ゆるめるモ!(You'll Melt More!)の徹底解説まとめ

ゆるめるも!(You'll Melt More!)とは、フリーライターの田家大知がももいろクローバーの「ピンキージョーンズ」に触発されて、「辛い時は逃げてもいいんだよ」をテーマとして自ら街頭でスカウトして集めてきたメンバーで結成された女性アイドル・グループ。名前の由来は「(窮屈な世の中を)ゆるめる」というメッセージと「You'll melt more!(あなたをもっとトロけさせたい)」という2つの意味が込められている。

―― ちなみに、この4人にはどこで声をかけたんですか?

田家 : 2人が秋葉原、2人が原宿ですね。

―― じゃあ、メンバーに聞いていきましょう。のんちゃんは、秋葉原でなにをしていたんですか?

のんちゃん : あたし、メイドだったんですよ。それでチラシ配りをしてたら話しかけられて。音楽の話とかをしたのを覚えています。

田家 : のんちゃんは、すごく音楽に詳しかったから、こういう子がアイドルだったら絶対おもしろいって思って。

のんちゃん : 言いくるめられて(笑)。

―― (笑)。けちょんさんは、なにをしているときに声をかけられたんですか。

けちょん : わたしも秋葉原でメイドをやっていて、ビラを配ってるときに声をかけられました。

田家 : 体操着を着ていたんですよ。変な子がいるなって声をかけてみたら、とってもおもしろい子で。ニコ生とか、踊ってみたとかが、好きだって言ってて。

―― じゃあ、ももぴさんは?

ももぴ : 私は原宿で買い物をしていたときに、声を掛けられました。なんかすごく変な人がついてきたから、下着屋さんに入ったんですけど、お店から出たらまだ外にいて…。

田家 : 「ももクロが好き」って聞いて、すごいももクロの話で盛り上がったんですよ。

―― 相当怪しい出会いですが…。ももぴさんは、アイドルに興味があったんですか?

ももぴ : もともと、役者を目指していて、ここまでに役者になれなかったら辞めようっていう区切りの時期を設定していたんですよ。その時期を超えてしまって、役者の夢もあきらめていたので、またそういうことをやることは考えてなくて。そのあと「レッスンだけでも来てください」って(田家さんから)メールをもらって、レッスンを見に行ったらおもしろそうだったので始めました。

出典: ototoy.jp

ゆみこーん

―― ゆみこーんさんは、どうやって声をかけられたんですか?

ゆみこーん : 原宿で買い物をしていたときに、お店から出たら声をかけられて。屈伸運動しながら、田家さんが近づいてきたんです(笑)。最初はすごい面食らったんですけど、「アイドルに興味ないですか? 」って話をされて。最初は「興味ないです」って言ったんですけど、「じゃあなにになりたいの?」って言われて。「ライターになりたいです」って話をしたら、「僕ライターやってるんだよ」って言われて。びっくりしてライターの話をしてたら、いつの間にか話をすり替えられてて(笑)。「顔合わせだけでいいから来てみてよ」って話になって、気付いたら10月の頭でみんなに会っていました。

田家 : 弁解しますと、文章の仕事もちょっと一緒にお願いしています(笑)。

ゆみこーん : なので、みんなに会うまで信じてなかったんですよ。顔合わせの日、変な人が来たらダッシュで逃げようって思っていて。実際に行ったら女の子が何人かいて、本当だったんだって。

―― そういう経緯で、初めて4人が会ったのが2012年の10月4日なんですね。

田家 : ももぴだけ、ちょっとあとかな。他の3人と、卒業した子が10月4日に集まって、一月遅れくらいでももぴが来たっていう感じですね。

―― それまでまったく接点もなければ、アイドルを目指していたわけでもない4人が初めて対面したときの感想はいかがでしたか?

