ゲド戦記(ジブリ映画)のネタバレ解説・考察まとめ
2006年公開、スタジオジブリ作品であり、宮崎駿氏の息子である宮崎吾朗氏が初監督を務めた長編アニメーション映画。国を捨て旅に出た王子アレンと、その旅の途中で出会った顔にやけどを負った少女テルー。二人は旅をするにつれ、自身が抱える辛い過去と向き合いながらお互いの理解を深めていく。互いの心に歩み成長していく姿や、メッセージ性に様々な考え方をもたらす作品。
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2006年公開、スタジオジブリ作品であり、宮崎駿氏の息子である宮崎吾朗氏が初監督を務めた長編アニメーション映画。国を捨て旅に出た王子アレンと、その旅の途中で出会った顔にやけどを負った少女テルー。二人は旅をするにつれ、自身が抱える辛い過去と向き合いながらお互いの理解を深めていく。互いの心に歩み成長していく姿や、メッセージ性に様々な考え方をもたらす作品。
2006年公開、スタジオジブリ作品であり、宮崎駿氏の息子である宮崎吾朗氏が初監督を務めた長編アニメーション映画。国を捨て旅に出た王子アレンと、その旅の途中で出会った顔にやけどを負った少女テルー。二人は旅をするにつれ、自身が抱える辛い過去と向き合いながらお互いの理解を深めていく。互いの心に歩み成長していく姿や、メッセージ性に様々な考え方をもたらす作品。
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スタジオジブリ作品のキャッチコピーは、コピーライターの糸井重里、スタジオジブリプロデューサーの鈴木敏夫、メイジャーの宣伝プロデューサー徳山雅也などが担当している。ジブリ作品のキャッチコピーは、『魔女の宅急便』の「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」や、『風立ちぬ』の「生きねば。」など、どれも秀逸なものばかり。ここでは、彼らの簡単な経歴や名キャッチコピー、作品を紹介していく。
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ジブリの歴代ヒロインとは、『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』といったジブリ作品に登場する女性キャラクターたちのことである。ジブリのヒロインは主人公として登場することも多く、その存在はファンたちから憧れを抱かれることも多い。主に10代の女子が活躍しているが、その他にもポニョやメイのような幼い女の子やマダム・ジーナのような大人の女性も作品を盛り上げている。
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スタジオジブリとは、主に長編アニメーション映画の制作を主力事業として展開しているアニメーション制作会社である。スタジオジブリは数々の名作を生み出してきた。宮崎駿や高畑勲を筆頭に、生み出される作品の造詣は非常に深い。それ故に、一度見ただけでは理解できない描写や、そもそも何を意味しているのかが説明されていないシーンが多数存在する。ここでは、ジブリにまつわる裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話を一挙紹介していく。
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『コクリコ坂から』とは、2011年に公開されたスタジオジブリのアニメーション映画。監督は宮崎吾朗で、キャッチコピーは『上を向いて歩こう。』。 港南学園高校2年生のメルこと松崎海は、毎朝庭で旗を揚げていた。それは戦争に行ったきり、帰ってこない父親へ向けた信号旗だった。ある日、学校新聞「週刊カルチェラタン」で、自分が旗を揚げる少女として取り上げられていることに気が付く。それは同じ高校の3年生、風間俊が書いた記事だった。メルはこの記事をきっかけに俊を気にするようになり、だんだんと彼に惹かれていく。
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『天空の城ラピュタ』とは、1986年に公開されたスタジオジブリ作品。宮崎駿氏が監督、脚本、原作を手掛けた長編アニメです。飛行石という不思議な石を持つシータと、彼女を助けた少年パズー。空に浮かぶとされる島ラピュタ発見を夢見て、飛行機を作っていたパズーはシータと共にラピュタ探しを提案します。そこに空中海賊、政府軍などが飛行石、そしてラピュタを狙い介入。ただの冒険活劇でないところが、数十年経っても衰えない人気を誇っています。
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『となりのトトロ』とは、1988年に公開したスタジオジブリ制作のアニメ映画。昭和30年代、緑豊かな農村に引っ越してきた草壁さつき、メイの姉妹は奇妙な生き物トトロと出会う。ネコバスも含め、子供の時にしか会えない彼らとの交流、そして少しの成長を描いたもの。爽やかな自然の描写と、それに相反する多くの暗い都市伝説を持つ作品でもある。原作、脚本、監督は宮崎駿。
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「崖の上のポニョ」とは、宮崎駿監督によるスタジオジブリ製作の長編アニメーション映画作品。2008年に公開された。藤岡藤巻と大橋のぞみが歌うエンディング主題歌「崖の上のポニョ」は、オリコン週間3位になり話題になった。崖の上の一軒家に住んでいた5歳児の少年「宗介」は、海で魚の女の子「ポニョ」に出会う。ポニョは宗介に恋をし、人間になろうとするのであった。
