魔人探偵脳噛ネウロの回収済み・未回収の伏線・謎まとめ

『魔人探偵脳噛ネウロ』とは、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた推理漫画、及びそれを原作としたアニメを始めとするメディアミックス作品である。作者は松井優征。
人間界の「謎」を喰いに来たという魔人・脳噛ネウロ(のうがみ ねうろ)と彼の傀儡として女子高生探偵をやることになった桂木弥子(かつらぎ やこ)が数々の事件を解き明かしていくストーリー。作品の性質上様々な謎や伏線が張り巡らされており、連載中に解決済みの謎と、未だに解決していない謎について紹介する。

彼にまつわる伏線は数え切れないほど存在する。名前に「6」を暗示する登場人物は全員彼の関係者であり笛吹の旧知の人物であるアンドリュー・シクソンもその1人だが、作中に登場する彼はシックスがアンドリューの顔の皮を被って化けた偽物であった。彼の記憶が「アンドリューに相対している誰か」から見たものであったり、単行本14巻の表紙をよく見ると彼の首に切れ目があったりという形でその正体の手がかりが示されている。
Xが登場して間もない頃の弥子の台詞「人間離れした悪意」やXの信望者・堀口明(ほりぐち あきら)の「その絶対的な悪の才能に恐れではなく憧れを抱く」という台詞などは、Xの裏にいるシックスの存在を示唆するものである。
物語外に示唆された伏線として、葛西が「悪のカリスマ」の手先としての立場を仄めかす第97話はサブタイトル「悪【あく】」で扉絵のコマ割りが「6」の形になっているが、シックスが正体を現す第121話もサブタイトルとコマ割りの形が97話と一致しモノローグの内容も共通していることから、葛西が話していたのがXではなくシックスのことであったと種明かしされている。別の話で葛西が言う「怪盗Xを相手にする者は真の悪の世界へ招待される」という台詞もXより上位の悪であるシックスの存在に言及しているものだが、初見では「まだ描写されていないXの本質」について仄めかしているようにしか読めないようになっている。

「新しい血族」の属性

「新しい血族」の頂点であるシックスとその腹心「五本指」の6人は、五行に因んだ属性を持っている。
シックスは「金」で、自身の体細胞に金属を融合して自在に操る能力を持つ他、その細胞を他者に移殖して強化することもできる。「五本指」のDR(ディーアール)は「水」で、水の流れを理解し意のままに流す力を持つ。テラは「土」で大地の状態を把握して埋まっている資源を探し当てたり、地脈を読んで杭を打ち込むことで地割れや地震を起こす事ができる。ヴァイジャヤは「木」で、あらゆる植物を操り薬や毒を調合する力を持つ。葛西は「火」で、炎の取り扱いにおいては常人を超えた技術を持つ。「五本指」のリーダーであるジェニュインのみ特殊で、五行に関係のない「空気」を操る力を持ち、その場にいる者たちの意識を思いのままに誘導するなどの能力を持つ。

その他

犯人を暗示する伏線

「噛み切り美容師」百舌貴泰(もず たかやす)

『魔神探偵脳噛ネウロ』には、一般的な推理小説と比較するとかなり異質な形で伏線が貼られている事が多い。例えば「噛み切り美容師」事件の犯人である百舌貴泰(もず たかやす)は本性が明らかになると目と眉が鋏の形になり、店の名前も牙を意味する「ファング」であるなど読者の誰が見ても犯人と分かる描写をされていた。また温泉で起きた事件では、駅に到着するシーンで空に浮かび上がった影が犯人の鼻と口になっていた。
怪盗Xが関わる事件では特に多数の伏線が貼られており、弥子が「泥棒でも総理大臣でも誰でもいいや、犯人来るなら来てみろ!」と叫んだ裏では怪盗X(泥棒)が総理大臣を殺してなり変わっているという事件が起きていた。その後の絵石家邸の事件ではXがなり変わった者を隠すためにかぼちゃ頭の人物として描写していたが、これは人ではなく犬だった。正体を示唆する伏線として、なり変わる前のシーンでXが池から出現した際にかぼちゃ頭より身長が高くなっている(かぼちゃ頭の視点で見るとXを見上げている格好になっている)という描写がある。また同じ事件で笹塚が刃物を手にして不審な動きを見せる描写があるが、これはXになり変わられたと見せかけるためのミスリードで、実際はXの襲撃に備えるための準備だった。

登場人物の名前の法則

「トロイの机」事件の池谷通(いけや とおる)

