絶対可憐チルドレン(絶チル)のネタバレ解説・考察まとめ

『絶対可憐チルドレン』とは2005年より椎名高志が『週刊少年サンデー』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。超能力者が年々増え続けている現代世界を舞台に、政府の特務機関に所属し、最強の超能力を持つ3人の少女達ザ・チルドレンと、指揮官で普通人の天才ある皆本が様々な事件や災害から人々を守るサイキックアクション漫画である。物語にはチルドレン達の小学生編、中学生編、高校生編があり、チルドレンの成長や皆本とのラブコメディーも展開された。2021年まで連載は続き、根強い人気を有している。

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九具津隆(くぐつ たかし)

CV:相馬幸人

パンドラの構成員の男性。眼鏡を掛けた地味な外見をしている。能力はテレパスを主体とした合成能力者であり、高超度の能力者である(超度は未出)。フィギュア製作が趣味であり、異常な程の情熱を賭けている。また自作だけで無く、フィギュア収集も趣味であった。所謂フィギュアオタクである。

戦闘では、能力で自分の意識を人形に投影して操り、相手を攻撃する。人形は自作したものが多く、手製の仕込み武器等の細工が多く成されていた。複数体の人形を同時に操る事も可能であり、敵に回すと非常に厄介である。また精巧な見た目のダミー人形で相手を欺いてスパイ活動をしたり、不意打ちで相手に致命傷を負わせる事も出来る。モガちゃんというメイド型の女性人形に絶対の自信を持っており、異常なまでの情熱を掛けている。

かつてはバベルに所属していたが、裏でパンドラのスパイとして情報を流していた。だが皆本やチルドレン達の活躍で露呈し、チルドレンと交戦した。一度は敗北して犯罪エスパー収容施設に収容されるが、兵部の手助けで脱獄を果たす。以降はパンドラとバベルが休戦状態になった事もあり、装備提供等のが協力関係を築いた。フェザーの肉体となったレアメタル結晶体を提供したのも彼である。

黒巻節子(くろまき せつこ)

CV:渡辺明乃

パンドラに所属する、やさぐれた不良的な雰囲気を持つ少女。能力はテレパスを主体とした合成能力(超度は未出)。写真や絵を媒介にし、それらを見た相手を眠らせて夢を見させる。その夢を操作し、相手に悪夢等を見せて精神攻撃を行う。夢の内容は悪夢だけでは無く、楽しい夢を見させる事が出来る。但し、夢を演出するのは黒巻の為、その人が本当に見たい夢を見れるとは限らない。原理的には、能力で相手の脳内に擬似装置(シミュレーター)を植えつけ、相手の脳を利用して装置を自律稼働させる事で夢を見させるというもの。一度能力を掛けてしまえば、以降はテレパシー等を送る必要は無い。能力を応用して、相手の脳内を念写する事も出来る。

かつてはバベルの特務エスパー訓練生でコードネーム「ドリーム・メーカー」として活動する。だが面倒臭がりな性格だった為バベルの任務に飽きて離反。以降はパンドラに合流して非合法活動に手を染めた。チルドレンの活躍により追い詰められるも、直前に自身の能力で眠りの世界に逃げ込んでしまう。後に兵部の力で強制的に覚醒して、脱獄した。以降はパンドラとバベルが休戦状態になった事もあり、協力関係を築いた。

余談だがバベル時代、ナオミに対抗してバベル広告ポスターのモデルになっていた。その際には自費でCDを出しており、本人の黒歴史となっている。

黒い幽霊(ブラックファントム)

雲居 悠理(くもい ゆうり)

CV:井上麻里奈

ブラックファントム首領の娘であり、側近である超能力少女。「黒い幽霊の娘(ファントム・ドーター)」のコードネームを持ち、多くの超能力者を洗脳して生物兵器を生み出していた。長年父親の言いなりで超能力者を洗脳していたが、無意識で非人道的な行いに反発心を抱いていく。

