3月のライオンの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『3月のライオン』とは、羽海野チカによる将棋を題材とする漫画、および漫画を原作とするテレビアニメや実写映画などのメディアミックス作品である。
15歳でプロ棋士になった孤独な青年・桐山零が、川本三姉妹や個性豊かなライバル棋士たちとの交流を通じて、棋士として、人間として成長していく姿が描かれる。
プロ棋士・先崎学監修による臨場感あふれる棋士たちの熱い対局に加え、彼らの生き様を表す様々な名言が注目を集めている。
『3月のライオン』の概要
『3月のライオン』とは、羽海野チカによる将棋を題材とする漫画、および漫画を原作とするテレビアニメや実写映画などのメディアミックス作品である。
原作漫画は『ヤングアニマル』(白泉社)にて2007年14号から連載が開始されており、これまでに「第4回マンガ大賞2011」(2011年)「第35回講談社漫画賞一般部門」(2011年)「第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞」(2014年)などの、数々の賞を受賞している。
テレビアニメは2016年10月から2017年3月まで第1シリーズが、2017年10月から2018年3月まで第2シリーズが放送された。実写映画は神木隆之介を主演、大友啓史を監督とし、2017年3月に前編が、同年4月に後編が公開された。
桐山零(きりやま れい)は、幼い頃に家族を交通事故で亡くし、父の友人でありプロ棋士の幸田柾近(こうだ まさちか)に引き取られる。しかし、彼の非凡な将棋の才能により幸田の実子から反感を買い、幸田家に居場所を無くしてしまった。それによって一層将棋に没頭した零は、15歳でプロ入りを果たし、幸田家を出て東京都内の川沿いの街・六月町で一人暮らしを始める。
1年遅れで編入した高校では周囲に馴染めず、将棋でも不調が続いていた零は、孤独で荒んだ日々を送っていたが、ある日先輩棋士に酔いつぶされてしまう。
そんな零を介抱してくれたのが、川の向こう側にある三月町に住む川本あかり(かわもとあかり)だった。あかりの家に連れられた零は、川本家の面々との交流を持ったことから、少しずつ前向きに周囲と関われるようになっていく。高校の担任の林田高志(はやしだ たかし)や放課後将棋科学部のメンバーたち、先輩棋士の島田開(しまだ かい)や幼馴染でありライバルである二海堂晴信(にかいどう はるのぶ)たちとの交流を通じて、学校でも将棋界でも自身の居場所を見出し始めた零は、棋士としても人間としても逞しく成長していく。
魅力的なキャラクターと、棋士の先崎学監修による臨場感あふれる対局シーンによって人気を集める。その中でも、人生を将棋に捧げる棋士たちの熱い闘いや生き様を彩る様々な名言、名シーンが多くの人々の心を揺さぶっている。
桐山零の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「プロになるということは 止まらない列車に飛び乗るようなものだ。もう二度と降りる事はできない。―――負けて転がり堕ちるまでは……」
15歳でプロ棋士になった桐山零が、プロであり続けることの厳しさを痛感した際の言葉。
作中では中学生でプロ入りを果たした棋士は史上5人目であり、零もその才能に期待されていたが、養父である幸田の家を飛び出して以来、孤独で荒んだ生活の中で対局の成績も伸び悩んでいた。そんな零は、幼い頃からライバルであり続けた二階堂晴信との対局を前にして、心の中でこう呟く。
「プロになるということは止まらない列車に飛び乗るようなものだ。もう二度と降りる事はできない―――負けて転がり堕ちるまでは……。この小さな将棋会館(宇宙)の中で気が遠くなる程の勝ったり負けたりを繰り返すのだ。『負けたくない』と喘ぎながら……」
プロになることがゴールではなく、プロであり続けることの厳しさを表現する言葉である。
「でも 多分『逃げなかった』って記憶が欲しかったんだと思います」
ひなの同級生である高橋君に「なぜプロ棋士になったのに、高校に行き直したのか?」と尋ねられた時の零の答え。
将来プロの野球選手になりたいという高橋君に対して、零は「僕は本当に将棋にしか特化してないんです。人付き合いも苦手だし、勉強は好きだけど学校にはなじめませんでした。人生を早く決めた事は後悔していません…でも多分『逃げなかった』って記憶が欲しかったんだと思います」と答えている。
居場所のない幸田家や学校から逃げるような形でプロ棋士になった零が、「自分の居場所を見つけること」から逃げないために、1年遅れで高校に編入することを決意した際の心情を明かしている場面である。
これを聞いた高橋君は、「逃げたりサボったりする記憶は自分にしかわからない」と言葉を返す。
