SIREN2(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『SIREN2』は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(通称SCEI)より発売された、プレイステーション2用の3Dアクションホラーゲーム。
舞台はかつて原因不明の海底ケーブル切断による大停電と、全島民消失事件があった日本近海の孤島・夜見島。島にまつわる数々の事件を調査に訪れた雑誌編集者、輸送ヘリのトラブルにより島に不時着した自衛隊員たち、過去への思いから島に足を踏み入れた作家など、様々な事情を抱えた10名の登場人物たちが、午前0時に響き渡ったサイレンとともに始まる惨劇に巻き込まれていく。

夜見島(やみじま)

本作の舞台。鳩によく似た形をした日本近海の孤島で、作中には8か所の地区が登場する。
正式な首長ではないものの、古くから島を取り仕切っている太田家の存在がある。
昭和初期に金鉱地として栄えていたが、資源の枯渇により昭和45年に廃坑。夜見島港も閉鎖された。
名前の由来は、「闇島」「忌み島」「黄泉島」ではないかという説がある。
どこか排他的な空気の漂う島で、外部と交わることを良しとしない閉鎖的な土地だが、これは「海から来たものは穢れ」という独自の風習に由来する。
このほか、近隣の島でも呪われた地として忌避されており、島を訪れる人がそもそも少ないことも理由にある。
全島民失踪事件やブライトウィン号遭難事件など数々の怪事件が起きていることから、一部のゴシップ誌ではこの島周辺を「日本のバミューダ」と揶揄している。

各素材に全く包丁を入れずに調理をし、月の下で食べるのが作法とされる夜見鍋など、独自の食文化も存在している。
美味だが軽度の幻覚作用があり、高確率で下痢を引き起こす夜見アケビという植物が自生しているほか、甲羅に怒る人の顔の様な模様のある夜見亀が生息しているなど、生態系も独特である。

ブライトウィン号消失事件

本編開始の19年前、大型客船であるブライトウィン号が、「大波に飲まれた、座礁する、女の」という通信を最後に夜見島近海で消息を絶った。
乗員のほか、矢倉市子たちを始めとする県立亀石野中学校テニス部の生徒たち一般客が乗船していたが、船は彼らを乗せたまま忽然と消失。
ただ一人生存したのは、亀石野中学校2年の生徒、木船倫子のみであった。
彼女は双子の娘、郁子と柳子を妊娠しており、この事件がこの娘たちの人生を大きく狂わせる元凶となる。

巫秘抄歌(こうなぎひしょうか)

夜見島に代々伝わるわらべ歌。
全7番から成る構成で、巫が舞って7つの門の7つの封印を解くという筋書きになっている。
メソポタミア神話における「イシュタルの冥府下り」をベースに作られており、歌詞には王冠、耳飾り、首飾り、胸飾り、腰帯、腕輪と足輪、残された衣服など共通したモチーフが登場する。

屍霊(しりょう)

数億年前に地上で光の洪水が発生した際、虚無の世界へ逃げ遅れてしまった者たちの成れの果てが屍霊である。
逃げ遅れたことで現実世界の海底に逃げ込み、長い間留まっていたため肉体が消滅してしまい、黒い靄のような姿になった。
元は後述の「闇霊」と同じものだったが、海底では光を完全に遮断することは難しかったために劣化し、彼らの上位種にあたる闇霊たちとは違う存在に変質している。
夜見島周辺で光を遮るための人間の体を求め、古くから地上に干渉していたせいで、住民からは「穢れ」と呼ばれて忌み嫌われていた。
ゲームスタート直後は異界に蔓延り、死者を次々に屍人化させていたが、冥府の門を開いて闇霊が出没するようになってからは生存競争に負け、取って代わられてしまった。

屍人(しびと)

屍人。屍霊が人間の死体に取り憑くことで誕生する。

今作では屍霊が光を避けるためのシェルターとして人間の死体に取り憑いたものが屍人と呼ばれており、前作『SIREN』に登場していた屍人と姿はほぼ同じだが起因は異なる。
死体に取り憑くことで光に対する弱点を克服しており、ある程度明るい場所でも人間を見かけると死体(シェルター)を増やすために襲い掛かってくる。
基本的に動きが遅く、簡単な陽動に引っかかってしまうなど知能も高くないが、生前の行動をある程度トレースしているのか、狙撃の腕が良い個体や自動車の運転ができる個体も存在している。
屍人を倒すと中の屍霊も死滅し、新たな屍霊が取り憑くまではただの死体に戻るため半永久的に復活を続けてしまう。
しかし明るい街灯の下で倒しておくことや、倒した死体の上に自動車を止めておくことで屍霊が取り憑くことができなくなり、復活を阻止することが可能。