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『風の谷のナウシカ』とは、1984年トップクラフト制作の日本アニメーション映画で、宮崎駿監督の長編アニメーション映画第2作である。原作は「アニメージュ」に連載していた宮崎の同名漫画『風の谷のナウシカ』。遥か遠い未来、近代文明が崩壊し「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に世界は覆われていた。その辺境にある「風の谷」で生き抜く少女の生き様を描く。
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『風立ちぬ』とは、2013年にスタジオジブリが公開したアニメーション映画で、監督は宮崎駿。キャッチコピーは「生きねば。」。主人公の堀越二郎は、幼い頃から飛行機が大好きで飛行機乗りになりたかった。しかし近眼という決定的な欠陥から飛行機乗りの道を諦め、設計者を志すこととなる。そして大学生のころ関東大震災にあい、その時に出会った結核の少女、里見菜穂子と恋に落ちる。大正から昭和へと流れゆく時代に、生と死の間で苦悩する青年を描いた感動作となっている。
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『おもひでぽろぽろ』とは、1991年公開のスタジオジブリ作品である。監督・脚本は高畑勲。制作プロデューサーとして宮崎駿も参加している。ひとり旅に出た27歳の私が“小学5年生のワタシ”と一緒に、それまでの歩みを振り返るストーリー。 声優として今井美樹や柳葉敏郎が参加していることも上映当時には話題となった。 キャッチコピーは「私はワタシと旅に出る」。
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『君たちはどう生きるか』とは、義母を救うために不可思議な世界を旅する少年の姿を描いた、宮崎駿によるアニメ映画。宮崎が「これで本当に最後」と明言して制作した作品で、宣伝も無く、公式HPも無く、一切情報を隠したまま公開されるという独特の手法で話題となった。 太平洋戦争が激化する最中、牧眞人は父と共に郊外へ引っ越し、そこで叔母で新たに自身の義母となるナツコと再会。どう接すればいいのか互いに戸惑う中、ナツコはいずこかへと姿を消し、眞人は彼女を連れ戻すために謎のアオサギに導かれて異界へと旅立っていく。
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『千と千尋の神隠し』とは、2001年の夏に劇場公開されたジブリの長編アニメーション映画。この映画は千尋という10歳の少女が神々の世界に迷い込んでしまう物語である。興行収入は300億円を超える業績を生み出し、2003年にはアカデミー賞を受賞した。まさに大作中の大作である。その名作ぶりは2016年のイギリスBBCの投票で、「21世紀の偉大な映画ベスト100」の4位に選ばれたほどとなっている。
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『もののけ姫』とは、宮崎駿、スタジオジブリ原作の長編アニメーション映画作品である。 1997年7月12日全国公開され、1998年の春先までロングラン上映を実施した映画館もあったことで、興行収入193億円を記録し、20世紀日本映画歴代興行収入第1位となった。 アシタカという人間ともののけに育てられたサンが出会い、人間と自然の対立を描いた壮大な作品になっている。
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『ハウルの動く城』とは宮崎駿監督、スタジオジブリ製作の日本の長編アニメーション映画作品である。2004年11月20日に全国公開され、興行収入は196億円。スタジオジブリ製作アニメでは「もののけ姫」を抜き、「千と千尋の神隠し」に次ぐ第2位の記録を樹立した。 物語は魔法と機械が混在する架空の世界が舞台。呪いで老婆にされた少女ソフィーと魔法使いハウルの戦火の恋を描く。
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『魔女の宅急便』は、1989年に公開されたスタジオジブリ制作のアニメーション映画。キャッチコピーは「おちこんだりもしたけれど、私は元気です」。13歳の魔女キキは満月の夜に自分の住む街を出て、海の向こうの街コリコにたどり着く。そこで「魔女の宅急便」を開業し、挫折を味わい、成長していく。角野栄子の『魔女の宅急便』が原作で、映画では原作よりファンタジー性が抑えられているのが特徴。
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『紅の豚』は、1992年7月18日に劇場公開された、スタジオジブリ制作・宮﨑駿監督による日本の長編アニメーション作品である。舞台は世界大恐慌に揺れるイタリア・アドリア海。自分自身に魔法をかけて豚の姿になったイタリア人・マルコが偽名「ポルコ・ロッソ」を使い、飛行艇を乗り回す空中海賊「空賊」たちを相手に、賞金稼ぎとして空中戦を繰り広げる。
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「耳をすませば」は、1995年に公開されたジブリ映画。原作者は柊あおいである。この映画は、ジブリ作品を作画で支えていた近藤善文の最初で最後の監督作品で脚本・絵コンテは宮崎駿が担当している。ストーリーは、主人公「月島雫」を中心に恋や夢、悩みなどを描いている。誰もが一度は経験したことがある甘酸っぱい青春ストーリーで未だに人気の高い作品だ。
