ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター(WA4)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター』とはメディア・ビジョンエンタテインメントが開発したPlayStation 2用のロールプレイングゲーム(RPG)。略称は『WA4』。戦争で荒廃化した世界「ファルガイア」を舞台に、戦争を生きた大人と、戦争を知らない子供という構図を軸に、戦うこと、力を振るうことの意味を問う物語を描く。作品構造からシステムまで全てが過去作から一新され、新たなステップへ向かった作品となっている。

『ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター』の概要

『ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター』は、2005年3月24日にソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたPlayStation 2用のゲームソフト。『ワイルドアームズ』シリーズの第五作目でナンバリングとしての略称は『4th』。前作『ワイルドアームズ アルターコード:エフ』と同時に発表された作品で、当初は『アナザーコード:エフ』という仮タイトルで呼ばれていた。タイトルのデトネイターは”起爆剤”を意味しており、その名の通り過去シリーズの様々な要素を一新し、システムから世界観に至るまで新たな”変革”を起こした作品となっている。

本作の特徴として、作品全体のワンプレイが短めである代わりに展開にスピード感があり、周回プレイがしやすいという、これまでのシリーズとは異なるアプローチで構築されている。作中における物語の展開速度が非常に速く、敵のキャラクターが次々に登場しては退場していく。

システム面では、バトルシステムが従来の作品から一新され、過去作のようにターン制ではなく、「HEX(Hyper Evolve X-fire sequence)バトル」が新たに起用されている。7つの六角形のマス(HEX)を移動しながら攻撃や回復などの行動を行い、キャラクターの素早さ(反応値の高さ)によって行動回数が変わってくる。敵味方含めての行動順番も表示され、キャラクターの順番やHEXの位置取りを考慮することが重要になる戦略的なバトルといえる。

本作ではアウトフィールドが存在せず、サーチシステムも無くなっている。インフィールドにも様々な新要素が導入されている一方、過去作ではおなじみだった操作キャラクターの切り替えやエンカウントキャンセルなど要素の一部がカットされている。その代わりに主人公のジュードにジャンプやスライディングなどといったアクション要素が追加され、アクションゲーム的な遊び方ができるようになった。

また、『アルターコード:エフ』でバトルシーンにのみ導入されたボイスが、イベントシーンにも導入されるようになり、それに伴い、イベントシーンの動きも強化され、過去作では見られなかった様々な演出が見られるようになっている。

戦争によりテクノロジーが高度に発達したが、その恩恵を受けた者はほとんどおらず、戦争に使われた兵器の残骸が世界中に残る世界と化している。

本作の「ファルガイア」には、過去作のように世界を支える存在「守護獣」も、古代の超技術であるロストテクノロジーも存在しておらず、「汎国家統合星府」と「議会騎士団」のファルガイアを二分する勢力によって引き起こされた長きに渡る世界大戦が終結した直後の時代が舞台となっている。大戦によって惑星環境が荒廃し、戦いのダメージと戦後の混乱により国家の統治能力は麻痺、秩序の回復が行われることなく治安が悪化しながら人々は自分達の暮らしを守るために必死に生きていた。
物語はそんな世界とは無縁の閉鎖された村で、村の秘密や自分を取り巻く環境の特殊さを知らないまま、唯一の子供として育ってきた少年ジュードが、村を襲撃され、強制的に外の世界へ放り出されるところから始まる。外の世界に出たジュードは、初めて出会った同年代の女の子ユウリィが謎の兵隊達に追われていることを知り、彼女を守ることを決意する。

『ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター』のあらすじ・ストーリー

覚醒

村を襲撃した飛空機械に乗り込んだジュードは、囚われの身となっていた少女と出会う。

緑あふれる静止した村シエルで暮らす13歳の少年ジュードは、剣術の稽古をさぼって樹の上で休んでいた。空腹を満たすために一度自宅に帰るが、アンリ師範の剣術稽古をサボったことが母エセルダにバレてしまい、仕方なくベリーで空腹を満たすために村はずれの森へ向かう。そこでジュードは、突如空を割って現れた飛空機械を目撃する。森に近づくと、そこには武装した兵隊達の姿があった。さらに様子を探るために飛空機械の内部に忍び込んだジュードは、部屋に囚われた同年代の少女ユウリィと出会う。
ユウリィを助け出すことを約束したジュードは、扉を開けるための鍵を探す途中、兵隊達の指揮官代行である雇い主のトニーに口答えをし、部屋に閉じ込められていた冒険者「渡り鳥」の青年アルノーを救出し、共に行動することになる。ユウリィのいた部屋に戻ると、そこには彼女の姿は無かった。行き先が村であることを知り戻ると、ユウリィと兵隊達に捕らえられていた村人達の姿があった。砂粒状の物質をユウリィの前に置き、彼女にそれを起動させるよう脅すトニー。その様子を見ていたジュードとアルノーは兵隊達に見つかってしまい、銃撃されるが、偶然ジュードが砂粒状の物質を触れた瞬間、それは一瞬で銃の形となりARM「シェイプシフター」として起動した。ジュードは手にしたARMで兵隊達を退けるが、ARMに対する「抗衝動」により巨大なエネルギーを暴走させてしまう。抗衝動はユウリィの不思議な力によって抑えられるが、暴走の衝撃により村を守る結界維持装置が深刻なダメージを負ってしまう。シエル村が空に浮かぶシェルターであったことを知ったジュードは、墜落する村から脱出するためにエセルダ達と脱出ポッドへ向かう。ユウリィ、アルノーと共にポッドに乗り込み、何とか脱出することは成功したが、エセルダや村人達とははぐれてしまうのだった。

外の世界

シエル村から脱出したジュード達は見知らぬ浜辺へと流れ着く。ひとまず近くにあるポートロザリアという町へ向かい、シエル村しか知らなかったジュードは、初めて見る活気あふれる町に心を躍らせる。一旦空腹を満たすために港町の潮風亭を訪れ、そこでファルガイアを旅する女剣士ラクウェルと出会い、彼女の依頼で聖母像を見るために護衛として共に巡礼地キュレーンへ向かう。そこでジュード達はシエル村を襲撃してきたトニー率いる兵隊達に遭遇し、これを退ける。ジュードが持つARMの力や、兵隊達がユウリィを狙う理由を知るために、ユウリィが幼い頃にいた白い孤児院へと向かうことになる。また、その話を聞いたラクウェルもジュード達の力になりたいと申し出て、正式にパーティに加わることになり、4人に増えたパーティは白い孤児院を目指して出発した。

一方、兵隊達を動かしていた「議会騎士団」の最高権力者「枢密院」の5人は、「未来受胎計画」と呼ばれる目的のために、議会騎士団の諜報機関特務局「ブリューナク」の局長ラムダにユウリィを捕えるよう命令を下した。命令を受けたラムダは、ファルガイアの未来のために、参事官アウグストの立てた作戦を実行し始める。

目的の白い孤児院にたどり着いたジュード達は、そこが数年前に閉鎖された議会騎士団が運営していた人口進化研究所であることを知る。ユウリィや彼女の兄などの戦争孤児を集めて人体実験を行い、議会騎士団が敵対していた「汎国家統合星府」の英雄ハウザーに対抗するためにARMを扱う「ジーンドライバー(因子適合者)」を量産することを目的とした施設であった。施設内を探索していると、ユウリィを捕えるために追ってきたブリューナクのコマンダー、ジェレミィと遭遇する。そこにブリューナクの副長にしてユウリィの兄であるクルースニクが現れ、ジェレミィが彼に気を取られている隙にジュード達はその場から逃げ出すが、アウグストの策にはまり、議会騎士団の空中空母へと入り込んでしまった。

枢密院の居城カラ・デ・レオンへ向けて出航した空中空母エウラリアから脱出すべく、空母に搭載されている艦載機を使う策を考えるアルノー。空母の甲板でブリューナクのコマンダー、サイスと彼に付き従う少女ベリエールと対峙する。ジュード達はサイスを辛うじて撃退するが、サイスを殺されて逆上したベリエールの力によって、エウラリアごと閉鎖空間に閉じ込められてしまう。どうにかベリエールを倒し、亜空間から脱出することに成功したが、見知らぬ樹海へと投げ飛ばされたジュード達は、しばしの休息を取り、空腹を満たすためにキャンプすることに。そこでジュード達はガウンという男と出会う。彼は仕事としてとある人物を探して旅をしており、ジュードはユウリィが追われていること、どこか遠くの地に逃げたいことをガウンに伝える。ガウンはバックライという町に行けば鉄道に乗ることができるとジュード達に助言し、彼らはバックライを目指すことになる。

