には映画版とOVA版の『デトロイト・メタル・シティ』の劇中曲として提供した「フロムNYシティ」など、多くの作品への楽曲提供などでも知られる。なお、同作には主人公と対立関係となるヒップホップMC、MC鬼刃(木林進)役の声優としても出演。クイズ番組の解答者としてもテレビ出演するなど、媒体やジャンルを問わず多くのメディアでマルチな活躍を見せている。
愛称は「コッタ」「コッちゃん」。「ビッグコッタ」「渋谷のドン」「最後の皇帝」「K二乗(K自乗)」「Mr.Atomic Bomb」「ミコータ・カガ」など、さまざまな別名義での活動も行っている。インターネット掲示板では「Kダブさん」や「かがみん」と呼ばれることも。
芸名であるKダブシャインは、本名のイニシャルがK.KでKの2乗であることから、KのDouble→Dubと略したことが由来となっている。
この名前に定着する以前は、「MC SHINE」や「サムライマー」と名乗って活動していた。

Kダブシャイン(K DUB SHINE)の活動経歴

キングギドラの結成

かつて所属していた伝説的ヒップホップグループ、キングギドラ

高校を中退し、産経新聞が行っていた交換留学制度を利用し、若くしてアメリカへ渡る。留学生活の中で「ヒップホップの本場」を体感し、思想や表現方法を学んで帰国したことが、活動の原点となる。当初は英語でラップをしていたものの、アメリカ人の友人に「なぜ母国語でラップをしないのか」と問われたことを機に、まだ「日本語でラップをすること」自体が実験段階にあった日本のヒップホップシーンで、自らの言葉を社会にぶつける姿勢を示し始めた。
1993年、ZEEBRAやDJ OASISと共に結成したグループ、キングギドラの活動を開始。1995年に同グループがリリースした1stアルバム『空からの力』は、政治や社会問題を真正面から扱い、未だヒップホップ黎明期にあった日本の音楽シーンに大きな衝撃を与える「問題作」となった。エンターテインメントの枠に留まらない強烈な社会批評としてのラップは、それまでの「戯れ」「娯楽」として培われてきたシーン全体のラップ観を覆し、多くのリスナーに言葉の力を再認識させることになる。
この成功によって、Kダブシャインは日本語ラップを語る上で欠かせない存在としての地位を確固たるものにしていった。

「社会派ラッパー」としてソロ転向

キングギドラが活動を休止した後、彼はソロアーティストとして新たな道を模索し始めた。2001年にリリースしたソロとしての3rdアルバム『理由』では、自らのルーツや存在を探るように語り、そして2003年の『生きる』では「なぜ人は生きるのか」という根源的な問いを掲げ、個人と社会を横断するテーマに挑んだ。2016年にリリースした4thアルバム『新日本人』においては、「日本人」としてのアイデンティティと社会のあり方を問うている。2006年にはDJ OASISと共に、新たなユニットであるRadio Aktive Projectを結成した。
これらの作品群で紡ぎ出される彼の言葉の数々は、音楽作品という枠を超え、リスナーに思索を促す批評的な力を持っている。こうして、Kダブシャインは日本ヒップホップのオピニオンリーダー的存在へと変貌を遂げていった。
その後も彼はソロ活動を継続しつつ、キングギドラの再結成や、様々なミュージシャンとのコラボレーションを経て表現の幅を広げていく。音楽活動にとどまらず、テレビやラジオ出演、講演など多様なメディアで発言を重ね、日本語ラップの社会的地位を高めることに一役買っている。
Kダブシャインは、社会派ラッパーの雄としての立場を貫き、言葉を通じて現代の矛盾を映し出す表現者としての姿勢を示し続けている。彼のキャリアは、ヒップホップを用いた社会批評の歴史そのものとして存在しているといっても過言ではない。

Kダブシャイン(K DUB SHINE)のプロフィール

1968年5月8日生まれ。東京都渋谷区富ヶ谷出身。本名は各務 貢太(かがみ こうた)。
母一人子一人の家に誕生し、幼い頃は病弱な子供だった。「コッタ」「コッちゃん」などの愛称で呼ばれ、「ビッグコッタ」「渋谷のドン」「最後の皇帝」「K二乗(K自乗)」「Mr.Atomic Bomb」「ミコータ・カガ」等多数の別名義がある。インターネット掲示板では「Kダブさん」や「かがみん」と呼ばれることも。本名のイニシャルがK.Kで、KのDouble → Dubとしたのが、芸名の「Kダブシャイン」(K DUB SHINE)の由来である。この名義が定着する以前は、「MC SHINE」や「サムライマー」と名乗って活動していた。
友人であったZEEBRAに自身の日本語によるラップを聴かせたところ意気投合、彼の幼馴染のDJ OASISを加えてヒップホップグループ「キングギドラ」を結成し、1995年にアルバム『空からの力』でデビュー。
派閥的な対立はほとんど存在しないが、商業路線のヒップホップを嫌う傾向があり、他ラッパーとディスの応酬に発展することもある。

Kダブシャイン(K DUB SHINE)のディスコグラフィー

アルバム

現在時刻

1997年リリースの1stアルバム。メッセージ性が強く、社会の闇や個人の葛藤など、リアルな視点をラップで描くことを重視している印象が強い1枚となっている。

1.プロローグ
2.ラストエンペラー
3.機能停止Remix (宣戦布告Version)
4.一目瞭然
5.パラレル・ワールド feat.ZEEBRA
6.理由なき犯行 (中学生日記)
7.インタールード
8.組織犯罪 feat.T.A.K.THE RHYMEHEAD
9.長すぎる冬眠
10.独り事 feat.ORITO
11.戦争知らない子供達
12.陽はまた昇る feat. DJ MASTERKEY
13.エピローグ

生きる

2000年リリースの2ndアルバム。テーマ性がかなり強く、個人と社会、光と影を横断するような構成の1枚に仕上がっている。

1. 伝説
2. ビッグコッタ
3. 最後の猶予
4. 悪い奴ほどよく眠る
5. L.I.F.E. PART1~INTERLUDE~
6. 渋谷が住所
7. 追いつめられて(都知事人質)
8. セントオブアウーマン(夢香り)
9. トワイライトゾーン
10. ブレインストーム
11. L.I.F.E. PART2~INTERLUDE~
12. 生きる
13. 日出ずる処
14. シャイニング
15. サタデーラブ
16. C.O.D.A.

理由

2004年リリースの3rdアルバム。自伝的かつ批評的な作品に仕上がった意欲作で、Kダブシャインの思想が色濃く出た、力強くも繊細な一枚だ。

1. ラストサムライ
2. 相ライム性理論
3. 理由
4. なんでそんなに
5. 正真正銘
6. 今なら
7. ほんとあの頃が
8. 渋谷のドン
9. ガキでいんのも楽じゃねえ
10. 来たぜ
11. 都会の街
12. 運命
13. オレはオレ
14. 不思議じゃない
15. 勝利への道

新日本人

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