中学生編では人格が分裂し、ユーリ、ファントムの2つの人格を持つ多重人格者となった。因みにユーリが主人格で、ミラージュがブラックファントムへの反発心から生まれたじんかくである。それまでは陰で暗躍していたが、ミラージュの意向で来日しチルドレンと同じ中学に通う様になる。そこでチルドレンを欺く為、模擬人格である雲居悠理の人格を生み出した。そしてチルドレンの「ブーストの秘密」、「超能力者への洗脳の強制解除の秘密」を探るべく、正体を隠して彼女達と交戦する。だがその裏で、未来を変える為に時空を超えてきたフェザーが、肉体に潜んでいた。フェザーは、悠理の肉体を無意識の内に乗っ取って行動し、敵対している兵部に自身の正体を明かす。これにより兵部の手でユーリ、ミラージュといった本来の人格は深層心理に封印され、悠理が主人格として日常生活を送った。後に記憶が蘇り、悠理を主人格に3つの人格を統合した事で、ブラックファントムへの反逆を決意する。「ファントム・トレイター」を名乗り、チルドレンを始めとした自分と親しかった者達の記憶を消去して、単身でブラックファントム本拠地へ戦いを挑むのであった。だが待ち構えていた兄のギリアムと人造エスパーの前に敗北。洗脳され、チルドレンと戦う事となった。最終的に悠理の事を思い出したチルドレンの奮闘で洗脳を解除され、彼女達の味方となる。戦いの後、同居していたナイ、ハンゾーと共に財団へ保護され、海外へと隠遁生活を送った。

高校生編では、より凶悪さを増したブラックファントムに対抗する為、日本に戻りチルドレンに加入する。チルドレンの中でも薫に対しては恋情に近い感情を抱いていた。

超能力は超度7の強力な催眠能力者であり、ファントムドーター時代はこの能力で超能力者を「死をも厭わない生物兵器」に仕立て上げていた。洗脳の他にも、幻覚を相手に見せて発狂死させる事も出来る。あまりにも常識を超えた能力の為「魔法使い級」と称されていた。また他の超能力者の意識を催眠能力で受信し、能力をコピーする離れ業も見せ付けた。ブラックファントムではその能力の高さから、父である首領に厚遇される。一方で冷遇されていたギリアムからは、コンプレックスから憎悪を抱かれていた。こういった歪な環境から、ファントムドーターとして暗躍する裏で、団欒した家族に対する理想を抱いている。また仮初とはいえ、日本でチルドレン達と過ごした日常生活を大切に思う様になっていた。反面、自分がかつて超能力者を洗脳して生体兵器にしてきた事への罪悪感に責め苛なまれている。中学生編の最終決戦では、この事をギリアムに漬け込まれて洗脳されていた。

悲惨な未来では、チルドレンは彼女を救い出せなかった。その結果、自らの罪悪感に耐え切れずに闇堕ちしてしまう。最終的に世界を滅ぼす装置「ファントム・システム」の生体部品となり、兄ギリアムの世界破壊計画に加担してしまった。この事が一因となり、世界は最終戦争で荒廃してしまう。それでも大人になったチルドレンは諦めず、悠理を救い出した。そして自らの過ちを認めた彼女は、未来を変える為にミラージュの一部となり過去へと旅立つ。最終的に罪悪感に苦しむ自分自身に語りかけ、自らを救いだすのであった。

ブラックファントムの首領

CV:立木文彦

ブラックファントムのボス。普通人の初老の男性で、顔に大きな傷がある。名前は明かされておらず「首領」等の呼称が使われている。元々は世界を股に掛ける武器商人であった。大金を稼ぎ、普通人の妻と結婚する。反社会的な人物であるが、妻を愛していた。だが、ある日妻に超能力が目覚めてしまい、超能力の暴走で廃人となってしまう。これ以降超能力を憎悪し、超能力者を生体兵器として運用するブラック・ファントムを設立した。そして超能力者で以って、超能力者を滅ぼすという非人道的な悪業を成していく。