ゆみこーん : 顔合わせのときに、けちょんは人間が怖いって言っていたんですよ。で、「この子怖い~」と思って。のんちゃんはすごい幼く見えたから、「間違えて来ちゃったんだ」と思った。田家さんに「高校生の子もいるから優しくしてあげてね」って言われてたから、「この子だ!」と思っていて。蓋を開けてみたら一番年上だった。

―― あはははは。じゃあ、打ち解けるまでに時間がかかったんじゃないですか。

のんちゃん : しばらく敬語だった気がする。

出典: ototoy.jp

けちょん

田家 : そのころは、曲もできてなかったので、みんなをご飯に連れていったり、撮影をしていただいたりして盛り上げていこうとしていました。

―― 最初は信頼を得ていくところから始めたんですね。ももぴさんは約1ヶ月後に加入したということですが、そのときのメンバー間の様子はいかがでしたか?

ももぴ : すごく仲がよさそうに見えたので、最初は入りにくいな、どうしようって思ってました。でもみんなが話しかけてくれたので、打ち解けられました。

―― その頃はもうみんな打ち解けていたんですね。

ゆみこーん : 週2くらいで会ってたもんね。

田家 : 顔を合わせないと打ち解けないから、会わせようと思って。なにかと用事を作って会わせてましたね。

―― ダンスとか歌のレッスンではなく?

田家 : レッスンもそうですし、カラオケに行ったりとか、他のアイドルさんのライヴを観に行かせたりとか。

―― そうやって信頼を得ていくなかで、楽曲がようやくできるわけですよね。一番最初にできた曲はどの曲になるんですか?

田家 : 音源1曲目の「ゆるめるモん」です。

―― 「ようやく自分たちの曲ができた」という感じはしましたか?

ゆみこーん : まだダンス・レッスンも始まったばかりで、それを歌って踊る自分が想像できませんでした。最初は自分たちの曲っていう感覚はなくて、練習が始まって何度か歌ううちに実感が持てました。

のんちゃん : でも、やっとできた感はあったかな。グループ名だけあったから、やっとそれに色がついて具現化したような感じです。それまでは、入れ物だけあった感じだったので。

出典: ototoy.jp

ももぴ

―― 田家さんは、ゆるめるモ!ではどういう曲をやっていきたいと考えていたんですか?

田家 : 最初はキャッチーで勢いのある曲がいいなって思って、速い曲を1曲作ったんです。アイデアは膨大にあって、まだ10分の1もできてない感じなんですけど。

―― ちなみに、田家さん自身は音楽をやっているんですか?

田家 : そうですね、バンドマンです。なんか、ゆるめるモ!のインタヴューなのに僕がいっぱいしゃべっちゃってすいません(笑)。

―― 大丈夫ですよ(笑)。どんなバンドをやっているんですか?

田家 : ニューウェーブ、ヒップホップ、J-POPみたいな感じですかね。ラップしたり、四つ打ちで踊らせたり。おもしろおかしいダンス・バンドです。

―― じゃあ、ゆるめるモ!には、自分のやりたかったことを投影していると?

田家 : それはありますね。でも、みんなにやってもらうのは、自分でやるのとは別の楽しさがあります。

―― そうして曲ができて、12月29日には初ライヴを行いました。初ライヴは、どうでしたか?

ゆみこーん : 年内にライヴっていうのは無理だと思っていたんですよ。

けちょん : 曲ができてからの準備期間が、まったくなかったからね。

ゆみこーん : 年内にライヴするって田家さんから聞いて、ちょっと無理じゃないかなって思ってたんですけど、そこを突破したので、田家さんへの信頼度が上がりました。本当にこの人やったぞって(笑)。

田家 : 最初は、“僕対みんな”っていう狭い世界だったので、ここじゃ見えない景色があるよ、っていうのを早く教えてあげたくて。それで、早くライヴをセッティングしたかったんです。お客さんの前に立った感覚も体でわかってもらえるし、口で説明するよりも全然早いので。

出典: ototoy.jp

―― 実際ステージに立ってみて、ファンの方と交流はどうでしたか?

のんちゃん : あのときは単純に、ライヴをやるっていうことだけに集中してたので、回数を重ねるごとにちゃんと見れるようになってきました。

田家 : 最初のライヴには、ももぴはお客さんとして観に来てたんですよ。そのあと加入してもらって、次のライヴから一緒に出てもらって。

―― じゃあ2回目のライヴ以降が、ゆるめるモ!として本格的に活動が始まったという感じなんですね。2回目のライヴでは、3軒ハシゴをしたんですよね。

田家 : 最初のライヴがいきなり3軒で。具合悪くなるし、落ち込むし。

ももぴ : 体力的な意味でやばかったです。やるなら、2軒までかなって(笑)。

―― その後のライヴでは、メンバーが楽器を手にしていますよね。

田家 : 下北沢GARDENのイベントで、主催のasfiさんから「生演奏をやるのでバンド希望の方はやってもいいですよ」って言われたんです。ゆくゆくは楽器を持たせようと思ってたので、この勢いでやっちゃえと思って、無理やり練習させたんです。

―― みなさん、楽器の経験はあったんですか?

