ワイルドアームズ セカンドイグニッション(WA2)のネタバレ解説・考察まとめ

『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』とはメディア・ビジョンが開発したPlayStation用のゲーム作品。1999年9月2日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)より発売。略称は「WA2」。ジャンルはロールプレイングゲーム(RPG)。精鋭部隊"ARMS"に配属された主人公の青年アシュレーが仲間達とともに世界を救うために戦う物語を描く。「英雄」という言葉をテーマに複雑な人間関係が織り成すストーリーがドラマチックに展開されるのが大きな特徴となっている。

「ゴルゴダ刑場」という牢獄に閉じ込められたARMSは、過去の囚人が脱獄の際に利用したと思われる床の抜け穴から脱出を図る。その途中、ハルメッツの住民が閉じ込められた牢屋を見つけ、ジュデッカに銃を突き付けられて牢屋に閉じ込められたと話を聞く。大勢で行動をしてはリスクが大きいと判断し、先行してアシュレーが様子を見に行くことに。外に出るとジュデッカが待っていた。待っていたのは自分だけでは無いと言うジュデッカの言葉に、アシュレーが後ろを振り返ると、そこにはリルカとブラッドが磔にされ囚われていた。町の人を盾にされてしまい抵抗することができなかったと言うリルカ。全てはジュデッカが仕組んだ罠だったのだ。2人を助けようとするアシュレーに、ジュデッカは再びタラスクを召喚する。「抵抗しようと思うな。その時は、お仲間から殺しちゃうよ」とジュデッカに仲間を人質に取られ手も足も出せないアシュレー。ジュデッカの目的はARMSを派手に処刑することで、自分達の敵を排除すると同時にオデッサの恐怖をアピールすること。ハルメッツの住人を殺さずに捕えていたのはその瞬間の目撃者にさせるためだったのだ。タラスクになぶり殺しにされそうになった時、再びアシュレーの心の内から声が響く。「今、お前に必要なのは望むこと、欲すること…」というその声に、「…そうだ、僕は『力』が欲しい…どんな逆境も跳ね除けられるだけの『力』が…」と答えるアシュレー。その瞬間、ハルメッツの町でタラスクを吹き飛ばした閃光がアシュレーを包み込む。危機を感じたジュデッカは人質を始末しようとするが、リルカとブラッドの2人は以前出会ったマリアベルが救出していた。マリアベルはアシュレーを包む光の正体を知っているようだった。予想外の事態にその場から逃げ出すジュデッカ。やがて光が収まるとアシュレーは異形の黒騎士に姿を変えていた。自分の身に何が起きたのか分からないアシュレーは、それでも戦うことができることは分かっていた。黒騎士の圧倒的な力によってタラスクを撃破したアシュレーだったが、力を使った反動でその場で倒れてしまう。アシュレーに何が起きたのかと困惑するリルカに、「『力』だけじゃない、何かを背負っているということだ」と答えるブラッドだった。

ハルメッツの住人を救うという任務を達成することはできたことで、ARMSはシルヴァラントの女王からライブリフレクターの使用権を認められることになった。ライブリフレクターの使用権について正式な手続きを行うために訪れていたアーヴィングから先に帰るよう言われ、城の出口に向かったARMSはそこでハルメッツの住人達に迎えられる。住人達は自分達を助けてくれたARMSを「英雄」と称える。初めて英雄と呼ばれ戸惑いながらも嬉しがるアシュレー。

その頃、ヴィンスフェルトはアンテノーラからジュデッカの作戦が失敗したことと、タラスクが異形の黒騎士によって大破したという報せを受ける。黒騎士がARMSの切り札なのかと推測するが、「カイーナの降魔儀式によって戦力は無限に増員できるため、圧倒的な戦力差で一気に叩き込めばいい。私は欲しいものは必ず手にしてきた…権力(ちから)も、お前も、そしてファルガイアもこの手に…」とアンテノーラに言うヴィンスフェルト。続けてヴィンスフェルトは別命としてアンテノーラに「ガーディアン計画」遂行のためにある少年の確保と、今夜は自分の側にいるよう命じるのだった。

一時休暇が取れたアシュレーは、マリナに会いにタウンメリアに帰っていた。アシュレーは自分達のやっていることや今までの活躍を話す中で、先日「英雄」と呼ばれたことを誇らしげに話すが、マリナは「アシュレーの言ってるそれって『英雄』なの?私にはそう聞こえないよ。確かに今、ファルガイアに大変なことが起こっているわ。でもそれはアシュレーが…『英雄』が何とかしなくちゃいけないの?だとしたら『英雄』って人の力でどうしようもないことに捧げられる『生け贄』みたいなものじゃない。アシュレーを『英雄』って言った人達は、自分達で何とかする努力とか、責任を放棄しただけじゃないの?」と指摘するマリナ。「『英雄』って『生け贄』をそれらしく飾っただけの呼び方だとしたらわたしは、嬉しくないよ…わたしの大事な人がそんなふうに呼ばれることが」と続けて言いマリナは、感応石を持っているのにアシュレーとのすれ違いや、お互いの距離が遠くなることを感じるのだった。

柱の少年

科学者を自称するトカ(左)と助手のゲー(右)。成り行きからARMSとともに行動することになる。

3日後、シャトーに集まっていたアシュレーは、次の任務の説明を聞いている最中にマリナと会話した時の出来事を思い出していたが、リルカに呼ばれて我に返る。改めて任務の説明を聞く前、側にいたマリアベルのことをアーヴィングから紹介される。彼女は遺失科学の権威であり、文通をきっかけにアーヴィングと知り合って以来、外部顧問としてARMSに協力しているとのこと。続けてマリアベルから、アシュレーが変貌した姿が「ナイトブレイザー」という名の焔のエネルギーを発する異形の黒騎士であること、オデッサの降魔儀式から生還した際、アシュレーの内的宇宙に宿した魔神の能力と、その時に消失したガーディアンブレード、アガートラームという相反する2つの力がギリギリのせめぎ合いの中で奇跡的な均衡を作り出しているという説明を受ける。神聖なる力と、邪悪なる力、そして人の心を備えた異形の黒騎士がナイトブレイザーであり、それはもう1人のアシュレー自身であるのだ。当面はアガートラームの制御により問題は無く、目の前の脅威、オデッサを相手にしていればいいと語るマリアベルに、自分のことを知っているのかと聞くアシュレー。「乙女の秘密を詮索するでない」とはぐらかされたため、改めて次の任務の説明に移ることに。
マリアベルによると、オデッサが所有するバルキサスは「ロストテクノロジー」という失われた技術が使われており、これに対抗するため、こちらも同等、もしくはそれ以上の戦力を持つことを目的にロストテクノロジーを復活させる必要があるとのこと。そのために必要不可欠となる2つのエネルギー結晶体「アグエライト鉱石」と「ゲルマトロン鉱石」を入手することが次の任務だとアーヴィングから説明され、ARMSは2つの鉱石を入手するべく出発した。

「ホルスト」という町の鉱山でアグエライト鉱石を手に入れるARMS。ブラッドによるとアグエライトとゲルマトロンの2つは先史文明を支えていたエネルギーの高密度結晶体で、どちらもロストテクノロジーの再生に用いられるとのこと。その輝きは滅びを導くほどの力があり、だからこそ人は求めようとしている。「アーヴィングはそんなことのためにこれを手に入れるんじゃないよね?」と心配するリルカに「力そのものに善悪なんてないと、僕は信じている、大事なのはそれを使う人の心だと…信じている」と答えるアシュレー。目的を果たしたARMSはもう1つのゲルマトロン鉱石を求めて次の目的地へと向かった。

ゲルマトロン鉱石がある「レイライン観測施設」に入ると、奥から闇を切り裂く怪しい悲鳴が聞こえてくる。あからさまに怪しいが、聞いて聞かぬふりをするのはまずいと判断し、奥に進むと、トカゲのような姿の2人組がモンスターに襲われていた。一先ず助け出してそのまま進もうとすると、聞いていないにもかかわらず2人組は勝手に自己紹介を始める。名前は「トカ」と「ゲー」で、それぞれ科学者とその助手とのこと。レイライン観測施設の一帯は火山帯であるため、無駄に放出される地熱を温泉に平和利用して儲けようとしていることを話すトカ。「立派な心掛けです。僕達には理解できませんが…」と言いそのまま進もうとするアシュレーに対し、「置いてかないでーッ!ここはひとつパーティーの戦力アップというのはどうであろう?」と泣きついてきたため、ARMSと同行することになったトカとゲー。

施設の中は数多くのトラップが仕掛けられていたが、トカやゲーの身体を張った行動によりゲルマトロン鉱石が置かれている部屋に辿り着く。すると急に「我輩の探し求めたゲルマトロン鉱石だ」と言い始めるトカ。実はトカとゲーは、オデッサの構成員であり、ゲルマトロン鉱石を利用して大怪獣を楽々量産しようとしていた。そのために連れてきたモンスターが暴走して襲われていたところをARMSに助けられたとのこと。その事実を勢い余って語ってしまったトカは、ゲーとともにゲルマトロン鉱石をARMSから奪おうと襲い掛かってくる。2人を撃退すると「おのれ、おのれ…ブルコギドンさえ完成していれば…」と捨て台詞を残して去っていった。