逃亡

ガウンと別れ、バックライを目指す途中、ジュード達はユウリィの兄クルースニクと出会う。クルースニクはユウリィに一緒に来るように告げるが、自分を連れて行こうとするのは兄自身の意志なのかというユウリィの問いかけにはっきりと答えることができないクルースニク。そんな彼の態度に痺れを切らしたジュードはARMを手に立ちふさがり、クルースニクもまたARMを手に取り始めた。しかしクルースニクの身体はジュードとは違い、完全にARMに適合してはおらず、「LiNKER(リンカー)」という薬を服用しなければまともにARMを扱うことができなかった。再度ユウリィを呼びかけるクルースニクだったが、悩んだ末、ユウリィは共に行くことはできないと告げて追ってから逃げるためにジュード達とその場を立ち去るのだった。

ブリューナクの追手を振り切りながらバックライを目指すジュード達はガウンと再会して同行することになる。彼と交流を重ねる中、大人に不信感を抱いていたジュードやユウリィにとって、ガウンは数少ない信じられる大人へとなりつつあった。とある水のほとりに着いたジュードは、河を流されていく子犬を見つける。子犬を助けたジュードはバランスを崩して河に落ちそうになるが、そこに現れた黒衣の男に助けられる。同じく子犬を助けようとしていた男はジュードに手を差し出し、ジュードがその手を握ると、脳内に男の若き日の姿が流れてきた。突然の出来事に驚くジュードだったが、男は子犬と共にその場を立ち去った。ジュードに追いついたガウンは、去っていく男の姿を見て、その男こそが自分が追っている人物であり、かつて汎国家統合星府の英雄と呼ばれ、今は戦争犯罪人とされている「黒衣の死神」であると告げる。ガウンは男を追うために、ジュード達と別れて去っていった。

その後、バックライに到着したジュード達だったが、町の住人の会話から戦後の混乱により最後にバックライで列車が発着していたのは6、7年前で現在はまともな列車は運行していないことを知る。落胆するジュード達がブリューナクから逃げる手段を新たに考えることにした時、バックライを発とうとしている軍用列車とその車両に母エセルダの姿を目撃する。敵がいるのも顧みずジュードは列車の中へ飛び込み、後から追いついてきた仲間達と共に、エセルダ救出に乗り出す。列車には何故かガウンが乗車しており、彼からエセルダは先頭車両にいるはずだと教えられ、先頭車両を目指すジュード達だったが路線が切り替わるタイミングで車両を切り離されてしまい、ジュード達を乗せた車両は崖下に転落してしまった。

列車から吹き飛ばされたジュードは仲間とはぐれ、とある廃墟で目を覚ます。一方、別の場所で目を覚ましたアルノーの傍にはラクウェルがいた。これからどうするかを考えようとした時、突然ラクウェルが激しく咳き込む。その様子を見たアルノーは、彼女に病気なのかと尋ねる。ラクウェルは10余年前に、新型兵器グラウスヴァインの起動実験の際に発生した融合炉の暴走事故で壊滅した工業都市フェルクレルングの生き残りで、その事故の影響で有害物質に身体を犯されてしまい余命いくばくもないこと、自分達が今いる場所こそがかつてのフェルクレルングであることを告げる。
ラクウェルがファルガイアに残された美しいものを求めて世界を旅している理由を初めて理解し、自分だけが何の目的も無く旅をしていることを恥じるアルノー。そんなアルノーにラクウェルは旅の中で見つける旅の目的があってもいい、と優しく声をかけるのだった。

