魔人探偵脳噛ネウロの回収済み・未回収の伏線・謎まとめ

『魔人探偵脳噛ネウロ』とは、『週刊少年ジャンプ』で連載されていた推理漫画、及びそれを原作としたアニメを始めとするメディアミックス作品である。作者は松井優征。
人間界の「謎」を喰いに来たという魔人・脳噛ネウロ(のうがみ ねうろ)と彼の傀儡として女子高生探偵をやることになった桂木弥子(かつらぎ やこ)が数々の事件を解き明かしていくストーリー。作品の性質上様々な謎や伏線が張り巡らされており、連載完結済後の解決済みの謎と、未だに解決していない謎について紹介する。

管理者としての才能

笛吹直大(うすい なおひろ)は「爆弾魔ヒステリア」の事件で初登場した警視である。この事件では自ら現場に出向き捜査に参加したが、推理を外したり周囲に高圧的に接したりとお世辞にも好ましい人物とは言えなかった。部下であり大学時代からの友人でもある筑紫候平(つくし こうへい)曰く、彼は根っからのキャリアタイプで、現場に出るよりも人の配置や情報処理など総合的な捜査戦略を練ることに向いているという。
後に怪盗Xやシックスの脅威が大きくなってくるとその手腕をいかんなく発揮し、警視庁の人員を総動員して彼らを追い詰めて行った。前述の戦略立案能力に加えて大勢の部下たちを鼓舞し統率する人心掌握能力、笹塚から学んだ清濁併せ呑む交渉術など、筑紫の言葉通りに管理職として優秀で魅力的なキャラクター性を大いに発揮した。

怪盗X(かいとうサイ)について

正体はシックスのクローンに改造を施した実験生物

怪盗Xは細胞の変異と共に過去の記憶が失われていく体質で、自分の中身(正体)を探し求めていた。美術品を盗んだり「赤い箱」を作ったりといった犯行も全てそのためであった。
その真実は、悪意によって進化してきた「新しい血族」の頂点ことシックスのクローンに改造を施した実験生物。シックスによって回収された後は記憶を消されXI(イレブン)となって彼を父と呼び付き従うが、桂木弥子の記憶を見てかけがえのない相棒であるアイのことを思い出し、怪盗Xに戻ってシックスに反逆した。

名前の由来

怪盗Xは、誰一人姿を見たことがない犯罪者として世界的に有名になった。海外のメディアが未知を表す「X」と不可視を意味する「invisible」の「I」を繋げて「monster robber X・I」と呼んだことで、「X」と書いて「サイ」と読む呼び方が定着した。
一方本人の認識としては、未知の存在「X(サイ)」と相棒の「i(アイ)」、2人のコンビでこその「怪盗Xi」であると自負している。
そして6のローマ数字表記「VI」を鏡写しにすると「XI」になるということが、その正体を暗示する伏線になっていた。

アイについて

過去・怪盗Xに従う理由

怪盗Xの仲間として登場し、長らく正体不明の存在だったアイ。その素性は某国の国家工作員で「飛行機落とし」と呼ばれた季美兒(イ ミナ)という女性だった。限界への絶望から逃避するように任務をこなしていたがXのすさまじい能力に感銘を受け、自分を死んだことにして「Xの傍に寄り添う見えない存在」である「i(アイ)」として彼に付き従い、その正体を確かめる手伝いをすることを決意した。

葛西善二郎(かさい ぜんじろう)について

甥の存在に絡めた登場の示唆

電人HAL事件の発端となったのは、電子ドラッグによって無理矢理犯罪欲求を引き出された男・穂村徹行(ほむら てつゆき)による放火事件だった。この際、穂村の叔父である連続放火犯の葛西善二郎(かさい ぜんじろう)について言及されているが、この葛西は後にシックスの部下「五本指」の一人として登場する。シックスに従いながらもただの人間として彼より長生きすることを目標とし、最終回後もしぶとく街に潜み続けている。

本城刹那(ほんじょう せつな)について

父親の素性

春川英輔が電人HALを使ってコンピューターの中に蘇らせたかった女性である本城刹那(ほんじょう せつな)。彼女は電人HALが見せた回想の中で父親について言及し、数学者として非常に優れた博士であり、その優秀過ぎる頭脳故に奇人変人であるという情報が語られた。また「刹那」という名前は彼女が10月18日に産まれた1人であるということから、父親が10分の1の18乗という単位からつけた名前だという。
その父親は後に登場した本城二三男(ほんじょう ふみお)という名前の男性であった。河原に段ボールで家を建てて生活し、あらゆるものを段ボールで作ってしまう「変人」であり、計算という分野では比類なき頭脳を発揮する「天才」として描かれた。

死の真相

刹那は聡明な女性だったが脳細胞が破壊される奇病によって自分を失ってゆき、そして亡くなった。刹那の父親である二三男は、彼女を死に至らしめた病は人為的な物で、その犯人を決して許さないと語った。
しかしそれはシックスの気まぐれによって命じられた二三男自身による犯行だった。彼はシックスの信望者であり、その命令には逆らえなかった。弥子に真実を言い当てられた彼は自身の胸から腹にかけて刻まれた大きな6の字を見せて狂気の笑みとともに真実を語り、娘への謝罪を一言口にしながら薬物注射によって自殺した。
名前の2と3をかけると6になるという点が、彼の正体を示す伏線になっていた。

その他

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