3月のライオン(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『3月のライオン』とは、『ヤングアニマル』(白泉社)にて2007年から連載している羽海野チカの漫画作品。将棋を題材としており、現代の東京や架空の下町「三月町」「六月町」などを舞台に、中学生でプロ棋士になった少年・桐山零が奮闘する姿を描く。同時に、彼と彼を取り巻く様々な人々が失った何かを取り戻していくラブストーリーでもある。将棋の監修は棋士・先崎学が行っている。2016年にアニメ化、2017年に実写映画化、2015年にスピンオフ作品がメディア展開され、ファンブック2冊が出ている。
将棋はとにかく頭を使う。運動で体力を消耗した身体よりも脳を消費するといわれており、糖分補給するためのおやつタイムは必須なのだ。隈倉がケーキを鷲掴みして豪快にかぶりつく姿や、静かに運ばれてきた紅茶にブドウ糖を入れて飲む宗谷など、糖分補給がどれだけ重要なのかが伝わってくるシーンである。
『3月のライオン』のトリビア・小ネタ/エピソード・逸話
イギリスのことわざ・先崎九段の言葉がタイトルの由来
『3月のライオン』のタイトル名の由来は2つあるといわれている。
ひとつ目は、イギリスのことわざ「March comes in like a lion、and goes out like a lamb.(3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去っていく)」が由来とする説である。
イギリスの3月の気候は気まぐれで変化しやすく、荒れやすい天気をまとめた春のことわざ。“ライオンのように荒々しい天気で始まり、子羊のように穏やかな天気で終わる”という意味。
作者・羽海野自身が「物語がつくれそうな言葉だなとずっと思っていたタイトル」と『ダヴィンチ 2008/04月号』のインタビューにて答えている。
ふたつ目は、単行本2巻で監修・先崎九段が語る「プロ棋士たちの順位戦の最終戦が3月に行われる、棋士はライオンのように戦うから」という説である。
順位戦とは棋士に順位をつけるリーグ戦で、結果によって収入や他の棋戦へのシード権などが変わってくる。
順位戦は6月に始まり、翌年3月が最終局となり、昇級降級をかけて戦う。その雄姿を先崎九段はライオンに例えたのだ。
作中の棋戦は実際にあるのか
『3月のライオン』では、「名人・獅子王・聖竜・棋竜・棋匠・玉将・棋神」の7つの棋戦タイトルがある
実際の棋戦は、「名人・竜王・王位・王座・棋王・王将・棋聖」なので、棋戦タイトルが7つで名人戦がある、という以外は架空のタイトル戦となっている。
しかし、獅子王戦だけは『3月のライオン』実写映画の公開記念に「第零期 獅子王戦」として1回のみ実現した。
ドワンゴ主催の電王戦のひとつとして主催され、コンピュータとは関係なく、羽生善治・加藤一二三・先崎学・藤井聡太の4名が10分トーナメント方式で行った対局である。結果は羽生優勝し、実写映画後編の特典映像として収録されている。
登場人物のモデルは実在の棋士や著名人
作中の人物の何人かは、モデルがいることが明言されているキャラクターや、”この人がモデルではないか”と推測されている者がいる。
主人公・桐山零は公式に発表されていないが、棋風や出席日数で苦労する学生時の姿などから、同じく中学生棋士でもあった羽生善治氏ではないか、と言われている。しかし公式での発言ではないので、モデルはいないという説もある。
二海堂晴信は、監修・先崎氏によると故・村山聖氏がモデル、とされている。
島田開のルックスのモデルは、俳優・佐々木蔵之介だと作者・羽海野氏が名言している。
棋風としては元竜王・島朗九段と言われているようだが、こちらは公式見解ではない。
宗谷冬司の設定は、作者・羽海野氏がニコ生で「谷川浩司と羽生善治を足して、2で割っていない」と発言。