田家 : なかったので、即席です。

のんちゃん : あたしがベースになったんですけど、やったことはなかったので。

出典: ototoy.jp

―― どれくらい練習したんですか?

のんちゃん : 3時間くらい。

田家 : とりあえずスリーコードを教えて、間違えてもいいからって。

けちょん : わたしはアルト・リコーダーです。

田家 : リコーダーならみんなできるだろって思って、持ってきてもらって。3人リコーダーで、卒業した子がドラムだったので、今はももぴがドラムを引き継いで叩いています。

―― あの… ほとんどリコーダーじゃないですか(笑)!! そのあと、阿佐ヶ谷LOFTでワンマンを行いますよね。

田家 : みんなの意識を変えるっていう意味で、早くワンマンをやりたかったんです。曲数もあまりなかったので、二部構成でトークを入れれば成り立つなと思って、阿佐ヶ谷LOFTに決めました。

―― 一般的なアイドルと生い立ちが違う分、みんなにアイドルとしての自意識を持ってほしいってことで、田家さんが場を設けてるわけじゃないですか。そうした活動のなかで、ゆるめるモ!を広げていきたいとか、こういうことをやりたいっていう気持ちは出てきましたか?

ゆみこーん : 当初に比べれば、ライヴを重ねたりファンの方と交流したりすることも増えて、確実に意識が変わってはいるんですけど、反面まだ信じ切ってないっていうのもあるんですよ。なので、ドカンと大きいことをやってやるぜっていうのはまだないかも。

田家 : だからこそ、僕はなるべく、メンバーの子たちが能動的に提案してきたものはどんどん実現させてあげたいと思っています。

―― けちょんさんは、能動的にやっていきたいものは出てきたりしました?

けちょん : やりたいこと、田家さんにちゃんと言ってない気がする。

―― じゃあこの場を借りて、言っておいたほうがいいんじゃない?

けちょん : あ、大丈夫です。

一同 : (爆笑)

田家 : じゃあゆっくりいこうか(笑)。

出典: ototoy.jp

―― ももぴさんはどうですか?

ももぴ : やりたいことではないんですけど、ゆるめるモ!って言ったらみんなが知ってるくらい有名になりたいです。やるからにはちゃんとやりたいなって。他にいないアイドルになりたいんです。

―― ゆみこーんさんはどうですか?

ゆみこーん : いまは次のことをこなすので精一杯ですね。それが道になっていくと思うので、しっかりと1個づつやっていきたいです。

―― 6月1日には渋谷WWWでゆるめるモ!主催のフェスを控えていますよね。これはどういった理由でやろうと思ったんですか?

田家 : 僕らは事務所に所属しているわけでもないですし、力があるわけでもないので、仕掛けていかないと全然世間的なアピールにならないと思っていて。アイドル主催のロック・フェスみたいなものってあんまりないじゃないですか。なので、アイドルもかっこいいし、ロックもかっこいいじゃん、っていうフェスをやってみようと。そしたらすばらしい方々がどーんと集まってくれて。

―― 田家さんは、今後ゆるめるモ!をどういうグループにしていきたいと思いますか?