その後、ジュードやユウリィと合流し、ユウリィは以前出会った黒衣の男に助けられ共に行動をしていた。ユウリィを助けてくれたことに感謝し、男と握手をするジュードの脳内に、暴走する融合炉を解体する男の姿が流れる。それが男の過去の記憶であることを徐々に理解するジュードだったが、次に映し出されたのはジュードが生まれる前のシエル村の光景だった。
何故男がシエル村を知っているのかと問うジュードだったが、そこに無数の兵隊と、一緒に崖から落ちたはずのガウンの姿があった。ガウンは黒衣の男の名がハウザーであることを告げ、ハウザーとユウリィの身柄を確保しようとしていた。これまで味方だったガウンに困惑するジュード達に、彼は自身が特務局ブリューナクのコマンダーであることを明かし、ジュード達のことは気に入っていたことを伝える。しかし大人として仕事を果たすため、ジュード達に銃口を向け始める。戦争を憎むハウザーは、その力が星を焼いたのだと吼え、ARMを起動させて迎撃しようとするが、ユウリィは廃墟に彷徨う死者の魂を怯えさせないでほしいとハウザーを止める。そしてもう逃げないと誓ったユウリィは、ジュード達の命を救うためにガウン達に付いていくことを決意する。目的を果たして去ろうとするガウンにアルノーは、ガウンのような大人にはならないと伝える。ガウンはアルノーに大人になるんだな、と伝えて姿を消すのだった。

潜入

ガウンに連れ去られたユウリィを救出するために、ジュード達はバックライで得た情報を頼りにブリューナクの拠点である砂上戦艦ガラ・デ・レオンへ潜入する。警備の目を搔い潜りながらユウリィの元へ急ぐ途中、クルースニクと出会う。ジュード達が潜入する前、局長ラムダは枢密院に、ユウリィやARM研究開発に携わった異端技術者達の確保したこと、「ディバインウェポン(神剣)」と呼ばれるARMの発掘を完了したこと、黒衣の死神と呼ばれる英雄ハウザーをイルズベイル監獄島という監獄に収容したことを報告する。全てが計画通りに進んだ枢密院はラムダに、「未来受胎計画」の全容を話し始める。惑星環境修復装置として設計されたARMディバインウェポンの力で自分達の身体を若返らせ、永遠の命を得ること、ユウリィの大脳皮質にある前頭葉白質部を切除し、ディバインウェポンを制御するための「鍵」として操るという計画だった。民衆の手によって創る世界を望み、汚名を被り多くの部下を犠牲にしてきたラムダはこれに反発するが、枢密院に局長権限を一時凍結されてしまう。ラムダから話を聞いたクルースニクは、妹が危険に晒されていることを知り、妹を助けるために潜入したジュード達と一時共闘することになる。

クルースニクの協力を得て警備を突破したジュード達はユウリィを救出することに成功する。クルースニクは脱出経路をジュード達に教えた後、服務規程違反を犯したことを告げるためにラムダの元へ向かう。そこで目にしたのは枢密院の5人の老人を殺害しているラムダの姿だった。我欲のために行動していた枢密院を怒り、彼らを殺害したラムダは理想の未来を実現することを決意する。そこに脱出経路を目指していたジュード達が現れ、母を連れ去ったラムダの姿を見たジュードは突撃するが、傍にいた2人の副長、クルースニクとファルメルに妨害され、ジュード達は牢屋に入れられてしまう。

ジュード達は牢屋でシエル村の人々と再会する。その後、クルースニクの手引きによって解放されたジュード達は戦艦から脱出するべく行動を開始する。一方クルースニクはラムダに艦を降りてブリューナクを脱退することを伝える。世界の未来のためにブリューナクや枢密院の正義を信じて行動していたが、枢密院がユウリィを危険に晒そうとしていたことを知り、貫く理想を見失ってしまったクルースニクはARMを扱うこともできなくなってしまい、失意のまま1人立ち去るのだった。

