Another(小説・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『Another』とは、綾辻行人による日本のホラー小説、およびそれを原作とした漫画やアニメ作品である。小説は『野性時代』(角川書店)にて2006年より連載を開始した。
物語は1998年に夜見山北中学校3年3組で起こる不気味な出来事を中心に展開する。転校生の榊原恒一は、謎めいたクラスメイトの見崎鳴とともに、クラスにかかる「呪い」の真相を探ることになる。読者の予想を裏切る展開や独特の雰囲気が魅力のミステリー・怪奇作品である。

主人公のクラスメイトで、出席番号は16番。黒髪ロングに前髪パッツンという美少女の容姿を持つが、出番が少なく不遇なキャラクターである。前席の藤巻奈緒美や有田松子、中島幸子と仲が良く、一緒に弁当を食べるシーンが描かれている。7話では、久保寺紹二先生が自殺した際に藤巻を介抱していた。吹奏楽部に所属し、フルートを担当している。身長167cmと背が高いのも特徴である。自殺事件後も授業には出席していたが、合宿には参加せず、最後まで生き残った。

辻井 雪人(つじい ゆきと)

CV:浅利遼太
アニメ版にのみ登場するキャラクターで、出席番号17番。眼鏡を掛けた少年であり、柿沼小百合とは読書仲間である。すぐ後ろの席に座る川堀健蔵とも仲が良い。合宿にも参加しており、杉浦多佳子の館内放送を聞いて川堀らと共に見崎鳴を襲撃しようとするが、三神先生に止められる。恐怖に駆られてモップを振りかざし、誤って三神先生の頭部を出血させて気絶させてしまう。これを見た榊原恒一に殴られ、その隙に恒一と鳴に逃げられてしまう。その後、柿沼、川堀、渡辺珊と共に火災から避難中に落下してきたシャンデリアの下敷きになるも、柿沼、渡辺と共に生還する。この最中に眼鏡を失い、眼鏡を外すとかなりのイケメンであることが明らかになる。
その名前と設定から、原作者の綾辻行人がモデルではないかという説がある。なお、同作者の『人形館の殺人』には同姓同名の人物が登場する。

中尾 順太(なかお じゅんた)

CV:河西健吾
夜見山北中学3年3組のクラスメイトで、出席番号は19番。赤沢泉美率いる対策係の一人であり、赤沢に惚れている。原作では、クラスメイトに対して赤沢に忠実に従う姿を哀れに思われており、そのため赤沢に気に入られている榊原恒一をあまり良く思っていない様子がうかがえる。漫画版では肥満体質として描かれているが、アニメ版では長身でがっちりした体格に変更され、目が小さく少し悪人顔である(他の生徒たちが目が大きく描かれていることから)。

原作と漫画版では合宿先で死亡するが、アニメ版では8話の水着回で強風に飛ばされたビーチボールを取りに行く途中で動かなくなり、その後モーターボートのスクリューに巻き込まれて死亡したかに見えた。しかし、実際にはその日の朝に自宅の階段で転倒しており、脳挫傷が原因でボートに轢かれる前に既に死亡していたことが9話で判明する。彼の死は対策係の仲間である杉浦多佳子に大きなショックを与え、さらなる悲劇を招くことになる。

中島 幸子(なかじま さちこ)

アニメ版にのみ登場するキャラクターで、多々良恵や有田松子と仲が良く、一緒に弁当を食べるシーンが描かれている。小椋由美とは美術の授業で一緒だった。

第7話では、担任の久保寺紹二が自分の喉を刺して自殺するが、前席の桜木ゆかりがすでに死亡していたため、その返り血を大量に浴びてしまう。この事件のショックで、その後の授業には登校せず、合宿にも不参加となったが、最終的に最後まで生存した。

藤巻 奈緒美(ふじまき なおみ)

アニメ版にのみ登場するキャラクターで、金髪ショートヘアにややガングロの少女である。出席番号は21番で、軟式テニス部に所属している。後席の多々良恵や江藤悠と仲が良く、咳き込む和久井大輔を心配するシーンもある。久保寺紹二先生が自殺した際には、多々良に介抱されていた。その後の合宿には参加せず、第7話を最後に登場していない。

前島 学(まえじま まなぶ/演:佐々木隆一朗)

CV:河本啓佑
主人公と同じ3年3組の生徒で、小柄な体格ながら剣道部のエースを務めている。水野猛や川堀健蔵、米村茂樹といった体育会系の仲間たちとよくつるんでいる。

原作とアニメ版では、合宿中に食堂を覗いた際、死亡している管理人を発見するが、その直後に管理人妻に背後から襲われ重傷を負う。原作では出血多量で死亡するが、アニメ版では赤沢泉美、勅使河原直哉、千曳辰治の迅速な対応により一命を取り留める。その後、病院でクラスメイトたちと話すシーンが描かれている。

一方、漫画版では合宿中に焼死する。また、実写版ではオタク男子として描かれ、終盤ではチェーンソーを使って閉じ込められたクラスメイトを救出する活躍を見せる。

裏設定として、姉が剣道をやっていた影響で自身も剣道を始め、剣道部のエースに成長したという背景がある。

松井 亜紀(まつい あき)

アニメ版『Another』にのみ登場するキャラクターで、出席番号は23番。こげ茶色のボブカットで、ふんわりとした印象を持つ。作中では金木杏子と常に行動を共にしており、二人は百合担当キャラクターとして描かれている。

金木杏子とは非常に親しく、教室では前後隣同士の席に座り、授業中もすぐそばにいる。下校や放課後も一緒に過ごし、合宿では相部屋、トイレや火事場からの避難まで共に行動している。また、OVAでも二人でモブとして登場するシーンがある。

合宿場の放火の際、金木と共に避難していたが、風見智彦に金木が殺害されてしまう。風見の本来のターゲットは恒一であり、金木は不運にも巻き込まれる形となった。金木を殺されたショックと恐怖に震えながら、松井は必死に逃げて榊原恒一に助けを求めるが、背後から喉を刃物で突き刺され、無惨な最期を遂げた。

水野 猛(みずの たける/演 : 清水元揮)

3年3組の男子生徒で、バスケットボール部に所属する長身・短髪のスポーツマン。看護師の姉、水野早苗とは姉弟仲があまり良好ではない。見崎鳴について聞かれた際には、「いないもの制」を厳守していた。前島学、米村茂樹、川堀健蔵と仲が良い。

原作・漫画版・アニメ版のいずれでも最後まで生き延びる数少ないキャラクターの一人である。しかし、原作とアニメ版では本人が直接話すシーンが一切なく、キャラ設定とは対照的に存在感は薄い。さらに、アニメ版では合宿に不参加だったため、後半には一切登場しなかった。
一方、漫画版では姉の死に関して榊原恒一に良い感情を抱いていなかったが、合宿で恒一が倒れた際には勅使河原直哉と共に彼を介抱したシーンが描かれており、原作よりも存在感が増している。
実写版では、恒一への憎悪が増し、合宿で彼を殺害しようとした際に誤ってガス栓に引火し、爆死する。

米村 茂樹(よねむら しげき)

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