田家 : おこがましい夢ですが、フジロックに出たいですね。フジロックってアイドルを出さないじゃないですか。そこの壁を突破したいというか。おもしろい子たちでおもしろいことをどんどんやって、見たことないようなグループを作るつもりです。

―― 最後にメンバー1人づつ、これからの目標や課題を教えてもらえますか。

ゆみこーん : 他のアイドルさんたちと比べても、よくも悪くもゆるいんです。「この子たち、おもしろいな」って思われたら勝ちだと思うので、興味を持ってもらう幅を広くしたいというか、幅広い人たちに見てもらいたい。この間としまえんでライヴしたとき、小中学生の子たちに見てもらえて興味を持ってもらえたのが強烈に印象に残ってるので、ああいう子たちにも興味を持ってもらえて応援してもらえたらと思います。他に例のないジャンルになりたいっていうのはありますね。今度TRASH-UP!! さんで連載を持たせてもらえることになったので、そっちも頑張りたいです。

ももぴ : この子たちはこうって決められるんじゃなくて、なにでもできるスライムみたいなグループになりたいです。ダンスもがんばって、すごい動きをする曲もやってみたい。

けちょん : お父さんにお披露目できるくらいになりたいです。内緒にしてる訳ではないんですけど、お父さんはツンデレなんで、おおって言ってもらえるようになりたいです。初めからデレで見てもらえるように。

のんちゃん : 私はアートが好きなので、アイドルの姿は借りてる感じ。アイドルになるっていうよりも、アイドルを借りて楽しいことをしてるっていう感じがしていて、それの積み重ねなんです。借り物じゃなくなるっていうのが最初の目標というか、大人の階段を上る感じです。

田家 : いま、のんちゃんが、アイドルの枠を使ってるって言いましたけど、本当に僕らがやりたいのはそういうことで。アイドルというフォーマットを使って、パンク・ロックみたいなことをやりたいんですよね。なにかをぶち壊すようなエネルギーを使っていきたいと思います。パンク・ロックが起こった時代のムーヴメントとか、白人でヒップ・ホップをやって道を切り開いたビースティ・ボーイズのような存在になりたいですね。

出典: ototoy.jp

6月1日
渋谷WWWにて「ゆるめるモ!主催ゆるフェスモ!」開催。
のんちゃんが開始直後にダウンし、ライブに出演できず。
またこの日、4月20日の初ワンマンライヴを収録したDVD「ゆるめるモ!初ワンマン&のんちゃん生誕祭 ゆるすぎちゃったらごめんなさい!」を会場物販50枚限定リリースでリリース。ゆるめるモ!初の映像作品となる。
6月6日
学業に専念するため、のんちゃんが休養を発表。ただしスタッフとしての参加は続行する。
7月10日
「ゆるめるモ!新メンバー世界同時募集」を開始。
6月15日
BELLING少女ハートとの共演「ベルめるモ!」として、横浜港船上での「ベルめるモ! ~少女たちのナイトクルージング~」に出演。

ゆるめるモ!「新メンバー募集CM」。

7月17日
デビュー・シングル「HELLO WORLD EP」、CDパッケージとしてタワーレコード秋葉原店での限定発売開始。
7月20日
新宿Red Noseにて「ゆみこーん生誕イベント」開催。
ところがゆみこーん自身、体調不良のために途中で退場してしまう。
8月4日
Tower Records秋葉原店にて「HELLO WORLD EP レコ発インストア」開催。
ゆみこーん復帰。
9月9日
のんちゃんが卒業を発表。
9月18日
ミニアルバム「New Escape Underground!」のリリースにより全国流通CDデビュー。
9月21日
オーディションでしふぉん、ようなぴ、ゆいざらす、あの、ちーぼうの5名が第3期メンバーとして加入。
Tower Records秋葉原店にて「New Escape Underground レコ発インストア」開催。
第3期新メンバーのお披露目が行われる。
9月22日
Tower Records秋葉原店にて「New Escape Underground レコ発インストア」開催。
のんちゃんの卒業ライブ。
9月25日
ディスクユニオン下北沢店にて「New Escape Underground レコ発インストア」開催。
これを機に「HELLO WORLD EP」のディスクユニオンでの取り扱いが開始される。
10月11日
新宿loftにて「ROAD TO NO MUSIC,NO IDOL」開催。
第3期メンバーのライヴ・デビューとなる。
12月1日
新宿Marzにて「ベルめるモ!ももぴ生誕祭『ミッションインピンク』200人集まらなかったら活動休止します!」開催。
279名集まったため、もね(ももぴ)の活動休止は回避される。
ちーぼう(ちー坊)が高校受験のため、活動休止。