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『借りぐらしのアリエッティ』とはメアリー・ノートン著書の『床下の小人たち』を原作として、米林宏昌が監督のスタジオジブリ制作アニメーション映画である。最終興行収入は92億5000万円で2011年に日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞。とても美しい映像は劇中の音楽とよく合い、見ている人を夢中にさせた。人間に見られてはいけない小人が、人間の家で物を借りながらどのように隠れて暮らすのか、そして短い間に築かれていく小人であるアリエッティと少年の翔との友情と絆を描く。
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初めてのジブリ作品で、代表作の一つである『風の谷のナウシカ』。ナウシカには映画版と漫画版があり、映画版の内容は漫画版全7卷の中で第1巻のストーリーです。 漫画版では、王蟲や腐海の蟲はなぜ生まれたのか、巨神兵は何のために生まれたのか、ナウシカたちは何者なのか、など映画では描かれなかった衝撃の事実が明らかになります。それを知ったナウシカはある行動に出ます。それは逃れられない滅びの道です。 この記事では、漫画版で描かれた衝撃の結末・ナウシカの決断を解説します。
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スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画「もののけ姫」。人間と森に住まう神々「もののけ」との対立を描く。劇中の神々の頂点としてシシ神という存在が登場する。シシ神は多くの謎を覗かせつつも最後までその存在がどういうものかを劇中で語りつくされることなく、物語は終了する。人にとって、また神々にとってどういう存在なのかについて掘り下げていく。
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『ハウルの動く城』とは、2004年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション作品である。脚本・監督は宮崎駿。 帽子屋の少女・ソフィーは兵隊に絡まれていたところを魔法使いのハウルに助けられるが、魔女の呪いによって90歳の老婆に姿を変えられてしまう。店にいられなくなったソフィーは旅に出、その途中でハウルの動く城に出会うのだった。ファンタジックな世界観や美術、個性的なキャラクターが魅力の作品。ハウルとソフィーの戦火の恋がストーリーの軸となっているため、本作にはロマンチックな名言も数多く登場する。
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『もののけ姫』とは、1997年公開のスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画である。原作・脚本・監督は宮崎駿。 中世の日本を舞台に、エミシの村で暮らす少年アシタカが村を襲ってきたタタリ神から村を守ったことで、死の呪いを受けてしまう。呪いを絶つために旅立ったアシタカは、山犬に育てられた少女・サンと出会う。人間と自然の対立を描いた壮大な作品である。本作には、人やもののけそれぞれの立場や考え方を表したセリフも多く、考えさせられるような印象的な名言が数多く登場する。
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『天空の城ラピュタ』とは、1986年公開のスタジオジブリ初制作の長編アニメーション作品である。原作・脚本・監督は宮崎駿。鉱山で働く少年パズーは、ある時、空から降ってきた不思議な女の子・シータを助ける。追われている彼女を助けようとするパズーだが、自分の古い名前がラピュタであることを打ち明けたシータは、敵に捕まってしまったパズーの身代わりとして連れ去られてしまったのだった。本作には、「バルス!」や「見ろ!人がゴミのようだ!」など有名でキャッチーな名言が多く登場している。
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「あなたはスタジオジブリの映画は何が好きですか」という質問にどの作品を答えますか?
日本で生まれ育った方なら、一本くらいは好きな作品を答えられるでしょう。かくいう私もジブリ映画は幼少期より家にビデオがあり何度となく繰り返し見て育ち、大人になった今でも新作は全てチェックし続けています。
そんな数ある名作が揃っているジブリ映画の中でも、私があえて答えに挙げる作品は『ゲド戦記』です。
検索などすると映画評価は5点中半分以下の評価をくだす記事や感想が多く見られます。
映画を未視聴の方もいるでしょう。地上波で放送されたのを見てもこの話なんだったんだろ?という感想を持つ方もいたかもしれません。
映画『ゲド戦記』はまさにジブリ映画のなかでも中の下に属している落ちこぼれのような作品という評価を与えられてしまいました。
ですがちょっとお待ちください、まずは映画『ゲド戦記』の基本情報を抑えてこれらの評価を見直してみましょう。
・映画『ゲド戦記』基本情報
映画『ゲド戦記』2006年7月29日劇場公開作品
原作:アーシュラ・K・ル=グウィン (『ゲド戦記』)
監督:宮崎吾朗
原案:宮崎駿 (『シュナの旅』)
え?監督は宮崎駿さんの息子だっていうのは知ってるけど、原作は宮崎駿さんじゃないの?原案の『シュナの旅』って何?