色々あったがどうにか2つのエネルギー結晶体を手に入れたARMSはヴァレリアシャトーへ帰還する。アグエライト鉱石とゲルマトロン鉱石がロストテクノロジーの産物である「エマ・モーター」が起動できるとのこと。マリアベルによるとエマ・モーターは電磁連結を応用した一種の永久機関であり、決してエマさんという人物が発明したからその名前がつけられたわけではないという。アーヴィングとマリアベルはエマ・モーターの再起動に取り掛かるため、ARMSは次の任務まで各自自由行動となった。準備完了後は大きな戦力として世界を支える力と呼ばれる「ガーディアン」との接触を試みると語るアーヴィング。戦いの規模が大きくなっていくことに「自分達の力でどこまで受け止めていられるのだろう」というアシュレーに「全部受け止めなくてはいけないんだ。もしも、怯むようなことがあれば人々が送るささやかな日常は世界の果てまで後退ることとなる。そうさせないためのARMSだ」とアーヴィングは答えるのだった。

久々にタウンメリアにアシュレーが帰ると、トニー達3人の少年組が怪しい集団に襲われていた。3人を助けたアシュレーは、その集団の狙いがティムであることを聞かされる。集団はアシュレーを相手にするのは分が悪いと悟ったのかその場から逃走する。直後、タウンメリア上空付近にバルキサスが迫っているとの通信が入る。オデッサの戦力が空中にある以上手が出せないと言うアシュレーだったが、アーヴィングには迎撃策があるとのことで、アシュレーは急いでヴァレリアシャトーへ帰還する。

オデッサの目的は怪獣を使って町を混乱させた隙に「柱」を手に入れることであり、「アルファエル」と呼ばれる鳥の怪獣を解き放つ。ヴァレリアシャトーへ帰還したアシュレーは、リルカとブラッドからシャトー内のエリア51に集まるよう言われる。そこは立ち入り禁止区域となっていたが、アーヴィングが解放したとのこと。アシュレー達がこれからアーヴィングが何をするのか疑問を抱いていると、ヴァレリアシャトーがエマ・モーターによって浮上し始める。これにより空中戦が可能となり、オデッサを迎え撃つため、解放したエリア51でアルファエルを迎撃するようARMSに指示をするアーヴィング。怪獣を撃退するとオデッサは既に撤退しており、敵の狙いがティムに秘められた力であることを知る。そのため、ティムを保護することになったARMSは彼をヴァレリアシャトーまで連れて行くことに。
ティムに秘められているのはガーディアンの力を目覚めさせる力であり、その力の謎を知るためにヴァレリアシャトーでティムの生まれ故郷である隠れ里「バスカー」へ向かうのだった。

バスカーはガーディアンを崇拝する民が住まう隠れ里であり、12年前にティムが生まれた故郷でもある。だがティムは物心ついた時には既に母親と2人で旅をしていたため、里のことを何も覚えていないとのこと。ティムが生まれた当時の背景を聞くために里の代表である里長に会いに行くARMSとアーヴィング。その間ティムは村の中を見て回ることに。里長に会うと、ティムはガーディアンの巫女「サブリナ」の1人息子であることを聞かされる。サブリナはかつて里を訪れた冒険者「渡り鳥」と恋に落ち、子を宿す。その子供はティムと名付けられ3歳まで育てられるが、冒険にて受けた怪我が原因で父親が亡くなったのを境にサブリナの様子が一変したとのこと。サブリナは幼いティムを連れて村を出奔し、その後の行方は分からなくなったという。アシュレーはサブリナはタウンメリアを訪れた後そこで亡くなり、それ以来ティムはタウンメリアで暮らしていたと語る。里長も長年に渡りティムの行方を探っていたためそのことは知っていたと話すが、何故そんなことをしていたのかと質問するリルカ。ティムは世界を支えるガーディアンの力を具現化させる「柱」の資質を持った存在で、サブリナより引き継いだ「柱」の才が強く見られていたという。里長によると里にはもう1人「柱」の資質を持つ者がいるとのこと。

一方、里を見て回っていたティムは、とある民家で母親が持っていた物とそっくりの物を見つける。するとその家に住む1人の少女がやってくる。少女は「コレット」という名前で、2人のもとにやってきた里長によると彼女はもう1人の「柱」の後継者だという。ティムが持っていたミーディアムに秘められた力が世界を支える力を具現化させる媒体となりうることであり、そのためには「柱」の能力が必要不可欠であったが、ティムはまだ「柱」ではなく、完全な「柱」として覚醒するためには試練を受けて能力を継承する必要があった。しかし試練の場には多数のモンスターが棲みついており、万が一適性が不十分だった場合、ガーディアンを受け止められない可能性があるとのこと。「ティムのような幼い少年にそこまで要求する必要があるのか」と質問するアシュレー。「もっと修練を積めば『柱』となるのにふさわしい資質が備わるかもしれないのに、今、ティムが『柱』とならなければいけない理由があるのか」と聞くと、里長は「里の夢見がガーディアンの神託を夢の形で受諾しており、彼が見た夢は『空が喰われる』という奇怪なものだった」と語る。それが吉兆なのか凶兆なのか、未だに答えはでていないが、全てが遅すぎる事態へとなる前に「柱」を覚醒させたいのだという。「柱」の力を受け継ぐには本人の意思も必要となっているがティムは自分には無理だと拒絶する。その場合コレットが「柱」を受け継ぐ必要があるが、彼女はティムほど「柱」として資質には恵まれていなかった。だが他に方法は無く、もしコレットが後継者として相応しくなかった場合は、夢見の出来事が現実に起こることが考えられた。それを里長から聞いたティムは、コレットを危険な目に遭わせないため、それ以上に誰かの役に立ちたいという思いで「柱」の後継者になることを選ぶ。試練の場の最深部に控えているガーディアンを奉る神殿部、通称「壁」には後継者の資格を持つ者しか入れないが、そこまでは誰でも立ち入ることができるため、ティムを護衛するためにARMSはともに試練の場に向かうことになった。

試練の場の入口まではコレットに案内してもらったティム達。試練を受けようとするティムを励ますために呼び止めたコレットは、近くに誰も知らないお花畑があると伝える。ティムはコレットに帰ってきたらお花畑を見せてもらうことを約束し、先へ進む。中に入ると、「プーカ」と名乗る1匹の「亜精霊」がティムを待っていた。プーカの名前を聞いたことがあるブラッドは「個」という意識レベルが低いために他の情報マトリクスを取り込むことでその姿、特性をコピーできる変身亜精霊という存在がプーカであると語る。プーカはガーディアンからティムを案内する役目を任されており、ティムとともに行動することになった。試練場の奥まで進み「壁」と呼ばれる場所に辿り着く。そこから先はティムとプーカのみで進んでいく。最深部に着くと、ティムが持つオードリュークのミーディアムが輝きを放ち始めた。「柱」の後継者として相応しいかを証明するため、ガーディアンの力を呼び覚ますことが試練だった。ミーディアムの情報マトリクスをプーカがコピーすることでガーディアンの力を具現化することに成功するティム。試練に用意された怪獣を撃破し、正式な「柱」の後継者となったことに喜ぶティムは、「壁」の前で待っていたARMSのもとへ戻り試練を果たせたことを報告する。その後、入口で待っていたコレットに試練が終わったことを報告すると、2人で約束したお花畑を見に行くことに。そのお花畑はコレットがまだ誰にも教えていなかった場所で、初めて教えたのがティムだった。ティムが自分の代わりに試練を受けてくれたのだと感じたコレットは、自分の1番大事なものを教えたかったとティムに伝える。2人は寄り添いながらお花畑を眺めるのだった。

「柱」を受け継ぐための試練が自らの命をガーディアンに差し出すことを知るティム。

その日の晩、里長の家に泊まっていたティムは未だに自分が試練を果たせたことに興奮して寝付けなかったため、1回に降りてみると別室から里長を含む村人達の話し声が聞こえる。「柱」、それは「人柱」であり「ガーディアンの力を得るために不可欠な生け贄だ」と語る里長。サブリナは自分の息子を「柱」としないために里から出奔したのが始まりであり、以来、里長達は彼女の息子を求めてファルガイア中を探し回っていたが、今日ティムが「柱」となったことで、彼の命を犠牲にすることでガーディアンの力を世界に満たすことができるようになった。「死するために、生きてきた命…我々の欲してきた『柱』によってこのファルガイアは守護されるのだ」と里長は語っていた。困惑するティムのもとにプーカが現れ、自分が「柱」として命をガーディアンの生け贄に捧げられたことを知らされる。その事実に怯えるティムに気付き里長達が別室からやってくる。「死ぬんですか…?ボク、死ななきゃいけないんですか?」と里長達に問いかけるティムに、里長達は「ファルガイアを守るためには誰かが犠牲にならなければいけない時があるんだ、分かってくれ、ファルガイアのために死んでくれ」「俺には家族がある。世界を滅ぼすわけにはいかないんだ。頼む、死んでほしい…」「君の命が欲しい…そうしないとファルガイアが滅びるかもしれないんだ」「死んでくれ、死んでほしいんだ、死ぬんだ、死んでしまえ、死ね」と追い詰めていく。

