ワイルドアームズ アルターコード:エフ(WA:F)のネタバレ解説・考察まとめ
『ワイルドアームズ アルターコード:エフ(WA:F)』とはメディア・ビジョンが開発したPlayStation 2用のロールプレイングゲーム(RPG)で、初代『ワイルドアームズ』のフェイク(リメイク)作品。タイトルの「F」はファーストとフェイク(贋作)のダブルミーニングとなっており、初代『1st』とは似て非なる別の世界の物語として新たに再構築されている。3人の主人公が荒野と化していく世界を守るために戦う物語を描いている。
『ワイルドアームズ アルターコード:エフ』の概要
『ワイルドアームズ アルターコード:エフ(WA:F)』は、2003年11月27日にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたPlayStation 2用のゲームソフト。『ワイルドアームズ』シリーズの第四作目で略称は『F』。キャッチコピーは、「きみがいつか見た物語は、 終わらない旅の途中だったんだ」。1996年12月20日に発売された初代『1st』のリメイク作品であり、設定やストーリーの流れは『1st』とほぼ同一であるが、『1st』の世界とは全く別の世界の似たようなキャラクター達が繰り広げるストーリーという位置づけとなっている。いわゆる並行世界(パラレルワールド)での出来事であるという意味も込めてリメイク作品であると同時にフェイク(贋作)作品である。
システムは過去3作の各種要素の集大成的なものとしてまとめ上げられており、エンカウントキャンセルやサーチシステム、グッズなどといったシリーズおなじみの要素が全て搭載されている。
本作におけるグラフィック面は前作『WA3』より向上しており、町の造形や水の質感など、世界のディテールがより詳細に描かれるようになっている。
また、フィールドアクション時とバトル中限定ではあるが、シリーズで初めてボイスが導入されたことでも話題を呼び、キャラクターのイメージに影響を与えている。
前述の通り、『F』はフェイク作品であるため、『1st』とは異なる部分が多く存在している。
主な変化は『1st』には無かったボス戦やエピソードが多々追加されたことや、人気が高かったキャラクター達がパーティに加わり戦うようになったこと、全体的なキャラクター達のデザインなど。なお、「壊死の迷宮」や「トライピラー」、「ワンダリングアイル」などのダンジョンが無くなっているという変化もある。さらに一部のダンジョンは名称が変わっていたりなど、設定が同じでも雰囲気は異なっている。また、既存のイベントシーンにおけるキャラクター達のセリフも全体的にリライトされており、キャラクター達の性格が微妙に変化している。その結果、キャラクター達の描写が『1st』から厚みを増し、全く別のゲームとしても楽しめるようになっている。
『ワイルドアームズ アルターコード:エフ』のあらすじ・ストーリー
出会い
大地から徐々に緑が失われ、ゆっくりと、だが確実に荒野と化していく世界「ファルガイア」。かつては水と緑に溢れ、作物が実り多き豊かな星だったが、1000年前に「魔族」と呼ばれる存在が、ファルガイアの支配を目論み侵略を開始する。魔族に対抗し、ファルガイアを守るべく「人間」、人間と近しいシルエットを持つ上位種族「エルゥ」、そしてファルガイアを支える守り神とも呼べる存在「守護獣」は手を取り合い、持てる力を全て出し合って侵略者と戦った。戦いの末、ファルガイア軍は決戦兵器「ガーディアンブレード」によって、魔族との戦いに勝利するが、同時に巨大な力によって暴走したガーディアンブレードによって、ファルガイアは荒廃した大地と化してしまう。そして辛うじて生き残った魔族は眠りについた後、現代で魔族の女王「マザー」を蘇らせ再びファルガイア侵攻を開始しようとしていた。
そんな枯れた世界を行き交い、危険と浪漫を求めて旅をする冒険者を人は「渡り鳥」と呼んだ。