土橋健司のモデルは漫画家の三浦建太郎と棋士の三浦弘行だと、 『ヤングアニマル』2014年No.10の座談会で発表されている。
羽海野チカが「将棋は難しすぎてわからない」と発言
メディアにめったに登場することがないの著者・羽海野チカ。『3月のライオン』の執筆のために将棋を勉強したけれど、難しすぎてよく解らない状態で描いているそうだ。
『3月のライオン』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):BUMP OF CHICKEN「アンサー」(第1話 - 第11話)
作詞・作曲 :藤原基央 / 編曲:BUMP OF CHICKEN &MOR
OP(オープニング):YUKI「さよならバイスタンダー」(第12話 - 第22話)
作詞:YUKI / 作曲:飛内将大 / 編曲:YUKI、玉井健二、百田留衣
OP(オープニング):YUKI「フラッグを立てろ」(第23話 - 第33話)
作詞:YUKI / 作曲:釣俊輔 / 編曲:YUKI、玉井健二、百田留衣
OP(オープニング):UNISON SQUARE GARDEN「春が来てぼくら」(第34話 - 第44話)
作詞・作曲:田淵智也 / 編曲協力:秋月須清 / 編曲:UNISON SQUARE GARDEN
ED(エンディング):BUMP OF CHICKEN「ファイター」(第1話 - 第6話、第8話 - 第11話、第22話)
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目次 - Contents
- 『3月のライオン』の概要
- 『3月のライオン』のあらすじ・ストーリー
- 人と触れ合い成長していく零
- ひなたのいじめ問題と零の新人戦
- トラブル続きの川本家
- 『3月のライオン』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 桐山零(きりやま れい/演:神木隆之介)
- 川本家
- 川本あかり(かわもと あかり/演:倉科カナ)
- 川本ひなた(かわもと ひなた/演:清原果耶)
- 川本モモ(かわもと もも/演:新津ちせ)
- 川本相米二(かわもと そめじ/演:前田吟)
- 美咲(みさき/演:板谷由夏)
- 川本美香子(かわもと みかこ)
- 川本彩(かわもと さい)
- 島田研究会
- 島田開(しまだ かい/演:佐々木蔵之介)
- 二海堂晴信(にかいどう はるのぶ/演:染谷将太)
- 重田盛夫(しげた もりお)
- 幸田家
- 幸田柾近(こうだ まさちか/演:豊川悦司)
- 幸田香子(こうだ きょうこ/演:有村架純)
- 幸田歩(こうだ あゆむ)
- 幸田の妻
- 棋士(タイトルホルダー)
- 宗谷冬司(そうや とうじ/演:加瀬亮)
- 柳原朔太郎(やなぎはら さくたろう/演:斉木しげる)
- 土橋健司(どばし けんじ)
- 藤本雷堂(ふじもと らいどう)
- 棋士(A級)
- 後藤正宗(ごとう まさむね/演:伊藤英明)
- 辻井武史(つじい たけし)
- 隈倉健吾(くまくら けんご)
- 棋士(B級1組)
- 櫻井岳人(さくらい がくと)
- 棋士(B級2組)
- 三角龍雪(みすみ たつゆき)/スミス(演:中村倫也)
- 横溝億泰(よこみぞ おくやす)
- 田中太一郎(たなか たいちろう)
- 滑川臨也(なめりかわ いざや)
- 入江健一郎(いりえ けんいちろう)
- 棋士(C級1組)
- 安井 学(やすい まなぶ/演:甲本雅裕)
- 蜂谷すばる(はちや すばる)
- 棋士(C級2組)
- 松永正一(まつなが しょういち)
- 松本一砂(まつもと いっさ/演:尾上寛之)
- 山崎順慶(やまざき じゅんけい/演:奥野瑛太)
- 将棋連盟会員
- 神宮寺崇徳(じんぐうじ たかのり/演:岩松了)
- 私立駒橋高校
- 林田高志(はやしだ たかし/演:高橋一生)
- 野口英作(のぐち えいさく)
- つぐみ
- 杏奈(あんな)
- ひなたの中学校