翌日、「柱」の詳細を知ったアシュレーはヴァレリアシャトーの応接室で里長に怒りをぶつける。口論を続けていると突然ヴァレリアシャトーの2番隔壁が大破され、何者かがシャトー内に侵入したとの通信が入る。ヴァレリアシャトーの建材は「デ・レ・メタリカ」を紐解いて精製した特殊鋼を用いられており、その隔壁を破壊して侵入できるのはオデッサしかいなかった。捕捉された侵入者の正体はアンテノーラとジュデッカの2人であり、目的は「柱」であるティムを確保することだった。このままでは被害がバスカーたちの隠れ里にも及ばないと判断したアーヴィングは、ヴァレリアシャトーの高度を上げて侵入者をシャトー内に封じ込めることを判断する。ARMSも迎撃のため出動するが、発見できたのはアンテノーラのみだった。ジュデッカは既にティムのもとに向かっており、彼女はARMSの足止めするための時間稼ぎをしていた。目的を果たしたアンテノーラは姿を消し、ARMSも急いでティムのもとへ向かった。
ヴァレリアシャトーに用意された自室で、自分自身の宿命に怯え続けるティム。すると何処からかコレットの悲鳴が聞こえる。コレットを守りたいと思うが、恐怖で動くことができないティムのもとに、こっそりシャトー内に乗り込んでいたトニーとスコットがやってくる。「あんちゃん達と一緒に戦いたかったが自分達ではどう頑張っても足手まといになってしまう」と言う2人。「でもティムの力なら何とかできるだろ。俺達の代わりに、少年ARMS代表としてあんちゃん達と一緒に戦ってくれよ」とティムに言うトニー。「ボクは、何をしたらいい?」と聞くティムに「自分のしたいことだよ。無理なんかしなくていいんだ、みんな本当にしたいことは何とかできるようになってるもんだ」とトニーに激励され、ティムはコレットのもとへ走るのだった。

ジュデッカに襲われているコレットと里長を間一髪救出し、ティムはジュデッカを撃退する。しかし撤退する直前、ジュデッカは召喚トラップを利用しヴァレリアシャトーのカタパルトに怪獣を召喚していった。ティムと合流したARMSは怪獣を討伐しようとするが、オペレーターの「ケイト」と「エイミー」より、怪獣の体内から爆発物の反応が検知されたとの通信が入り、アーヴィングによると怪獣が分泌する体液からは揮発性の高い液体爆薬に似た成分が多量に検出されていた。アシュレーが以前枯れた遺跡で戦った怪獣と同じタイプの怪獣兵器であるため、その場で倒してしまったらヴァレリアシャトーにも甚大な被害が及んでしまうが、怪獣はカタパルト上に召喚されていたため、怪獣を弱らせた後に捕縛し、そのままカタパルトで強制射出する作戦を遂行することを指示するアーヴィング。アシュレーはアーヴィングに危険だから避難してほしいと言うが、「わたしも指揮官だ、一緒に戦う以上ここを離れるわけにはいかない。諸君らを信じている、だから見事作戦を遂行してほしいッ!」とアーヴィングは拒否する。何とか足止めには成功するが、捕縛用に発動した檻が破壊されてしまう。するとアシュレーは突然前に出て怪獣を押さえ始める。「信じてくれたんだ、こんな形で終わらせないッ!」とアシュレーが叫ぶと同時に、カタパルトが射出される。射出される瞬間、アシュレーは「アクセスッ!!」と叫び、飛ばされた怪獣は空中で大爆発を起こした。
ボロボロの状態となっていたが何とか生きていたアシュレーを、アーヴィングは支えながら歩いていた。アーヴィングの身体を気遣い1人で歩けるとアシュレーは言うが、「一緒に戦いたいんだ」とアーヴィングは拒否する。「こんな身体だが一緒に戦いたいんだ、ファルガイアを守りたいという気持ちは誰にも負けるつもりはない」と言うアーヴィングに「一緒に戦っているじゃないか」と答えるアシュレーだった。

バスカーの里に戻った里長は、ティムが「柱」として優秀な資質を持ち、必ずガーディアンの力をファルガイアに具現化できると言うが、ティムはそれを拒絶する。しかしファルガイアを何とかしたいという気持ちや大切なものを守りたいと言う気持ちを持っているティムは「だから僕は戦っていきたいんです。だからこそ、生きていたいんです。『死ね』と言われて本当に死んでしまうほどボクは弱くなんかないッ!!」と伝える。ティムの気持ちを理解したアーヴィングはティムをARMSに迎え入れることにした。里長は「他者の手で『柱』の命を絶っても何の意味もない、『柱』たる身が己が良しで命を捧げなくてはガーディアンの力を解放できないのだ」と言いアーヴィングの判断に従った。ティムは誰にも死んでほしくないこと、また遊びに来ることを里長とコレットに伝えて去っていく。そんなティムの姿を見て「我が娘サブリナよ、お前の子供は私を赦してくれるのか…」と里長は呟くのだった。

今後のオデッサの対策のためにメリアブール王国のもとに向かったアーヴィングは、メリアブール王にメリアブール、シルヴァラント、ギルドグラードの3国の盟主を一同に集めてオデッサの問題について検討しようとファルガイアサミットを開催することを提案する。サミットの開催地はヴァレリアシャトーとなり、ARMSはオデッサの襲撃に備えサミットの防衛を行うことになった。
サミットの議題は、世界規模に発展してきているオデッサとの戦いのために、現状のARMSの権限では多すぎる活動制限の緩和と、国家間問題を解決すること。メリアブール王とシルヴァラント女王は賛同するが、ギルドグラードの盟主であるギルドグラードマスターはARMSに越境権限を与えることに反対する。今や最強の戦力といえる部隊が何の制限もなく国家間を行動することは、合法的なテロ活動だということがギルドグラードマスターの主張だった。ギルドグラードマスターは「各国の軍備強化を行い、オデッサを上回る防衛力を持てばいい」と言うが、メリアブール王に「イスカリオテ条約」によって軍備の制限があることを指摘される。今は有事だとギルドグラードマスターは反論するが、「そういった考えでかつて塩に飲まれてしまった「スレイハイム」という国があったことを忘れていないはずだ」とシルヴァラント女王は言う。サミットが一向に終わらない中、アーヴィングのもとにレーダーにてオデッサの飛空機械バルキサスの高熱源反応を捉えたという通信が入る。オデッサを迎撃するため、ARMSはヴァレリアシャトーに備え付けられた巨大アンカーを用いて、バルキサスに攻め込むことに。任務の目的はバルキサスの機能を停止させることと、帰還の際に再びアンカーを用いて脱出すること。全ての動力制御装置を停止させアンカーに戻ろうとすると、トロメアが姿を現す。彼は部下をバルキサスから脱出させるための時間稼ぎをするためにARMSの足止めを買って出たのだ。目的を果たしその場から去ったトロメアだったが、既にバルキサスは墜落寸前の状態だったため、ARMSはトロメアを追わず脱出を目指す。このまま墜落してしまってはアンカーで繋がったままのヴァレリアシャトーも巻き添えになってしまうと判断したアシュレーはアーヴィング連絡し、アンカーを切り離すよう頼む。その後、バルキサスを胴体着水させるためにARMSはコックピットへ向かった。幸いブラッドがバルキサスの操縦ができたため、無事にバルキサスを胴体着水させることに成功した。

今回の1件でギルドグラードマスターを含めサミットに参加していた人間全員にオデッサの脅威が伝わったため、サミットは順調に進むようになった。まだ完全に協力体制に入ったとは言えないが、海を移動できる高速水上挺「ホバークラフト」をギルドグラードから提供してもらうことはできた。ARMSの次の任務は、オデッサの足取りを追うために海に堕ちたバルキサスに搭載されていた3つのデータタブレットを回収すること。早速ホバークラフトで3つのデータタブレットを回収すると、機密保持のためにかけられているプロテクトを解除するために学術研究が進んだ町「シエルジェ自治領」にて解析を行うことを提案するアーヴィング。問題はシエルジェには陸路や水路から向かうことはできず、ヴァレリアシャトーでも発着場が無いため降下することができないこと。シエルジェ出身のリルカは「シエルジェに向かうより別の方法でタブレットの解析をした方がいい」と提案するが、話を聞いていたメリアブール王から「ダムツェン地方のポンポコ山から鉱石の搬出用に、シエルジェに通じるトンネルが掘られていたはずだ、ダムツェンの鉱員かしらを訪ねてみるといい」と提案される。トンネルからシエルジェに向かうことになったが、リルカは何故か乗り気ではなかった。

結界の中に存在する町であるシエルジェに着くと、リルカは急いでデータタブレットを解析するよう急かす。そわそわしているリルカに挨拶に行くようアシュレー達が勧めていると、1人の少年が近づいてくる。少年はリルカの知り合いのようで、彼女のことを家出娘と呼んだ。リルカが家出をしていたことに驚くアシュレー達。彼女がシエルジェに来ることに乗り気ではなかった理由はこのためだった。少年は「テリィ」と名乗りリルカと同じ学校の同級生であると自己紹介をするが、リルカによると自分より魔法の成績はいいがやたらとちょっかいを出してきたり、たまたまリルカの方が試験で良い点を出して以来、勝負、勝負うるさい嫌な奴とのこと。アシュレー達が目的を話すと、テリィからデータタブレットを解析してくれる担当技術者がいる教室へ話を通してもらうことに。担当技術者の「マクレガー」にタブレットを解析してもらったところ、データタブレットにはオデッサのアジトの情報が保存されており、一部破損しているため完全な解析にはもう1日掛かるとのこと。また、オデッサのアジトは大規模なエネルギープラントであることが判明しており、高質量のエネルギー精製データがタブレット内から伺えていた。そんな危険な場所をアジトにしたらもしもの時に大変なことになってしまうが、危険を冒してまでアジトにしていた理由は手っ取り早くエネルギーの確保が必要であるということを意味していた。先んじて行動が取れると判断し、アジトの場所が判明次第、ARMSはプラントの機能を停止させる作戦を取ることに。エネルギープラントの機能停止が爆破させることであると考えたリルカは、それにピッタリのものがあったことを思い出す。その時、テリィがリルカの身を案じて「こんな危険なことは君はやめた方がいい」と話しかけてくる。大丈夫だと返事をするリルカにテリィは「リルカは…君のお姉さんとは違うんだぞ」と言ってしまう。リルカにとってそれは地雷となる言葉であり、ただ一言「…だいきらい」と返すのであった。