この漫画に登場するキャラクターは、エピソードごとに一定の法則や意味を持って名付けられている事が多い。例えば温泉で起こった事件では関係者の名前に国を表す漢字が入っていたり、絵石家邸の事件では関係者の苗字が「絵石家(えしや)」=エッシャー、「真栗(まぐり)」=マグリットと芸術家から取られていたりする。「トロイの机」事件の関係者は苗字が池谷(いけや)=IKEA、大塚(おおつか)=大塚家具と家具専門チェーン店に因んでいる。怪盗Xに作られた犯罪者である蛭(ひる)の本名は依(より)であるが、Xが依を「よる」と呼んでいるシーンがあり「昼」と「夜」に因んでいると推測できる。

単行本(ジャンプコミックス)の仕掛け

この漫画の単行本(ジャンプコミックス)の各巻の目次には「まじんたんていのうがみねうろ」の文字が上下反転した状態で大量に並んでいるが、その中に混じってその巻に登場する事件の犯人の名前が存在している。
カバー裏には3Dアートが印刷されており、タイトルロゴに使われている三角形などの作品に関連する図形が浮かび上がるようになっている。何が描かれていたのかは次巻で答え合わせをすることができる。最終巻の3Dアートの答えは「『謎』のままで……?」とあるが、その通り「謎」の一文字が答えである。
また10巻までの表紙はイラストが上下逆だが、カバーを外すと正位置になっている。13巻から16巻まで、17巻から20巻までのそれぞれ4巻分の表紙イラストは繋がっており、左から順に並べると1つの絵が完成する。
他にも電子ドラッグのシーンにあるQRコードは実際に読み込む事ができる、最終巻の「完」の文字の中に小さな「?」が紛れていて続編(あるいは連載終了後も物語が続いていくこと)の示唆になっているなど細かい仕掛けが豊富に仕込まれているので、漫画そのものに加えてその仕掛けを探す楽しみ方もある。

その他の小ネタ

ライト兄弟の片方が夜神月(やがみ ライト)になっているカット

この漫画には文字通りの小ネタも多い。例えば探偵事務所にするために早乙女金融から手に入れたフロアを片付けていたら「片栗粉の袋に入った白い粉」を大量に発見。そのタイミングでアヤ・エイジアが調査の依頼に訪れるが、弥子はこの粉を「とろみをつけるためのもの」と誤魔化していた。しかしこの後ネウロの所業により頭から粉を被った弥子が「とろん」としてしまっている様子がコマの隅に描かれている。その後、覚醒剤の取引に巻き込まれた彼女は燃えた粉の成分を吸い込んでまたも「とろん」としてしまった。
また、旅行先でネウロに財布を盗まれた弥子が彼を責め立てていると「ねーちゃん、こんな街中でエキサイトすんなや」とキャンディーを舐めている小学生に嗜められるが、この小学生はバレンタイン回でも再登場する。やはりイベントにエキサイトする弥子にキャンディーを舐めながら苦言を呈しているが、ランドセルには大量のプレゼントボックスが詰まっていた。後に単行本に掲載された人物辞典で「エキサイト小太郎」と言う名前が判明している。
本筋に関係ないパロディも多く、「人が空を飛ぶ」という話のイメージとして「ライト兄弟」を出したがそのうち1人が『DEATH NOTE』の夜神月(やがみ ライト)になっていたり、コロッケと書かれたシャツを着た人物が犯人と指摘されると「殺助」と書かれ頭にちょんまげがついた剣道着姿に変化して『キテレツ大百科』のコロ助をパロディしていたりとネタが豊富である。

『魔人探偵脳噛ネウロ』の未回収の伏線・謎

あかねちゃんについて

死にまつわる謎

あかねちゃんは探偵事務所の壁に埋められていた女性の遺体がネウロの魔力に当てられて中途半端に蘇生し、壁から飛び出たおさげ髪の状態で活動している存在である。生前の彼女がどういう女性で、何故死亡し、いかなる経緯で事務所の壁に埋められたのかという情報はほとんど語られていない。分かっているのはかなりの美人で英会話などに堪能な才女であったという点くらいであり、前にこのフロアを使っていた会社である早乙女金融にも関わりはなかった。ネウロは当初「食欲をそそられるサイズの『謎』ではないが必ず喰う」と言っていたが、その真相が明かされることなく連載は終了した。
作者は「あかねちゃんの謎は魔界に戻ったネウロが地上に帰還するためのフラグの1つであるため解決することはほとんど考えていなかった」と語っている。実際、最終回で魔界から帰還したネウロはあかねちゃんを髪に憑依させた弥子の所へ帰ってきているため、あかねちゃんの持つ「謎」の気配を目印に彼女たちの居場所を探し当てた可能性がある。

アヤ・エイジアについて

生い立ち

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@hayasaka_sacasw0

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