クルースニクと別れた後、監禁されていた母エセルダと再会し、シエル村の住人達と共にエアボートのある甲板を目指すジュード達だが、彼らの前にアウグストが立ち塞がる。ラムダ達がイルズベイル監獄島へ向かうまでの時間稼ぎを買って出たアウグストは、ディバインウェポンのサンプルセルを体内に注入して「ARM暴走体」と呼ばれる異形の怪物に変貌する。アウグストを退けたジュード達だったが、その直後に砂上戦艦は爆発を起こし始める。後から追いついてきたエセルダやシエル村の住人達と脱出の準備を進める中、ARMを造り出し戦争に加担してしまった罪を償うために、エセルダはディバインウェポンを止めるために戦うことをジュードに伝える。
そして2隻のエアボートで脱出を始めるが、エセルダ達シエル村の住人が乗ったエアボートは爆発に巻き込まれてしまい、脱出に成功したのはジュード達4人だけとなってしまった。目の前で母が命を落とした事実に、ジュードは泣き叫ぶのだった。

再起

悲しみに包まれたジュード達は、戦争によって住む場所を失った人々が入植する開拓村フロンティア ハリムへ辿り着く。そこでジュード達はエセルダ達とは別のポッドでシエル村から脱出した住人達と再会する。シエル村の住人達は村を襲った一部の軍人達と暮らしていたが、その軍人達は上層部のやり方に疑問を抱き、捕らえられていた住人達と共に逃亡し、力を合わせて村で生活していた。しかし村は現在不発弾による地下水源汚染により深刻な事態に陥っていた。ジュードは剣術の師範であるアンリから頼まれ、あらゆる病を治すと言われる「仙草アルニム」を取りに行く。道中、ジュードは戦争に使われた技術が不発弾の処理に使われた話から力には様々な使い方があることに気づく。そして少しずつ母の死による悲しみから立ち直っていった。

仙草アルニムを手に入れ、ラクウェルは村にいる子供の1人に一瞬躊躇しながら手渡す。あらゆる病を治す仙草アルニムが自分の病をも治せるかもしれないと縋りたくなったことをアルノーにだけ告げるラクウェル。ラクウェルも自分と同じように弱さを抱える人間だと知ったアルノーは、彼女を支える決心をする。そして母の意志を受け継ぎ、ディバインウェポンを止めることを決意したジュードは仲間達と共に、イルズベイル監獄島へ向かうための船を手に入れるため、かつて訪れた港町ポートロザリアへと向かった。

ポートロザリアに着いたジュード達は、クルースニクと再会する。意地が折れてしまったと語るクルースニクはしばらく無気力状態に陥っていたが、旅の中で成長を続けているユウリィの姿と言葉により復活する。彼は船を入手できなかったジュード達に空路によるイルズベイルへの進行を助言し、飛空機械がある議会騎士団の空港の場所を教えてジュード達と別れて去っていった。

未来

戦いが終わり、それぞれの未来に向かって歩き始めた4人はいつか再会することを約束する。

今は閉鎖された空港ディエバスに辿り着いたジュード達は、ガウンと再会を果たす。ガウンは二丁拳銃に込められた12発を用いてジュード達の行く手を遮る高い壁として立ちはだかるが、彼らはそれを乗り越える。ジュード達の覚悟を見届けたガウンは逃げてほしいと本音を漏らしつつも道を空ける。その後、飛空機械のある格納庫に着き、アルノーの操縦を頼りに飛空機械を飛ばすと、イルズベイルに設置された10発の迎撃ミサイル「ガングニール」がジュード達に向かって発射される。しかしその窮地を救ったのは追ってきたガウンだった。ガウンは二丁拳銃を用いてミサイルを全て撃ち落とすが、ラムダは11発目のミサイルを隠していた。弾丸を全て使い切っていたガウンは、飛んでくるミサイルを拳で破壊し、爆発と共に姿を消した。ガウンの覚悟を見たジュード達は、彼の意志を受け継ぎイルズベイルへ向かうのだった。

イルズベイル監獄島に人の気配は無く、島全体がARM暴走体によって侵食されていた。ディバインウェポンがある最深部を目指すジュード達は、途中クルースニクと合流する。ようやくクルースニクと和解したのもつかの間、施設の崩壊によってジュードとクルースニクは他の3人と分断されてしまう。しかし、道は違えど目指す未来は同じだという思いを共有し、お互いの無事を信じて二手に分かれて最深部を目指す。