その日の夜、リルカは宿に泊まっていたアシュレーをシエルジェにある博物館の2階へと連れて行く。その時間のその場所はリルカが大好きな人にしか教えない特別な場所であり、よく姉と2人で忍び込んでいた。シエルジェの誰もが将来を期待していた姉であり、リルカが大好きだった姉は、魔導器の実験途中に事故を起こして他界していることをアシュレーに話すリルカ。「お姉ちゃんが絶望的だって知らされた時すごく悲しかった。大好きな人と遠く離れてしまうのがこんなに悲しいのなら、もう誰も好きにならないって決めたの」「アシュレーは遠くに行ったりしないよね?アシュレーや他のみんなも大好きだから、約束してよ。でないとわたしは一生誰も好きになれないよ」と語るリルカにアシュレーは「約束するよ、僕もみんなが大好きだからな」と答える。するとリルカは「ホクスポクスフィジポス」と姉に教えてもらった災いを退けていつも笑顔でいられるおまじないを唱え、「わたしも、お姉ちゃんみたいになるんだ。誰かを笑顔にさせるおまじないを見つけるんだ」と言う。そんなリルカをアシュレーが励ました後、リルカはアシュレーに「プラントをやっつけるバッチリのアイテムがあるんだよッ!」と言ってそのまま1階に降りた。爆発の衝撃を異空間に転送する魔法爆弾があり、それを拝借しようとしていたリルカに、アシュレーはプラントを爆破させようとしていたのかと驚く。その時、突然警報が鳴り響く。リルカはまだ何もしていなかったため、データタブレットに何かあったのだと判断したアシュレーは急いでマクレガーのもとに駆け付ける。解析していたデータタブレットは3つとも盗まれてしまっており、報告を受けていたアーヴィングはオデッサの仕業だと判断する。データタブレットから検知される固有パターンから位置の特定ができたため、ARMSは追跡を行うことに。オデッサは「ゲートブリッジ」を抜けようとしていたため、マクレガーからゲートの鍵を受け取り追跡を開始する。アシュレーは何故タブレットの解析を試みていることや、自分達がシエルジェにいることを知られていたのかを疑問に思う。ふと脳裏に「まさか、内通者が…」という考えがよぎるがアシュレーは直ぐに否定した。シエルジェを出発する直前、テリィは異世界に爆発の衝撃を転移させる魔法爆弾「バイツァダスト」をリルカに渡す。「無事に帰ってこいよ、帰ってきたら僕と勝負するんだッ!」と言うテリィに「わたしも負けないから」と答えてリルカは出発した。

道中、トカとゲーの妨害を受けながらもゲートブリッジを渡ると、データタブレットが北西の方角へ移動しているとの通信が入る。ブラッドはオデッサがグリーンヘルという森を抜けようとしていることに気付く。グリーンヘルは5年前にブラッドが逃亡していた森であり、そこを抜けるとセボック村が存在する。セボック村に着くと、ブラッドの足元に1匹の犬がじゃれついてくる。すると犬の鳴き声を聞いた1人の少女も近づいてくる。少女がブラッドの姿を見て驚くと、ブラッドは犬と少女が5年前に出会った子犬ラッシュと傷の手当てをしてくれた少女メリルであることに気付く。メリルは5年前にブラッドが捕まった後、何故ブラッドが「英雄」と呼ばれていたのか、何故「英雄」が追われていたのかを知った。
また、ある男をブラッドに会わせたかったとのことで、メリルによると、ブラッドが連れて行かれた後、ラッシュが森の中で倒れていたのを発見し、ブラッドと同じスレイハイム解放軍の人間であったとのこと。その男の姿を見たブラッドは、男が「ビリー・パイルダー」という名前でブラッドの親友であることを明かす。ビリーは怪我と高熱で記憶が混乱しており、自分のことをブラッド・エヴァンスだと呟いていたという。ブラッドはメリルに感謝したあと、メリルとアシュレー達に自身が参加したスレイハイム解放戦について語り始める。

スレイハイム国では民意を無視した軍事力増強政策を推し進めており、その政策に反発を覚える者が各地で武装蜂起を行うが、散発する程度で大きな勢力には至らなかった。そんな時、1人の男が現れ反対勢力を束ねあげてスレイハイム解放軍を結成した。その男の名はヴィンスフェルト・ラダマンテュス。ブラッドのかつての上官であり、現在はオデッサの首魁となっている男だった。少数だった解放軍が各地で正規軍を打ち破っていったのはヴィンスフェルトのカリスマ性と、英雄ブラッド・エヴァンスと仲間達の活躍の活躍があったからだった。ブラッドとビリーの2人はいつも一緒だったが、ファイナルオペレーションの際ビリーは行方不明となり、生き残った解放軍とブラッドはヴィンスフェルトの裏切りに遭い、内戦の全ての責任を負わされ戦犯として追われる身となってしまった。話を聞いたメリルはブラッドが悪い人ではないということを分かっていた。アシュレーが何故そんな大事なことを黙っていたのかと聞くと、ブラッドは「これは、俺と奴の問題…ケリは俺の手でつける。そう考えていた…俺の私怨にお前達を巻き込むつもりはなかった」と答える。「わたし達、ARMSの仲間なんだよね?昔、ヴィンスフェルトとブラッドが一緒に戦った仲間だったとしても今は違うんだよね?」とリルカが聞くと「ああ、今の俺はオデッサと戦うARMSのブラッドだ」と答えた。
3つのデータタブレットはラッシュが見つけてきてくれていたが、追跡に気付かれたのか全て破壊されていた。セボック村の先には海があり、オデッサが海を渡って隣にあるかつてスレイハイム国だった大陸に渡ったと考えたARMSは、破棄され無人となった施設を拠点にしている可能性を予測する。その周辺には「クアトリー」という町があるため、ARMSはそこで情報収集をすることになる。

疑心

アシュレーを付け狙う女渡り鳥カノン。

クアトリーは砂漠の大地と塩の大地に挟まれた大地の亀裂、ビッグバレーにかけられた石の橋の上にできた町。町で情報収集をしていると片目の女性が話しかけてくる。女性はモンスターを退治を専門とした凶祓(まがばらい)を行っている渡り鳥で、廃城となったスレイハイム上にて凶祓を行うため、同行者になって欲しいとアシュレーに伝える。女性は「カノン」と名乗り、アシュレーの返事も聞かずにその場から去った。カノンはアシュレーのことを知っているような口振りだったが、アシュレーに心当たりは無かった。更に情報収集を進めると、町の人々からブラッドによく似た人物がオデッサとともに行動をしていたという目撃証言を得る。その日の夜、アシュレーはブラッドにスレイハイム城のことを聞こうとしたところ、ブラッドが見知らぬ男と密会している場面を目撃する。戻ってきたブラッドに何処に行ってたのかを聞いても、ブラッドはアシュレー達に一言謝った後、スレイハイム城の位置だけを伝えるだけだった。何も言ってくれないブラッドに疑心暗鬼となりかけるが、それでもアシュレーはブラッドを信じようとしていた。

スレイハイム城に着くが、カノンはまだ来ていなかったため、しばらく城内を探索して時間を潰すことに。ブラッドはかつてのスレイハイム解放戦の出来事を思い出していた。ブラッドが常に一緒に行動していた親友のビリー。隊のほとんどが負傷者となった状況でも、弾薬も心許ない状況となっても、ビリーは勝利を信じて戦っていた。戦いの末、ついに解放軍は勝利を収めるが、逃走していたスレイハイム王が「エンゼルハイロゥ」の起爆スイッチを作動させてしまう。エンゼルハイロゥはイスカリオテ条約にて使用を禁止されていた天使兵器と呼ばれる旧世代の兵器であり、その威力はスレイハイム国の国土全てを塩の原野と化してしまうほどのものだった。解除コードを聞き出そうとするも、スレイハイム王は既に自害してしまっていた。部下の報告を聞いたビリーは「俺が止めよう…」と言い出す。「何を馬鹿なッ!お前がいなくなったら」とブラッドが言うが、「むざむざ無駄死にするつもりはない。お前には返してもらうものがあるからな…」とビリーは答える。ブラッドは力ずくで止めようとするがビリーに当身され気絶してしまう。ビリーは「ヴィンスを頼んだぜ」と言い残しその場から去っていった。
それがブラッドとビリーの最後の作戦だったが、エンゼルハイロゥの光爆を受けてもビリーは生きて帰ってきた。ブラッドは戦いが終わった時、彼から預かったものを返すために生きなければならないことを決意するのだった。

スレイハイム城の入口に戻ると、ARMSのもとにカノンが現れる。カノンの狙いは初めからアシュレーであり、彼女はオデッサに雇われていた。しかしアシュレーを狙う理由は自身の身に流れる「血」の宿命であり、アシュレーの身に潜む「魔」を狩ることであると言い襲い掛かってくる。どうにかカノンを撃退するが、カノンはまだ諦めておらず「貴様がどこへいようとも追いかけて、追い詰めてやるッ!それまでは貴様も生き延びろ」とアシュレーに言う。最後に「ヴィンスフェルトが言うに5年前の英雄は左利きらしいぞ」と言い残してカノンは去っていった。