2014年

1月22日
「箱庭の室内楽」とのコラボアルバム「箱めるモ!」リリース。
2月8日
ライヴDVD「ゆるめるモ!結成一周年記念 恐るべき子供たちがやってきた!~∞の軌跡~」を会場物販100枚限定でリリース。
4月12日
新宿Marzにて「ちー坊合格&生誕ライブ~8人だよ!全員集合」開催。
ちーぼう(ちー坊)が復帰。
4月23日
日本のテクノ・ユニット、HONDALADYのアルバム「LOOPER LOOPER」リリース。けちょん、もねが参加。また、のちに曲名と歌詞を変えてゆるめるモ!がカヴァーする「愚仮面」が収録されている)。
ロック・バンド「撃鉄」の楽曲「ろっぽんぎ」のミュージック・ヴィデオににあの出演

撃鉄「ろっぽんぎ」。

5月21日
ミニアルバム「Electric Sukiyaki Girls」リリース。
5月31日
ライヴDVD「大雪VS箱めるモ!激闘の記録」リリース。
6月9日
新宿duesにて「ゆいざらす記者会見」を開催。
ゆいざらす、8月9日のライブをもって卒業することを発表。
急遽アルバム名の変更を発表。
7月9日
初のフル・アルバム「Unforgettable Final Odyssey」リリース。

2014年7月9日、初のフル・アルバム「Unforgettable Final Odyssey」のハイレゾ配信開始を記念して行われた、音楽配信・情報サイト「OTOTOY」によるインタビューより。ゆるめるモ!の仕掛け人である、田家氏の人と成りの一旦を垣間見ることが出来る。

――リキッドルームでのワンマンを発表したことで、ゆるめるモ! が本気でフジロックや世界を目指しているんだってことが伝わってきました。NEU!とかESGをオマージュしたジャケットも、海外の人にもインパクトを与えるためなのかなと思ったのですが。

田家:まさにそうです。「なんでこんなにオマージュばっかりやるの?」とか「オリジナリティがない」とかって言われるんですけど、入り口としてわかりやすいと思うので、今は意識的に積極的にやり続けているんです。
――田家さんは、スコットランド出身のポップ・バンド、bisが好きだってことも名言されていますよね。

田家:bisが出てきたのって僕が大学生のときだったんですけど、打ち込みのローファイなトラックでキャーキャー言いながらデビューして、世界をまわって、いきなりグランドロイヤルと契約して、すげえ!! と思って。僕は追っかけだったんですけど、日本に来たとき、楽屋まで入っていったり、一緒にハンバーガーを食べに行ったりして(笑)。グランドロイヤルが好きだっていうのも大きくて、ビースティ・ボーイズ、チボマット、bis、ルシャス・ジャクソン、バッファロー・ドーターもいるって感じがいいなって。ニューウェイブだったらDEVOとか、ポストパンクだったらジョイ・ディビジョンとかトーキングヘッズとか、あとはクラウトロックもヒップホップもダンス・ミュージックもやりたいとか、好きなものが多くて欲張りなんです(笑)。

――グランドロイヤルにはどういう部分で惹かれたのでしょう。

田家:音楽もそうですけど、精神的な部分も大きいですね。いつまでたっても自分たちでやるDIY感だったり。僕はビースティではアドロックが大好きなんですけど、おちゃらけたスタイルで飄々とガシガシ攻めていくところだったり、あとは政治的なことをやったり、音楽を使ってのらりくらりと幅広い活動をするっていうのが大きいですね。

――今回はそんな田家さんのことを掘り下げていきたいんですけど、ご出身はどちらですか?

田家:東京の多摩のほうです。

――小さい頃の夢はありましたか?

田家:う~ん。父親が物書きだったので、朝スーツを着て出ていって、夕方帰ってくるみたいなスタイルを全然知らなくて。夕方まで原稿を書いていて夜ライヴにいったり打ち合わせにいったりするのが普通だと思っていたんです。仕事っていうところで考えたら、ぼんやり父親みたいに文章とか音楽にかかわるメディアにいくのかなと思っていました。大学に入って、お笑い演劇をしたり、自分たちで小さな劇団を作ったりもしましたけど、演劇はフットワークが重いので自分にあってないと思ってやめて、世界一周旅行に行ったりしました。

出典: ototoy.jp

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