トラウマ恋愛映画『ブルーバレンタイン』を解説!夫婦で観たら離婚必至!?
『ブルーバレンタイン』は「夫婦で観たら気まずくなる映画No.1」とも呼ばれるトラウマ恋愛映画だ。監督の実体験を元にした本作は、倦怠期の夫婦が離婚するまでと、出会ったばかりのラブラブな頃の様子が並行して描かれ、観た人の心を的確に抉っていく。
夫婦の冷え切った関係を修復するためにディーンが思いついたのは、子ども抜きでラブホテルに行くこと。
ラブホを選択するセンスに疑問がある人もいるかも知れないがケンカの後にセックスして仲直りするというのは、よくあること。
しかし、お出かけ中の途中のスーパーで、よりによって元彼と偶然に再会してしまいます。ディーンはいらだちます。
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ラブホに到着して、さあというところですが…。シンディがキスを拒みつつ、仕方なしにちょっと応じる感じ。
ディーンに愛撫されるのをシンディは拳を握りしめて我慢し、ヤリたいならさっさと終わらせてとばかりに下着を脱ぎ捨てる行為がなんとか愛情を取り戻そうと奮闘するディーンの気持ちをコケにし、シンディが既にディーンに対して「生理的に嫌い」というまったく議論の余地のない領域に到っていることを如実に表しています。
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少し酔っぱらってきたシンディがディーンに対して「歌とか、絵とか、才能を生かせずに失望しない?」と、言います。
それに対してディーンが「才能ってなんだよ? 稼ぎの問題か? 俺は家族を愛している」と応えるとシンディは「いつも意味を曲解して文句を言い始める」と言い返します。
絶対的な価値観のすれ違いを感じます。
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明朝、病院からの電話によって、ホテルにディーンをひとり残してシンディーが出勤してしまったことに腹を立てたディーンがシンディーの勤務先の病院に押しかけて、完全な修羅場となります。
女々しいだの、最低の男だのと、シンディは非難の根拠を全く示さずにディーンを罵倒します。
ディーンはシンディの上司を殴ってしまう。
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もはや修復できない関係になってしまったふたりは、離婚という結末を迎えます。去っていくディーン。ラストシーンで離れて行く二人と、結婚したばかりの幸せそうな二人の映像が花火と共に映し出され、心をエグります。
実際に観た方から、夫婦でみてはいかんと警告が!!
特に結婚してる人には危険な作品ですぞ!夫婦で一緒に観るのもお勧めしませんヽ(`Д´)ノダメ、絶対!
出典: ameblo.jp
この映画がキツイのは、やけにリアルな事。(おまけに息を抜く所が殆んど無い~笑)
出典: blog.goo.ne.jp
どこにでもいそうな夫婦のありふれた一日を描きながらも、その内容は確実に観る者の顔を蒼ざめさせ、カップルで鑑賞していようものならかなりの高確率で年間摂取量ギリギリの「気まずさ」を味あわせてくれる、とても破壊力のある映画でしたよ。
私も、もう一度観てみたいと思っているんですけど、できれば彼氏と観るのは避けたいです(笑)。
心に重く残るとても切ない後味の映画です。夫と妻と娘のどの立場で観てもツライ。この映画を観て結婚の理想と現実について誰かと話し合いたい…それ位考えさせられる作品
出典: itunes.apple.com
うまくいっている時は無敵モード。 無理になったら絶対無理。 どちらもアルアル話ですが、これらが交錯することで怖さ倍増。 ほんと現実感があって笑えませんでした。
出典: www.jtnews.jp
夫婦の愛が冷めていく様子を描いた『レボリューショナリー・ロード』と比較されることの多い『ブルーバレンタイン』はデレク・シアンフランス監督の実体験が多く取り入れられ、まさに私小説的な趣があるのですが『レボリューショナリー・ロード』よりもさらに粘着質でタチの悪い作品だと思います。
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