闇霊(やみれい)

地上に降り注いだ光の洪水に追いやられた際、虚無の世界に逃げ込むことができた者たちが闇霊である。
光が一切入らない虚無の世界にいたことから、光に対しての耐性はゼロに等しい。
屍霊と比較するときちんと実態のあるものに見える姿をしているが、作中の闇霊は母胎と融合した後に再分裂したもののため元の身体を維持することができず、黒い布でくるんだ芋虫の様な姿をしている。
元の姿はアーカイブ「未確認生物の化石」で見ることができ、それによると元はしっかりした骨格を持った生物だった様子がうかがえる。
屍霊のことを光で劣化した下等種と見下している節があり、一方の屍霊は光の洪水が起こった際に見捨てられたことに対して恨みがあるため、両者は互いに敵対しあう関係となっている。

闇人(やみびと)

闇人零式

人間の死体が闇霊に憑依され、身体的構造も変化したものを闇人と呼ぶ。
白い顔から血ではなく黒い液体を流しており、日の光を克服できていないために頭巾や布を何重にも重ねて被り、傘を差している者もいるのが見た目の特徴。
屍人と比較すると動きは非常に素早く、戦闘能力は高くなっている。知能も上がって人間の言葉を流暢に話しており、単純な陽動にも引っかかることはない。
依り代である人間の死体のことを「殻」と呼んでおり、憑依したものよりもスペックの高い殻を求める旨の発言をしている者もいる。
付近の闇霊から生命力を補給できるほか、時間が経つと自己再生により復活してしまうため、穢れを吸い取る滅爻樹で対応するか、取り憑くための死体を爆弾などでバラバラにしてしまうことでしか完全に滅することはできない。
独自の言語である「闇人文字」を用いて文章を書いている。

闇人零式(やみびとぜろしき)

初期状態の闇人で、転化直後のためか乗り移った人間の記憶や性格を強く反映している。
真っ暗な闇の中でも俊敏に動き回ることができるが、光には弱く懐中電灯を当てるだけで顔を隠し、動けなくなってしまう。
人としての原型を留めているため、近接武器や銃火器を利用するほか、武器を持たない者は落ちている武器を拾って装備する。
素手の状態でも平手打ちや首を絞めるなどの攻撃を加えてくるため厄介だが、前述の通り光に弱いため懐中電灯で照らされるだけで怯んでしまうなど、屍人と比較すると強引に突破しやすい面もある。

闇人甲式(やみびとこうしき)

闇人甲式

男性の闇人がさらに転化した進化型。
下半身に大きな顔を持ち、そこから生えた人間の指のような形状の足で節足動物のように移動している。
基本的には噛みつきや殴打で攻撃を加えてくるが、特定のキャラクターは銃火器を装備していることもある。
また、周囲に真っ黒な靄を発生させており、近づくと視界を奪われてしまうため戦闘時は注意が必要。
闇人零式と同じく光に弱く、懐中電灯の光を浴びせると少しの間のみ怯ませることが可能。
正面からの攻撃は無力化されてしまうため、背後や側面に回り込んで攻撃を加える必要がある。
だが、無警戒状態の際は正面からの攻撃で大ダメージを与えられるほか、自動車での体当たりにも弱い。

闇人乙式(やみびとおつしき)

闇人乙式

女性の闇人が転化した進化型。
大きな顔と、鳥類の足のようになった二の腕を持ち、四足歩行で素早く移動する。
二の腕が退化しているため、基本的には体当たり(頭突き)で攻撃してくるが、甲式同様に攻撃力は高く、正面からの攻撃を無効化する。
ただし光には弱いため、零式、甲式同様に懐中電灯の光で短時間怯ませることができる。

甲式、乙式も零式同様に黒い布を体に巻いているが、その下は比べ物にならないほどの異形へと変容している。

GrimLT2
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@GrimLT2

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