禁断の武器「ARM」を使うことで人々から忌み嫌われる渡り鳥の少年ロディ、蘇った魔族によって仲間を殺され、復讐のために「絶対たる力」を求めて旅をする渡り鳥の青年ザック、秘宝「涙のかけら」を受け継ぎ、守護獣の巫女の素質を持つ公女セシリア。見ず知らずだった3人は、「リリティア」と呼ばれる大戦期の兵器「ゴーレム」が眠る遺跡の魔獣退治を依頼されたことをきっかけに、パーティを組むことになる。ロディ一行の活躍で遺跡の魔獣は退治され、「アーデルハイド城下町」にて古代の遺産が展示された「古代文明博覧会」が開催される。しかしその最中、魔族のベルセルク率いる軍団が急襲してくる。空が割れ、閃光が降り注がれると同時に町は火の海に包まれ、住人達は逃げ惑う。セシリアの父である公王ユリウスも魔族の襲撃により重傷を負ってしまう。ベルセルクの狙いはセシリアが持つ「涙のかけら」であり、ユリウスはセシリアに自室での謹慎を命じるが、住人の安全と引き換えに「涙のかけら」をベルセルクに渡すことを決意したセシリアは、ロディとザックの協力を得てベルセルクのもとへ向かう。「涙のかけら」を受け取ったベルセルクは発掘されたゴーレムをも奪い去っていった。その後、セシリアは「涙のかけら」を取り戻すために旅に出ることを決意し、ロディとザックに協力を依頼する。ロディは了承するが、ザックは王族に対して不信感を抱いており、セシリアの依頼を拒否する。セシリアは自身の覚悟を見せるため、ザックの剣で長い髪を断髪する。彼女の覚悟を見届けたザックはセシリアの依頼を引き受け、3人の旅が始まるのだった。
旅立ち
魔族の襲撃から1週間後、「涙のかけら」を取り戻すために、一行は守護獣と巫女が意志を交わせる場所、「守護獣神殿」にて守護獣に試練を課せられる。しかし、3人は試練を前に心の弱さを露呈させてしまい、守護獣は3人の弱さに不安を覚えつつも、魔族の目的である女王マザーの復活を阻止するため、一行に力を貸すことに。
旅の途中、悪名高き女賞金稼ぎ「カラミティ・ジェーン」ことジェーン・マックスウェルとその執事マクダレン、スイートキャンディ号の船長バーソロミュー、エルゥの少女マリエルなどの心強い仲間達と出会う。その後、一行は大戦期に魔族と戦うために製造された兵器「アースガルズ」を見つける。アーデルハイドに住むアームマイスターのエマ博士によると、そのゴーレムは眠りについているだけということが判明する。そして、セシリアの言葉に反応して心を通わせ、アースガルズは長き眠りから目覚め、一行の新たな仲間となった。
一方、魔族の幹部である「ナイトクォーターズ」は、マザーを復活させることに成功するが、ファルガイアの支配を目論んでいたナイトクォーターズとは違い、マザーの目的はファルガイアを含めた全ての生命を滅ぼすことであった。また、かつて魔族の故郷であった惑星「ヒアデス」を滅ぼしたのはマザーであり、ファルガイアを滅ぼした後はナイトクォーターズを喰らおうとしていることを知らされる。自分達をも滅ぼそうとしていることを知ったナイトクォーターズのリーダー格であるジークフリードは、ロディ一行を利用してマザーを滅ぼすことを企む。結果、「涙のかけら」を取り戻したロディ達によってマザーは討伐されるが、「涙のかけら」のコピーとして作られた「ダークネスティア」を手にしたナイトクォーターズは、ファルガイアに宣戦布告をするのだった。
守護獣殲滅作戦
マザーを討伐し、魔族の宣戦布告が発せられてから数日後、「アーデルハイド城」では会議が開かれる。そして守護獣をファルガイアから殲滅させようとする魔族に対抗するため、ファルガイア自警団が発足された。守護獣に詳しいアンジェ師が特別顧問に任命され、彼女の発案に基づき、より大きな力を持つ貴種守護獣(ガーディアンロード)を解放することになる。
貴種守護獣の力を求め、外海に存在する貴種守護獣が眠る聖域にたどり着いたロディ一行は、魔族のひとりであるブーメランと彼に付き従う守護獣ルシエドと出会う。そこでブーメランからナイトクォーターズのひとりであるアルハザードの守護獣殲滅計画の話を聞かされる。さらに頼みの綱である貴種守護獣は、既に力を失っていた。しかし、アルハザードの計画を阻止するため、一行はアルハザードの研究施設である「デモンズラボ」へと向かう。
そこでザックは、かつての仲間であり想い人であった女性エルミナが、レディ・ハーケンという魔族に改造されてナイトクォーターズのひとりとなっていたことを知る。魔族の襲撃により死んだと思っていた女性が敵となっていた事実に苦悩するが、相棒のカゼネズミであるハンペンや、ロディとセシリア達の支えでいつか全てを話すことを約束する。その後、デモンズラボを出た一行は、ジークフリードによってアーデルハイド襲撃の際にも利用された空間を超越するための装置「ゲートジェネレーター」に招かれた。そこでジークフリードと対峙するが、戦いの最中、ロディは仲間の命を守るために自らの片腕を犠牲にしてしまう。辛うじてゲートジェネレーターから脱出する一行だったが、ロディが実は人間ではなく、1000年前の大戦期に魔族の身体構造をベースにして造り出された人造生命体「ホムンクルス」であることが判明する。セシリア達は今のファルガイアの技術ではロディを救えないことを知り、エルゥの技術に望みを託してマリエルのもとを訪ねる。事情を知った彼女は、セシリア達をエルゥ達が住む「エルゥ界」へと案内する。