- 高橋勇介(たかはし ゆうすけ)
- 佐倉ちほ(さくら ちほ)
- 高城めぐみ(たかぎ めぐみ/演:演:中田青渚)
- 国分(こくぶ)
- その他の人物
- 花岡(はなおか)
- 甘麻井戸誠二郎(あまいど せいじろう)
- がんちゃん
- 桐山家
- 桐山零の父
- 零の祖父
- 桐山ちひろ(きりやま ちひろ)
- 桐山貴和子(きりやま きわこ)
- 作中に登場する動物たち
- ミケ
- クロ
- シロ
- トラ
- フクちゃん
- エリザベス
- マニーちゃん
- 『3月のライオン』の用語
- 日本将棋連盟(にほんしょうぎれんめい)
- 奨励会(しょうれいかい)
- 師弟制度
- 内弟子
- 将棋会館(しょうぎかいかん)
- 感想戦(かんそうせん)
- 順位戦
- 研究会
- 『3月のライオン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 幸田 柾近「プロになるのがゴールなんじゃない なってからの方が気が遠くなる程長いんだ 進めば進む程道はけわしく まわりに人はいなくなる 自分で自分を調整・修理(メンテナンス)できる人間しか どのみち先へは進めなくなるんだよ」
- 桐山 零「ずっと足のつかない夜の海に浮かんでいるような日々だった」
- 林田 高志「そうやって力をかりたら 次は相手が困ってる時 お前が力をかしてやればいい 世界って そうやってまわってるんだ」
- 恥をかくことも大切だと語る相米二
- 桐山 零「オレ部活やってる」
- 桐山 零 「強くなってももっと強い人と当れば負けます」
- 川本 相米二「よく友達を助けた、胸を張れ」
- 川本 ひなた「でも、後悔なんてしない。しちゃだめだ。私のしたことは絶対間違ってなんかない」
- 桐山 零「昔の人たちが、この 小さな可愛い生き物が太陽に向かって飛ぶところを指して付けた名前だ 」
- 林田 高志「お前はお前に出来る事を まずいっこいっこ やるしかないんだよ と」
- 国分「自分のことが分かってくれば、やりたいこともだんだんぼんやり見えてくる」
- 山崎 順慶「『信じれば夢は叶う』 それは多分 本当だ 但し 一文が抜けている 『信じて努力を続ければ夢を叶う』 -これが 正解だ さらに言えば 信じて『他のライバルよりも1時間長く 毎日努力を続ければ ある程度迄の夢はかなりの確率で』叶う ーだ」
- 名人戦の対局合間のおやつタイムシーン
- 『3月のライオン』のトリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- イギリスのことわざ・先崎九段の言葉がタイトルの由来
- 作中の棋戦は実際にあるのか
- 登場人物のモデルは実在の棋士や著名人
- 羽海野チカが「将棋は難しすぎてわからない」と発言
- 『3月のライオン』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):BUMP OF CHICKEN「アンサー」(第1話 - 第11話)
- OP(オープニング):YUKI「さよならバイスタンダー」(第12話 - 第22話)
- OP(オープニング):YUKI「フラッグを立てろ」(第23話 - 第33話)
- OP(オープニング):UNISON SQUARE GARDEN「春が来てぼくら」(第34話 - 第44話)
- ED(エンディング):BUMP OF CHICKEN「ファイター」(第1話 - 第6話、第8話 - 第11話、第22話)
- ED(エンディング):米津玄師「orion」(第12話 - 第21話)
- ED(エンディング):Brian the Sun「カフネ」(第23話 - 第33話)
- ED(エンディング):RUANN「I AM STANDING」(第34話 - 第44話)
- 挿入歌:川本あかり(茅野愛衣)、ひなた(花澤香菜)、モモ(久野美咲)「ニャー将棋音頭」(第7話 - 第9話)