厳しい勝負の世界において自分自身を信じるために、心の弱さを排除しようとする零の決意が表れている言葉である。
「『強く』なればなる程負けた時くやしくなります。——むしろかけた時間の分だけ 負けるとくやしいので進めば進む程くやしくなります」
零が放課後将棋科学部で先輩の野口たちに将棋を教えていた場面での言葉。
初めて挑戦する将棋で悔しい思いをする野口たちの、「将棋が強くなれば悔しくなくなるのか」という問いに対して、零は「『強く』なればなる程負けた時くやしくなります。——むしろかけた時間の分だけ 負けるとくやしいので進めば進む程くやしくなります」と言い放つ。
どれだけ強くなっても上には上がいて、どこまで行っても悔しさは無くなることがないという、勝負の世界の果てのなさを感じさせる言葉である。
「『一寸先は闇』って言葉がメジャーだけど、その逆もまた充分起こりうるのだ。『3分先は光』みたいに」
これまで孤独に生きてきた零が、いつの間にか周囲に大切な人たちが増えてきたことに気づいた時に心の中でつぶやいた言葉。
幸田家や学校には居場所がなく、将棋界でも誰とも群れずに過ごしてきた零だったが、川本家との出会いを皮切りに、教師の林田や二海堂などの多くの人に囲まれ、いつの間にか孤独ではなくなっていることに気がつく。
そんな未来が来るとは想像もしていなかった零は、心の中で「『一寸先は闇』って言葉がメジャーだけど、その逆もまた充分起こりうるのだ。『3分先は光』みたいに」と呟く。
辛い境遇を乗り越えて幸せになれることもあるという、希望に満ちた言葉である。
「一生かかってでも僕は 君に恩を返すよ」
クラスでのいじめに巻き込まれて涙を流すひなたに対し、零が心の中で誓った言葉。
いじめを受けるちほを庇ったことでいじめの標的になってしまったひなただが、不登校になるまで追い詰められてしまったちほは転校してしまい、ひなたはクラスで孤立してしまう。
ひなたは、「ちほを助けてあげられなかった」「明日からはひとりぼっちだ」と泣きながらも、「後悔なんてしないっっ!!私のしたことはぜったいまちがってなんかないっっ!!」と言い切る。
孤独な幼少期を過ごし、ずっといじめられてきた零は、ひなたのその言葉に救われる。零は泣きじゃくるひなたの手を取りながら、「ひなちゃんありがとう、君はぼくの恩人だ。約束する、僕がついてる。一生かかってでも僕は君に恩を返すよ」と誓うのだった。
川本ひなたの名言・名セリフ/名シーン・名場面
「後悔なんてしないっっ、しちゃダメだっ、だって私のした事はぜったいまちがってなんかないっっ!!」
いじめのターゲットになってしまったひなたが、泣きじゃくりながら零と家族に言った言葉。
幼馴染のちほがクラスでいじめを受けているのを見ていられなかったひなたは、先生もクラスメイトも見て見ぬふりをしている中、たった一人ちほを庇い続けた。しかし事態は悪化し、ちほは転校を余儀なくされ、いじめの矛先はひなた一人に向いてしまう。
勇敢にちほを庇い続けてきたひなただったが、一人残されてしまったことで「本当はずっと怖かった」と泣きじゃくりながらも、「後悔なんてしないっっ、しちゃダメだっ、だって私のした事はぜったいまちがってなんかないっっ!!」とはっきりと言い切る。
ひなたのこの正しさは、これまでずっといじめられ、孤独な幼少期を過ごしてきた零の心を救うこととなる。
「しつこくてあきらめきれない気持ちを 『向いてる』って 言うんじゃないかなって」
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目次 - Contents
- 『3月のライオン』の概要
- 桐山零の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「プロになるということは 止まらない列車に飛び乗るようなものだ。もう二度と降りる事はできない。―――負けて転がり堕ちるまでは……」
- 「でも 多分『逃げなかった』って記憶が欲しかったんだと思います」
- 「『強く』なればなる程負けた時くやしくなります。——むしろかけた時間の分だけ 負けるとくやしいので進めば進む程くやしくなります」
- 「『一寸先は闇』って言葉がメジャーだけど、その逆もまた充分起こりうるのだ。『3分先は光』みたいに」
- 「一生かかってでも僕は 君に恩を返すよ」
- 川本ひなたの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「後悔なんてしないっっ、しちゃダメだっ、だって私のした事はぜったいまちがってなんかないっっ!!」
- 「しつこくてあきらめきれない気持ちを 『向いてる』って 言うんじゃないかなって」
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