そこでセシリア達は、ロディの失われた腕を治療するためには、ガーディアンブレードをもう一度打つしか手段が残されていないことを知り、金属に命を吹き込むことができる技術を持つ唯一のエルゥでマリエルの兄であるバシムのもとを訪れ、治療してもらうよう依頼する。当初は依頼を断っていたが、マリエルの説得を受けて、再びガーディアンブレードを打つことを決意したバシムは、「生命」と「魔」を司る2つの守護獣の力を持ってくるようセシリア達に告げる。2つの守護獣の力が集まると、バシムの手によってガーディアンブレードは新たなるロディの左腕として生まれ変わる。しかし、1週間たってもロディは目を覚まさず、彼を献身的に看病していたセシリアは、ロディの夢の中へと誘われる。
自分が人間では無いという事実にショックを受けたロディは心を閉ざし、彼の育ての親であるゼペットとの想い出の中に逃げていた。それを知ったセシリアはロディに呼びかけ、ロディの心に巣食い目覚めを妨げていた夢魔を倒す。そしてロディに対する自身の想いと、「誰かに愛されるためには、自分が誰かを愛さなければならない」ことに気づいたセシリアは、愛を司る貴種守護獣ラフティーナの力を覚醒させる。そして目を覚ましたロディを連れて、セシリア達はファルガイアへと帰還するのだった。
過去との決別
ロディ一行がエルゥ界から戻ると、エマが造り上げた飛空機械の試験実行が行われる。しかし、未完成のまま行われたため飛空機械は墜落してしまう。新たな目的地に向かうためには飛空機械は必要不可欠であったため、飛空機械完成のために必要な「ジェミニ回路」を2つ集めることになる。2つのジェミニ回路が揃うと、飛空機械プロトウイングは、ガルウイングとして完成し、一行は新たな目的地「パンデモニウム」へ向かう。しかしそこで、ジークフリードとアルハザードによって、エルミナを核として利用し、ダークネスティアを起動させ負のエネルギーでファルガイアの地脈である「レイライン」を破断する作戦が遂行されてしまう。その影響で守護獣の力は大きく削がれ、ファルガイア中に天変地異が巻き起こってしまう。エルミナを利用され激怒したザックはダークネスティアを破壊するが、意識を取り戻したエルミナは自分は魔族のレディ・ハーケンであることを告げ、何処かへと姿を消してしまった。力だけでは大切なものを守れないという現実を目の当たりにし、ザックはその場で意識を失った。
その後、ザックはかつて「アークティカ公国」の騎士団「フェンリルナイツ」であった頃の夢を見る。その夢を見たザックは魔族への復讐という目的に固執するあまりに忘れていた、大切なものを守るために剣を振るう心を思い出す。己の過去と決別するため、レディ・ハーケンと決着をつけるべく、ザックは「アークティカ城」へと向かう。そこには既にレディ・ハーケンが待っており、彼女もまたザックとの決着をつけることを望んでいた。かくして、同じ高速の刃の使い手同士が、死闘を繰り広げる。戦いを制したのはザックだった。死の間際にエルミナの姿に戻った彼女は、ザックの中に芽生えた「勇気」の輝きこそが、不可能を可能とする「絶対たる力」であることを告げる。そして自分と出会ったこの世界を守ってほしいとエルミナに頼まれたザックは、彼女の死を乗り越え、復讐のためではなく大切なものを守るために剣を振るうことを誓い、勇気を司る守護獣ジャスティーンを覚醒させるのだった。
最後の決戦
ジークフリードは1000年前に守護獣の力により封印が施された塔「カ・ディンギル」を復活させる。カ・ディンギルは地上と星の海(宇宙)に浮かぶ人口天体「マルドゥーク」を結ぶ亜空間エレベーターとして建造された塔であり、ジークフリードはマルドゥークが持つ強力な対地攻撃能力によりファルガイアを滅ぼそうとしていた。一行はマルドゥークにいるジークフリードのもとへたどり着き、決着をつけるべく最後の戦いに挑む。戦いの末、遂にジークフリードを追い詰めるが、突如彼の身体に異変が起こり始め、その姿を変貌させる。それはジークフリードを文字通り喰らって復活を遂げたマザーであった。マザーは滅びてはおらず、ジークフリードの身体を乗っ取ることで生き延びていた。そのため、今まで戦っていたのはジークフリードであってそうではない存在であり、自らをマザーフリードと名乗り、ファルガイアを死の世界に変えようとしていた。しかしそれでも尚諦めないロディ一行の想いの前に、遂にマザーは敗北し、完全に消滅した。そして一行の想いに応えた守護獣の力によって、ファルガイアに覆われたマルドゥークから降り注がれた闇が払われる。