クアトリーに戻り、ARMSはアーヴィングより「巧みにジャミングされているが砂漠のエリアにて時折特殊なエネルギー波形が確認されている」という報せを受ける。そこがオデッサの拠点であると考えられ、ARMSは砂漠エリアを探索することにする。探索の結果、そこはオデッサの拠点「アルケミックプラント」であることが判明しARMSはプラント内に乗り込む。一方、ARMSがプラント内に潜入したとの報告を受けたヴィンスフェルトは、アンテノーラにプラントの守備を任せ、自身はトロメアと合流し「ヘイムダル・ガッツォー」へ向かうことを告げる。そしてアンテノーラに近づくと「この私を怨んでいるか?」とアンテノーラに言うヴィンスフェルト。「私が何も知らぬと思うたか」と言うヴィンスフェルトに何も答えられないアンテノーラ。続けてヴィンスフェルトは「お前の心が手に入らぬのならこの世界とて望みはしない。私を仇と思うのなら今ここで手にかけるがよい」と告げる。アンテノーラは「お急ぎください、ヴィンスフェルト様…ただ今よりARMS迎撃の任にあたります」とだけ答え、ヴィンスフェルトを見送った。ヴィンスフェルトが去った後、アンテノーラはその場で泣き崩れるのだった。

ブラッドはアシュレー達を先に脱出させ、首筋に埋められた小型爆弾ギアスを使いプラントを爆発させる。

プラント内を探索している途中、施設の管理を行うために必要な機械を発見するARMS。機会を使って敵を混乱させるため、ブラッドは自分が機械の操作を引き受けるのでアシュレー達に先に進むよう伝える。最深部で落ち合うことを約束し、一時別行動をすることになったが、アシュレーはブラッドを1人残して大丈夫だろうかと疑念と不安を抱いていた。
セキュリティを突破し最深部に着くとそこにはアンテノーラとオデッサの構成員と思われる人物達がいた。アンテノーラがアシュレー達の情報が筒抜けだったことを告げると、部屋の奥からブラッドが現れる。アシュレーは疑う余地すらないのかと呟くが、直後周囲の構成員達の姿がブラッドへと変わる。それは「ドッペルゲンガー」という存在で、姿だけではなくコピーした人間の記憶や能力まで盗み取る怪人。ARMSの情報は全てブラッドの姿をしたドッペルゲンガーに筒抜けだっただけではなく、仲間に対する不信感をも抱かせていた。動揺するアシュレー達を嘲笑うアンテノーラだったが、そこにブラッドがもう1人やってくる。そのブラッドはアシュレー達に魔法爆弾バイツァダストを寄越すように叫ぶが、アンテノーラは「彼も偽者かもしれないわよ」と告げる。「僕らの絆を所詮その程度と言ったな?そうかもしれない、いや、確かにそうだッ!一時とはいえ仲間を疑った、ともに戦った仲間を信じ切れなかった。だからこそ、今度こそ僕は仲間を信じるッ!」と答えるとアシュレーはバイツァダストをブラッドに投げ渡す。ブラッドはそれを受け取った直後、地面へ投げつけて爆発させた。周囲にいたドッペルゲンガーは消し飛ばされ、ブラッドの行動に驚いたアンテノーラもその場から逃走する。アシュレーは今回のミッションは失敗したと判断し、一旦撤退するようと言うが、ブラッドはここで引き上げるわけにはいかないと任務を続行しようとする。「バイツァダストはもう無いのにどうやってプラントを爆破させるのか」とアシュレーがブラッドに問うと、「爆弾なら、ここにある…」とブラッドは自身の首筋を指さす。ブラッドの頚部には小型爆弾「ギアス」が埋め込まれており、無理矢理外そうとするとその場で爆発する仕組みとなっていた。「ギアスが簡単に外れるわけないだろうッ!」と叫ぶアシュレーだったが、その間に周囲には再びドッペルゲンガー達が集まっていた。「こいつはバイツァダストと違って爆発の衝撃を緩衝転移させるなんて気の利いたことはできないんだ。俺が炉心をブッ飛ばす前にお前達はここから急いで脱出しろ」と言うブラッド。アシュレーが「お前はどうするんだ」と聞くとブラッドは「英雄の務めを果たすさ」と答えた。アシュレーはブラッドを信じ、リルカとティムに緊急撤退を指示して脱出をする。「どうやら約束を守れそうにないな。でも、きっと許してくれるはずさ…さて、『英雄』の務めを果たしに行くか…」とブラッドは1人プラント内の炉心へ向かう。アシュレー達が脱出した後、プラントは大爆発を起こした。
その爆発はヴァレリアシャトーからも観測されており、検知されたパターンからギアスの爆発に間違いないとアーヴィングは言う。アシュレーは万が一の生存確率は0じゃないのかと聞くも、「プラントを一基吹き飛ばす威力の爆弾が首筋で爆発したのだから、生存の可能性など考えるだけ無駄だ」とアーヴィングは答える。一時でもブラッドを疑いの目で見てしまったことを後悔するアシュレーは、1日でも早くオデッサを壊滅させて平和な日常を取り戻すことで、ブラッドを弔うことを決意する。

新たなる任務はギルドグラードマスターから直々に申請された要人護衛であり、ギルドグラードマスターの子息を守り抜き、本国まで送ることだった。クアトリーの北方にあるステーションから長距離地下鉄を用いる予定となっている。ステーションに向かうと、ギルドグラードマスターの子息「ノエル」に出迎えられる。貨物列車に乗って移動が始まるが、ノエルにはARMSに護衛を頼む必要がないと思えるほど多くの護衛が付いていた。ノエル自身は目立ってしまって逆に危ないのではないかと思っており、アシュレーはいざという時のために戦力として同行させているのかと考えるも答えは出ず、ブラッドならこんな時どう考えるのかと悩む。そんな中リルカは「父親と違っていいやつだよねー」とノエルに言ったがアシュレーに窘められる。言い過ぎたかと反省するリルカに「父上はあのような性格ですがギルドグラードのことを思ってのあの言動なのです。父上もまた穏やかな世界に戻ることを望んでいるはずです」と答えるノエル。アシュレーは前にも同じように、求める結果は同じなのにどうして人は、それぞれ違う道を選ぶのかと考えたことを思い出すが、未だに答えは見つからなかった。
トンネルに入ってから既にかなりの時間が経過していたが、そろそろ抜けるはずなのに未だにトンネルから出ないことに不審に思ったノエルが車掌に確認しようとすると、車掌が慌ててノエルのもとへやってくる。不思議な空間に囚われてしまいトンネルから抜けられず現在地の確認もままならないとのこと。オデッサの仕業だと考えたARMSは空間を調査することに。

剣の大聖堂で起きた事件が、自身が行った降魔儀式によるものだとアシュレーに明かすカイーナ。

調査の途中、オデッサ特戦隊コキュートスの一員であるカイーナと遭遇する。ARMSがいる疑似空間エミュレーターゾーンは、カイーナが持つ魔鍵「ランドルフ」によって開かれた空間であり、カイーナはARMSと対峙する。カイーナは降魔儀式の実験に剣の大聖堂を選んだ結果、アシュレーが魔神を身に宿して生還したことを忌々しく思っていることを告げる。カイーナの言葉で、やはり剣の大聖堂の悲劇がオデッサの仕業だと分かったアシュレーはカイーナに怒りをぶつけた。
戦いの最中、精神集中が途切れたカイーナはその場を離脱する。エミュレーターゾーンを破らない限り脱出できないと判断したARMSは、エミュレーターゾーンを創っているジェネレイターを破壊する。そのまま脱出しようとすると、再びカノンがARMSの前に立ち塞がった。オデッサに雇われているなら考え直してほしいとアシュレーが説得するが、アシュレーの内的宇宙に潜んでいる魔神を狩る理由があるとカノンは説得を拒否する。カノンの身に流れる「英雄」の血、"剣の聖女"の末裔であるカノンには魔神を駆逐する宿命があった。そのためにカノンは女であることも、生身の身体をも棄て去って人間暗器として魔神を狩ることを目的に生きてきたのだった。しかしエミュレーターゾーンの構成ジェネレイターが破壊されたことで、疑似空間が長く持たないと判断したカノンは、一時休戦しアシュレーに脱出のアドバイスを伝える。何故自分達を助けるのかと問うアシュレーに自分はアシュレーを貫く刃だからと答えて立ち去るカノン。
列車に戻り急いで列車を発進させるようノエルに伝えるARMS。列車を緊急発進させるが、スピードが足りず疑似空間の出口である次元の継ぎ目が閉ざされようとしていた。列車のスピードを上げるためにノエルは後部車両を切り離すよう車掌に指示する。躊躇う車掌を説得し、後部車両を切り離したことでどうにか脱出に成功する。ARMSとノエルはオデッサの狙いが何だったのかを疑問に思いながら、ギルドグラードに向かった。