そうなんです。『ゲド戦記』には原作小説があり、映画ではその一部や各巻のエピソードを織り交ぜたような脚本になっています。例えば劇中にアレンが体験したいくつかのエピソードは原作ではゲドが少年期に体験したエピソードを織り交ぜています。原作でアレンが登場するのは、物語の終盤です。
そもそも原作の『ゲド戦記』はゲドを主人公とした少年から老年期までの物語です。映画『ゲド戦記』では主人公は若い青年アレンの物語になっています。この情報を頭にいれておくだけでも、未視聴の方にもかなり脚本が作り変わっていると想像ができます。
そして原案『シュナの旅』とはなんなのか。こちらは宮崎駿原作の漫画のような絵本のような形の本になっています。Amazonでも販売しているので検索すればすぐに見つかります。『シュナの旅』イメージはそのまんま映画『ゲド戦記』のイメージに転記されたと言っていいほど、『シュナの旅』を彷彿とさせるシーンがたくさん登場します。
ですがこの映画は『ゲド戦記』なのです。つまり映画『ゲド戦記』とは、原作『ゲド戦記』の腕や足をちぐはぐにぐっつけた体をしており、顔や服は『シュナの旅』になっており、それらを組み上げたのが宮崎吾朗だったという映画になります。
結局このちぐはぐ具合が作品を最もつまらなくさせてしまった一番の要因のように思えます。
・面白さを見出すためには
この答えは映画『ゲド戦記』の面白さ!を感じることができるのは残念ながら、上記の原作『ゲド戦記』、原案『シュナの旅』をきちんと読んだ方にしかわからないということです。私は映画公開前から『シュナの旅』を読んでおり、映画視聴後に原作『ゲド戦記』を読みました。特に世界でも人気のあるファンタジー小説作品となっていますので最初から最後までとても面白い作品で、私としては『ハリー・ポッター』シリーズより好みです。
ですが、この2作品をしっかりと読み収めることで、映画『ゲド戦記』の世界は何倍も膨れ上がり、何度も何度も見直したくなる良作映画になるのです。
それにこの映画の魅力はもちろん主役アレン役のV6の岡田准一さん。とにかくジブリには珍しいイケボ!しかも好演技!重厚で温和な深みのある声のゲド役・菅原文太さん。デビューしたての透明感のある主題歌のテルー役の手嶌葵さんはとても話題になりました。その他にも魅力的な点はたくさんあるのです。
映画『ゲド戦記』は素晴らしい作品です。ただその面白さがわかりにくいのがとても残念でなりません。ですが少しでも興味を持たれた方はご自身で関連情報をお調べになり、改めて映画を視聴することをおすすめします。きっと『ゲド戦記』が大好きなっていること間違いなしです。
私は、映画の冒頭で主人公アレンが立派な父親を刺してしまうシーンが、宮崎駿さんと息子吾朗さんの関係性が最もわかる、「ぶっささる面白さ」だと思いますけどね。
2006年7月に東宝から劇場公開された、スタジオジブリの作品「ゲド戦記」。今作には原作がある。アーシュラ・K・ル=グウィンが1968年~2001年にかけて出版した小説だ。日本では、岩波書店から発行され、200万部以上も売り上げている。スタジオジブリによる劇場版は、原作小説とは異なる脚本だった。それにより、アーシュラ・K・ル=グウィンのゲド戦記ファーストリポートという文章で、意に反する内容だと評されてしまった。
原作小説では、影と戦ったのはゲドという少年だったのに対し、ジブリの劇場版ではアレンという少年に変更されている(しかもアレンの声優の演技がとてもぎこちなく、不自然)。更に、原作小説には無かった「父親を殺してしまった」というストーリーに改悪され、タイトルこそゲド戦記になっているが、全く別物のような映画になってしまったのだ。このジブリ版ゲド戦記の脚色をしたのが今作の監督を務めた、宮崎駿の息子・宮崎吾朗だ。宮崎吾朗はコクリコ坂も監督しているが、コクリコ坂には宮崎駿が関わっており、ゲド戦記ほど支離滅裂さを感じない。ゲド戦記に関しては、ジブリ作品とは思えない。登場人物の表情の乏しさや、声優の配役ミスなど良くない点が重なった残念な作品になってしまった。