ワイルドアームズ セカンドイグニッション(WA2)のネタバレ解説・考察まとめ
『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』とはメディア・ビジョンが開発したPlayStation用のゲーム作品。1999年9月2日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)より発売。略称は「WA2」。ジャンルはロールプレイングゲーム(RPG)。精鋭部隊"ARMS"に配属された主人公の青年アシュレーが仲間達とともに世界を救うために戦う物語を描く。「英雄」という言葉をテーマに複雑な人間関係が織り成すストーリーがドラマチックに展開されるのが大きな特徴となっている。
タウンメリアで暮らす孤児の少年。12歳。実はガーディアンを信仰する隠れ里バスカー出身で、ガーディアンと交信しその力を源泉する魔法を操れる。ガーディアンに捧げられる生け贄「柱」になることを宿命づけられていたため、ティムの母親は自分の息子を生け贄にさせないためにバスカーから連れ出した。「柱」になるための試練を受けてその才能を覚醒させた後、ARMSの一員となる。やや弱気で人見知りなところがあり、ことあるごとに周囲から「世界のために死んでほしい」と言われるが、ARMSに参加することで精神的にたくましくなっていき、理不尽な死を拒絶し運命に抗うようになっていく。ストーリー終盤、レイポント・ウィングのマナを解放するための試練として、バスカーの里長、コレット、もう1人のティムの幻影から世界を救うためにはティム自身が死ぬことが1番簡単なことだと告げられる。しかしティムとともに戦ってきたプーカは「それは押し付けられた運命であり、ティムが考えて見つけた答えではない」と否定する。ティムは大切な人であるコレットを守るために命をかけていいと思っているが、自分が死んで世界を守れたとしても、次に何かが起こった時に生け贄の「柱」にされるのは同じ「柱」の資質を持つコレットであった。その時に自分が何もできなければ大切な人は守れないことに気づき、誰かの犠牲の上に立つ未来を創らずに世界を救えることを証明することが、自分が戦う理由であるという答えを出した。そしてプーカとの絆をより深めたことで、マナを解放することに成功した。
カノン
モンスター退治を専門とする凶祓を行っている女渡り鳥。実は”剣の聖女”の血族の分家であるベルナデッド家の末裔であり、本名は「アイシャ・ベルナデット」。ベルナデッド家は既に没落してしまっており、貧しく悲惨な子供時代を過ごしてきた。英雄の血統であることだけを支えに生きてきたため、己の血筋のみにアイデンティティを求めてきた。やがて魔を狩ることが英雄の役割であると考えるようになり、力を得るために身体の大半をシルエットと呼ばれる武装義体に替えた。オデッサに雇われる形で、最大の魔であるロードブレイザーを内的宇宙に宿すアシュレーをつけ狙うが、彼の説得に応じアシュレーに雇われる形でARMSに加入する。その一員として戦っていくなかでカノンはARMSのメンバーを仲間として認識するようになっていく。ストーリーの終盤、カノンは己の迷いと向き合うことになる。幼い頃はスラム街で貧しい生活を送っており、「英雄」になれればその状況から抜け出せると信じていたが、本当に求めていたのは「英雄」ではなく、自分を必要として受け入れてくれる「仲間」だった。そのために必要とされる「英雄」になろうとしていたが、ARMSという仲間がいるのに疎外感を感じているのは、カノン自身が仲間を拒絶しているからだと気づく。そして「英雄」は血脈にて受け継がれていくものではなく、何を為したかでそこに新たに誕生するものであり、自身を呪い続けた義体は”剣の聖女”の血よりも大切な「仲間」と自身を束ねる「絆」であると理解し、「英雄」の呪縛から解き放たれていった。
マリアベル・アーミティッジ
伝説の長寿種族ノーブルレッドの最後の生き残り。アーヴィングの文通友達でARMSの外部顧問を担当している。かつてロードブレイザーと戦った”剣の聖女”であるアナスタシアが生きていた時代から生き続けており、彼女とは親友の間柄だった。ファルガイアの真の支配者を自称しており、時代がかった口調が特徴的で、言いたいことをはっきり言う毒舌家だが根は優しく友達想い。ノーブルレッドは太陽の光に弱いため、昼間は怪しげな着ぐるみを着用している。ロストテクノロジーに精通しており、エマ・モーターの再起動やカノンの義体のメンテナンスなども行える。アナスタシアの記憶で構成された世界で時空を超えてアシュレーと出会っていたため、ストーリー序盤で初対面であるはずのアシュレーのことを知っていた。サブイベントをこなすとパーティーメンバーになる隠しキャラクターである。
メインキャラクターの関係者
アナスタシア・ルン・ヴァレリア