無事にギルドグラードに着いたものの、ギルドグラードマスターは激怒していた。しかしARMSはノエルを無事に送り届けるという任務は完璧にこなしているためノエルは反論するのだが、父親の慌てる様子を見て、オデッサの本当の狙いが切り離した貨物車両の方であったことに気付く。ギルドグラードマスターは財宝や金銀を失った程度ではそこまで狼狽する人物ではないため、貨物車両の中身はイスカリオテ条約にて禁止された超兵器ではないかとノエルは指摘する。今回の依頼はノエルの護衛と偽って秘密裏に発掘したロストテクノロジーの兵器を守らせることであり、それがオデッサの手に落ちてしまったのだ。騙していたことは許さないことだが、オデッサが手に入れた超兵器で何をしようとも必ず食い止めることを約束するARMS。ノエルは感謝し、こうなってしまっては彼らに託すしかないとギルドグラードマスターは超兵器のことを話し始める。

オデッサの手に落ちた兵器はスレイハイム戦跡より回収された「グラウスヴァイン」と呼ばれる核兵器だった。ロストテクノロジーが誇った最大級のエネルギー「核」を用いた兵器で、反応を励起させることで膨大な熱エネルギーを生み出す固有理論を応用した超兵器。現在ファルガイアで用いられる魔導大系と比較して全く異質の力学「物理魔導(インダストリアルソーサー)」の忌まわしき産物である。核は強力な兵器だが、その真価は威力ではなく交渉のカードとして切り札となることであった。オデッサの目的が世界征服ならば核兵器の使用はありえないことである。
するとアシュレーが考え込んでいることに気付いたノエルは、どうかしたのかとアシュレーに問いかける。考えていたのはオデッサの言う世界征服が大変なことだということ。人はそれぞれ自分の意志や考えを持っており、中には目的を同じくする人達もいるが、その達成手段はバラバラだ。人の心は1つではない。人の数だけ思惑が交差するファルガイアを征服という一言でまとめられるのかと。世界征服という響きには一種甘美なものがあるが、実際に統治するにあたって困難ばかりで決して、居心地の良いものではないはず。その地域性、社会性、産業や法制度、そして人の心など、1つにまとめなければならないことは多く存在している。少し考えれば世界征服がどれほど現実味の無いことか見えてくるが、それでもARMSの前にはそれを為そうとする者が立ちはだかってくる。そのためにオデッサは誰かを苦しめている。だからこそ止めなければならない。そう改めて決意したARMSにノエルはギルドグラードとしてもバックアップは惜しまないと告げる。ギルドグラードマスターも今回の件で責任を感じているためか、ホバークラフトのバージョンアップを行ってくれるのだった。

オデッサの次の狙いがホルストの町付近の閉鎖された坑道にある大きなエネルギーを得ることだという情報を得たARMSはそこに向かう。「柱」としての力が強くなっていたティムは地脈や霊穴から生じるエネルギーを感じることができるようになっていたが、その坑道からはエネルギーの流れが感じられなかった。何故オデッサが何も無い坑道に目を付けたのか疑問を抱きながらもARMSは最深部へ向かう。最深部に着くとそこにはカノンが待っていた。3度目のカノンとの戦いを制するARMS。何故自分の刃が悪しき魔神に届かないのかとアシュレーに問いかけるカノン。「確かに僕の内には「もう1人の僕」が潜んでいる。そいつは何もかもを破壊しかねない強力な力を持っている。でも、力そのものに善悪は無いと僕は考える。魔神の強大な力…そいつを使うのは僕自身の意志なんだ。僕が信じているもののためにこの力を振るっているんだ」と答えるアシュレー。続けてアシュレーはカノンに「仲間になれとは言わないが、魔神の力を抑えられなくなった時に、僕ごと貫いてほしい」と一緒に来るよう誘う。その時、ジュデッカが現れる。今回の件はこの男が仕組んでいたことであり、カノン共々ARMSを始末するため、坑道を崩壊させる。どうにか巻き込まれずに済んだが、カノンは酷い怪我を負っており、ホルストの町の病院へ連れて行くことに。

ホルストの町に着くと、マリアベルが待っていた。カノンの身体はヴィクトール型と呼ばれる生体がベースとなっている義体(シルエット)であり、マリアベルしか治療が行えなかった。カノンの義体は凶祓を行うために無理をし続けてきた結果相当ガタがきていた。全ては”剣の聖女”の血を引く者として力を手に入れるためだったと言うカノン。すると突然町で爆発が起きる。外に出ると爆発の影響で町中が炎に包まれていた。ARMSが町の住民を避難させていると、ジュデッカが高所からその様子を見ながら「僕も悪いけどこいつらも同罪ですよ」と嘲笑っていた。そんなジュデッカの背後にカノンが現れる。「あたしがあたしであること…”剣の聖女”の末裔であるためにはお前のように倒すべき存在が必要だ」とジュデッカに挑むカノン。しかし戦いの最中、義体の活動限界がきてしまい、ジュデッカに逃げられてしまう。アシュレーは魔神の力を抑えきれなくなった時に自分ごとその力を殺すことを報酬に、カノンを渡り鳥として雇い、ARMSの一員として迎える。

ヴァレリアシャトーに帰還したARMSはアーヴィングより次なる任務として、アルケミックプラントで製造したエネルギーの供給先であるクアトリーの南方に広がる砂漠にてオデッサの作戦目的を調査することを命ずる。アシュレー達が去った後、カノンはアーヴィングと会話を続けていた。2人は知り合いのようで、アーヴィングは彼女のことを「アイシャ・ベルナデット」と呼んだ。それはカノンの本名であるが、”剣の聖女”の末裔として「英雄」として在るためにカノンはベルナデットを棄てていたのだった。

アルケミックプラントの爆破から生還してARMSの危機を救うブラッド。

エネルギーの供給先である施設「百眼の柩」へ向かったARMS。オデッサの構成員などの姿は見当たらなかったが、念のため調査を進めることに。途中、トカとゲーの襲撃を退けるが、戦力がさかれていたことで完全に手放された施設ではないと考えたアシュレーは更に調査を進める。施設に設置された端末から読み取った断片的な情報によると、「魔界柱」と呼ばれるジェネレイターから供給されるエネルギーによって「ヘイムダル・ガッツォー」が極大質量を維持・機能させているとのこと。ヘイムダル・ガッツォーはオデッサが新たに得た巨大空中要塞で、膨大なエネルギー消費量を弱点とするが、魔界柱によってその弱点を克服しており、全部で4つ存在する魔界柱を完全に沈黙させない限り圧倒的な破壊力を有するヘイムダル・ガッツォーに抗う術は無い。ヘイムダル・ガッツォーと魔界柱に対抗する作戦を立てるため、ARMSがヴァレリアシャトーに帰還しようとすると、オペレーターのケイトとエイミーからARMSの現在地点の直上に高熱源体反応が確認されたとの通信が入る。質量、エネルギー圧力ともに超要塞級の計測値となっており、バルキサスの比ではなく、ウィザードリィステルス機能によって存在の位相を微妙にずらしていたため、ヴァレリアシャトーの索敵機能にも感知されていなかった。更に高熱源体からエネルギーの集束が確認されており、艦載式のへヴィアームであることが予想されていた。すぐに施設の外に出たARMSの頭上にはヘイムダル・ガッツォーが浮かんでいた。オデッサはヘイムダル・ガッツォーに搭載された対地攻撃兵器「アークスマッシャー」でARMSを葬ろうとしていた。その一撃は恒星の輝きにも匹敵しあらゆる物を焼き尽くすほどの威力があった。ヴィンスフェルトは万全を期すため、エネルギー充填率を120%まで引き上げてから放つよう命じる。その時、アンテノーラがARMSがいる場所から少し離れた地点にてエネルギーの集束反応を確認する。モニターに映し出された映像を見てヴィンスフェルトは酷く動揺する。そこに映っていたのはその身を犠牲にしてプラントを爆破したはずのブラッドの姿だった。ブラッドは生きていた。首の小型爆弾ギアスを残したまま。

ブラッドがプラントを爆破しようとする直前、周囲にいたドッペルゲンガーがブラッドの姿に化けて襲い掛かってきた。その時ブラッドはあることを思いつく。ドッペルゲンガーは相手の姿も記憶も、能力すらもコピーすることができた。つまりブラッドの姿となったドッペルゲンガーの首にあるギアスもオリジナルと同じであった。ブラッドはドッペルゲンガーのギアスを利用してプラントを爆破させたのだった。

生きて帰ってきたブラッドは過去への訣別、そして新たなる戦いの狼煙となる一撃、大型ARMリニアレールキャノンをヘイムダル・ガッツォーに向けて放つ。その一撃によりジェネレイターが大破しアークスマッシャーの再充填が不可能となるが、取り乱したヴィンスフェルトはヘイムダル・ガッツォーを直接ブラッドにぶつけようとする。側にいたカイーナが必死にヴィンスフェルトを抑え、アンテノーラにその場を離脱するよう指示する。オデッサが去った後、ブラッドはARMSのメンバーと再会する。ブラッドが生きて帰ってきたことに喜ぶメンバー達。アシュレーは自分達が信じあうことで大きな力を発揮できたこと、1人を疑い信頼に亀裂が走った時自分達が脆くなってしまったことを改めて実感し、もう仲間を疑わないことを決意する。ブラッドも自分が今の仲間であるアシュレー達を信じ切れていなかったため全てを語らなかったこと、それが疑惑を招いたということを自覚し、全てを語ろうとする。すると話を聞いていたカノンは「真実を口にするよりも信頼を勝ち取る方法があるとするならば、それは一緒に行動することだ。ただ、あたしは貴様らと慣れ合うつもりはない」とブラッドに言う。ブラッドはカノンに「戦場で繋いだ絆は何よりも強く、固い…絆はもうできている、俺達とお前との間にはな…」と答えるのだった。

