魔人探偵脳噛ネウロの回収済み・未回収の伏線・謎まとめ

『魔人探偵脳噛ネウロ』とは、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた推理漫画、及びそれを原作としたアニメを始めとするメディアミックス作品である。作者は松井優征。
人間界の「謎」を喰いに来たという魔人・脳噛ネウロ(のうがみ ねうろ)と彼の傀儡として女子高生探偵をやることになった桂木弥子(かつらぎ やこ)が数々の事件を解き明かしていくストーリー。作品の性質上様々な謎や伏線が張り巡らされており、連載中に解決済みの謎と、未だに解決していない謎について紹介する。

怪盗Xは、誰一人姿を見たことがない犯罪者として世界的に有名になった。海外のメディアが未知を表す「X」と不可視を意味する「invisible」の「I」を繋げて「monster robber X・I」と呼んだことで、「X」と書いて「サイ」と読む呼び方が定着した。
一方本人の認識としては、未知の存在「X(サイ)」と相棒の「i(アイ)」、2人のコンビでこその「怪盗Xi」であると自負している。
そして6のローマ数字表記「VI」を鏡写しにすると「XI」になるということが、その正体を暗示する伏線になっていた。

アイについて

過去・怪盗Xに従う理由

怪盗Xの仲間として登場し、長らく正体不明の存在だったアイ。その素性は某国の国家工作員で「飛行機落とし」と呼ばれた季美兒(イ ミナ)という女性だった。限界への絶望から逃避するように任務をこなしていたがXのすさまじい能力に感銘を受け、自分を死んだことにして「Xの傍に寄り添う見えない存在」である「i(アイ)」として彼に付き従い、その正体を確かめる手伝いをすることを決意した。

早坂兄弟について

弟の早坂幸宣(はやさか ゆきのり)(左)と兄の早坂久宜(はやさか ひさのり)(右)

2人の関係性

早坂幸宜(はやさか ゆきのり)は、かつて兄の早坂久宜(はやさか ひさのり)に雪崩に埋まった中から助け出してもらったという過去を持つ。兄弟の絆に縋るように生きてきたが、だんだんと心がすれ違うようになっていった。その内心の寒さを埋めるように常に厚手のコートを着込み、戦いに使う暗器もその中に隠していたが、吾代との対決を経て再び兄と心を通い合わせる。事件の中でコートが燃えてしまったが、「もうあまり寒くないから」と放棄した。
その後は兄弟で密輸事業を興し、複雑な心境ながらネウロの事件解決にも何度か貢献した。幸宣が酷い目に遭わされた報復を久宣が実行したことが葛西を追い詰める決め手となるなど、彼らの絆による力は重要な場面で発揮されている。

葛西善二郎(かさい ぜんじろう)について

甥の存在に絡めた登場の示唆

電人HAL事件の発端となったのは、電子ドラッグによって無理矢理犯罪欲求を引き出された男・穂村徹行(ほむら てつゆき)による放火事件だった。この際、穂村の叔父である連続放火犯の葛西善二郎(かさい ぜんじろう)について言及されているが、この葛西は後にシックスの部下「五本指」の一人として登場する。シックスに従いながらもただの人間として彼より長生きすることを目標とし、最終回後もしぶとく街に潜み続けている。
なお、誕生日の9月1日は「防災の日」である。

本城二三男(ほんじょう ふみお)について

娘・刹那(せつな)の回想

春川英輔が電人HALを使ってコンピューターの中に蘇らせたかった女性である本城刹那(ほんじょう せつな)。彼女は電人HALが見せた回想の中で父親について言及し、数学者として非常に優れた博士であり、その優秀過ぎる頭脳故に奇人変人であるという情報が語られた。また「刹那」という名前は彼女が10月18日に産まれた1人であるということから、父親が10の18乗分の1を意味する単位からつけた名前だという。
その父親は後に登場した本城二三男(ほんじょう ふみお)という名前の男性であった。河原に段ボールで家を建てて生活し、あらゆるものを段ボールで作ってしまう「変人」であり、計算という分野では比類なき頭脳を発揮する「天才」として描かれた。

