『死霊館のシスター』とは2018年に公開されたアメリカのホラー映画である。監督を務めるのはコリン・ハーディ。本作は「死霊館ユニバース」の5作目にあたる。1952年にルーマニアの山奥にある修道院でシスター・ヴィクトリアが首吊り自殺をした。聖職者の自殺は大罪である。また事件には不可解な点も多く、教会はアンソニー・バーク神父とシスター志願者のアイリーンを修道院に派遣した。調査を進めていくうちに呪われた修道院の忌まわしい過去が明らかになり、アイリーンは悪魔のシスターに立ち向かうため信仰への覚悟を決める。
『死霊館のシスター』の用語
シスター
修道会に属している女性の修道者。私有財産を持たず、生涯独身、従順の誓願を立て、祈りと奉仕の生活をしている。学校や病院、福祉施設で働く場合や、修道院の中で祈り、働き、深く考える生活を送るシスターもいる。
尼僧
仏教における出家・得度を経て僧侶となった女性。仏教用語であるがキリスト教の修道女を表す名前でもある。両者とも女性の集団生活を送っている。
聖遺物
キリスト教、カトリック教会における聖人のキリストや聖母マリアの遺品、キリストの受難に関連するものを指す。生前に愛用していた物から遺骨や遺髪など様々なものがあり、処刑の際に用いられたものも該当する。
終生誓願
自身の存在、活動の全ての決意を、生涯神に捧げ続ける誓い。期限は一生を終えるまで続く。キリストの精神に従い神や教会への奉仕のため、生涯をかけて公に貞潔、清貧、従順の誓願を立てる。
『死霊館のシスター』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
修道女アイリーン「聖書は神のラブレターよ。押しつけの教えじゃないわ。」
出典: ameblo.jp
子供たちに模型を用いて話を聞かせるアイリーン。
聖ビンセント病院にて子供たちに恐竜の模型を用いた話を聞かせていたアイリーン。その最中に尼僧長が恐竜はいないと言っていたことを話し出した少女に対し、実在していても聖書に登場しない生き物もいるとし、アイリーンは「聖書は神のラブレターよ。押しつけの教えじゃないわ。」と言って聞かせる。少女は聖書を絶対的なものとしていた。しかしアイリーンは聖書に対して疑問を持つことを否定しない。教えではなくラブレターとし、どのように受け取るかの自由を持って良いと主張するアイリーン。子供たちに考えることの大切さを伝える重要なものとなっている。そうした段階を経て自身で納得し受け入れることで、人生はより良いものとなっていく。
フレンチー「まだ迷ってるの?」
修道院へ向かう道中、アイリーンとバーク、フレンチーはお互いの話をした。アイリーンが自身を一生を捧げる準備期間中の見習いの尼僧であると紹介した際、フレンチーはすかさず「まだ迷ってるの?」と彼女に言い放った。アイリーンはそれまでの穏やかな表情を消し、口をつぐむ。会って間もない上にフレンチーは聖職者ではない。彼の言葉は無神経でありながらも、アイリーンの迷いを見抜いていた。覚悟の決まっていない者が悪魔を前に太刀打ちできるはずがない。フレンチーは村人が忌み嫌い、城に彼以外の誰も近づかないことを知っている。そのくらい危険な場所に行く女性が、見習いであって良いはずがなかった。
バーク神父「今は神頼みする時じゃない。行動あるのみ。」
地下通道でキリストの血を入手したバークは、ネックレスになって保管されているそれをアイリーンの首に掛ける。バークが奇跡だと言うネックレスを前に、フレンチーはお祈りはしないのかと言った。それを聞いたバークは「今は神頼みする時じゃない。行動あるのみ。」と言い、先に進むことを促す。笑みを浮かべてそう言い切るバークを前に、いざという時の神頼みは必要であると主張するフレンチー。だが恐怖の中でも祈るばかりではなく、力を奮い立たせ行動することの重要性をバークは知っていた。奇跡を目の当たりにした時は、自身が試される時である。奇跡の力に縋るのではなく、行動で示すことが必要であった。
『死霊館のシスター』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
『死霊館のシスター』と『アナベル 死霊人形の誕生』に共通して登場する集合写真