超能力者を洗脳する為に、彼は廃人の妻の肉体を利用する。こうして人工的にギリアム、ユーリの2人の超能力を持つ子を生み出した。だが彼に子供への愛情は無く、道具としてしか見なしていなかった。

高校生編ではギリアムに裏切られ、催眠能力で傀儡と化す。

ギリアム

ブラックファントムの御曹司であり、悠理の兄である青年。超能力者であり、念動力や催眠能力を持つ複合能力者である。だが悠理の能力程ではなく、肉体改造、特殊な装置の使用、人造エスパーによる補助等により、不足分の能力を補っている。この事から父(ブラックファントムの首領)からは「悠理の代替品」程度にしか見られていなかった。厚遇されていた悠理とは対照的に、冷遇されて育つ。こういった過去から人格が歪んでおり、人や世界が壊れる様子を何よりの娯楽としている。一見すると温厚な好青年で振る舞いも紳士的だが、本性は残虐で冷酷であった。

中学生編では悠理の代わりとして、首領に尽くしていた。主に彼女が行っていた超能力者への洗脳を引き継いでいる。その裏で自分を道具程度にしか考えていない父親への怒り、自分より優れた超能力を持つ妹へのコンプレックスを抱き、自分以外の存在全てを憎悪していた。

高校生編では催眠能力を駆使してブラックファントムを乗っ取り、首領を操り人形として扱っていた。そして世界を破壊する為に、バベルやパンドラを乗っ取り、普通人対超能力者の最終戦争を画策する。だがチルドレン達の成長や、赤字度外視で計画を強行した為に部下の裏切りに遭い、最終的に追い詰められた。薫は最後まで分かり合おうとしたものの、彼は最後まで世界を憎悪し続ける。最期は『ファントム・システム』を使用し、自らの命と引き換えに、人々を憎しみ合わせるナノマシンの集合体ベヒーモスへと成り果てた。ベヒーモスはチルドレン達超能力者の手により葬られ、完全敗北する。

悲惨な未来においては、兵部の肉体を利用し、悠理を生体部品として使用して『ファントム・システム』を起動させる。これにより普通人と超能力者の憎悪を増幅させ、最終戦争を引き起こした。

テオドール

ブラックファントムの幹部であり、普通人。残虐な性格をしており、エスパーを金儲けの為の生体兵器程度にしか思っていない。体面上はユーリ、ギリアムに尽くしていたが、あくまでも表面上だけであった。ユーリが人間らしい感情を見せ始めた際には、彼女を簡単に見限っている。

それまでは陰気で冷酷な男として描かれていたが、高校生編では組織の実権を握ったギリアムの催眠を受ける。その際に脱衣癖のある事が判明し、以降は開放的で陽気な性格に変貌した。また最終決戦の際には、赤字度外視で世界を破壊しようとするギリアムに愛想を尽かし、チルドレン達に本拠地の場所を教える。改心した訳ではなく、あくまでも利益を追求するが故の行動であった。チルドレン達が失敗したと見るや否や、彼女達を容赦なく切り捨てている。

人造エスパー

ブラックファントムが、ギリアムのDNAを元に産み出した人造クローン。一人一人が超能力を使用できる。悠理を白髪にして幼くした容姿をしている。巨大な試験管の中で大量生産されている為、設備さえあれば無尽蔵に生み出せる。

主にギリアムの手駒として利用されていた。全員がテレパシー能力を保有しており、その能力を利用した指令を受けて行動する。ギリアムの命令に絶対服従しており、自爆も厭わない。

ギリアムの駒として利用された他、他の犯罪組織に生体兵器として売買されていた。基本的に命令に従う様に作られている為、命令が無いとパニックになって行動不能となってしまう。

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