かつて聖剣アガートラームを手に、ファルガイアを灼き尽くそうとした焔の魔神ロードブレイザーと戦った英雄。その時の姿から後の時代では”剣の聖女”と呼ばれ語り継がれている。多くの人に慕われる優しい女性で、特別な血筋であったわけではなく、武芸の心得もなかったが、自分の大切なものを守ろうとする想いや、誰よりも「生きたい」「死にたくない」という生への欲求の強さがアガートラームに認められ、同時に欲望のガーディアンであるルシエドを引き寄せた。ルシエドやノーブルレッドの親友であるマリアベルとともにロードブレイザーに立ち向かうが、強靭な精神力を持つアナスタシアでも1人の心では世界中から負の感情を取り込んで再生を繰り返すロードブレイザーを倒すことはできず、最終的に自らの命と引き換えにロードブレイザーを事象の地平に封印する。しかし、生への執着の強さゆえに成仏しきれず、あの世とこの世の狭間からファルガイアを見守ってきた。ヘイムダル・ガッツォーの爆発で宇宙に吹き飛ばされていたアシュレーを自分の世界に呼び込み助け出し、彼をファルガイアへ帰還させるための手助けをした。ファルガイアを見守りつつアシュレーのプライベートも面白そうに注視していた。マリナとの関係も細部まで知っており、近所のエッチなお姉さんのような語り口でアシュレーが抱いていた英雄イメージを打ち砕いたフレンドリーな女性。また、マリアベルが操るデバイス「アカ&アオ」の製作者でもある。
ルシエド
欲望を司り、ガーディアンの中で唯一自らの力だけで実体化できる存在。アナスタシアが持つ純粋な「生きたい」という強い欲望に惹かれ、彼女に付き従い、ともにロードブレイザーと戦い抜いた。アシュレーがファルガイアに帰還した後、アナスタシアの頼みでファルガイアに行きアシュレーに力を貸すことになる。
アーヴィング・フォルド・ヴァレリア
ARMSの指揮官にしてアナスタシアの血統である貴族ヴァレリア家の現当主。オデッサの降魔儀式によって壊滅したARMSの権限を買い取り、新たな私設特殊部隊として新生ARMSを結成する。手足に怪我を負っており片足が不自由なため常に松葉杖を突いている。容姿端麗かつ冷静沈着な切れ者で、片足が不自由になる前は卓越した剣技と魔法の才を持っていた。天文学やロストテクノロジーへの造詣も深く、非の打ちどころがない人物だが、その優秀さゆえに他人を信じきれないところがある。ファルガイアを深く愛しており、強い正義感や使命感をもっているが、大のために小を切り捨てることをいとわないという考えの持ち主。かつて英雄の血筋にこだわりアガートラームを抜こうとしたが、剣に拒絶されてしまう。手足の傷はこの時に負った。
誰よりも早く侵食異世界カイバーベルトがファルガイアに接近することを予見し、これに対抗するための手段として、ファルガイアの地脈レイラインの溜まり場であるレイポイントから、ファルガイアのライブエネルギーであるマナで展開した檻を用いることで侵食異世界を閉じ込めた後に滅ぼすという策を思いつく。そのためには各国の協力や人々が団結する必要だったが、未知の脅威に対抗できるだけの強さを人々が持ち合わせていないと考えたアーヴィングは、この問題を解決し各国の協力体制を促す策として、身近に実感できる分かりやすい脅威である「世界共通の敵」、テロ組織オデッサを用意した。そして密かにオデッサに組織運営のための資金を提供するスポンサーとなり、以前研究を行い禁呪として封印した降魔儀式の運用方法と儀式に必要な魔鍵ランドルフを提供する。同時にオデッサに対抗する「正義の味方」としてARMSを用意。結果、彼の思惑通り、各国の協力体制が築き上げられ、マナの牢獄トラペゾヘドロンを展開することに成功するが、カイバーベルトは閉じ込められる寸前に自身の一部を切り離して逃げ出してしまい、作戦は失敗に終わってしまう。
後が無くなったアーヴィングは、最後の手段として妹アルテイシアと自身の身体を器にしてカイバーベルトを封じ、怪物に成り果てた自分達をアシュレー達に討たせることを選んだ。
アルテイシア・ルン・ヴァレリア
アーヴィングの双子の妹。おしとやかで控えめだが、言い換えれば自己主張に乏しい女性。双子の兄アーヴィングに対して恋愛感情に近しいレベルで敬愛しており、常に兄の役に立ちたいと思っている。カイバーベルトを宿す器になってほしいという兄の言葉を受け、世界のため、兄のためにその身を捧げた。ARMSの給食担当だがカレーしか作らず、作中のほとんどの時間を鍋の前で過ごしていた。
マリナ・アイリントン
アシュレーの下宿先のパン屋で働いている、彼の幼馴染にして恋人。家庭的な女性でアシュレーにとって帰るべき場所であり守るべき存在。「英雄」という存在が人の力ではどうにもならないことに捧げられる「生け贄」であることを早くからアシュレーに指摘していた。ストーリー終盤、オデッサの生き残りであるカイーナに誘拐され、命の危険に晒されたところをオーバーナイトブレイザーに変身したアシュレーに助けられるが、同時に初めて姿を変えたアシュレーの姿を目の当たりにする。一度はアシュレーを拒絶してしまうが、後にその精神をロードブレイザーに支配されかけたアシュレーを支え、彼の心を救った。
プーカ
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目次 - Contents
