バーナビー・ブルックスJr.（TIGER & BUNNY）とは【徹底解説・考察まとめ】

バーナビー・ブルックスJr.（TIGER & BUNNY）の概要

バーナビー・ブルックスJr.（Barnaby Brooks Jr.）とは、『TIGER & BUNNY』及び『TIGER & BUNNY 2』の登場人物で、新進気鋭のプロヒーロー。超常的な能力を持つ、「NEXT」（ネクスト）と呼ばれる新人類の1人である。ヒーロー名は本名をそのまま使用している。
幼い頃に“絡みつく蛇”のタトゥーを持った人物に両親が殺されるところを目撃し、これを追うためにヒーローを志す。物語の舞台となるシュテルンビルドのメディア王アルバート・マーベリックに後見されながらデビューを果たし、スポンサーの意向で人々の注目を集めるためにベテランヒーローの鏑木・T・虎徹とコンビを組むこととなる。

当初は虎徹のことを「ロートルのおじさん」と軽んじていたが、だらしなく適当に仕事をしているように見えて「人々を救うヒーローたらん」とする高潔な意志を秘めたその姿勢や、自分にはないベテランならではの経験と視野の広さを次第に尊敬するようになる。虎徹の側も当初は「生意気な新人」と嫌っていたバーナビーの素質を評価し、両親の仇を討たんとする想いに配慮するようになり、息の合った連携を見せていく。
虎徹とのコンビでいくつもの事件を解決し、仇討ちにも一定の決着をつけた後、一時的にヒーロー活動から離れる。しかし「減退」というNEXT能力の弱体化に苦しみながらも虎徹がヒーロー活動を再開したこと、両親を殺害した組織がまた健在だと気付いたことから、自身もヒーローとして再デビュー。虎徹とのコンビを復活させ、シュテルンビルドの新たな危機に立ち向かっていった。

バーナビー・ブルックスJr.（TIGER & BUNNY）のプロフィール・人物像

身長：185cm
年齢：23歳
CV：森田成一

これまでのシュテルンビルドのヒーローの慣例を破り、素顔を公表している上にヒーロー名も本名をそのまま使用している。対外的には完全無欠の好青年を演じているが、実際はかなり遠慮のない性格で、虎徹と組まされることになった時も「なんで僕がこんなオジサンと一緒に仕事しなきゃいけないんだ」と不平を隠さなかった。
しかし名声や犯罪者への憎悪のためではなく、ただ人々のためにヒーローたらんとする虎徹のスタンスに次第に感化され、彼に深い敬意と信頼を抱いていく。虎徹からもその素質を評価され、同時に復讐に猛る姿勢を気遣われ、年齢を超えた親友にして無二の相棒となっていった。

両親の死後に面倒を見てくれたマーベリックのことは第2の父のように信頼していたが、それだけに彼こそが自分の両親を殺した張本人である可能性に辿り着いた時は衝撃を受けていた。真実を見極めようと1人で彼を尋ねた結果、相手のNEXT能力で記憶を書き換えられるという憂き目に遭っている。
虎徹の娘の鏑木楓（かぶらぎ かえで）からは憧れの感情を向けられているが、バーナビーの方は「虎徹さんの娘さん」として丁重に扱うのみで、それ以上の感情は持っていない。

バーナビー・ブルックスJr.（TIGER & BUNNY）のNEXT能力

ハンドレッドパワー

5分間だけ通常の100倍の力を発揮する、シンプルな強化能力。1度能力を使用すると、1時間のインターバルが必要となる。筋力だけではなく、聴力や回復力も強化される。

バーナビー・ブルックスJr.（TIGER & BUNNY）の来歴・活躍

『TIGER & BUNNY』

両親の死と“絡みつく蛇”

4歳のクリスマスの日、手の甲に“絡みつく蛇”のタトゥーを施した人物により両親が殺される瞬間を目撃する。警察によって保護されるも、「両親の仇を討ちたい」との想いを日に日に膨らませ、そのためにプロのヒーローとなることを志す。
シュテルンビルドのメディア王アルバート・マーベリックの保護下で育ち、心身共に優れた素質を発揮してヒーローとしてのデビューを果たす。しかしスポンサーの意向で、人々の注目をさらに集めるためにベテランヒーローの鏑木・T・虎徹（かぶらぎ・ティー・こてつ）とコンビを組まされることとなる。

虎と兎の名コンビ

当初バーナビーは虎徹のことを「自分の当て馬に用意されたロートル」と侮り、NEXTとしての能力こそ同じではあったが自分より劣った人物だと考えていた。しかし仕事としてではなく、「人々を救う本物のヒーローたらん」として日々汗を流す虎徹のことを次第に認めていき、やがて自分にはないベテランならではの経験から来る判断力や視野の広さを尊敬するようになる。

虎徹の側も当初は「生意気な新人」としてバーナビーを毛嫌いし、“バニーちゃん”などと呼んでからかっていたが、彼のヒーローとしての素質を間近で見続ける内に評価を改める。彼が復讐のためにヒーローになったことを知ると、その想いを否定こそしなかったが「いつか暴走するのでは」と案じ、気遣うようになっていく。
やがて2人はシュテルンビルドでもトップクラスの人気と実力を持つヒーローとして知られるようになり、協力して様々な敵を打ち破り、事件を解決していった。

マーベリックとの決着

やがてバーナビーは、両親を殺したのがウロボロスという組織であること、世話になっているマーベリックことがその幹部にして自身の仇であることを知り、激しく動揺する。これを虎徹に相談しようとするが、彼は彼でこの時期にNEXTとしての能力が弱体化あるいは完全に消滅する「減退」という症状に苦しんでいた。これをバーナビーに知られて心配させたくない一心で彼に対して正面から向き合おうとせず、結果として関係を悪化させてしまう。
虎徹は頼れないと感じたバーナビーは、真実を確かめようと単身マーベリックの下を訪れる。マーベリックはバーナビーが両親の死の真相に辿り着いたことを知ると、薬で彼を眠らせた上で自身のNEXT能力でその記憶を書き換え、己の傀儡としてしまう。