決戦の空

オデッサと最後の戦いに挑むARMS。

遂に全てのARMS隊員が揃った。敵空中要塞ヘイムダル・ガッツォーが調整不十分にして損壊を被っている今、アーヴィングはARMSに全戦力をもってオデッサを討つことを命ずる。ヘイムダル・ガッツォーにはウィザードリィステルス機能が搭載されており、あらゆる索敵方法が制限されてしまうが、常に身に纏うには大量のエネルギーを消費せざるを得ないため、エネルギージェネレイターである4つの魔界柱からのエネルギー供給が必要となっている。つまりヘイムダル・ガッツォーを堕とすには魔界柱の機能停止が絶対条件であり、ARMSの次なる任務は4つの魔界柱を完全に沈黙させること。エネルギーの供給を絶たれたヘイムダル・ガッツォーはその姿を晒すこととなるため、その時がオデッサとの戦いに終止符を打つ時でもあるのだ。

作戦開始まで時間ができたアシュレーは、タウンメリアに帰りマリナに会いに行く。久しぶりに1日をともに過ごしたアシュレーとマリナ。マリナは近いうちにアシュレーが大きな任務に就くことを察していた。自分がアシュレーの重荷になっているのではないかと呟くマリナに「どんなに手強い敵と戦っても僕の帰るべき場所、そこに帰るために強くなってきた」と話すアシュレー。アシュレーが1人でどんどん遠くに行ってしまうと感じたマリナは自分も強くなりたいと願う。アシュレーはそんなマリナに「僕が帰ってくる場所を守ってくれる強さを身につけてよ」と伝える。強くなれるか不安を抱くマリナにアシュレーは「両手を広げて」と言った後、彼女を強く抱きしめるのだった。

翌日、ヴァレリアシャトーの人達に見送られながら、ARMSは対オデッサの最終作戦に挑みに行く。アーヴィングは「これで闘いが終わるわけではない、ファルガイアの未来が続く限り諸君らの戦いは終わりなどはしない。だから、戦って勝利を掴んだら生きて帰ってこいッ!」とARMSに伝えるのだった。

4つの魔界柱ではそれぞれコキュートスのメンバーが待ち構えていた。はみ出し者が白い目に晒されない自由な世界を手に入れると部下達と約束して戦うトロメア。誰よりもヴィンスフェルトを妄信していたが暴走したランドルフによって異次元に飛ばされてしまったカイーナ。自分の両親を殺された復讐のために、ヴィンスフェルトに自分を愛させて最後は死ぬことで大切な人を失う苦しみを味あわせようとするアンテノーラ。戦いを遊びの場と言い、人の命を弄ぶジュデッカ。
4人のコキュートスを撃破し全ての魔界柱を破壊したことで、ヘイムダル・ガッツォーの位置を特定することに成功したARMSはヴァレリアシャトーから乗り込む。そこでオデッサとの戦いに決着をつけること、全員で生きて帰ることを約束するARMSのメンバー達。司令室に辿り着いたARMSはそこでヴィンスフェルトと対峙する。自身の野望を邪魔すること、そしてアンテノーラを倒されたことへの憎しみをARMSにぶつけるヴィンスフェルト。激闘の末、ヴィンスフェルトを撃破したARMSだったが、ヴィンスフェルトは「地に溢れるモンスター達に抗うためには全ての人は力の下に統一されなければならない。それが、これから迫り来る脅威に対する唯一絶対の方法だったのだ」と語る。ファルガイアにモンスターが溢れるようになったのはオデッサの仕業ではなかった。確かにオデッサも降魔儀式を用いてモンスターを兵力として使っていたが、短期間に大量のモンスターを放つ術は無く、制御できないモンスターを無計画に生み出す価値などは無かった。つまりファルガイアで起きているモンスターの大量発生は、オデッサではなく何か別の脅威の尖兵であるということだった。その時、ヘイムダル・ガッツォーの動力炉に過負荷がかかり始める。暴走した機関部はヘイムダル・ガッツォーを宇宙へと急上昇させていたのだ。ヴィンスフェルトはその場から逃走し、ARMSも脱出をするために行動を始める。
脱出ポッドを見つけたARMSだったが、脱出ポッドの制御を行うためには誰か1人が残りコントロールパネルを操作する必要があった。アシュレーは他のメンバーに必ず生きて脱出することを約束し、コントロールパネルの操作を引き受けることに。全員の脱出を見届け、アシュレーも脱出をしようとすると、彼の背後からヴィンスフェルトが現れる。最後の戦いを繰り広げるアシュレーとヴィンスフェルトだったが、戦いを制したのはアシュレーだった。しかし自身の野望が潰えたことを悟ったヴィンスフェルトは、戦略核兵器グラウスヴァインの召喚魔法陣を起動させてしまう。未調整のまま撃ち放たれた核兵器はいつファルガイアに投下されるか予測することは不可能だと告げ、ヴィンスフェルトは力尽きた。
脱出に間に合わないと考えたアシュレーが他のメンバー達に「みんなで僕達のファルガイアを核兵器から守ってくれ、間に合ってくれ脱出ポッドッ!」と願った直後、彼の身体は光に包まれる。そして「感応石、マリナに伝えてくれないか、ごめん、また約束を守れそうも…」と願うアシュレーだった。
無事に地上へと脱出することに成功したブラッド、リルカ、ティム、カノンの4人。しかしそこにアシュレーの姿は無かった。「みんなで一緒に帰ろうって約束したのにどうして…どうして1人だけ約束を破る人がいるのよッ!」とリルカの叫びがその場に響いた。宇宙まで上昇したヘイムダル・ガッツォーは残骸となり果て、アシュレーは光に包まれて宇宙を漂っていた。

剣の聖女

ヘイムダル・ガッツォーの爆発によって吹き飛ばされたアシュレーは、不思議な場所で”剣の聖女”と呼ばれている女性、アナスタシア(右)と出会う。

オデッサとの戦いから数日後、ヴァレリアシャトーのエリア51でアシュレーの帰りを待ち続けるマリナのもとにアルテイシアがやってくる。アルテイシアは「どんなに遠く離れていても相手を想う引力は気持ちの距離を縮めてくれる」とマリナに伝える。そう信じられるアルテイシアには誰か想う人がいるのだと察するマリナ。その後もマリナはアシュレーの帰りを信じてひたすら待ち続けた。

気が付くとアシュレーはファルガイアではないどこかで目を覚ます。するとアシュレーのもとにいつか見た女性が現れる。アシュレーがその女性と会うのは初めてではなかった。彼女の名は「アナスタシア」。アシュレーのいる時代では”剣の聖女”と呼ばれている女性。アガートラームを手にした光の中で会話をした女性であり、ヘイムダル・ガッツォーの爆発に吹き飛ばされたアシュレーを守ってくれたのも彼女だった。アナスタシアによると、命あるものの世界を「此方」とするなら死者の世界を「彼方」と呼ぶが、今いる場所は「此方」と「彼方」の狭間に位置する境界、「アナスタシアのいる世界」だった。2人はファルガイアに生きていた頃のアナスタシアの記憶が遺る遺跡「記憶の遺跡」へと向かう。「アシュレーがファルガイアを強く思い描くことができるのなら、ここからファルガイアへ帰れるかもしれない」と言うアナスタシア。遺跡に入ると、2人のもとに”欲望”を司るガーディアン「ルシエド」が姿を現す。ガーディアンは旧支配者の意識体であるため、実体を伴うはずはないが、ルシエドは唯一血と肉を備えており、実体を維持できるだけの力を持っていた。そして、その力でアナスタシアを守り続けてきた。「ここから先は、わたしの記憶が構成した空間。『記憶』、過去の事象、でも全てが意識の世界にあってそれは現実にも等しい存在。ここで起こったことはわたしの『記憶』の時間軸で現実に起こったこととして記憶されるのよ」と語るアナスタシア。遺跡の奥を進むと、アシュレーはどこかで聞いたことがある声の少女と出会う。少女はアナスタシアと同じ時代に一緒に戦った仲間の1人だった。アシュレーはアナスタシアの記憶を通じて過去に触れており、この邂逅は過去において現実のものとして認識されていた。
更に奥へ進んだアシュレーは、アナスタシアの記憶を通して、現代に伝えられる”焔の災厄”との戦いを見る。それは言葉で伝えられる物語ではなく、本当にあった戦いだった。アシュレーは”焔の災厄”から発せられるげっそりとする感覚に覚えがあった。それはもう1人のアシュレー自身から感じていたものと同じものだった。アナスタシアが全てを引き換えにして事象の地平に封印した”焔の災厄”であり、今アシュレーの内に存在しているのは、かつて世界を灼き尽くさんとした焔の魔神「ロードブレイザー」だった。忌まわしき破壊の力、全てを灼き尽くす焔の災厄そのものがアシュレーの力であった。しかしアナスタシアは「力そのものに善悪は無いわ。全てはその力を行使する者の意志に委ねられている。今はあなたの内に在る力が必要なのかもしれない。わたしの大好きなファルガイアに…」と語る。