- 『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』の概要
- 『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- 銃士隊所属の青年
- 駆け抜ける逃亡者
- いきなりな魔女っ子
- ARMS結成
- テロ組織オデッサとの戦い
- 柱の少年
- 疑心
- 決戦の空
- 剣の聖女
- 侵食異世界
- 帰るべき場所
- 真実
- どんなときでも、ひとりじゃない
- 『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』のゲームシステム
- グッズ
- サーチシステム
- エンカウントキャンセル
- パーソナルスキル
- 怪獣図鑑
- オリジナルパワー
- バイアネット
- ヘヴィアーム
- クレストソーサー
- ガーディアンロア
- シルエットアーム
- レッドパワー
- ナイトブレイザー / オーバーナイトブレイザー
- アガートラーム
- デストラクション
- フォースアビリティ
- 『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- アシュレー・ウィンチェスター
- ブラッド・エヴァンス
- リルカ・エレニアック
- ティム・ライムレス
- カノン
- マリアベル・アーミティッジ
- メインキャラクターの関係者
- アナスタシア・ルン・ヴァレリア
- ルシエド
- アーヴィング・フォルド・ヴァレリア
- アルテイシア・ルン・ヴァレリア
- マリナ・アイリントン
- プーカ
- トニー・スターク
- スコット・サマーズ
- コレット・メイプルリーフ
- ケイト・リンドバーグ
- エイミー・フェアチャイルド
- オデッサ
- ヴィンスフェルト・ラダマンテュス
- カイーナ
- アンテノーラ
- トロメア
- ジュデッカ
- トカ
- ゲー
- その他の登場人物
- テリィ
- ビリー・パイルダー
- メリル
- ラッシュ
- ガバチョ
- エベチョチョ
- エルウィン
- モモ
- リンダ
- 『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』のアイテム
- 回復アイテム
- ヒールベリー
- ポーションベリー
- ミラクルベリー
- リヴァイヴフルーツ
- フルリヴァイブ
- ミニキャロット
- フォースキャロット
- アンチドーテ
- ウィッチメディシン
- バイオレットローズ
- カッパのなんこう
- やすらぎのかざぐるま
- おもちゃのハンマー
- ストーンクレンザー
- げんきドングリ
- せんそうアルニム
- アンブロシア
- バレットチャージ
- その他アイテム
- ラッキーカード
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- 1ギミルコイン
- 『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』の用語
- 世界
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- ギルドグラード
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- 兵器
- ロストテクノロジー
- エンゼルハイロゥ
- ヘイムダル・ガッツォー
- その他
- 感応石
- 『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ブラッド「受け取るがいい…ヴィンスフェルト・ラダマンティスッ!!!」
- アシュレー「19年間生きてきて、僕は他に命をかけられるものを知らないッ!」
- マリナ「おかえりなさい」
- メリル「誰かが『英雄』になるのなら、誰もが『英雄』になれるはず」
- 『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ナイトブレイザーの本来の姿は銀色の騎士
- 隠しボスであるラギュ・オ・ラギュラのモデルは、ウルトラシリーズの宇宙恐竜ゼットン
- 前作と役割や意味が異なる用語
- 『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』の主題歌・挿入歌
- DISC1OP(オープニング):麻生かほ里「どんなときでも、ひとりじゃない」
- DISC1中断テーマ:麻生かほ里「夜空」
- DISC1ED(エンディング):ゴスペラーズ「Atomic ARMS」
- DISC2OP(オープニング):麻生かほ里「Resistance Line」
- DISC2中断テーマ:麻生かほ里「奇蹟」
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