アナベル 死霊人形の誕生(ホラー映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アナベル 死霊人形の誕生』とは2017年に公開されたアメリカのホラー映画である。監督を務めるのはデヴィッド・F・サンドバーグ。「死霊館ユニバース」の4作目にあたる。1945年に一人娘のアナベル・マリンズを亡くしたマリンズ夫妻がいた。事故から12年が経ち、夫妻は孤児院からシスター・シャーロットと少女たちを迎え入れる。しかしその内の1人であるジャニスが立ち入り禁止のアナベルの部屋に侵入。人形の入っていたクローゼットを彼女は開けてしまった。封印されていた人形が目覚め、少女たちを次々と怪異が襲う。

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ポリオ(急性灰白髄炎)

ジャニスが発症した疾病。脊髄性小児麻痺とも呼ばれるポリオウイルスによって発生する。特に5歳以下がかかることが多く、麻痺などを起こす。感染者の便から感染する危険性がある。永続的な後遺症を残す可能性もあるため成人後の亡くなる確率が高い。

懺悔

サミュエルから注意を受けた立ち入り禁止のアナベルの部屋に入ってしまったジャニス。彼女は事実をシャーロットに告白し懺悔した。懺悔とは自ら犯した罪や過ちを認め、神仏の前で告白し悔い改めることをいう。

『アナベル 死霊人形の誕生』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

シスター・シャーロット「悪魔が狙うのは心が弱い人。体は関係ない。あなたは私たちと変わらず強いわ。誰より強い。」

悪魔に怯えるジャニスを励ますシャーロット。

悪魔の存在に気付いたジャニスはシャーロットに訴えようとした。ジャニスが一番弱いために悪魔が彼女の魂を狙っているのだと話す。そこまで静かに聞いていたシャーロットであったが、ジャニスが弱さについて話し始めた際にシャーロットは制して「悪魔が狙うのは心が弱い人。体は関係ない。あなたは私たちと変わらず強いわ。誰より強い。」と言い聞かせた。体の状態は関係ないと励ますシャーロットだが、この言葉は悪魔に追い詰められていくジャニスに力を与えることはなかった。本作においてシャーロットが本当にシスターのシャーロットである可能性は低い。何故なら彼女が所持していた複数のシスターが写る写真に、悪魔のヴァラクが写っていたからである。ヴァラクは「死霊館シリーズ」に登場している悪魔であり、すでにヴァラクの取り憑いている可能性が高いため、人を励ます言葉であっても効力を発揮しないというシャーロットのセリフが存在している。

ジャニス「何があろうと私たちの思い出は消えない。」

2階から転落した後、ジャニスはリンダと一緒の部屋ではなく1階で就寝するようになる。離れ離れになる寂しさから、リンダはリビングのソファで横たわるジャニスのそばにいた。自身が辛い状況であるにも関わらず、ジャニスはリンダならすぐに里親が見つかると笑顔で言い聞かせる。そしてリンダが一人で寂しくないよう、ジャニスは自身の大切にしているベッカと名付けた人形を彼女に差し出す。続いてリンダもジャニスに人形のスーを渡して交換するのであった。思い出話を少しした後にジャニスは「何があろうと私たちの思い出は消えない。」と笑顔でリンダを見送る。しかしリンダがいなくなった後にジャニスから笑顔は消え、怯えた様子を見せていた。これが2人の最後の会話となる。魂を狙われているジャニスの助けとなる人物はいなかった。悪魔に対抗する術も知らず、恐怖に耐えることしかできない。ジャニスは自身の身に起きることを予想し、彼女自身にも言い聞かせるようにしてこのセリフを言っていたことが窺える。

シスター・シャーロット「諦めないで。希望は命の源よ。あなたを守り元気にする。」

2階から悪魔に1階へと突き落とされたジャニス。彼女はロフストランド杖を使用する生活から車椅子に乗らなければならなくなっていた。悪魔は他の少女たちにも悪さをしていたが、普通に歩くこともままならないジャニスを徹底的に追い詰めていく。絶望的な状況に陥っているジャニスに対しシャーロットは励ますために「諦めないで。希望は命の源よ。あなたを守り元気にする。」と話す。聖書からの引用と思ったジャニスに、シャーロットは自身の言葉であることを伝えた。この後ジャニスは納屋に放り込まれ、悪魔に取り憑かれてしまう。希望は見事に打ち砕かれ少女になす術はなかった。その残酷さから希望を持つことが無意味に捉えられるが、それでも最後まで奮闘した少女たちも存在している。本作では希望が砕かれる残酷さを突きつける一方で、それでも諦めないことの大切さや可能性も描いている。

『アナベル 死霊人形の誕生』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

シャーロットの所持している集合写真に写るヴァラク

「死霊館シリーズ」の他の作品にも登場しているヴァラクという修道女の悪魔。本作は人形に取り憑いた悪魔のストーリーであるが、背後でヴァラクも関わる事件となっている。ヴァラクはシャーロットの所持していたシスターが4人(シャーロット、マリア、アナ、ルシア)で写る写真の隅にうっすらと写り込んでいた。写真の角度を変えることで背後の暗闇に馴染んだり、はっきりと見えたりする仕様のようにしてヴァラクは潜んでいる。

登場時にはすでにヴァラクに取り憑かれていた可能性のあるシャーロット

『死霊館のシスター』で明らかになることであるが、シャーロットがいた修道院がヴァラクに襲われている。シャーロットはその修道院で生き残った修道女ということになる。そして修道女の全員がヴァラクを知っていたはずが、写真に写るヴァラクが誰であるのかをサミュエルがシャーロットに尋ねた際に、彼女は知らないと話している。シャーロットの状態は、悪魔が取り憑いているアナベルが人間社会に紛れ孤児院で過ごし、ヒギンズ夫妻に引き取られた時の状態と似ている。ヒギンズ夫妻が出会った時のアナベルはごく普通の少女であった。また本作ではジャニスの乗る車椅子を猛スピードで後ろから押し、納屋に彼女を放り込んだ不気味な修道女が登場する。その際写っていたのは首から下のみだが、シャーロットと同じ修道服を着た不気味な女性の手が映っている。正常な人間のものではないその手は、ヴァラクが表に出てきたシャーロットの姿と考えられる。ヴァラクの目的は悪魔の解放であった。

ビーの愛称にちなんで製作されたマリンズ家のセット

ビーの愛称で呼ばれているアナベル。ビーはANNABELLEのBE(ビー)からきている。美術セットを手がけたジェニファー・スペンスはマリンズ家のセットに関して、いろいろなものがハチに繋がるようにしたと話している。ハチの巣状のデザインの床や、窓にはステンドグラスのマルハナバチがあり、他にも多くの花柄のパターンなど、ビーと呼ばれているアナベルを中心にしたスタイルで製作されている。また台所の床やバスルームには本物の古いハチの巣模様のタイルが敷かれており、これは古い家に見えるようにするための演出となっている。

『アナベル 死霊人形の誕生』の主題歌・挿入歌

ED(エンデイング):チャールズ・マクドナルド「You Are My Sunshine」

『オリジナル・サウンドトラック アナベル 死霊人形の誕生』の最後の楽曲として24曲目に収録されている。「You Are My Sunshine」はエンディングだけでなく本編でも使用されており、アナベルが好きなレコードの曲として登場。レコードはアナベルの部屋に置かれている。ジャニスたちがマリンズ家に迎えられた後にもアナベルの部屋で流れたり、悪魔や、悪魔に憑依されたジャニスが口ずさんでいることもあった。太陽や光、愛の歌を悪魔が流し、時に口ずさむ異様な光景が映し出されている。

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