憎まれ口を叩き合いながらも、ARMをジーンドライバーとしてお互いに連携をしながら先に進むが、完全なジーンドライバーであるジュードとは違いLiNKERを服用しなければまともにARMを扱うことができないクルースニクは、ARMを起動するたびに抗衝動に耐え続けていた。そんな中、突然発生した地割れによって、クルースニクは奈落の底に落ちそうになる。自身の限界を悟ったクルースニクは、ユウリィを守ってほしいとジュードに告げ、彼にARMを託して奈落の底へと消えていった。ジュードは自分とクルースニクのARMでユウリィを守ると約束し、他の3人と合流する。

最深部でジュード達を待っていたラムダは、ディバインウェポンを使ってファルガイア中にARM暴走体を埋め尽くし、人類にとって過酷な環境に作り変えた後、その環境を乗り越えてより強く進化した人類によって未来を創ることを望んでいることを告げる。しかしそのために大勢の命を犠牲にしていいわけがないと反論したジュード達と戦い、ラムダは敗北する。だが同時にジュード達が次世代の希望であると確信したラムダは、彼らに世界の未来を託すために、ディバインウェポンに続く道を切り開いた。

ディバインウェポンは戦争終結後も争いを続ける人類に絶望したハウザーの強い負の想念によって暴走していた。ジュード達はファルガイアの未来を守るため人類を滅ぼそうとするハウザーに最後の戦いを挑む。激闘の末、ハウザーを倒しディバインウェポンの機能を停止させることに成功したジュード達。しかしその影響で最深部は崩壊を始め、急いで脱出を試みるが、そこにARMを手にハウザーが追ってくる。それに気づいたジュードは、1度はARMを起動させるが、直後にARMを手放しハウザーに抱き着く。ジュードはハウザーや大人達が10年前の戦争で戦ってくれたこと、未来を守ってくれたことに感謝し、今度は自分達が新しい未来を創り、争いを無くすよう頑張っていくことをハウザーに伝える。ジュードの言葉を聞いて、ARMを手放したハウザーの表情には憎悪は無く、穏やかな笑みを浮かべながらジュードの頭を撫でると、ジュードの脳内に何かが駆け巡る。次の瞬間、ハウザーの身体は消滅していった。
涙を流すジュードの前に、以前川で助け、ハウザーと一緒に行動していた子犬が現れる。元気に駆け寄る子犬の姿を見たジュードは吹っ切れ、仲間達に皆で帰ろうと告げて、イルズベイル監獄島を脱出するのだった。

数日後、フロンティア ハリムに帰ってきたジュード達。ジュードとユウリィは村の開拓を手伝うことを決め、アルノーはラクウェルの身体を治すため、ラクウェルは引き続きファルガイアに残った美しいものを探すために2人で共に旅立つことを決めた。いつか4人揃って再会することを約束し、アルノーとラクウェルは旅立って行った。その後、ジュードとユウリィが外に出ると、近くに置かれていたオルゴールを見つける。そのオルゴールからはユウリィが昔聴いていた懐かしい曲が流れ出していた。持ち主が現れるまでユウリィが預かっていなよと言いながらジュードは走り出した。その後を追いかけるユウリィは、彼にこれから先どうするのかと質問する。昨日まで出会った大人達に笑われないようなカッコいい大人になるとジュードは答えるのだった。

それから10年後、ジュードは森林保護官、ユウリィはフロンティア ハリムで教師になり、アルノーは旅の途中でラクウェルと結婚し娘を授かり、食堂経営の道を選び、ラクウェルは体の治療法を見つけることはできず、娘を産んだのち他界するが、世界に残された本当に美しいものを見ることができ、彼女の旅は終わりを迎えた。

揃って再会する約束は果たせなかったが、ファルガイアには今も未来が続いていた。

『ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター』のゲームシステム

アクショントリガー

コントローラーの「L1」「R1」「L2」「R2」の4つのボタンから行うことができる特殊なアクション。それぞれ「ロックオン」、「アクセラレイター」、「ディテクター」、「エンカウントブレイク」というアクションが割り当てられており、ゲームの進行度によって使えるアクションが増えていく。

ロックオン

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