虎徹とその娘の鏑木楓（かぶらぎ かえで）の奮闘によって本来の記憶を取り戻したバーナビーは、改めてマーベリックを追い詰め、これを確保する。逃げ場は無いと悟ったマーベリックは、自身の能力で己の記憶の全てを破壊し、ウロボロスの秘密については一切語らないまま世を去る。
仇討ちに一定の区切りをつけたバーナビーは、ヒーローを続ける気概を失い、引退を表明。しかし減退の進行から同じタイミングで引退した虎徹が「困っている人を助けたい」との想いから再びヒーロー活動を始めたことを知り、またウロボロスの全貌をつかまない限りは「なぜ両親が殺されたのか」は分からないままだと考え直したこともあり、自身も再デビュー。虎徹とのコンビを復活させ、下部リーグのヒーローとして活躍していく。

『TIGER & BUNNY 2』

パートナー制度とウロボロスの再来

虎徹とのコンビで実績を重ね、バーナビーは再び一部リーグに復帰する。この頃、シュテルンビルドでは犯罪の複雑化が進んでおり、これに対応すると共にヒーロー人気の起爆剤として2人1組で行動させるパートナー制度が導入される。バーナビーは虎徹とのコンビを継続し、慣れないコンビ活動に苦労する同僚のヒーローたちに助言する立場となる。
マーベリックはウロボロスの幹部ではあったがトップではなく、その実態は相変わらず不明瞭なままだった。その正体も目的も分からないまま彼らは新たな計画を発動し、「強力なNEXTによるヒーロー狩り」を開始。世界各地のプロヒーローが襲われていく。

やがてその魔の手はシュテルンビルドにまで及び、虎徹の同僚たちも多くが負傷。正義と治安の象徴たるヒーローたちが次々に倒されたことで市民は動揺し、NEXT排斥の動きまでもが加速する。
バーナビーと虎徹は、まだ襲われていない新人ヒーローたちと協力してウロボロスのNEXTを迎え撃ち、戦いながら彼らの能力の秘密を分析してこれを打ち破る。シュテルンビルドを覆っていた暗雲をどうにか払い除けたバーナビーたちだったが、この計画の中でウロボロスは「NEXTの能力を強化する薬品」を完成させており、これがグレゴリーという犯罪者によって流出する事態となる。

相棒と挑む最後の事件

グレゴリーはウロボロスに正式に雇われ、「NEXTを暴走させる」という自身のNEXT能力と盗み出した薬品で様々な事件を起こしていく。これによりNEXTとそれ以外の人々との間に決定的な溝を作り、延々と争いの続く世界を生み出すことが今回のウロボロスの目的だった。
「NEXTへの反感をこれ以上抑えられない」と判断したシュテルンビルドは、この地でもっとも知名度の高いNEXTであるヒーローたちの活動を停止する法を可決。先手を打たれたバーナビーたちだったが、ウロボロスの最終目標が「世界的に高名なNEXT指導者であるリトルアウロラをNEXTではない者の手で暗殺する」ことだと気付き、それが違法行為であることを承知で再びヒーローとして立ち上がる。

この時、バーナビーは足に深刻な負傷を抱えており、これ以上戦えば歩けなくなることさえありうる状態だった。虎徹から「今回だけは諦めてくれ」と懇願されるも、バーナビーは「これがあなたと共にヒーローとして戦う最後の機会になるかもしれない」と譲らず、彼を強引に説き伏せてウロボロスの陰謀を止めるために出撃する。
ヒーローたちがそれぞれに暗殺の阻止のために尽力する中、バーナビーたちはグレゴリーを追い詰める。しかしグレゴリーは強力なNEXT能力者であるL.L.オードゥンという男を用心棒につけており、バーナビーはヒーロースーツを破壊されるほどのダメージを負う。さらにグレゴリーは虎徹を暴走させてバーナビーを襲わせるも、むりやり暴走させられたことで減退していた彼の能力は完全に枯渇。NEXTではなくなった虎徹は暴走状態を脱し、自分のヒーロースーツをバーナビーに譲渡。虎徹の想いと志を受け取ったバーナビーによってオードゥンは撃破され、グレゴリーも確保されたことでシュテルンビルドの人々は再びヒーローとNEXTたちを受け入れる。

完全にNEXT能力を失った虎徹は、正式に引退を表明。今後は普通の人間として街の平和に貢献していく道を選ぶ。この戦いで引退することも覚悟していたバーナビーは、自分が虎徹の代わりにヒーローを続けてその志を継いでいくと宣言。2人は拳を重ね、違う場所で活動することとなっても自分たちはずっと相棒だと誓い合う。

バーナビー・ブルックスJr.（TIGER & BUNNY）の関連人物・キャラクター

鏑木・T・虎徹（かぶらぎ・ティー・こてつ / Kotetsu T. Kaburagi） / ワイルドタイガー（Wild Tiger）

デビューして10年以上になるベテランヒーロー。犯人逮捕や市民の安全のためなら周囲の被害や後先のことを考えずに動く癖があり、“正義の壊し屋”という異名を持つ。
人気が落ち目になっていたことから、スポンサーの意向でバーナビーとコンビを組むこととなり、当初は「なんで俺がこんな若造と」と彼を軽んじていた。しかし生来の人の好さもあって次第にバーナビーを受け入れ、彼の素質を評価すると共に苦悩や両親の仇を追う姿勢を支えるようになり、無二の相棒となっていった。