SIREN2(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『SIREN2』は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(通称SCEI)より発売された、プレイステーション2用の3Dアクションホラーゲーム。
舞台はかつて原因不明の海底ケーブル切断による大停電と、全島民消失事件があった日本近海の孤島・夜見島。島にまつわる数々の事件を調査に訪れた雑誌編集者、輸送ヘリのトラブルにより島に不時着した自衛隊員たち、過去への思いから島に足を踏み入れた作家など、様々な事情を抱えた10名の登場人物たちが、午前0時に響き渡ったサイレンとともに始まる惨劇に巻き込まれていく。

アーカイブ

出典: youtu.be

収集したアーカイブはギャラリーで確認できる。

本シリーズはシナリオクリア時や、プレイ中にアイテムを取得することで収集できる「アーカイブ」がある。
収集しなくてもゲームクリア自体は可能だが、収集することによって難解なストーリーを補足し、全容を解明できるシステムになっている。
写真や拾ったアイテムの解説のほか、動画や音声と内容も充実しており、隠しアーカイブも含めると全100点と非常に数も多いため、収集すること自体がゲームをやり込むことに通じている側面もある。

『SIREN2』の登場人物・キャラクター

操作キャラクター

一樹 守(いつき まもる)

演:斎藤 工
ミステリー科学雑誌「アトランティス」の若手編集者。20歳。
本作のメイン主人公。
現実主義で論理的な性格の若者だが、かつて交際していた女性を自殺未遂に追い込んでしまった経験から、女性に対してやや甘い対応を取ってしまう節がある。
29年前に夜見島で起こった事件について初めて記者として特集記事を掲載するチャンスを得て、調査のために島に向かっているところを船ごと異界に取り込まれてしまった。
流れ着いた夜見島で出会い、保護した岸田百合に協力しながら島にまつわる謎を解明するべく奮闘するも、彼女に利用されて冥府の門を開け、母胎の復活に加担してしまう。
その後、冥府の門の前で窮地を救ってくれた木船郁子の心を図らずも傷つけてしまったこともあり、絶望と怒りを原動力に怪異に立ち向かうようになっていく。
怒りから冷めた後は疲れ果てて自暴自棄に陥るが、偶然出会った永井頼人に背中を押され、闇人の地上侵出を阻止する決意を新たにして彼と共に鉄塔へ向かう。

永井が鉄塔から落とされてしまってからは再会した木船郁子と共に特異点に飛ばされ、共闘して母胎と直接対決に臨んだ。
母胎を倒し、木船と共に現実世界へ帰することができたものの、その後の足取りはわかっていない。

木船 郁子(きふね いくこ)

演:柳沢 なな
夜見島付近の船着き場でアルバイトをしていた女性、年齢は18歳。
一樹たちが夜見島に向かう際に乗っていた漁船でアルバイトをしている際に異界に飛ばされ、一連の怪異に巻き込まれた。
幼い頃から強い精神感応性を持っていたことや、胸にある痣が原因で周囲から気味悪がられて育った過去があるため、他人との関わりを避けて暮らしている。
屍人や闇人を操ることができる「感応視」の能力を持っており、母胎に操られて取り込まれかけていた一樹の窮地をその能力で救い、彼と共にその場を逃げ出した。
しかし、その力について知った一樹に気味悪がられていることを察し、深く傷ついて彼の前を立ち去ると、その後は単独行動を取っていた。
その後鉄塔で再会し、和解した一樹と共に闇人の地上侵出を阻止するべく共闘。
特異点での母胎との闘いに勝利を収めたのち、一樹と共に現実に帰還したものの、彼女もまたその後の足取りはわかっていない。

彼女の正体は、19年前に夜見島付近で起こった「ブライトウィン号消失事件」の際、ただ一人生還した女子中学生・木船倫子が当時妊娠していた双子の娘のうちの一人。
阿部倉司の恋人であった田河柳子とは生き別れた双子の姉妹にあたる。

永井 頼人(ながい よりと)

演:蛯名 清一
自衛隊の陸士長、年齢は21歳。
物資輸送訓練中にヘリコプターの機体トラブルで夜見島に上陸し、上司である三沢岳明と共に一連の怪異の原因を探っていた。
しかし三沢に対し元々快い感情を持っていなかったこともあって彼に対して憤りを露にしてしまい、その後は単独で動いていた。
「成績は優秀だが、感情に流されやすい面がある今時の若者」としての人物像を描かれているが、島に上陸してからの数多の実戦を経てその精神性は急成長を遂げるように。
自暴自棄になっている一樹に立ち直って戦うことを促し、彼と二人で鉄塔を登るも、闇人甲式と化した太田常雄に突き落とされてしまう。
再び一人になった彼は最後まで足掻き続けることを決意し、フェイスペイントを施して自らを鼓舞し、「逆切れモード(本人談)」で特攻。
闇人と化した沖田や三沢を倒して因縁に自力で決着を着け、その後もたった一人で島に上陸した堕慧児も滅することに成功している。
しかし最終的に闇人が地上奪還に成功して人類が滅びてしまっている並行世界へ落とされた彼は、とうとう正気を失ってしまったのであった。

