絶対可憐チルドレン(絶チル)のネタバレ解説・考察まとめ

『絶対可憐チルドレン』とは2005年より椎名高志が『週刊少年サンデー』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。超能力者が年々増え続けている現代世界を舞台に、政府の特務機関に所属し、最強の超能力を持つ3人の少女達ザ・チルドレンと、指揮官で普通人の天才ある皆本が様々な事件や災害から人々を守るサイキックアクション漫画である。物語にはチルドレン達の小学生編、中学生編、高校生編があり、チルドレンの成長や皆本とのラブコメディーも展開された。2021年まで連載は続き、根強い人気を有している。

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先の大戦の際、大日本帝国陸軍によって組織された超能力者で構成された部隊。兵部や蕾美もかつて所属していた。結束力が強く、戦闘機顔負けの戦果を発揮する。だが南方の激戦地へ装備も乏しい状態で送られ、その多くが戦死した。中には超能力者への迫害から、仲間である普通人に射殺された者もいる。敗戦直後に情報隠蔽工作として、生き残った構成員の大半が上層部に射殺された。生き残ったのは兵部と蕾美だけである。兵部はこの時の経験から後にパンドラを組織し、蕾美はバベルを創設した。パンドラとバベルの前身的組織といえる。

パンドラ

兵部が組織したエスパーによる革命組織。超度7のエスパーはいないが、エスパーの数と戦力でバベルを上回っている。

パンドラは「普通人を滅ぼし、その支配からエスパーを解放してエスパーだけの世界を作る」事を理念としている為、普通人には容赦が無い一面を持つ。また資金を得る為にテロ活動や非合法活動も平気で行う為、バベルからは犯罪組織として認識されており、対立していた。だが、パンドラの実質的リーダーである兵部は、チルドレンの薫を行く行くはパンドラのリーダーに据えようと画策している。その為パンドラは、チルドレンとは敵対しているものの本気で戦おうとしない。

中学生編では、パンドラもバベルと共にブラックファントムと戦い、囚われていたエスパー達を解放する様になる。当初は敵対していたバベルとパンドラであったが、ブラックファントムという共通の敵の出現、普通人による超能力者への差別といった問題に直面し、共同戦線を張る事が多くなった。更に薫の「超能力者を守る」という「超能力者の女王としての本能」が目覚めてきた事もあり、緊張関係が軟化していく。また兵部の裏工作により、パンドラの構成員にロビエット国籍と外交特権が与えられ、完全にバベルと休戦状態となった。こうした流れもあり、一部のパンドラ所属の子ども達はチルドレンと同じ学校に通い、クラスメートとして交流する様になる。

兵部は、世界中から冷遇されてきたり迫害されてきたエスパーを保護して、パンドラの構成員にしている。構成員の殆どが、軍事利用されたり、孤児であったり、軍事利用されていた者や、周囲から迫害を受けたりと何かしらの暗い過去を持つ者が多い。だが兵部の保護や他の似た様な境遇のエスパー達の交流により、アットホームな雰囲気となっている。幼少期からパンドラで育っている者も居る為、仲間を「家族」と呼ぶ者が居る。また保護した子供が多くおり、兵部を親の様に慕っていた。その団結力は強く、兵部の元で一枚岩に纏まっている。しかし兵部にとってパンドラは「超能力者の女王である薫が、未来で普通人との全面戦争の際に率いる組織」である為、リーダーとしての自覚に乏しい。組織の運営を真木達幹部へ丸投げし、自分の都合を優先に行動する為、彼に組織が振り回されるケースが多かった。

高校生編では、バベルがブラックファントムの手により超能力者排斥に舵を切ってしまう。これによりチルドレンは、超能力者達を守る為にパンドラへと加入した。その後パンドラはバベルを元の状態へと戻し、ブラックファントム壊滅へ多大な貢献を果たす事となる。

ブラックファントム

世界中に強い影響力を持つ反社会組織。元々は武器供与等によって大金を稼ぐ、闇の組織であった。だが首領の最愛の妻が超能力を発現し、それを抑えられなかった事で廃人と化してしまう。これにより超能力を憎悪する様になった首領は、超能力者を生体兵器として運用するビジネスを開始した。首領は廃人となった妻の肉体を使用し、強力な超能力を持つ娘のユーリを生み出す。そして彼女に他の超能力者を洗脳させ、自ら死をも厭わない生体兵器として運用した。この非道な行いを止めるべく、バベルとパンドラは死闘を繰り広げていく事となる。

次第にブラックファントムはユーリの細胞からクローンを無数に生み出し、更なる非道な戦いをチルドレン達へ仕掛けていく。だがチルドレンの活躍により、ユーリは改心してブラックファントムから抜けた。抜けた彼女の代わりに、息子のギリアムがブラックファントムの主導権を握っていく。チルドレン、兵部の見た悲惨な未来では、ブラックファントムが引き起こした普通人と超能力者の全面戦争によって、世界は荒廃している。だがチルドレンの活躍により、悲惨な未来は回避されて未来は白紙となっている。

