魔人探偵脳噛ネウロの回収済み・未回収の伏線・謎まとめ

『魔人探偵脳噛ネウロ』とは、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた推理漫画、及びそれを原作としたアニメを始めとするメディアミックス作品である。作者は松井優征。
人間界の「謎」を喰いに来たという魔人・脳噛ネウロ(のうがみ ねうろ)と彼の傀儡として女子高生探偵をやることになった桂木弥子(かつらぎ やこ)が数々の事件を解き明かしていくストーリー。作品の性質上様々な謎や伏線が張り巡らされており、連載中に解決済みの謎と、未だに解決していない謎について紹介する。

ネウロ・弥子との関係

前職である早乙女金融(さおとめきんゆう)が解散になった吾代はコンビニでアルバイトをしていたところをネウロから雑用として勧誘されるが、「俺が誰の下につくかは俺が決める」と言って突っぱねる。結局のところネウロに脅されて渋々従うが、後にその能力を買った早坂(はやさか)兄弟からスパイとして雇われた吾代は二者を天秤にかけた結果、「自分を手駒としか見ない」早坂兄弟を見限ってネウロと弥子の下につくことをを自分の意志で選んだ。
その後もネウロからは雑に扱われる日々を送る中、買ったばかりの新車が電人HAL事件に巻き込まれて廃車にされるというハプニングが起こる。お詫びとしてネウロから廃車寸前の軽トラを贈られ憤慨するが、この車に荷台がついていた事が後にシックスとの戦いで高所から落下した弥子を救うことに繋がった。

笹塚衛士(ささづか えいし)について

家族を殺した犯人はシックス

笹塚が国家公務員採用I種試験を受ける1週間前、彼の両親と妹は何者かによって殺害された。3人の遺体はそれぞれ立方体の木の箱に詰められており、被害者の遺体をガラスの箱に詰めて「赤い箱」を作る怪盗Xの初期の犯行と思われていた。
しかし怪盗Xが「赤い箱」を作るのは被害者の身体の細胞組織を観察するためであり、中身が見えない木の箱では意味が無い。そこから導き出されるのは、真犯人はシックスであるという真実だった。被害者を箱に詰めたのは、6面体という箱の性質に自身を象徴させるためだった。ネウロの推測などを聞いて真実に辿り着いた笹塚はシックスに復讐を仕掛け、命を落とすことになる。
おもちゃ会社「狸屋(たぬきや)」の社長が殺された事件では、笹塚は犯人に復讐しようとする被害者の孫娘に対して「大人になるまでは復讐を忘れて精一杯幸せに生きろ、それでもなお復讐することでしか幸せになれない哀れな人間ならその時は迷わず殺ればいい」と諭している。これは自分自身を重ねた言葉であることが後の展開から推測できる。

空白の1年間

家族が殺された直後、笹塚は1年間にわたって消息不明になった。その期間に何があったのかということについては小説『魔人探偵脳噛ネウロ 世界の果てには蝶が舞う』で一部語られており、バイクで南米を放浪していた彼がマフィア一家の一人娘に出会い殺人事件に巻き込まれるという内容になっている。漫画版においても、笹塚がXIに記憶を覗かれるシーンで回想としてこの話の一場面が描かれている。

石垣旬(いしがき じゅん)について

後輩との関係性

笹塚の部下・石垣旬(いしがき しゅん)は子供じみた遊びが好きで大口を叩くが臆病者で口が軽いというダメ部下だったが、シックスという強敵に備えて等々力志津香(とどろき しづか)という部下が加わることで立場が危うくなる。対立を繰り返しながらも互いに良きライバルのように成長していく中で、束の間の休息ということで参加した釣り大会でトップが石垣で最下位は等々力という結果となる。トップが最下位に命令する権利を得るという話だったので有頂天になる石垣だったが、その場では有耶無耶になってしまう。後の事件で笹塚の死を引きずって「先輩が」と繰り返す等々力に、石垣はこの命令権を行使して「これからは俺のことを先輩と呼べ」と宣告。笹塚の生前の言葉を引用して発破をかけ、等々力を立ち直らせる事ができた。

笛吹直大(うすい なおひろ)について

管理者としての才能

笛吹直大(うすい なおひろ)は「爆弾魔ヒステリア」の事件で初登場した警視である。この事件では自ら現場に出向き捜査に参加したが、推理を外したり周囲に高圧的に接したりとお世辞にも好ましい人物とは言えなかった。部下であり大学時代からの友人でもある筑紫候平(つくし こうへい)曰く、彼は根っからのキャリアタイプで、現場に出るよりも人の配置や情報処理など総合的な捜査戦略を練ることに向いているという。
後に怪盗Xやシックスの脅威が大きくなってくるとその手腕をいかんなく発揮し、警視庁の人員を総動員して彼らを追い詰めて行った。前述の戦略立案能力に加えて大勢の部下たちを鼓舞し統率する人心掌握能力、笹塚から学んだ清濁併せ呑む交渉術など、筑紫の言葉通りに管理職として優秀で魅力的なキャラクター性を大いに発揮した。

弥子を認めたことを示唆する描写

当初は弥子を見下していた笛吹だが、電人HAL事件で大量の魚肉ソーセージを頬張りながらパスワードを考えている彼女に「こんな安い食い物で脳が回るか」と言って出前を奢る。その結果笛吹は見事パスワードを解いた彼女を次第に認め感化されるようになって行く。それを端的に表現したと推測されるのが、シックスとの戦いのための激務の最中、笛吹が栄養補給として魚肉ソーセージを食べているシーンである。

怪盗X(かいとうサイ)について

正体はシックスのクローンに改造を施した実験生物

怪盗Xは細胞の変異と共に過去の記憶が失われていく体質で、自分の中身(正体)を探し求めていた。美術品を盗んだり「赤い箱」を作ったりといった犯行も全てそのためであった。
その真実は、悪意によって進化してきた「新しい血族」の頂点ことシックスのクローンに改造を施した実験生物。生まれた時の性別は女性であり、アイとの初対面の際の少女の姿こそ原初のXである。またXの失われゆく記憶に一瞬よぎる影として先端が5本に別れた枝のようなものが描写されたが、これはシックスの手であることが後に判明した。
シックスによって回収された後は記憶を消されXI(イレブン)となって彼を父と呼び付き従うが、弥子の記憶を見てかけがえのない相棒であるアイのことを思い出し、怪盗Xに戻ってシックスに反逆した。この時象徴的なアイテムとしてXが適当に盗んでアイに渡した品物である木彫りの熊と自由の女神の置物が登場しているが、これらはアイと弥子が街中で偶然出会った際にアイが所持していたものである。
Xが初登場した話のサブタイトルは「X【アンノウン】」であるが、XIがXの人格を取り戻す話のサブタイトルは「XI【アンノウン】」である。同じタイトルを再び使うことで、未知の自分自身を求めるというXというキャラクターのテーマを象徴している。

名前の由来

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@hayasaka_sacasw0

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