戦いが終わったことを実感し、ファルガイアに帰還しようと亜空間エレベーターで地上に降りようとしていたところ、滅び去るマザーの呪縛から逃れたジークフリードが襲い掛かってきた。彼は逆襲の刃「ジークツヴァイ」として勝利すらも捨てて、ファルガイアとマルドゥークを隔てた亜空間を暴走させるべく破壊のエネルギーを振りまくが、既に未来に希望を見出していた一行の敵ではなく、戦いの末敗北し、亜空間に散っていった。
しかし戦いの余波で亜空間が不安定となり、一行はカ・ディンギルの入口へと飛ばされる。直後、カ・ディンギルが爆破するが、一行を守ってくれたのは、自らの意志で動き出したアースガルズだった。アースガルズは自身の防御能力でバリアを展開し、一行を守り切るが、巨大なエネルギーを受けきったことによる負荷により機能を停止させた後、彼はセシリアに見守られて永い眠りにつくのであった。
最後の戦いが終わり、ロディとザックは再び渡り鳥として旅に出ていた。途中、アーデルハイドを旅立つ時にセシリアから受け取った手紙を読んでいたが、彼らの前に、アーデルハイドに残ったはずのセシリアが現れる。彼女は今後もロディ達とともに旅をすることを決意し、王族としての公務は叔父に任せて飛び出してきた。こうして再びセシリアが加わり、3人は平和を取り戻したファルガイアへ旅立って行くのであった。
『ワイルドアームズ アルターコード:エフ』のゲームシステム
サーチシステム
アウトフィールド上に隠れた町やダンジョンを発見するシステム。□ボタンでサーチしてマップシンボルを発見することで初めて中に入ることができるが、サーチウェブの範囲内に町やダンジョンが無かったり、出現するための条件を満たせていない場合はマップシンボルは出現しない。マップシンボルを出現させるための条件は町の住人から情報を得たり、イベントを進めることで見つけ出せるようになる。
グッズ
ロディ、ザック、セシリアの操作キャラクター3人には、ダンジョンの仕掛けを突破するためなどに必要なグッズが用意されており、使用することで特定のアクションを実行できるようになる。
セットボム
ロディ用のグッズ。木箱や壊せる壁を破壊できる爆弾を足元に設置した後、数秒後に爆発させる。爆弾は8個まで同時に設置可能で、それぞれ近くに設置するとそれを巻き込んで爆発させる。
ディテクター
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目次 - Contents
- 『ワイルドアームズ アルターコード:エフ』の概要
- 『ワイルドアームズ アルターコード:エフ』のあらすじ・ストーリー
- 出会い
- 旅立ち
- 守護獣殲滅作戦
- 過去との決別
- 最後の決戦
- 『ワイルドアームズ アルターコード:エフ』のゲームシステム
- サーチシステム
- グッズ
- セットボム
- ディテクター
- マイトグローブ
- グレネード
- ハンペン
- ワイヤーフック
- ジャンパーブーツ
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- マジックスタッフ
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- スクリュースタッフ
- パーソナルスキル
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- 『1st』の完全版サントラCDの企画実現がきっかけとなって開始された『F』の制作
- 左右非対称となっているマップ
- ハンペンの主人
- 記憶の遺跡での名前入力
- 『ワイルドアームズ アルターコード:エフ』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):「荒野の果てへ」
- 挿入歌:麻生かほ里「Windward Birds」
- ED(エンディング):麻生かほ里「足跡」