だがブラックファントムで活動するギリアムは、新たな洗脳手法や超能力者へ感染するウィルス等を生み出し、更に狡猾で危険な組織へと変貌させていった。彼は次第に暴走していき、チルドレンがブラックファントムの拠点を壊滅させたのを機に首領を洗脳してしまう。そしてギリアム率いるブラックファントムは、普通人と超能力者の全面戦争を引き起こして世界を壊滅に導く未来を再来させるべく暴走していった。最終的に部下の裏切りやバベル、パンドラの総力戦によりブラックファントムは壊滅する。

ESP関連

超能力者(エスパー)

超能力を持つ人々の総称。脳に超能力中枢と呼ばれる独特の分野を持ち、これにより物理原則をも捻じ曲げる超常の力を発揮する。ただ作中では、その詳しい原理は解明されておらず、研究段階である。第二次世界大戦以前よりその存在が確認されている。時代を経るにつれ、その数は徐々に増えていった。

脳を主軸に能力を使用している為、脳機能の損傷や感情が昂ぶると暴走や使用不能になってしまうデメリットを持つ。また身体の成長等の変化により能力が正常に使えなくなる事もある。

エスパーの誕生には2種類ある。1つ目は先天的エスパー。このタイプは生まれながらに超能力を持つ。強力な能力を持っているパターンが多い反面、幼少期に能力をコントロール出来ず、人を傷付けてしまったりと心に傷を抱えてしまう例が多い。2つ目は後天的エスパー。このタイプは普通人が、ある日を境に突然超能力を発現させたパターンである。きっかけは超能力者から攻撃を受けたり、感情の昂りからであったりと様々である。普通人が突然超能力者になる為、力に溺れたり周囲との人間関係に悩む例が多い。

人間以外にも、実験により超能力を発現した動物達が存在する。モモンガの桃太郎やイルカの伊・九号がその例として挙げられる。

他には超能力者の思念が物に宿りるパターンがあった。フェザーや宇津美清司郎のように、未来人や死者がその能力によって現代で活動する例が挙げられる。

普通人(ノーマル)

超能力を持たない人々の総称。世界規模でエスパーの数は年々増え続けているものの、普通人の方が圧倒的に多い。社会の主要ポストは普通人で占められている。それ故に少数派であり、圧倒的な力を持つ超能力者を毛嫌いする者も多い。作中では「普通の人々」の様な排斥団体が超能力者を排除しようと暗躍していた。酷い例だと「黒い幽霊」の様に超能力者を兵器としてビジネスをする者も存在する。

超能力者に反感を持つ人々も多いが、皆本の様に超能力者との共存を望む者も少なからず存在する。

変動確率

バベルは予知能力者を活用し、災害や事件を予知している。この「予知された未来を覆すことができる確率」が変動確率である。超能力者のランクに対応して1から7の超度で表される。この超度の数値が大きくなる程、未来を変える事が難しくなる。

例として「変動確率超度7」の予知は、超度7のエスパーにしか覆せない重い未来を表す。主に多くの死傷者を出す未来である事が多く、未来を変える為には大きな危険を伴う。国内の超度7のエスパーはチルドレンだけの為、彼女達は常に危険な任務に当たる事となった。また未来を変えたとしても、変えた未来の重さだけ何らかの形で、別の事件や災害が発生する事がある。

ESPキャンサー

ブラックファントムが開発したESPを利用したウィルス。「キャンサー」の名の通り、癌細胞の様に取り憑いた超能力者の力を栄養源に増殖していく。最終的に脳を目指して侵食し、最期は操り人形にしてしまう恐ろしい兵器である。除去には高レベルのサイコメトリーが必要であり、治療のハードルは高い。また新型の催眠能力も備えており、感染者は気が付かない内にブラックファントムの手先として活動してしまう。

エスパー刑務所

正式名称「イーストエデン」と呼ばれる絶海の孤島。犯罪を犯したエスパー達を収容している刑務所。島全域を覆う様にしてになったECMが設置されており、全ての囚人にリミッターが付けられて完全に超能力が使えない状態になっている。連絡手段はヘリコプターによる移動だけであり、移動の際には厳重なセキュリティチェックが行われる。刑務所の建物も耐ESP仕様となっており、徹底した超能力対策が成されている。また外壁はミサイルの直撃にも耐えられる程頑丈であり、物理的な脱獄も困難である。

道具関係

ESPリミッター

超能力を弱める機能を持った装置。腕輪、指輪、ネックレス等、その形は様々である。社会で生活する超能力者はこの装置を自ら付ける事で、普通人と対等の能力で生活する様に心掛けている。装置する理由としては、普通人による超能力者差別の回避、能力の暴走等を抑える事が挙げられる。だが完全に超能力を抑える代物では無く、超度を3弱めるのが限界である。

ESP錠(ESPロック)

超能力を封じる為の手錠。超能力者を拘束する際に使用される。鍵がコード入力式の為、コードを知らなければ解除は困難。

ESPリミッターと同じく、高超度の能力者を完全に止めることはできない。だが外部電源を使用する事で、強制的に高超度の超能力を無効にする装置が存在する。

ESPリミッターが「能力者自らが超能力を無効にする装置」であるのに対し、ESP錠は「他人が超能力者を無理やり拘束する」為に使用される装置である。

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