ウルトラQ(円谷プロ)のネタバレ解説・考察まとめ
1966年1月2日から7月3日にかけて放映されたTBS系で放送されたテレビ番組。白黒作品。
ウルトラシリーズ第一弾にあたる。円谷プロダクション制作。全28話。
世界のバランスが崩れた「アンバランスゾーン」で巻き起こる怪事件や怪獣出現を描く。
後のシリーズと違い、防衛組織やスーパーヒーローが登場しないことが特徴。
2011年、『総天然色ウルトラQ』と題してカラーライズされた。
ハニーゼリオン
『甘い蜜の恐怖』に登場。ローヤルゼリーの何十倍もの効力を持つ高性能栄養剤だが、副作用により生物を巨大化させてしまう。木村重夫が開発し、副作用の解決に向け研究が進んでいた。木村の功績を妬んだ伊丹一郎がモグラに摂取させた結果、モングラーが誕生した。
いなづま号
『地底超特急』に登場。最高時速450キロメートルの超高速列車。人工頭脳による自動運転が実現している。新東京駅-北九州駅間を3時間でつなげる。区間の殆どがトンネルであり、別名「地底超特急」。車体には翼やロケットエンジンが搭載されており、客室の他にも特物品輸送用の保管ロッカーが搭載されている。北九州駅にはトラブルに備えていなづま号を受け止められる巨大な車止めが用意されているが、最高速度で突っ込んできた場合には、停車させられる確率は80%にまで低下してしまう。
電波遮蔽網
『ガラダマ』『ガラモンの逆襲』に登場。一の谷博士と彼のもとで働く研究メンバーが開発した特殊な網。チルソナイトの隕石から発せられる電波を遮断する。『ガラダマ』『ガラモンの逆襲』双方においてチルソナイトの隕石によってコントロールされていたガラモンを倒す活躍を見せた。『ガラモンの逆襲』においてはシート状に形状が変わり、折りたたんで携帯できるように改良されたモデルが登場した。
Kミニオード
『2020年の挑戦』に登場。Xチャンネル光波を発生させるために必要なパーツである。本編には神田博士が試作させたサンプルが登場。東京タワーに取り付けられ、ケムール人の攻撃に使用された。
Xチャンネル光波
『2020年の挑戦』に登場。周波数Xの範囲にチャンネルを持つ光波。Xチャンネル光波はケムール人の脳に強い影響を及ぼす。神田博士がXチャンネル光波の研究中にケムール人の脳波と接触した他、高出力のXチャンネル光波を受けたケムール人はのたうち回るほど苦しんだ。
異次元
『あけてくれ!』に登場。時間と空間を超越した異次元であり、住民たちはなんの苦しみも味わわずに生活を送っている。現実の世界とはどこまでも下っていくエレベーターや異次元列車などでつながっており、1年前に異次元に移住したSF作家・友野健二は現実世界へ原稿を送ることで別れた家族の生活を支えている。電話も通じており、異次元の側から短波通信による着信があった。
代表的な怪獣
古代怪獣ゴメス
『ゴメスを倒せ!』に登場。
身長:10メートル
体重:3万トン
出身地:東海地区金峰山付近
弾丸道路の工事現場で目撃された怪獣。学名をゴメテウスという。変温動物の特性も遺す原始哺乳類で、凶暴な肉食獣である。作業員や調査に入った淳と由利子を食べようと襲いかかる。武器は鋭い爪や尻尾、口にはえた牙。リトラと死闘を演じ、シトロネラアシッドを浴びて絶命した。
記念すべき最初のウルトラ怪獣である。ゴメスのきぐるみは円谷英二の縁で東宝から借りてきたゴジラのきぐるみを改造して作られている。
原始怪鳥リトラ
『ゴメスを倒せ!』に登場。
身長:5メートル
翼長:15メートル
体重:1万トン
出身地:東海地区金峰山付近
弾丸道路の工事現場で見つかったサナギから孵った怪獣。学名はリトラリア。鳥類と爬虫類の中間に当たる生物で、成長過程でサナギになるという特徴がある。嘴が普段の武器。最期の武器にシトロネラアシッドという強酸性の液体を吐くことが出来るが、これを吐くと自身の呼吸器にも強いダメージが加わり、自らも死に至ってしまう。ゴメスと死闘を演じ、シトロネラアシッドを吐いたことによって絶命。
ゴメスに並ぶ最初のウルトラ怪獣。造形にはゴメスと同様東宝から借り受けたラドンを用いての改造だと言われているが、明白な差異が多いため関係者の中にはこれを否定する向きもある。
火星怪獣ナメゴン
『宇宙からの贈り物』に登場。
身長:30メートル
体重:1万トン
出身地:火星
ナメクジによく似ている。消息を絶っていた火星探査機が突然地球に帰還した際、中に入っていた2つの球状の宝石のような物体が卵だった。卵は熱により孵化する性質を持ち、1つは大藏島の温泉の熱で、もう1つはアルコールランプの日に反応して孵化した。目から怪光線を放ち、人間を死に至らしめる。ナメクジと同様に塩水が弱点で、1匹は海に落ちて解け、もう1匹は退治のために塩水を用意する場面で作品は終わる。
外宇宙から送られてきた怪獣とされているが、具体的にナメゴンを送り込んだ宇宙人の正体は判明していない。一の谷博士は闇雲な宇宙開発に対する宇宙人たちからの警告であると考えた。
放映前の試写会で高い評価を受け、『ゴメスを倒せ!』と共に第1話の座を争った『宇宙からの贈り物』。シリーズ初期にして「科学万能主義に対する批判」という高いテーマ性を背負って登場したナメゴンは、視聴者に強いインパクトを残した。
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目次 - Contents
- 『ウルトラQ』の概要
- 『ウルトラQ』の登場人物・キャラクター
- 万城目淳
- 戸川一平
- 江戸川由利子
- 一の谷博士
- 代表的なSFガジェット
- シトロネラアシッド
- 青葉くるみ
- 炭素ガス固定剤
- ペギミンH
- ハニーゼリオン
- いなづま号
- 電波遮蔽網
- Kミニオード
- Xチャンネル光波
- 異次元
- 代表的な怪獣
- 古代怪獣ゴメス
- 原始怪鳥リトラ
- 火星怪獣ナメゴン
- 巨大植物ジュラン(マンモスフラワー)
- 冷凍怪獣ペギラ
- 隕石怪獣ガラモン
- コイン怪獣カネゴン
- 誘拐怪人ケムール人
- 印象的な回
- 『ゴメスを倒せ!』
- 『1/8計画』
- 制作裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 幻の作品『WOO』と「オプチカル・プリンター」
- 『UNBALANCE』から『ウルトラQ』へ
- 『ウルトラQ』にNGカットが多数残った理由
- 前代未聞の「全話制作後放送」と、スポンサーへの配慮
- 放映話数決定と欠番と放送延期と
- 次回予告が現存していない理由
- 放映後の『ウルトラQ』
- 構想18年の超大作『総天然色ウルトラQ』