ねじ式(つげ義春)のネタバレ解説・考察まとめ

『ねじ式』とは、つげ義春原作の短編漫画。1968年刊行の『月刊漫画ガロ』6月増刊号『つげ義春特集』に掲載された。同作品は、とある海岸でメメクラゲに左腕を噛まれた少年が、医者を求めて漁村を彷徨い不思議な体験をする短編漫画である。何度も単行本化されており、つげの代表作の1つに数えられている。また、1998年に浅野忠信主演の実写映画版が公開された。つげは、『ねじ式』発表までは叙情的な作風の漫画家だったが、同作品以降はシュールで前衛的な作品を多く執筆している。

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少年が医者を捜している時に出会った中年男性。ロイド眼鏡と左手にスパナを持っているのが特徴である。医者を案内してほしいという少年の頼みを聞きながら、要領の得ない返答ばかりして彼を追い込んでいった。ロイド眼鏡の男には元ネタがあり、20世紀に活躍した写真家、木村伊兵衛(きむらいへい)が『アサヒカメラ』1965年7月号にて発表した『新・人間』より『知里高央』に写っている男性がモデルだと判明している。

狐のお面を被った少年

狐のお面と手ぬぐいによるほっかむり、そして浴衣姿が特徴的な男子。名前は素顔などは一切明かされていない。医者を捜し求めて彷徨う少年の前に現れ、蒸気機関車に乗せて自分は運転手を務めた。少年は隣村へ行くよう指示したが、男子の運転する機関車は逆方向を走り、結果的に元の漁村に着いてしまう。

老婆

漁村に戻ってしまった少年が次に出会った人物。金太郎飴を売ることで大成功しており、「金太郎飴ビル」を建てた。ビルの中で産婦人科を営む女医を少年に紹介するが、その過程で彼からおッ母さんではないかと推察されて動揺する。自分の正体を明かすことはできないと少年に話し、お互いに金太郎飴の切断面を見せ合って別れるという奇妙な挨拶を交わした。

女医

老婆が建てた「金太郎飴ビル」にて産婦人科を営む女医。額帯鏡と和服姿が外見上の特徴である。左腕の治療を求める少年に対して、自分は産婦人科でありこの医院は男の来る場所ではないと拒否した。しかし、突然全裸になり少年とまぐわうと、「〇✕方式」という施術で少年の左腕の静脈をねじのような形にして治した。

『ねじ式』映画版

ツべ(演:浅野忠信)

『ねじ式』映画版の主人公。職業は漫画家だが、全くヒット作に恵まれていない。そのため貧困に喘いでおり、虚無感に苛まれている。国子(くにこ)という元彼女がいたが、関係がこじれたことで自殺未遂をしてしまった。退院したツべは、生きる希望を見いだせないまま当てのない旅へ出る。そして、旅先で複数の女性と出会った。旅の途中で不意に海水浴をした際に、左腕をクラゲに噛まれて生命の危機に瀕する。しかし、金太郎飴の店の上階にある産婦人科にて女医の手術を受け、ねじ式の血管に治療された。

国子(くにこ/演:藤谷美紀)

ツべの元彼女で、かつては彼と同棲していた。しかし、貧困のために家賃が払えなくなったことでアパートを追われて、ツべと離れて暮らすこととなる。その後もツべと関係を続けていたが、バイト先の本屋の客と数回肉体関係を持ったことと妊娠の可能性を告白した。そのことが原因で、ツべは自殺未遂したのである。

看護婦(演:藤森夕子)

ツベが入院した病院の看護婦。彼が退院するまでの間、介護士的な役割を果たした。

木本(きもと/演:金山一彦)

レタリング作家の男性で、アパートを追い出されたツベを温かく迎え入れ、自身が住んでいる「大平荘」で彼と同居生活を送る。ツベが自殺を図った際の第1発見者でもあり、彼を病院へ連れて行った命の恩人となった。

もっきり屋の少女/コバヤシチヨジ(演:つぐみ)

GameChannel神楽彩
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