修道院で寝泊まりすることになったアイリーンとバーク。その際、アイリーンの使用する部屋には『アナベル 死霊人形の誕生』(2017年)でシスター・シャーロットが持参していた写真が飾られている。『アナベル 死霊人形の誕生』と異なる点は本作の写真にはヴァラクが写っていないこと。『アナベル 死霊人形の誕生』では写真の見る角度により、ヴァラクの姿が見え隠れしていた。シャーロットはルーマニアの修道院を訪れた際の写真として説明している。シスター・マリア、アナ、ルシアとシャーロットの4人が写っていた。
作中に登場するデスマスクは本作に携わる実在の人物の顔
作中に登場するデスマスクのセットには監督であるハーディの顔と脚本を手がけたゲイリー・ドーベルマン、製作総指揮のマイケル・クリア、撮影監督のマキシム・アレクサンドル、最初のアシスタントディレクターであったハリー・ボイドのマスクが使用されている。
ヴァラクはソロモン72柱の1柱を担う悪魔
シリーズに登場しているヴァラクは実在する伝説に基づいた悪魔であり、ソロモン王が使役した72の悪魔を指すソロモン72柱の悪魔の1柱を担っている。ヴァラクの他にウァラク、ウォラク、ヴォラクとも呼ばれている。17世紀から伝わる作者不明のグリモワール『レメゲトン』の第一書の表題『ゴエティア』などの古代の魔法書に登場。ヴァラクは天使の羽を持つ子供の姿をしており、2つの頭を持つドラゴンに乗っている。多くの軍団を率いる大総裁。名前はシリーズに登場している悪魔と同じであるが、姿などは大きく異なる。しかし両者とも悪魔でありながら神聖さの象徴とされるものを持つ共通点も見られる。魔法書に登場しているヴァラクが悪魔でありながら天使の羽を持つように、シリーズに登場するヴァラクは悪魔でありながら修道女の服装をしている。
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目次 - Contents
- 『死霊館のシスター』の概要
- 『死霊館のシスター』のあらすじ・ストーリー
- 呪われた修道院へ向かうことになったアンソニー・バーク神父とシスター志願者のアイリーン
- 修道院でアイリーンの見ていた幻覚
- 『死霊館』へと繋がる悪魔ヴァラクの襲撃
- 『死霊館のシスター』の登場人物・キャラクター
- 修道院に向かった人物
- 修道女アイリーン(演:タイッサ・ファーミガ)
- アンソニー・バーク神父(演:デミアン・ビチル)
- モーリス・テリオー/フレンチー(演:ジョナ・ブロケ)
- 尼僧
- シスター・ヴィクトリア(演:シャーロット・ホープ)
- シスター・オアナ(演:イングリット・ビス)
- シスター・ルース(演:サンドラ・テレス)
- シスター・クリスチャン(演:マニュエラ・チューカー)
- 悪魔
- ヴァラク/悪魔の尼僧(演:ボニー・アーロンズ)
- マークィス(演:ジャレッド・モーガン)
- 村人
- グレゴロ(演:チューダー・ムンテアヌ)
- アーカイブ映像による出演
- エド・ウォーレン(演:パトリック・ウィルソン)
- ロレイン・ウォーレン(演:ヴェラ・ファーミガ)
- キャロリン・ペロン(演:リリ・テイラー)
- モーリス・テリオールト(演:クリストフ・ヴェイロン)
- 『死霊館のシスター』の用語
- シスター
- 尼僧
- 聖遺物
- 終生誓願
- 『死霊館のシスター』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 修道女アイリーン「聖書は神のラブレターよ。押しつけの教えじゃないわ。」
- フレンチー「まだ迷ってるの?」
- バーク神父「今は神頼みする時じゃない。行動あるのみ。」
- 『死霊館のシスター』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『死霊館のシスター』と『アナベル 死霊人形の誕生』に共通して登場する集合写真
- 作中に登場するデスマスクは本作に携わる実在の人物の顔
- ヴァラクはソロモン72柱の1柱を担う悪魔
- 『死霊館のシスター』の主題歌・挿入歌
- ED(エンディング):アベル・コジェニオウスキ「God Ends Here」
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