再びアシュレーと出会った少女は、アナスタシアからアシュレーの力がロードブレイザーそのものであり、アシュレーの内的宇宙にロードブレイザーが宿っていることを聞かされる。一度は警戒する少女だったが、アナスタシアの説得によってその場は納得してもらい去っていった。次にアシュレーは、アナスタシアがアガートラームを始めて手にした時の記憶を見る。「何故わたしが、アガートラームを手にすることができたのか、わからないの。それまで、剣の訓練はおろか触れたことだってなかったただの女の子だったのよ」と言うアナスタシア。それでも実際にアナスタシアはロードブレイザーと戦い抜いた。アナスタシアは「無我夢中だったわ。でもそれは『勝ちたい』という気持ちじゃなかった。大好きな人達を失いたくない気持ち…そして、わたし自身死ぬのは嫌…死にたくないって、強く望んでいたわ。これじゃあ聖女失格ね。世界のことなんかよりもわたしと、わたしの周りのことばかり考えていたわ」と語るアナスタシアに「その考えは僕と同じかもしれない」と答えるアシュレー。「アガートラームを手にするのに特別な資格は必要ないのよ。ヴァレリア家の血を引いていることなんかに『英雄』である意味なんてこれっぽっちもないわよ。わたしの家系だからといって誰か1人でもアガートラームが手にできたのかしら?ヴァレリアの血に何の意味も無いのよ…」と続けて語るアナスタシアのある言葉にアシュレーは驚く。アナスタシアの家系であるヴァレリア家。それは彼の上官であるアーヴィングと同じヴァレリアの名であった。

アガートラームを引き抜けなかったアーヴィングは魔法を使って引き抜こうとするも拒絶されてしまう。この出来事が原因となりアーヴィングは片足が不自由となる。

剣の大聖堂でアガートラームを引き抜こうとするアーヴィング。しかしアガートラームを引き抜くことはできず、魔法を使って無理矢理引き抜こうとするも、アガートラームからは拒絶されてしまう。アーヴィングは”剣の聖女”の血を受け継ぐヴァレリアの人間である自分を何故拒絶するのかとアガートラームに問いかける。アーヴィングは今もその時の悪夢に蝕まれているのだった。
「どうしてみな、『英雄』に固執するのかしら。『英雄』なんて絶対の危機の前に差し出された『生け贄』にすぎないわ」と言うアナスタシアの言葉に、以前マリナも同じことを言っていたのを思い出すアシュレー。再びアシュレーと出会った少女は自身の同胞が皆ロードブレイザーに殺されたことを語る。少女は「ノーブルレッド」と呼ばれる不死の種族。肉体が滅びても魂は永久に不滅であるが、そんなノーブルレッドでさえ殺すことができるほどの力を持つ存在がロードブレイザーだった。少女はファルガイアに生き残った最後のノーブルレッドだったが、1人になってもファルガイアを守り抜くつもりだった。アシュレーが少女に「僕もファルガイアが大好きな1人だ。君は1人じゃない、一緒に戦おう。」と告げると、少女はまた去っていった。

次にアシュレーは、アナスタシアがルシエドとともに戦っていた時の記憶を見る。「わたしが、他の人と違うとしたらそれは『絶望』しなかったってことかしら…誰もが、”焔の災厄”にロードブレイザーに希望を失ってもわたしは生きることを諦めきれなかったの。だって美味しいものだってたくさん食べたかったしお友達とも遊びたかったわ。簡単に『生きる』ことを手放したくなかったの。それが、わたしにあった『特別』…わたしが手にした力、それは『欲望』だったのかもしれない」と語るアナスタシア。そんなアナスタシアのもとにはいつの間にか”欲望”を司るガーディアンであるルシエドが側にいるようになり、そのうちルシエドはいなくてはならない存在になっていたという。以前アナスタシアはルシエドから、彼女の意志の力がルシエドの力を具現化させたと教えられており、アナスタシアは「欲望」というのは生きようとする意志の力のことだと考えていた。力そのものに善悪は無く、「欲望」だからといってそれを忌避するのは間違いだった。かつてファルガイアを”焔の災厄”から救ったのは「欲望」そのものだからだ。

真実が伝え聞いていたものとイメージしていたものは全てが真実ではなかったことを知るアシュレー。”剣の聖女”は都合のいい英雄ではなく、時代に捧げられた生け贄そのものであり、体よく飾り付けられて綺麗に誤魔化された存在。それが、超越した力を手にするということであり、今のアシュレーのことでもあった。それでもファルガイアに帰りたいと迷うことなく言い切れるアシュレーに、アナスタシアは感心し、最後まで案内することを決めた。奥に進み再び少女と出会うアシュレー。少女は「アナスタシアは命をかけてロードブレイザーを封印するという。封印じゃぞ、倒すのではない、あくまでも事象の地平に封じるだけじゃ。今のわらわ達の力では彼奴めを倒すこと適わなかったのじゃ」と告げるが、「今はダメでも明日なら…明日がダメでも、次がある。僕達は昨日より、明日の方がきっと強い。だから…」と答えるアシュレー。「封じたものはいつか解き放たれる。『一緒に戦おう』…お主、そう申しておったな。その言葉に偽りないか?」と聞く少女にアシュレーは「もちろんだ」と即答する。アシュレーは次にロードブレイザーの力が再びファルガイアを脅かす時、ロードブレイザーを倒すためにともに戦うことを少女に約束する。安心した少女は次にアシュレーと出会うその時まで休むと告げて、その場から去っていった。少女が去った後、奥に進むと「この先に、わたしの『記憶』は無いわ。何も存在しない虚無の世界」だと語るアナスタシア。しかしアシュレーが帰りたいファルガイアを強く想い描けば途(みち)ができるとのこと。アシュレーは自分が帰りたいファルガイアを想い描くのだった。

ヴァレリアシャトーでは、アシュレーの通信機から発せられる感応石の反応パターンを検出していた。しかし通常ならノイズに紛れてしまうほど微弱な検出反応であったため発信地点の特定は困難だった。アーヴィングはARMSを招集し、アシュレーの救出を命じる。場所は剣の大聖堂で座標は間違いないが、何かしらの軸がずれており、そこから連なる平行世界にいる可能性があるとのこと。ずれている軸は空間をリンクするためのゲートを生み出す魔導器ミレニアムパズルで繋げることが可能だった。ゲートのコントロールはクレストソーサレスであるリルカの魔力でしか行えなかったが、以前ゲートの起動に失敗した経験があるリルカには自信が無かった。
剣の大聖堂でリルカが起動したゲートからミレニアムパズルに入るARMS。リルカの説明によるとアシュレーのいる座標をチューニングするには、スイッチブロックを5つ起動させる必要があるとのこと。後は異なる世界をリンクさせるためのスイッチブロックであるビッグジェネレイターを起動させることができればいいのだが、チューニングの完了と同時にパズル内の空間が構成を解除されて不安定になってしまうため、ジェネレイター起動のチャンスは少なく、数十秒程度しか無かった。
ブロックを5つ起動させると、ビッグジェネレイターが出現する。これを起動させればゲートが開くのだが、リルカの魔力では反応しなかった。「やっぱり、わたしには無理なんだよ…これじゃあの時と同じだよ…」と呟くリルカ。時間がきてしまいパズルが閉じようとしていたため、一時帰還するARMS。この次頑張りましょうと励ますティムに「へいき、へっちゃらだよ…」と言うリルカだったが、「へっちゃらじゃないよ…」という本心は誰にも聞かれることは無かった。

アナスタシアに案内されながら、ファルガイアへ繋がる道を歩き続けるアシュレー。そこに至るまでの間、道標は無かったがそれでも歩き続けていると、目の前に感応石の輝きが見え始める。それはアシュレーのことを強く想うマリナの光だった。光を頼りに帰ろうとしたアシュレーはアナスタシアに一緒に行こうと誘うが、アナスタシアは「あそこはもう、わたしがいちゃいけない世界なの」と誘いを断る。それを聞いても帰ろうとするアシュレーにアナスタシアは戦うのが怖かったことや死にたくなかったこと、それでも大切なものを守るために「英雄」になるしかなかったことを告げる。「僕は『英雄』になるためにファルガイアに戻るんじゃない」というアシュレーの答えに、「何のために」と問うアナスタシア。「大切なものを守るのに『英雄』という『生け贄』にすがるのではなくもっと、別の方法を見つけるため」と答えたアシュレーは、ファルガイアへ向かって歩き出した。アナスタシアはアシュレーに「きっと、見つけられるわ。ううん、見つけて…そして、ヴァレリアの悲しみを止めて…」と伝えるのだった。

アシュレーは剣の大聖堂に帰ってきた。「また、ここから始まる…そうか、まだ始まっていなかったんだ。なら、もう大丈夫だよ。ここにはみんながいる。僕も頑張る。そして、あなたも一緒に戦ってくれるから…」アナスタシアの姿が写るステンドグラスを見つめながらアシュレーは呟いた。ヴァレリアシャトーでもアシュレーの反応が見つかり、その知らせを受けたティムはリルカにも知らせるために彼女の部屋に向かうが、リルカの姿はそこにはなかった。
アシュレーは自分のことをずっと待っていたマリナのもとに帰ってきていた。「ただいま」「うん…おかえりなさい」と言う2人。2人がいる部屋の前の階段でリルカは座っていた。そこにマリナにアシュレーが帰ってきたことを知らせようとやってきたティムは、リルカが泣いていたことに気付く。「アシュレーさん、帰ってくるんだよ。嬉しくないの…?」と聞くティムに「嬉しいわよ、嬉しいに決まってるじゃない。嬉しくて、嬉しくてたくさん嬉しくて、そして、少しだけ、寂しい…」と答えるリルカだった。

侵食異世界

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