機動戦士Ζガンダム（ゼータ）の名言・名セリフ／名シーン・名場面まとめ

「なぜ地球圏へ戻ってきたのです」 「君を笑いにきた。…そう言えば、君の気が済むのだろう？」

アムロとクワトロの会話。
7年ぶりの再会を果たしたアムロとクワトロ。かつて自分を事実上敗北へと追いやったアムロが7年もの間、燻っていた事に対する皮肉とも取れるセリフである。かつての戦友達やライバルであったシャアが、自らのやるべきことをやっているさなか、自分だけが何もできずただ傍観するだけだったアムロの苦悩が描かれている場面である。

「カミーユ…。カミーユ、もう1度だけ訊いていい？今でも、カミーユって名前嫌い?」「好きさ。自分の名前だもの」

フォウとカミーユのセリフ。
エゥーゴに所属するカミーユとティターンズに所属するフォウ。敵対する組織に所属する2人の出会いはホンコンだった。フォウという名前を無邪気に「いい名前だね」と言うカミーユと、「嫌いなんだ、自分の名前」と見抜くフォウ。幼少期の記憶を持たないフォウにとって「フォウ」という名前は彼女が持つ唯一のアイデンティティだった。2人はお互いに惹かれ合いながらも、対立する組織の関係からすれ違い、幾度も対決していくのであった。再び戦場で出会った2人、何をしていいのかかわらないカミーユは、狂ったように敵であるフォウに自分の過去を語った。これはそんなカミーユとフォウの会話である。

自分の名前が嫌いだと公言していたカミーユが自分の名前を好きと言った事は、カミーユがフォウという他者に承認してもらうことで、はじめてアイデンティティを獲得したことを示しており、フォウという少女との出会いがカミーユの成長に大きく寄与している事がわかるシーンである。

その後、フォウや共に行動していたアムロの説得により、カミーユは再び宇宙へと上がって行ったのである。

君がエゥーゴの、指揮をとれ… シャア・アズナブル…!

ブレックス・フォーラのセリフ。
連邦政府議会に出席するため、地球へと降りていたブレックスとクワトロ。しかし、ブレックスがティターンズの手によって襲撃を受けてしまう。銃声を聞きブレックスの下へ駆けつけたクワトロだったが、一足遅くブレックスの命は尽きようとしていたのだった。これはブレックスが命尽きる間際に残した遺言とも言うべきセリフである。

脇役ながらも重要なポジションに位置していたブレックスの死は視聴者に動揺を与えた。また、ブレックスがクワトロ＝シャアである事を知っていた事が解る場面であり、かつて敵兵であった事を知りながらもブレックスはクワトロ・バジーナという人間を信頼していた事を察することができる。

よくもミネバをこうも育ててくれた!偏見の塊の人間を育てて、なんとするか!

クワトロ・バジーナのセリフ。
エゥーゴとティターンズの争いが激化するなか、火星と木星の間にある小惑星帯アステロイドベルトからハマーンが率いるジオン残党・アクシズが地球圏へと帰還した。ティターンズとの争いを有利にするため、エゥーゴはアクシズと同盟を結ぶことを画策し、要請を行うためクワトロらはアクシズと接触をしたのである。そこで目にしたのは、1年戦争から時が止まったかのように思えるジオン兵、ジオン公国中将であり、ザビ家の人間であったドズル・ザビの忘れ形見であるミネバ・ラオ・ザビ、そしてその摂政を務めるハマーン・カーンの姿だった。ミネバとの対面を果たすクワトロ。しかし、ハマーンの傀儡と化し、用意されたセリフを淡々と棒読むミネバを見て、哀しみと怒りを覚えたクワトロは猛然とハマーンに掴みかかった際に言い放ったセリフである。

このシーンから視聴者は、クワトロが沈着冷静なようで実は情の深い人間であるという本質を持っていることを理解できる場面である。

…人は、同じ過ちを繰り返す………まったく…！

アムロのセリフ。
ティターンズおよび、地球連邦軍の重要拠点となっているキリマンジャロ基地攻略を開始したエゥーゴとカラバ。そこには、以前カミーユが敵と知りながらも心を通じ合わせた少女フォウ・ムラサメ、そして因縁の相手であるジェリド・メサの姿があった。サイコガンダムという巨大モビルアーマーで戦い続けるフォウを説得したカミーユ。しかし襲い掛かってきたジェリドからカミーユを庇いフォウは命を落としてしまうのだった。敵同士でありながら心を通わせた相手の死、それはかつて1年戦争時にアムロとクワトロが体験したララァ・スンの死と同じだった。これはアムロのやりきれない心情を吐露したセリフである。その後、クワトロはカミーユの「あなたはシャア・アズナブルに戻らなくてはいけない」という言葉に突き動かされ、再びシャア・アズナブルとなり、一年戦争終結以来、アステロイドベルトに置いてきた人類全ての革新という理想を、今再び、追いはじめることとなるのである。

私はかつて、シャア・アズナブルという名で呼ばれたこともある男だ。

クワトロ・バジーナのセリフ。
クワトロが世論を味方につける為、カラバなどの協力を得てダカールの連邦議会を占拠し、全世界にテレビ中継で行った演説の一部である。クワトロは、この演説で自らの正体がかつてのジオンのシャア・アズナブルであると共にジオン・ズム・ダイクンの遺児である事を明らかにしたのだった。

この場面により視聴者はシャアはニュータイプとしてMSパイロットの才能だけでなく、政治的センスも兼ね備えた人物である事を理解したのである。ガンダムファンの間でも連邦派ジオン派問わず、シャアというキャラクターが好きだという声は多い。

これにより、議員だけでなく地球の一般市民、更にはティターンズ内部にまでもティターンズに対する疑念や不信感が生まれ、エゥーゴとティターンズによる抗争のターニングポイントになったのである。

「…やめろ、ハマーン!」「よくもずけずけと人の中にはいる!恥を知れ、俗物!」

カミーユとハマーン・カーンのセリフ。
カミーユとハマーンの戦闘中、ハマーンはカミーユの母を、カミーユはハマーンと共にいるシャアのイメージが脳内をよぎった。ニュータイプ同士の接触で起きる特有の共鳴現象が発生したのである。これは、カミーユの人は分かり合えるという主張に対し、拒絶を示し言い放った言葉である。

相手の記憶を読み取るという描写は視聴者にカミーユのニュータイプとしての素質がとてつもなく高いことを示したのである。原作者である富野由悠季もニュータイプとして一番能力が高いのはカミーユと公言している。
また、ハマーンもニュータイプの優れた素質の持ち主であり、苛烈な言動ながらもシャアに恋慕していた事がわかる場面である。

私の生命を吸って。そして、勝つのよ

エマ・シーンのセリフ。
ティターンズのエース、ヤザン・ゲーブルとカミーユの戦闘に巻き込まれ重症を負ったエマ・シーン。命が尽き果てようとするなか、カミーユにΖガンダムに「人の魂を集め、それを力にする」という未知の性能が備わっている事を伝えた。これはそれをカミーユに言及するエマのセリフである。その後、エマはカミーユに「寂しがることはない」と言い遺し静かに息を引き取る。そして、カミーユはエマの言葉を胸に、再び戦場へと戻っていくのだった。

カミーユの身を案じ続け、最期に使命を与え息を引き取ったエマは、カミーユにとって姉であり、母親的な存在だったのである。