娘の死の真相

刹那は聡明な女性だったが脳細胞が破壊される奇病によって自分を失ってゆき、そして亡くなった。関係者はその病を人為的な物と疑いつつもすぐ打ち消していたが、刹那の父親である二三男は彼女を死に至らしめた病は人の手でなされたものと断言、その犯人を決して許さないと語った。
しかしそれはシックスの気まぐれによって命じられた二三男自身による犯行だった。彼はシックスの信望者でありその命令には逆らえなかった。弥子に真実を言い当てられた彼は自身の胸から腹にかけて刻まれた大きな6の字を見せて狂気の笑みとともに真実を語り、娘への謝罪を一言口にしながら薬物注射によって自殺した。
名前の2と3をかけると6になるという点が彼の正体を暗示していた。また刹那との幸せな思い出を回想するシーンの最後にシックスの髪のような影が見えるという伏線もあった。さらに弥子たちがシックスの正体に繋がる手がかりを求めて二三男が暗号で書いた日記を探しに行った際、彼は隠し場所も暗号の読み方も忘れたと言っていたが、実際はシックスに敵対する者たちへの遠回しな妨害行為だった。

暗号の解き方

漫画第162話に登場する二三男の書いた暗号文は実際に読み解けるようになっている。単行本のおまけに書かれているヒントを元に五十音表・左から順に月から日までの曜日を並べたもの・左から順に0から9までの数字を並べたものを用意し、2行一組と考えて、左列の文字を右列の数字の数だけ右に動かす。×は濁点、+は促音と考えて当てはめると以下の通りになる。
4月28日
今日ハ1日雨ダッタ
庭ノダンボールニ
水ガ入ッテ腐ッタ
ナンカセツナイ
実際は縦書き。カとヤ、クとワなど判別しにくい文字もあるが、意味が通る方を選んで解読するとこうなる。おまけページでは「解いて遊んでもらえたらいいなと簡単なものにしたが、(実際の)本城の暗号はもう少し難易度が高いという設定」と解説されている。

シックスについて

「絶対悪」「6という数字」などの伏線

hayasaka_sacasw0
hayasaka_sacasw0
@hayasaka_sacasw0

Related Articles関連記事

魔人探偵脳噛ネウロ(松井優征)のネタバレ解説・考察まとめ

魔人探偵脳噛ネウロ(松井優征)のネタバレ解説・考察まとめ

『魔人探偵脳噛ネウロ(まじんたんていのうがみねうろ)』とは、2005年2月から2009年4月まで週刊少年ジャンプで連載された漫画作品であり、それを原作とするアニメ作品。“謎”と呼ばれるエネルギーを主食とする魔人・脳噛ネウロ(のうがみねうろ)と、平凡な女子高生・桂木弥子(かつらぎやこ)が探偵として様々な事件を解決していく。ストーリーを通して弥子の成長や、魔人の視点を通しての「人間の可能性」を描いていく。謎解きよりもその独特な画風や強烈なキャラクターが一部のファンにカルト的人気を博している。

Read Article

暗殺教室(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

暗殺教室(アニメ・漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『暗殺教室』とは、漫画家松井優征による漫画作品。「週刊少年ジャンプ」にて2012年から2016年まで連載され、2015年にはTVアニメも放映されている。「来年3月までに私を暗殺できなければ地球を破壊する」と宣言する超生物「殺せんせー」と、おちこぼれの中学生クラス「3年E組」が繰り広げるギャグテイスト学園漫画である。

Read Article

逃げ上手の若君(逃げ若)のネタバレ解説・考察まとめ

逃げ上手の若君(逃げ若)のネタバレ解説・考察まとめ

『逃げ上手の若君』とは、日本の南北朝時代を舞台に歴史上の人物である北条時行の成長と活躍を描いた、松井優征による漫画作品。多くの文献や専門家の意見を元に、当時の文化や風俗、歴史的な背景が詳細に描かれる一方で、少年漫画らしい外連味に溢れた演出や物語が好評を博す。 1333年、重臣である足利尊氏の裏切りと新田貞義の挙兵により、鎌倉幕府が滅亡。北条家の遺児である時行は、諏訪頼重によって救い出され、長野へと逃げ落ちる。その地で仲間を集め、力を蓄えつつ、時行は北条家の再興のための戦いを始める。

