完全なるチェックメイト(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『完全なるチェックメイト』とは、2015年にアメリカで公開された天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーの半生を描く伝記ドラマ映画。冷戦下の1972年、15歳でチェスのグランドマスターとなったボビー・フィッシャーは、その奇抜な言動から周囲から変わり者と扱われてきた。そんなボビーは世界が見守るチェス最強国のソ連が誇るボリス・スパスキーとの対局で苦戦しながらも驚くべき戦略でスパスキーに立ち向かう。チェスの世界で精神の極限状態に追い込まれるボビーを緊張感のある表現で描かれている。

主人公

ボビー・フィッシャー(演:トビー・マグワイア)

出典: eiga.k-img.com

CV:福山潤
実在したアメリカ出身のチェスプレイヤー。IQは187と脅威の頭脳を持ち、冷戦下でソ連のチェス世界チャンピオンを下し、アメリカ初の世界チャンピオンとなった。一方気まぐれな性格や奇行などにより「幻の英雄」とも呼ばれている。アメリカがユーゴスラビアに対し経済制裁を行っていた時、当地でチェスの試合をしたことで、アメリカ政府から起訴される。滞在中の日本で拘留されたボビーだったが、アイスランドがボビーの亡命を受け入れ、余生はアイスランドで過ごした。アイスランドでもボビーの精神的状況は変わらなかった。
非常に繊細な性格をしており、微かな物音にも敏感になってしまう。また人が話していることも、自分をスパイしていると勘違いしてしまうなど、警戒心がとても強い。

ボリス・スパスキー (演:リーヴ・シュレイバー)

CV:大川透
ソ連出身のチェスプレイヤー。1969年から1972年の間チェスの世界チャンピオンとして君臨していた。
レニングラード(現在のサンクトペテルブルク)で生まれたスパスキーは、1955年世界ジュニアチェス選手権で優勝し、インターナショナルマスターとなる。1966年世界チャンピオンへの挑戦者となるが、この時は当時の世界チャンピオンであるペトロシアンに敗北している。1969年、ペトロシアンへの再挑戦で勝利し、世界チャンピオンとなる。1972年世界チェス選手権でボビーに敗北し、以降はフランスに亡命した。

支援者

ポール・マーシャル(演:マイケル・スタールバーグ)

出典: i.ytimg.com

右の帽子をかぶった男がポール

CV:田原正治
弁護士を名乗る男。ボビーのチェスの腕を見込み、マネージャーのような立場でボビーの周りの世話をしていた。ボビーの無茶な要求になんども困らされるが、どうにかしてその要求をかなえている。アメリカの大統領や国務長官と連絡を取り合っているおり、ただの弁護士ではない様子。お金や名誉を大事にしており、ジョーンに「ボビーに会わせて」と言われても、「彼は忙しい」と返し、ボビーに会わせようとしないなど冷たい一面もある。

ビル・ロンバーディ(演:ピーター・サースガード)

出典: m.media-amazon.com

右の人物がビル

CV:板取政明
1950年代から60年代を代表するアメリカ出身のチェスプレイヤー。ボビーのコーチをしていた人物。1957年に世界ジュニア選手権で優勝し、1960年の世界学生チーム選手権では、アメリカを優勝に導いた。ロンバーディはニューヨークで生まれたものの、彼の家族は金銭的な問題を抱えていた。貧困な生活を過ごすなか、友人にチェスを教えてもらうことからロンバーディはチェスの世界へと入っていく。1960年にグランドマスターの称号を得た後、ロンバーディは引退の道へと進んでいく。
ボビーのよき友人として、ボビーを支えている人物。口頭だけのチェスと交わし、楽しむなどよきチェスの相手ともなっている。性格は大らかで、神父としての一面もある。

家族

ジョーン・フィッシャー(演:リリー・レーブ)

出典: 2.bp.blogspot.com

CV:仲村かおり
ボビーの姉。ボビーとは仲が良い。ボビーが青年期にレジーナを家から追い出そうとしたときも、ボビーはジョーンとの会話は拒まなかった。ボビーの精神状態をとても心配しており、ポールにボビーと会わせるようお願いするが、ポールに断られてしまう。

レジーナ・フィッシャー(演:ロビン・ワイガート)

出典: 4.bp.blogspot.com

中央の黒い服を着ている女性がレジーナ・フィッシャー

CV:伊沢磨紀
ボビーの母親。夫を失ってから別の男と付き合うようになるが、ボビーの反対に遭う。ボビーに「家を出ていけ」と言われ、レジーナは素直に出ていくことになる。

その他の登場人物

エフィム・ゲラー(演:エドワード・ジノヴィエフ)

スパスキーの左隣にいる男がゲラー

Mintgirl
Mintgirl
@Mintgirl

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