自衛官という職業柄、協力な銃器を初期装備として携行しており、耐久力も高いため、操作しやすいキャラクターである。

喜代田 章子(きよた あきこ)

演:岬 奈実
占い師。29歳。
29年前、母親が夜見島近くを航行していた観覧船から転落した際、母胎の「鳩」の因子に寄生され、そのために「過去視(サイコメトリー)」の能力を持って産まれた女性。
この能力を活かし、占いサロン「マドモアゼル夢魅」を経営している。
友人である田河柳子殺害の容疑者である阿部倉司が店に押し入ってきて無罪を主張した際、その能力で何かを感知して彼に協力することを決め、二人で夜見島を目指すことになった。
喜代田の母に植え付けられた因子は元は田河柳子と同じ顔をした少女・加奈江を構成していた闇霊であり、そのため喜代田が謎を解き明かすたびに加奈江との同調が進んでいく。
徐々に喜代田本人よりも加奈江の人格が出ている時間が多くなり、仮眠を取っている阿部をその場に残して単独行動を始める喜代田。
彼女がすべてを知ったその時、喜代田章子としての人格は消滅。加奈江そのものに変わってしまった。

最後は加奈江として三上脩の霊体を追って最終決戦の場に駆け付け、母胎に取り込まれた彼の身体を取り戻すべく、討伐に大きく貢献した。
母胎討伐後も喜代田に戻ることはなく、加奈江として赤い海の中で三上と共に永い眠りにつくことになる。

阿部 倉司(あべ そうじ)

演:中村 英司
田河柳子殺人事件の容疑者。24歳、フリーター。
言動こそ粗暴だが、根は優しく面倒見はいい性格。数々の怪異に巻き込まれる中でも、決してマイペースさを失わない逞しさも兼ね備えている。
恋人の田河柳子を殺害したとして指名手配されてパニックに陥り、柳子の友人である喜代田章子の元に押し入って無罪を主張した。
喜代田が阿部を信じたことで、彼が遭遇したというもう一人の田河柳子を探すべく、二人は夜見島へ向かうことになる。
仮眠中に加奈江になりつつあった喜代田に置いて行かれてしまったことで単独行動となるが、道中で三上の霊やツカサと遭遇しながらマイペースに島を彷徨っていた。
自生していたものを拾い食いをした夜見アケビで食あたりしてしまい、駆け込んだトイレに吸いさしのタバコを投げ込んだところ、それが地中に充満していたメタンガスに引火。
大きな連鎖爆発を起こしてしまうが、これが現実世界と異界を結ぶリンクである鉄塔を崩壊させたことで母胎の地上侵攻を食い止めており、意図せず、そして本人も与り知らぬところで密かに世界を救っている。
最後は怪異の原因である母胎や堕慧児がもともと存在しなかった並行世界へ飛ばされるが、母胎が存在しないということは、彼が心から愛した田河柳子は存在しない世界でもある。
全てが消えていったことを悟った彼は、飼い主を失い、同じ世界に飛ばされてきたツカサとただ寄り添うのであった。
このエンディング後にアーカイブを確認すると、阿部と柳子が写っていた二人の写真から、柳子の姿だけが忽然と消えている。

手先は器用な様子で、本作中で唯一狩猟罠の設置と解除ができる登場人物である。
また、砲台跡で木製バットを手に入れておき、のちに条件を満たせば強力な隠し武器である「釘バット」を手に入れることが可能。

三沢 岳明(みさわ たけあき)

演:ピエール瀧
永井頼人の上官で、階級は三佐。38歳。
やや偏屈な性格だが切れ者で、怪異の原因に近いところに位置する岸田百合や矢倉市子の正体を一目見ただけで勘付くことができる人物。
2年前、前作『SIREN』の舞台である羽生蛇村土砂災害現場にて、唯一の生き残りである少女の救出にあたったが、その際に霊感があった三沢は怪異に触れてしまっていた。
以降は悪夢や幻覚に悩まされており、精神が高揚する類の薬を服用している。
この薬の作用や、夜見島での極限状態のサバイバルで徐々に精神が侵されていき、これが原因で元々快く思われていなかった永井に突き放されてしまった。
正体を怪しむ矢倉市子に銃を突きつけ尋問していたところ、偶然その場を目撃した永井に妨害され、弾みから射殺されてしまう。
のちに闇人として甦った際は腹痛に苦しむ阿部倉司を追い込み、闇人甲式に進化してからは機関拳銃を携えて永井を探し続けていた。
最後はその永井の手によって倒され、堕慧児に吸収されていった。

他の登場人物では飛び降りても着地できず動けなくなるような崖も軽々と飛び降り、走り続けていても息切れすることもほとんどない、操作キャラクターとして性能が非常に高い登場人物でもある。

藤田 茂(ふじた しげる)

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