Read Article

暗殺教室の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

暗殺教室の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

『暗殺教室』は松井優征による漫画で、『週刊少年ジャンプ』で2012年から連載された。名門私立中学校の中で「おちこぼれ」と迫害されているクラスの生徒たちが、1年かけて自分たちの担任を殺すことがメインストーリーで、その斬新な設定で人気を呼んだ。2015年にテレビアニメの第1期が放送され、ゲームや実写ドラマ、スピンオフ作品『殺せんせーQ!』などメディアミックス化されている。中学生たちの青春を描いており恋愛的要素も多いが、中には同じ目的を持つ同志のようなカップルもある。

Read Article

暗殺教室のコードネーム・呼び名・ニックネームまとめ

暗殺教室のコードネーム・呼び名・ニックネームまとめ

『暗殺教室』とは、2012年から2016年まで『週刊少年ジャンプ』に連載されていた長編漫画、及びそれを原作としたアニメ、実写映画などのメディアミックス作品である。作者は松井優征。 進学校の落ちこぼれクラスである3年E組の生徒たちは、突然担任としてやってきた謎の生物「殺(ころ)せんせー」を殺すための暗殺者として鍛えられることになる。その日常の中で「1日名前ではなくコードネームで呼ぶ」という試みや「わかばパーク」でのボランティアで子供達につけられたあだ名などでさまざまな呼び名が増えていった。

Read Article

暗殺教室の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

暗殺教室の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

「暗殺教室」は「週刊少年ジャンプ」に連載された松井優征による漫画作品。 椚ヶ丘中学校の底辺クラス3年E組の担任として謎の人外生物がやってくる。月の7割を破壊してきた上に「来年3月には地球を破壊する」と宣言するその超生物を殺してくれ、とE組は防衛省から依頼された。暗殺対象の先生と、暗殺者たる生徒達が織りなす、殺しと学びの物語。暗殺という非日常的側面がありながら、学校らしい教育的な名言が多い。

Read Article

【人気漫画】2007年~2018年の週刊少年ジャンプ打ち切り・終了マンガまとめ!

【人気漫画】2007年~2018年の週刊少年ジャンプ打ち切り・終了マンガまとめ!

2007年~2018年の間に『週刊少年ジャンプ』で打ち切り・終了したマンガをまとめました。作品は2007年1号以降に終了したものです。『銀魂』『BLEACH』『NARUTO』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』といったジャンプを代表するマンガはもちろん、残念ながら打ち切りになってしまった作品、内容は悪くなかったのに読者に響かなかった隠れた良作を紹介していきます。

Read Article

【似てる!?】暗殺教室の実写キャストをアニメ・原作絵と比較【山田涼介ほか】

【似てる!?】暗殺教室の実写キャストをアニメ・原作絵と比較【山田涼介ほか】

月の七割を破壊した最強生物「殺せんせー」と、殺せんせー暗殺の任務を負った椚ヶ丘中学校の落ちこぼれ「3年E組」の生徒たちの交流を描いた『暗殺教室』。原作の大ヒットを受けてアニメ化・実写映画化されており、ファンからは「似てる!」との声も上がっている。本記事では『暗殺教室』の実写版キャストを、アニメ及び原作の画像と共に紹介する。

Read Article

【暗殺教室】クライマックスに向けておさらい!作中の伏線まとめ(ネタバレあり)

【暗殺教室】クライマックスに向けておさらい!作中の伏線まとめ(ネタバレあり)

大人気作品の『暗殺教室』。アニメ化や実写映画化もされたことで話題になりましたよね。漫画はコミックスで全21巻あり、作中には様々な伏線が登場します。この記事では、そんな伏線や殺せんせーの正体、ラスボスが誰かについてまとめました。重要なネタバレを含んでいるので、まだ作品を読んでいない方はくれぐれもご注意を!

Read Article

深夜枠放送名作アニメの悲喜こもごも

深夜枠放送名作アニメの悲喜こもごも

「何で深夜枠…何ですぐ終わる…」そう思わせる名作漫画「アニメ化作品」の数々。規制のせいか!?などと短絡的に思ってしまいましたが、カンタンに録画で見られる時代です。それに名作はアニメになったって名作…とは限らないのが、原作ファンにとっては哀しいところ。せっかく色や音、動きがつくのだから原作並みのクオリティで突っ走ってほしいものです。

Read Article

目次 - Contents